この作品もこれで10話目ですね、パチパチー!こないだ投稿した第9話、指摘コメントをいただきました。正直深夜テンションだったので、色々齟齬がありましたね。単なるアンチではなく、しっかり読み込んでくれた上でこちらに対する思いやりも垣間見えつつビシッと指摘してくれました。めちゃくちゃ嬉しいです、ありがとうございます。これからもどうか見限らず、碧君をよろしくゥ!!(デネブ並感)
※今回かなり雑ですがご容赦ください。もっと鍛えなあかん
CODE10 波乱の前の平穏
今、碧の前には様々な水着を前にきゃいきゃいと騒ぐシャルロットと簪がいた。
「…………楽しそうだし、まぁいいか……。」
なぜこんなにも碧が疲れているのか。それは数日前まで遡る………。
「そういえば、そろそろ臨海学校の季節だね。」
発端は、碧、簪、シャルロットでの昼食の時間に簪が何気なく発したこの言葉。そしてそれに、シャルロットが反応したこと。
「臨海学校……?そんなのあるんだ?」
「うん。名目上はフィールド外でのIS操縦訓練のため。」
「……なるほど、確かに一理あるね。」
碧も頷くが、簪はさらに言葉を続けた。
「……訓練のため、なんだけど。毎年最初の1日目は着いてすぐ自由時間になることが通例なの。」
「つまり?」
「………ハッ、まさか!?」
「そう。つまり───水着がいる!」
早々に勘づいたシャルロットと、その言葉を聞き、『あぁそういうことか。』と手を打った碧。
「…どうしよう、ボク本国から持ってきてない……。」
「大丈夫。この前まで男装してたんだし、そんなことは想定済み。だから、今度買いに行こう。」
「せっかくだし、僕も水着を新調しようかな。」
「それなら、一緒に買いに行く?シャルロットと3人で。」
簪の言葉を聞き、飛び上がったのはシャルロット。
「あ、碧も来るの!?」
「…不快なら僕1人で行くけれど……。」
碧は眉を曇らせるが、簪は……。
(鈍感すぎ…………!)
と、多少げんなりしていた。
「うっ、ううん!そ、そそそんなことないよ!」
「じゃあ、今度の週末、レゾナンスね。」
そんなこんなで3人でのショッピングと相成った。
「こ、これは露出多くない…?」
「大丈夫、シャルロットなら似合うって。」
シャルロットへニコニコと水着を突きつける簪を横目に、碧もまた自分の水着を選んでいた。華美でなく、動きやすいもの。
「……これにするか。」
濃青色のズボン型の水着を手に取ってレジへと向かう。IS学園にほど近いということもあり、周囲には女性だらけ。好奇の目に晒され、ほんの少しだけ居心地が悪い。
「…碧くんもう選んだの?」
「まぁ、オシャレとかにはあまり興味がないし。」
「……もったいない。顔いいのに。」
「そうかな……。」
「だから、後で碧くんの私服も買おうよ。」
「…そうしようかな。」
そう答えた。答えてしまったのが運の尽きだった。この後散々着せ替え人形にされ、店員も乗っかり碧が珍しく音を上げるまでファッションショーは続いた。
そして冒頭に戻り──彼は店先のベンチでげんなりとしていたのだった。そして、ふと視線を向けた先に………。
「…一夏?」
視線の先には、一夏と箒──あとはそれを尾行するセシリア鈴ラウラ。バレバレの尾行をしている彼女達の、そして持ち前の鈍感さとデートで浮かれた気分のせいか全然気づいていない一夏と箒の様子になんだか微笑ましい気分になった。
(…箒、一夏が好きなのがダダ漏れなのに、なんで気づかないんだろう。鈍感だな……。)
碧/碧くんが言わないで!!!
byシャルロット&簪
「あっ。碧〜!」
「ど、百目木だと!?」
一夏が箒の手を引き、駆け寄ってくる。これで付き合っていないというのだから恐ろしい(碧談)。
「一夏、箒。買い物?」
「まぁな。どうしたんだよ、なんか疲れてるけど。」
「……ちょっと、色々ね…。」
「「???」」
ぐったりとした苦笑を浮かべる碧に、2人は首を傾げる。
「シャルロットと簪に付き合ってたんだ。僕は休憩中。2人はあっちで水着選んでるよ。」
「あぁ、なるほどな。…そういえば箒は水着大丈夫か?」
「あ、あぁ。私はもう買っている。」
「そっか。」
「…デート中なんだろ。僕に構わず、行ってきなよ。僕はシャルロットと簪の付き添いだしね。」
「そ、そうだな。で、では行くぞ、一夏!」
「あっおい待てよ!」
箒を追いかけ、一夏も駆け出していった。
「………頑張れ、箒。」
───────────────
碧のいた店から逃げ出すように離脱した箒は、肩で息をしながら立ち止まった。心臓が破裂しそうな拍動をしているのは、走ったからだけではない。
「はぁ…、はぁ………。どうしたんだよ箒………。」
幾分かぐったりとした様子の一夏は、ぱたぱたと手で自らを扇ぐ。
「な、なんでもない!」
1秒でも2人きりでいたかった、というのが本音だが、気恥ずかしさから彼女もそれを言うことはない。鈍感クソボケな一夏と、ツンデレの箒。ある意味お似合いというべきかなんというか。
「……服が欲しかったのか?それなら…。」
「いい!」
箒は激怒した。必ずやこの鈍感クソボケを振り向かせなければならないと決意した。
「な、なんだよ………。」
困惑した様子の彼を見て、もはや呆れが湧いてくる。頭を抱えたくなったが、すんでのところで堪えた。偉いぞモッピー。
「……腹が減った。どこかで食事にしよう。」
「…もう昼かぁ。そうだな、そうするか!」
うん!と元気よく頷く一夏。内心ため息をつきそうになりながら、目に付いたファミレスへと入っていった。
───────────────
そして夕方。
「──で、君達は一夏をどうにかして自分に振り向かせたいと。」
「はい………。」
ため息をつく碧と、項垂れるセシリア&鈴&ラウラ。
どうしてこうなったのかといえば、買い物から帰ってきてさぁ部屋に戻ろうとしていた碧&シャルロット。しかし待ち構えていたのは箒を除く一夏ラヴァーズ。とりあえず彼女らを中に入れ、ベッドを椅子代わりにして話を聞いていた。
「…………………もう共有しちゃえばいいんじゃないかな。」
「碧!?」
「きききききき共有ですの!?」
「そ、そそそそれってつまりそういうことよね!?」
「………?どういうことだ。なぜ共有することが一夏を振り向かせることに繋がる?」
「それはね──」
仏蘭西少女説明中………
「………………!!?!?!?」
「もうさ、アイツにはそれくらいが丁度いいんじゃないかなって僕思うんだ。一夏には春が来る、君たちには一夏がある。ほらWin-Winじゃないかあはは。」
「ど、どうしたの碧!?なんか変だよ!?」
「シャルロット、僕はもう面倒くさくなってきたよ。あいつの鈍感さにはもうこれくらいしか残されていないんだよきっと。」
「だからって思考放棄しないで!?」
「で、ですが碧さんの言うことも一理ありますわ。お互いの牽制に加えて鈍感な一夏さんへのアプローチ、このままでは埒が明かないのも確かですもの。」
「ならいっその事結託してみんなで一夏をオトそうってことね………。」
「…それも1つの方法ということか。」
「まぁ決めるのは君達だけどさ。本当にアイツは………。」
(碧も人の事は言えないと思うけど………。)
はぁ、と小さくシャルロットはため息をつく。一夏はもはや悪質なまでに鈍感だが、目の前にいる彼もどっこいどっこいだと彼女は思うのだ……。
難産でした………。一箒エミュが難しいんじゃい……。なのでもう諦めて無理やり恋愛相談に持っていきました。頑張ったには頑張ったから勘弁して、後生だから……。
次回予告!
1.着いたぞ、海ー!
2.碧の所属企業、その名はDGEコーポ!
3.ビーチバレーで本気を出すやつがあるか!?
次回、IS─OVER THE SKY─
第11話『嵐の前の静けさ』お楽しみに!