というわけで臨海学校です。プロセカだったり臨海学校をネタにするアニメ・ゲーム結構ありますけど、実際のところ今どき臨海学校がある学校ってあるんでしょうか。私の学校にはありませんでした。
ちなみに今作の楯無さん↓
楯「あーんもう仕事が終わらないわ!百目木君のこともまったく分かんないし!」
虚「知りません頑張ってください。…それはともかく、彼の操縦技術はいったい………。」
てなわけで登場はもうしばらく後。出すタイミングを伺ってます。
鐘の音が聞こえる。静かに鳴り響き、イマを刻んでいる。
生まれ変わる前の、あの世界が、白く明け残っていた。その光が、まるで遠くにある灯りのように、だがしかし吹き消される寸前のようにちらついている。
黒い太陽が、白い湖が、紅い華が、蒼い月が、そして、水晶の振り子が何かを訴えるように揺れていた──。
「───……。」
「あっ起きた?もうすぐ着くって。」
「…分かった。」
先程まで眠っていた彼、百目木碧は、目を擦ってシートに預けていた体を起こす。隣ではシャルロットが目を輝かせて窓の外を見ていた。
(不思議な、夢だったな…………。)
夢を思い起こそうとした瞬間、バスはトンネルを抜け青い空と海が目に入る。
「海だぁー!!」
「わぁ………!」
「綺麗な海だな。」
さながら南国リゾートのようなその様子に、シャルロットは勿論、碧も頬を緩めた。
「もうすぐ着くので、ちゃんと座っていてくださいね〜。」
山田の号令が響き、各々の席に戻っていった。
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程なくして、目的地である『花月荘』へと到着。出迎えの女将に挨拶を返し、自分の部屋へと荷物を持っていく。
「そういや、俺達の部屋ってどこだっけ?」
「そうだね、女子達とは別の部屋を用意するとは聞いていたけれど………。」
碧も首を傾げる。いくら男だからといって床で寝るのは勘弁蒙りたいが…………。
「織斑、百目木。お前達の部屋はこっちだ、ついてこい。」
千冬に呼ばれてついて行った先の部屋には、『教員室』の張り紙。
「俺と碧が同室ってわけには…………?」
「最初はそうしようとしたがな、それだと消灯時間を無視した女子どもが押し掛けてくるだろう。よって却下だ。」
頭痛を堪えるかのようにこめかみを押さえる千冬。その気苦労は察して余りある。よって2人も『あぁ、なるほど………』と頷いて反論することはなかった。
「よって、織斑は私と、百目木は山田先生と同室となる。」
「よろしくお願いしますね〜。」
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
ドアから顔を出しにこやかに笑う山田に、碧も微笑みを返す。
「大浴場も使用できるが、混乱を防ぐため一部の時間のみとなる。すまんな。」
「そればかりはしょうがないですね。」
「そうだよなぁ………。」
苦笑いを浮かべる碧と、肩を落とす一夏。千冬もまた苦笑い。
「ともかく、今日一日は自由時間とする。荷物を置いてから楽しんでこい。」
その声に頷きを返し、碧は山田のいる部屋へ入る。
「荷物はそっちに置いてくださいね。更衣室は旅館の裏手にあるそうですよ。」
「わかりました、ありがとうございます。」
荷物を置き、水着を取り出しながら外を見る。砂浜には既に何人か女子が飛び出していた。
「あはは、早いですね〜。」
「僕も行ってきます。先生も後で来るんですよね?」
「あ、はい。私達も水着で出ますよ。」
「じゃあ、また後で。」
「はい、行ってらっしゃい。」
部屋を後にし、更衣室へ。途中で一夏とも合流し、談笑しながら水着へと着替えた。
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「あっ織斑くんと百目木くん!」
「ねぇ私の水着変じゃない!?このまま見せても大丈夫!?」
「百目木くん腹筋割れてる〜……。」
女子のキラキラとした視線に、一夏と顔を見合わせて苦笑する。ある程度好奇の目で見られることは想定していたが、こうも期待されているとかなりむず痒い。
「碧って、細いのに鍛えてるんだな。」
「まぁ、当たり前だろ。僕だってISで戦うんだから、特に体幹は大事だよ。」
「碧ー!」
そんな彼らのもとに、水着を着たシャルロットと、簪が駆け寄ってくる。シャルロットはイメージカラーのオレンジのビキニに黒のアクセントがついたミニスカート。対する簪は紫のフリルがついた白いワンピース型。
「……………。」
「……碧くん?どうした、の?」
「………いや、綺麗だと思って。」
「〜〜〜〜〜っ!!」
「げふっ!!?」
バシンと繰り出した簪の平手が彼の鳩尾にクリーンヒット。なんとか膝をつかなかった彼を褒めてやってほしい。
「おいおい………。」
碧に肩を貸す一夏も苦笑気味だ。と、そこへ。
「「「「一夏/さ〜ん!!」」」」
「「うわぁぁぁっ!?」」
前から順にセシリア、鈴、ラウラ、箒が一斉に一夏目掛けて飛び込んだ。そして碧もまた巻き添えを食い………弾き出されて砂に転がる。
「酷い目に遭った…………。」
「ふ、ファイトー………。」
苦笑いをするシャルロットの手を借りて起き上がる。
「ボク達は泳ぐけど、碧はどうする?」
「じゃあ、僕もそうしようかな。」
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「痛たた…………。」
赤くなった腕をさすり、彼ら3人はパラソルの下で休んでいた。なぜ彼の腕が赤くなっているのか。それは……。
「織斑先生のスパイク受けたもんね……。」
つい先程開催されたビーチバレー大会。その中で千冬のスパイクを見事受けきってみせた。それも数回。だがしかし、その代償というべきか腕は赤くなり、ひりひりとした痛みを訴えている。ちなみに試合には惜敗した。
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とまぁそんなこんなで夕食の時間。障子を取っ払い、大広間を繋げた宴会場にて、彼らは夕食を取っていた。
「難しいなぁ………。」
「シャルロット?どうしたんだい?」
「バゲッツが上手く使えなくて………。」
「バゲッツ?……あぁ、箸のことか。」
彼女の手元を見、碧は内心手を打った。そういえば彼女はフランス人であり、箸には馴染みがないだろう。
「お刺身は美味しいんだけど……。」
「……よし、それなら口を開けて。」
「え?………ぁ。」
あーん、と開いた口に、彼女の箸で刺身を突っ込んだ。
「………………ッ!?!!?!?」
ぼふん、と音を立てて彼女の顔色が朱一色に染まった。
「に、にゃんで…………!?」
「こうしたほうが早いかなって。…さすがに少し恥ずかしいけど。」
「なら、なんでしたのかな?」
ぽん、と肩に手が置かれる。嫌な予感がした碧が振り返ると、そこには………。
「なんで恥ずかしいのにしたのかな?ねぇ?」
席がちょうどクラスの繋ぎ目だった関係で偶然隣だった簪がいた。しかも何やら黒い笑みを浮かべて。
「碧くん男子。シャルロット女子。オーケー?」
「……………はい。」
圧をかけてくる簪に、碧は縮こまって屈するほかないのであった──。
ちなみにシャルロットちゃんの分は簪ちゃんが責任持って食べさせてあげました。
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波乱の夕食を終え、部屋にて。
「星が綺麗ですねぇ〜……。」
「ですね。」
碧と山田はベランダに出て空を見上げていた。都会特有の明かりは程遠く、星がよく見える。その時、碧の通信機が鳴った。
「どうぞ。」
「すみません。」
微笑みを浮かべる山田に甘えて、その場で通信を取る。
『碧?聞こえてる?』
「うん、聞こえてるよ。」
通信に出たのは金髪に碧眼、メガネをかけた優しそうな女性。
『そっちは今頃臨海学校よね。どう?楽しい?』
「今日は一日自由時間だったから、たくさん遊べたよ。」
『そう、良かったわ。お部屋は誰と一緒になったの?碧の知ってる子?』
「……それが、ちょっとワケありで、副担任の先生と一緒なんだ。」
『あら、そうだったの?』
「副担任の山田先生だよ。」
「へっ!?あ、ええと、IS学園1年1組副担任の山田真耶と申します………。」
『まぁ!初めまして、クラリス・ガーフィールドと申します。いつもうちの子がお世話になっております。』
「い、いえいえそんな!百目木君はとても優秀な生徒ですよ!」
「あはは、うちの子って………。」
『いいじゃない、一度言ってみたかったのよ。』
苦笑する碧に、クラリスと名乗った女性は楽しげな笑みを返してみせた。
『……ごめんなさい、仕事に戻らないといけないみたい。』
「いいよ、クラリスさんも忙しいのにごめん。」
『じゃあ、またかけるわね。夏休みには、帰っていらっしゃい。』
「うん、そうする。またね。」
ピッ、という音を慣らし、通信が切れた。
「………………百目木君、私の記憶違いじゃなければ、クラリスさんって…………。」
「あぁ、そうですね。DGEコーポの社長ですよ。」
「やっぱりぃぃぃ!!IS世界シェア3位の大企業じゃないか!?」
「はい。サザーランドは扱いやすいですし、僕も使ったことがありますよ。」
「道理でDGEコーポ製のライフルとか持ってたんですね………。…ということは蒼月って………?」
「そうですね、DGEコーポの試作機です。今度発表する量産機の試作機だそうです。」
「………聞かなかったことにしておきますね……。」
次回予告詐欺をした人間がここにいます、処してください(五体投地)
いやですね、最初はビーチバレーのシーン入れようとしたんですよ!でも私アニメしか見てなくってェ………、アニメだとダイジェストだからどうしたもんかなって書いてる途中でなってェ…………。なので私は悪くない、ダイジェストにしたアニメ制作側が悪い(責任転嫁)
でも大丈夫、今度はこんな愚は犯しません。ちゃんと次回は次回予告通りやります。ご覚悟を。
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ちょこっと余談。この世界では倉持技研を押さえてDGEが世界シェア3位になってます。だから蒼月は第3世代機です。第3世代だからといってKMFガニメデと間違えないように。いいですね!
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次回予告!
1.来たれ、銀の福音!
2.大天災・紫兎、とうとう降臨!
3.百目木碧という人間とは!
次回、IS─OVER THE SKY─
第12話『イマを刻むモノ』お楽しみに!