IS─OVER THE SKY─   作:くらんもち

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ということで爆速投稿〜!(当社比)
臨海学校編まではこっちに注力します。ダン戦レギオンズ楽しみにしてた方はごめんなさい。とりあえず臨海学校終わらせて出したいキャラ出したらそっちに集中するつもりです。

あっちなみに碧君のISスーツはブリタニアのパイスーイメージしてもらえば大体あってます。作者の個人的なイメージとしてはサザカス乗ってた時のやつ。

あと今回少し長め。


※碧君なんと束さんに興味持たれてますがそこは主人公補正ということでどうか。じゃなきゃ束さん亡国機業行っちまって色々面倒くさくなるし原作と変わらんから碧君おる意味無くなってまう………!


CODE12 イマを刻むモノ

 

臨海学校2日目。ISスーツを着た生徒達が浜辺に集合していた。

 

「そういえば、碧のISスーツって変わってるよね。全身覆ってるし。」

 

「まぁ、これはウチの特注品だからね。こっちのほうが落ち着くんだ。」

 

DGEコーポ謹製、男性用ISスーツ。急造のため使われている技術こそ既存製品の使い回しだが、その見た目はまるで一昔前のロボットアニメのパイロットスーツのようだった。

 

(クラリスさんには無理を言ったなぁ。ロイドさん達はノリノリだったけど………。)

 

「確か、今日は一日装備試験だったよね。」

 

「専用機がある人は送られてきた装備の試験運用に追われるらしいけれど。」

 

「碧はないの?」

 

「僕の蒼月は、飛翔滑走翼だったり、ランドスピナーとかで色々特殊だからね。拡張領域(バス・スロット)はほとんど使ってるんだ。」

 

「そっか、確かにそうだね。あの薙刀以外にも武器は入ってるの?」

 

「前に見せたアサルトライフルとか、バズーカとか、薙刀と同じギミックのある刀とか。変わり種だと、十手型の短剣もあるよ。」

 

「なるほど〜。」

 

「それでは各班ごとにISの装備試験運用を行え。専用機持ちは専用パッケージのテストだ。散開!」

 

『了解!』

 

「篠ノ之、お前はこっちだ。」

 

解散を命じた後、箒を名指しで呼び寄せた。そして……

 

──ヒュルルルルルルル…………

 

上空からの風切り音に一同空を見上げる。そして落ちてきたのは………

 

 

 

人参型のナニカだった。ハッチが開き……。

 

「ちーちゃ〜ん!さぁ熱いハグを─ぶべっ!?」

 

出てきたのは紫のエプロンドレスにウサミミを付けた不審者。不審者は千冬に抱きつこうとして、アイアンクローをモロに食らっていた。

 

「ぐぬぬ、相変わらず容赦ないなぁ。」

 

あっさりと抜け出した彼女は、ぷくー、と頬を膨らましていた。そして、その目が箒を捉える。

 

「やぁやぁ!箒ちゃんじゃないか!」

 

「……どうも。」

 

「何年ぶりかなぁ、大きくなったねぇ箒ちゃん。特におっpガンッ!「殴りますよ。」殴ってから言ったぁ!しかも鞘で殴ることないじゃん!!」

 

峰じゃないだけ、寧ろ刃ではないだけ温情では?一同は訝しんだ。

 

「はぁ………。束、いい加減自己紹介くらいしろ。生徒達が混乱している。」

 

「えぇ〜、めんどくさ〜い。はろー束さんだよ〜、はい終わり。」

 

「お前というやつは………。」

 

千冬、ため息。今頃胃痛が加速していることだろう。

 

「それで姉さん、頼んでいたものは……。」

 

「ふっふっふ、それはもう完成してるよ。さ、とくと御覧じろぉ!!」

 

ビッ!と上を指した先には、またもや落下物。赤いそれが墜落し、花弁が開くように開封されたそこには、紅のIS。

 

待ってそれブッドキャリアーじゃね???

                 by作者

 

「じゃじゃーん!これぞ箒ちゃん専用機こと『紅椿』!全てのスペックが現行のISを超える、束さんお手製だよ!」

 

「身内ってだけで専用機かぁ……。」

 

「なんかズルいなぁ……。」

 

「おいおい、有史以来世界が平等だったことなんて一度もないぜ?」

 

「平等でなくとも、公平さは必要だと思いますが……。」

 

苦笑混じりに苦言を呈したのは……。

 

「おやおや?君が百目木碧くん?噂は聞いてるよ〜。なんでも、色んな事件を解決したんだって〜?」

 

「待て束、なぜお前が知っている!?」

 

「束さんにかかれば、監視カメラをハッキングすることくらいヨユーヨユー♪」

 

「お前、お前ッ…………!!」

 

「まぁそれはともかく、百目木くんの言う通りだね。でも私は大天才束さんなので!」

 

まさしくゴーイングマイウェイ。そんな彼女に碧は再び苦笑する。

 

「あはは、そうですね……。」

 

「分かればよろしい。さっ箒ちゃん、今からフィッティングとパーソナライズ、やってこっか!」

 

「……はい。」

 

箒が紅いIS、紅椿に登場するのを見届け、碧はシャルロットの運用試験を手伝うことにした……。

 

───────────────

 

「はい、パーソナライズ終わり!」

 

数分後、そんな声が聞こえてくる。そして、碧を含めたほぼ全員が、自然と紅椿の周りに集まっていた。

 

「じゃあ箒ちゃん、ちょっと試運転で飛んでみて。」

 

「……はい。」

 

次の瞬間、紅椿は空高く飛び立っていた。

 

「速い……!」

 

「すごい、もうあんなとこまで!」

 

「どうどう?思った以上に飛べるでしょ?」

 

『え、ええ…………。』

 

オープンチャンネルにしているのだろうか、箒の声がこちらにまで聞こえてくる。

 

「それじゃあ──」

 

次は武器を使ってみよっか。そう束が言おうとした瞬間だった。

 

「お、おおおお織斑先生!大変ですっ!!!」

 

慌てた山田が、駆け寄ってきていた。

 

 

──────────────

 

花月荘の一室。機材が運び込まれ、教師陣がコンソールを叩いている。その部屋に、碧達専用機持ちはいた。

 

「2時間前、ハワイ沖で試験稼働中だったアメリカ・イスラエル共同開発の軍用IS『銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)』が暴走、監視空域より離脱したと報告があった。また、衛星による追跡と進路予測の結果、福音はここから2km先の空域を通過することが分かっている。」

 

「ま、まさか、そのISをわたくし達に迎撃しろと仰いますの?」

 

手をあげるのはセシリア。当然の疑問だ。疑問というよりかは、確認のほうが正しいが。

 

「その通りだ。察しがいいじゃないか。学園上層部からの通達により、我々が対処にあたる。空域及び海域の封鎖は教員が行う。よって、お前達は福音を墜とせ。」

 

「「「「……………。」」」」

 

「それでは作戦会議を行う。意見がある者は挙手をしろ。」

 

沈鬱な空気が広がるなか、碧が挙手。

 

「迎撃目標の詳細スペックはどのようなものでしょうか。」

 

「いいだろう。しかし、これらは2ヵ国の最重要軍事機密、何があっても口外するな。違反した場合、お前達には裁判と最低2年の監視がつく。」

 

「了解。」

 

フォン、と音を立て、ホロスクリーンが展開された。

 

「広域殲滅を目的とした特殊射撃型……オールレンジ攻撃が可能のようですわね。」

 

「電撃戦特化って感じね。下手したら甲龍より速いわよ。」

 

「この特殊武装が曲者か……。リヴァイヴの防御用パッケージがあるけど、連続の防御は難しいかも。」

 

「軍用ISだし、格闘戦に弱いということもないと思う。偵察が行えればいいんだけど……。」

 

「無理だな。福音は超音速での飛行を続けている。アプローチのチャンスは一度きりだ。」

 

「ということは、確実に仕留める一撃必殺の機体………。」

 

『…………。』

 

「俺ぇ!?」

 

そう、一夏しかいない。零落白夜は、ISのシールドを無視して強制的に絶対防御を発動させられる唯一の力。それを持つ彼にその役目が回ってくるのは自明の理。

 

「…一応、僕の超電雷撃である程度の足止めはできるだろう。本当に気休めだけどね。」

 

「これは実戦だ。覚悟がないなら、止めはせん。」

 

碧と千冬が、逃げ道を用意する。生半可な覚悟で来られては、足手まといになる。

 

「……やるよ。」

 

「……君はそんな奴だったね、一夏。」

 

逃げ道を用意されると、意地でも目の前へ突き進みたくなる性質(タチ)なのが織斑一夏という男だった。やれやれといった様子で、碧も苦笑する。

 

「となると次は作戦だ。この中で最高速度を出せる者は?」

 

「それならば、わたくしが。丁度今日、本国から強襲用パッケージg「ちょっと待ったぁ!!」

 

見れば、天井から束が顔を出していた。いやどうやってそこ入ったよ。

 

「とぅっ!すたっとな!」

 

某スパイダ-マッ!みたいなポーズを取りながら、彼女は着地する。

 

「ここはDAN☆ZEN!紅椿の出番なんだよ!」

 

「何だと?」

 

「ほら見てよ、紅椿ならすぐに超音速機動ができるんだよ!」

 

束が複数枚ホロスクリーンを展開、それを見た千冬の目が鋭くなる。

 

「なるほど……束、紅椿の調整にはどれくらいかかる?」

 

「お、織斑先生!?わたくしとブルーティアーズなら……!」

 

「オルコット。お前の言っていたパッケージは量子変換(インストール)済か?」

 

「い、いえ………。」

 

「調整には、7分あれば十分かな。」

 

「では本作戦を伝える。篠ノ之が織斑を目標ポイントまで運搬。その後、零落白夜で対象を撃墜する。尚、()()()()()()()。諸共斬り捨てないように気をつけろ。作戦開始は30分後。総員準備にかかれ。」

 

「ひとつ、いいですか?」

 

「どうした、百目木。」

 

「紅椿の性能は疑うべくもありません。ですが、搭乗者の箒はどうですか?」

 

「なっ!わ、私が弱いとでも……!」

 

「そうじゃない。紅椿は言うまでもなく現行ISで最高性能だろう。だけど、君は紅椿を受領したばかりで機種転換訓練もまだしていない。これまでの打鉄と紅椿じゃ文字通り次元が違う。それでも、君は紅椿を十全に扱えるのか?」

 

「そ、それは……………。」

 

「よって、万が一失敗した時のための予備プランを提案します。」

 

「予備プランだと?」

 

「えぇ。ここにいる専用機持ち全員で、一夏達を逃がします。先程言った通り、超電雷撃なら僅かばかりの足止めにはなるでしょう。」

 

「……ふむ。いいだろう。採用してやる。」

 

「ありがとうございます。……さっきはああ言ったけれど、作戦の核は君達だ。しくじらないでくれよ。箒、一夏。」

 

「……分かっている。」

 

「おう!」

 

───────────────

 

そして現在。彼らは先行した紅椿を追い掛ける形で海上を飛翔していた。

 

「……ねぇ碧、箒のことなんだけど………。」

 

「…うん。間違いなく、失敗するだろう。」

 

「…あんた達もそう思う?」

 

「そうだな。今の奴は、手に入れた力に溺れている。」

 

「…碧くん、紅椿が目標に接敵した。」

 

「……急ごう!!」

 

『接敵する!用意はいいな、一夏!』

 

『あぁ、絶対成功させるぞ!』

 

オープンチャンネルなのか、彼らの声がISを通じて聞こえてくる。

 

『はぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!』

 

いつも通りの、威勢のいい声が聞こえる。──だが。

 

『一夏!?』

 

「!?どうしたんだ!箒!!」

 

『一夏、せっかくのチャンスになぜ!?』

 

『船がいる!海上は先生達が封鎖したはずなのに………まさか、密漁船か!?』

 

「密漁船!?」

 

「なんと間の悪い……!!」

 

「総員フルスロットル!白式及び紅椿撤退の援護をする!」

 

「「「「「了解!!」」」」」

 

碧の号令のもと、全速力で駆け抜けた彼女らが見たものは──

 

「馬鹿者!なぜ犯罪者などを庇って……「箒!」ッ!!」

 

「そんな寂しいこと、言うなよ……!力を手にしたら、弱い奴のことが見えなくなるなんて、箒らしくないだろ……!」

 

「わ、たし、は………!」

 

箒の手から滑り落ちた刀が粒子となって掻き消えていく。

 

具現維持限界(リミット・ダウン)………!?」

 

「2人のシールドエナジーが……!」

 

「ラウラ、鈴!2人を抱えて撤退を!シャルロットと簪はその支援!」

 

「碧くんはどうするの!?」

 

「福音をここで食い止める!」

 

「だめ、そんなことしたら!」

 

死ぬ。そうだろう。だって、相手は最新鋭の軍用ISなのだから。でも、それでも。

 

「……大丈夫、絶対戻るから。」

 

「………わかった、信じるね。」

 

「シャルロット………!?」

 

「…大丈夫だって。碧、真面目だもん。約束、守ってくれるよ。だから、ボク達は信じなきゃ。ね、簪。」

 

「……帰ってこなかったら、許さないから。」

 

「………分かってるさ。──行け!」

 

そして、福音の前に蒼月が立ち塞がる。彼の眼前には、あまたのビット、その砲口。

 

「………とはいえ、少し厳しいな。」

 

碧は、薙刀を振りかざし、白銀の天使へと立ち向かった。

 

───────────────

 

シャルロットと簪が戻ってきた時、司令室となった一室は慌ただしく動いていた。

 

「すごい……軍用ISを相手に、ここまで……。」

 

誰が漏らしたのかその呟きは、教師陣全員の言葉を代弁していた。ISに乗って4ヶ月程度の少年が、最新鋭の軍用機相手に健闘している。いくら機体が第3世代とはいえ、信じられない情報だ。

 

「勝って、碧………!」

 

「神様、お願いだから碧くんを…………!」

 

 

 

 

────しかし、現実は非情である。

 

「そ、蒼月……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

反応、ロストしました………。

 

 

───────────────

 

「ぁ、うぁぁぁぁぁぁぁぁ…………!!」

 

彼女は。シャルロットは、浜辺にいた。砂浜にへたりこんで、ジャージが汚れるのも構わずに泣いていた。

 

「絶対戻るって、言ったじゃん………嘘つき……嘘つき………!!

 

ボク、しんじてたのにぃ……………!!」

 

泣いたって戻ってこない。それは彼女だってわかっている。でも、止まらない。誰のせいでもない、弱かった自分のせい。安心して背中を任せるように思わせられなかった、自分のせい。

 

「あお、あおぉ……………!!」

 

 

 

 

 

「──やっぱりここにいたのね、シャルロット。」

 

「りん……………?」

 

 

───────────────

 

「………なぁ一夏。奴は、碧は。命を賭して私達を救ってくれたぞ。」

 

昏睡する一夏の横で、ラウラは1人呟く。

 

「感謝せねばな。奴は、私達の命の恩人になったのだ。…ならば。奴の最期の仕事、私達で責任を持って終わらせてやろう。なぁ、一夏。」

 

 

───────────────

 

ここは…………?

 

ぼんやりとした目を開ければ、そこには何も無い。真っ黒な空間。あぁ、なぜだろう。酷く寒い。死んだのだろうか。だとしたら、ここは地獄なのか。

 

「地獄なんかじゃ、ないよ。」

 

「君は………?」

 

「わたしはね、貴方の一番近くにいたんだ。」

 

「僕の………?」

 

「……ねぇ、なんで戦うの?」

 

「えっ?」

 

「いくらIS適性があったからって、ここまでする必要、あったの?」

 

「そんなこと………。」

 

「貴方は別の世界の人で、もう死んでる人。

……なんで、戦ったの?なんで、今も戦うの?」

 

「………許せないと、思ったんだ。ブリタニアが、日本人を虐げるのを。だから、僕は戦った。黒の騎士団として。『百目木マリオ』みたいに。」

 

「じゃあ、今は?」

 

「……友達ができたから。」

 

「お友達?でも、お友達なら『前』にもいたでしょ?」

 

「……そうだね。でも、今の友達も…大切なんだ。今この瞬間、僕が持っている、何よりも。」

 

「だから、戦うの?」

 

「あぁ。僕は、彼女達と共に笑って過ごしたい。だから、笑えるように、戦うよ。」

 

「………ふふ、分かった。じゃあ、行こっか。」

 

「えっ?」

 

「だから頑張ってね。」

 

「はっ、案外遅かったじゃないか。俺達も待ちぼうけたぞ。」

 

「そう言ってやるなよ。彼は昔からこんなだっただろ。」

 

「そうね。でも、ブリタニアがいない分少しマシになったかな。」

 

「そんな…………

 

 

 

 

 

 

 

 

ルルーシュ、スザク、カレン……………?」

 

「さぁ、行くんだろ。愛しのカノジョのもとにさ。」

 

「まったく、アンタあーんな可愛い女の子2人も引っ提げてさぁ〜。」

 

「大丈夫さ。僕達が手伝う。だから行くんだ。」

 

「………あぁ、分かったよ。」

 

僕は、彼らに背を向ける。そして、暗い世界は、明けていく。鐘が鳴り響いていく。その上には、橙と水色、2つの振り子(ペンデュラム)

 




次回、IS─OVER THE SKY─
第13話『復活の刻、闇切り開いて』
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