水柱の継子(自称)   作:ポケットピスケット

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ひー、戦闘シーン…


明ける空

 

今現状で童磨を倒すメリットは無い、ここで無惨に警戒されて引き篭もりされたら目も当てられないし、下手に暴れられても周りに被害を出すだけなので日の出まで時間を稼げればいい

さっき時間を確認した時は5時前なのは覚えている、今の時期なら夜明けは6時半くらいだから、だいたい1時間半か…

 

呼吸を整えて要らない感覚を閉じていくすると透き通る世界が見えてきた。煉獄家の一件以来、意識的にできるように鍛錬しているものの少しづつしか時間を延ばせずまだ1時間くらいしか維持ができない。残りの30分くらい死ぬ気で何とかしてみせる

息を吸いこんで一気に童磨の間合いに入り込んだ

 

「水の呼吸 壱ノ型 水面斬り」

 

童磨が金の扇子を取り出しこちらを斬りつけようとしたのを左下から弾き、刀を翻して右腕を斬り飛ばすが秒で再生されてしまう、冷気の範囲外まで一旦下がった

本当にチート性能だよね…怒りを通り越して呆れてしまう

 

「君、凄いね!僕の扇を弾き返すだけじゃなくて腕まで切り落とすなんて!全然、見えなかったよ」

 

「喜んでもらえて何より」

 

「おもしろいなぁ、猗窩座殿や黒死牟殿が喜びそうだよ」

 

にこにこと童磨が笑っているが、皮肉だよ。あと、その名前を出すんじゃない。まだ猗窩座は透き通る世界で攻略できるはずだけどお労しや兄上に関しては死亡フラグだ

 

「誰だか知らないけど、面倒くさそうだから遠慮させてもらうよ」

 

「そんなこと言わずにさ、血鬼術 冬ざれ氷柱」

 

上方から無数の鋭く尖った巨大なつららが降り注いで来るのを生々流転で躱しながら切り崩しその流れで童磨に接近する

 

「血鬼術 枯園垂り」

 

直前で扇子振るわれ、湾曲した氷柱が目の前に出現するが氷柱ごと童磨を斬り付けるが思ったより浅い

お互いに攻防を止めないでいるが、こっちの負傷も増えてきた頃、童磨が動き出した

 

「猗窩座殿じゃないけど、君がどこまでできるか確かめたくなってきたよ。血鬼術 蔓蓮華」

 

蓮を模した氷の蔓を四方八方から伸ばしてきた。こんなのに捕まった日には氷漬け間違えない

 

「手加減してくれるとありがたいんだけど、水の呼吸 陸ノ型 ねじれ渦」

 

間合いに入ってきた蔓を切り刻むついでに回りに漂っている冷気も斬り呼吸を繋げる

 

「水の呼吸 漆ノ型 雫波紋突き」

 

右に避けようとするのが見えたので軌道を変えるが僅かにずらされ脇腹をえぐるだけになってしまった

 

「やっぱり早いよねぇ。いや、そんな感じじゃない。僕の動き読んでるのかな」

 

無駄に観察するんじゃない。目潰しといた方がいいんじゃないか、こいつ…

 

「蔓蓮華は防げたけどこっちはどうかな?血鬼術 散り蓮華」

 

扇子を振るうと共に細かな蓮華の花弁状の氷がこちらに向かいながら辺り一面に舞い散ろうとしていた。だいぶ後ろとは言え、カナエさんだっているのに広範囲なんてシャレにならない

 

「…水の呼吸 拾壱の型 凪」

 

氷の花弁かゆっくりと舞い散り光を反射していた。腹立つけどとても幻想的で綺麗な光景だった、その無数とも呼べる花弁を1枚ずつ丁寧に溶けるまで切り刻んでいく

 

「っ!俺の散り蓮華が消えた…?」

 

「ごほっ、キツすぎる…」

 

思っていた以上に肺が苦しくなってきた。さすがにこの量を捌き斬るのは負担が大きいな…夜明けはまだなのか?

 

「いやぁ、完璧に防がれるなんて予想外だよ…。でも、流石に限界そうだね」

 

「よく頑張ってると褒めてほしいんだけど…」

 

「そうだね。人間にしてはよくやってると思うよ」

 

「それはどうも…」

 

痛む肺を無視して呼吸を続ける…まだいける…ここで折れる訳にはいかない

そんなことを思っていると不意に視界の端が明るくなった

 

「あれ、もう夜明け?残念だな…君を殺せるかと思ったのに」

 

「それは喜ばしいことで、童磨。お前は僕が頸を狙ってないことに気が付いてたでしょ?」

 

「うん、ずっと不思議に思ってたんだけどなんでかな?」

 

「ここじゃないからだよ。お前の死に場所が」

 

「まるで違うところでは俺が死ぬみたいに言うね」

 

「そうだよ。さすがに僕1人じゃ、頸は切れないからね。だからさ」

 

「?」

 

「首洗って待っていろ。クソ野郎」

 

「あはは、それは楽しみにしてよう。またね」

 

童磨は姿を消し、漂っていた独特な冷気が消えるのを感じた

はぁぁぁ、乗り切ったぁぁぁぁ

 

力が抜けてその場に座り込んだ

これ、相当やばいかも…手足の感覚が一切ないし恐ろしいほど寒いのに身体が震えない

 

「海斗くん!」

 

「カナ…エ…」

 

カナエが泣きながら近付いてきて身体を支えてくれた

呂律も回らなくなってきた…凄い眠いけど…このまま寝たら死ぬんじゃ…

 

「だいじょうぶ…だったでしょ?泣かないで…」

 

「すぐに治療するから死んじゃだめよ!」

 

「まだ…死なないよ…ちょっと…休むだけだから」

 

…………………………………

 

上弦の弐 童磨が立ち去ってからすぐに海斗くんの元へ駆け寄り身体に触れるととても冷たかった

2、3言話すと意識を失ってしまい、慌てて診察すると戦いの過酷さが伺えた。泣いてる場合じゃない

 

普段海斗くんは他の人より体温が少し高めで触れると温かかったのに上弦の弐の血鬼術の冷気によって顔が青白くなり唇も真っ青に変色して低体温症になっていた

それに凍傷も酷い…手の先や顔、先程の戦いで露出している皮膚も青や紫に変色している

 

とりあえず温めないと隊服と羽織りを脱ぎ、海斗くんに巻き付けていると隠の人達かやってきた

 

「花柱様!」

 

「ちょうど良かった!毛布を持ってきてください!早く蝶屋敷に運びますよ!」

 

「はい!お前ら急げ!」

 

蝶屋敷に運び込むと先に鎹鴉で伝えてあったのでしのぶが万全の体制で待ってくれていた

しのぶは私も心配してくれてたけどそれよりも海斗くんの治療を優先してもらい、アオイに診てもらったけど外傷はほぼない…肺の方が呼吸を使おうとするとヒューヒューと音がしていてこのまま治療を続けて治らなかったら隊士として活動するのは難しいとのことだった

 

私は海斗くんと上弦の弐の鬼 童磨との戦いを眺めることしかできなかった

なんとか途中までは目では追えたものの、あそこに介入するまでの実力がなかった…自分の無力を実感させられた…

 

しばらく部屋で落ち込んでいると疲れた顔のしのぶがやってきた

 

「できる限りのことはしたし、体温も少しづつではあるけど高くはなってるわ。でも正直いつ目覚めるのかわからないの…」

 

「そう…あとは海斗くん次第なのね。大丈夫よ。少し眠るだけって言ってたもの…」

 

彼が寝てる間、色んな人がお見舞いに来ていた

早く目を覚まして…みんな心配してるのよ…




無事とは言えないけどカナエさん生存です

無限城の童磨戦、誰を送り込んでやろうかな…
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