水柱の継子(自称)   作:ポケットピスケット

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寝正月してるせいでペースが…


衝突

 

お腹いっぱいになり桑島さんの家へ着く頃、桑島さんと話している義勇と田無さんの後ろ姿が見えた

しばらくここに留まることは、伝えてあったので何か急用でもあるのかな?

 

「義勇!」

 

義勇がこちらに気が付いた瞬間、身を翻し抜刀して、こちらに斬りかかってきた

咄嗟に前に出て日輪刀で受け止める

 

「どうしたのさ、急に。…なんか怒ってる?」

 

よく分からないけど怒ってる雰囲気だけはわかる、無言のまま斬りこんで来るのを受け止めながらも会話を続けた

 

「ちょっと、何か言わないとさすがに怒ってる理由分からないんだけど」

 

「なぜ、錆兎に頼んだ」

 

「頼んだって…まさか、彼を鍛錬してるのバレた?」

 

「偶然、見掛けた」

 

「あー、そう。それはどうしようもないなぁ」

 

「何故知っている」

 

「秘密」

 

「お前はいつも秘密ばかりだな」

 

「義勇だって、何も話してくれないじゃん。どうせ彼のことだって何かあれば自分の腹切ればいいって思ってたんでしょ?」

 

「…関係ない」

 

「関係なくない。僕は継子だよ」

 

「俺は違う」

 

「っ!いつまで最終選別のこと引きづってるの?」

 

「海斗がいなければ錆兎は死んでたかもしれないと…錆兎から聞いた」

 

「そんなのただの偶然だよ…」

 

「元炎柱を叩きのめしたのも、カナエが上弦の弐と遭遇した時も、始まりの剣士の子孫が鬼に襲われそうになった時も海斗がその場にいた」

 

「…だからなに?」

 

「何を知っている。何を隠している。何故何も語らない」

 

「………」

 

「…ここで勝負しろ。俺が勝ったら全て話せ」

 

「僕は勝負しても利益がないんだけど」

 

「俺が負けたら海斗が話すまで何も聞かないし、水柱も続ける」

 

「はぁ、わかったよ」

 

いま、くよくよ考えてもしょうがない。意識を切り替えて心を落ち着かせる、透き通る世界から見る義勇の動きは洗礼されていた

無駄がなく水の流れのように穏やかでもあり激しくもある。それでも負ける訳にはいかない、知らないことは知らなくていい、これからの為に集中して強くなって欲しい

僕の雰囲気が変わったことに気が付いた義勇は一気に攻めてきた

 

「水の呼吸 肆ノ型 打ち潮」

 

「水の呼吸 参ノ型 流流舞」

 

同じ水の呼吸の使い手、手の内は知り尽くしている。どのタイミングで仕掛けるか、先に動き出したのは義勇の方だった

 

「水の呼吸 拾ノ型 生生流転」

 

回転しながら何度も斬撃を重ねられる、防いでいるがどんどん威力が上がってる…これ以上防ぐのも厳しそう、刀をぶつけた衝撃で少し下がり呼吸をする

 

「水の呼吸 拾壱の型 凪」

 

「ちっ!」

 

「水の呼吸 壱ノ型 水面斬り」

 

生々流転をかき消し、隙を突くが受け流しされてしまったというかお互い凪がある限りもう耐久戦になってしまう気がする

ここで引くつもりはない、凪を打ち崩す程の連撃を…

 

「お互い持久戦で決着をつけるのも、つまらないでしょ」

 

「そうだな…」

 

「頑張って防いでね。義勇」

 

余計な事は考えるな、針に糸を通すようにあの無数の斬撃の僅かな隙間を狙うしかない

深く息を吸い酸素を取り込み、血管の一本一本に至るまで意識をめぐらせる

 

「水の呼吸 拾弐の型」

 

刃を上に向けて手を交差し頭の側面あたりに構え、強烈な踏み込み一瞬で義勇との距離を詰めた、拾弐の型に少し驚いた様な顔をした義勇もすぐ冷静な表情に戻し対応するように構えた

 

「水の呼吸 拾壱の型」

 

「凪」「篠突く雨」

 

雨が激しく降るような細かい突く連撃をひたすら繰り返す、凪の斬撃で弾き返されるが気に留めない、ほんの少しだけ僅か隙が見えた

隙間を縫うように刃を入れ義勇の首元で止めた

 

「…僕の勝ちだね」

 

「…流石だな、俺の負けだ」

 

「水柱様!岬様!お怪我は!?」

 

田無さんが心配して駆け寄ってきた

 

「帰る」

 

「田無さんも心配かけてごめんね。今日中には戻るから」

 

手をヒラヒラと振って2人を見送り、後ろから桑島さんが声を掛けてきた

 

「何があったのか知らんが喧嘩も程々にな」

 

「ご迷惑お掛けしました」

 

「いや、獪岳と善逸にとってもいい勉強になったじゃろ。どこまで目で終えてたかは知らんが」

 

「では、僕もそろそろおいたまします。雷の呼吸の後釜ですが、獪岳1人にした方がいいと思いますよ」

 

「何故じゃ、善逸も才能がある。2人の方がいいのでは?」

 

「獪岳はいい子に見えて、嫉妬深いんですよ。善逸と一緒するのはあの子の性格上あまり良くないかと」

 

「…そうか。岬殿には世話になった。礼を言う」

 

「いえ、恩は近い内に返して貰えそうですからね。あとはお願いします」

 

遠くで見ていた2人に近寄る

 

「岬さん、もう行くんですか?」

 

「うん、2人の成長も見れたし。義勇が拗ねちゃうからね」

 

「さっきの戦いとても参考になりました。岬さんが水柱じゃないんですか?」

 

「ふふっ、僕はまだズルしてるからね。そのうち義勇も使えるようになったら勝てなくなっちゃうかもね」

 

まぁ、痣と言う奥の手もあるけど誰にも使わせるつもりないし

 

「そうですか。もっと鍛錬して、岬さんの助けになれるように頑張ります」

 

「楽しみにしてるよ。善逸もあまり逃げないようにね」

 

「…はい」

 

渋々ながらもちゃんと返事をくれたのでよし

少しはいい方向に獪岳を導けたならここに来た甲斐があったかな

 




拾弐の型お披露目ですね
どんな感じにするかめっちゃ悩みました
基本的には突き技みたいな感じです
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