水柱の継子(自称)   作:ポケットピスケット

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あぁ、無限城編始まっちゃうよ…


地獄の道へ

 

座敷に座布団が1つ置かれその上に座り、お館様は無惨の来訪を待った

夜も更け、静寂な夜に足音が鳴り響いた

それは石畳の上を歩く音から砂利を踏み歩く音に変わり、やがて止まった

 

「初めましてだね…鬼舞辻無惨」

 

「なんとも醜悪な姿だな…産屋敷」

 

呪いの進行度がバレないように。ちょっと大袈裟に包帯を巻いて顔を隠してある。一応、目は見えるように省いてるけど大丈夫かな…

 

「ついに私の元へ来た。我が一族が鬼殺隊が千年…追い続けた鬼。君は、必ず来ると思っていた」

 

鬼舞辻無惨が目の前に現れたにも拘らず、いつも通り穏やかに話す。この精神力…ほんと尊敬するわ。姿が見えなくても判る…この威圧感、物音を立てないように静かに潜む

 

「君は私に…産屋敷一族に酷く腹を立てていただろうから。私だけは、君が…君自身が殺しに来ると思っていたからね」

 

「私は心底、興醒めしたよ。産屋敷…身の程もわきまえず、千年にも渡り、私の邪魔ばかりしてきた一族の長が…なんとも醜い姿だな」

 

「そうだろうね。それでも、君を倒したいという…一心ゆえだ」

 

「その儚い夢も、今宵、潰えたな。お前は、これから私が殺す」

 

「君は、知らないかもしれないが君と私は同じ血筋なんだよ。君が生まれたのは、千年以上前のことだろうから。私と君の血はもう、近くないだろうけれど」

 

「何の感情も湧かないな。お前は何が言いたいのだ?」

 

「君のような怪物を一族から出してしまったせいで、私の一族は呪われていた。生まれてくる子供たちは皆、病弱で死んでしまう。同じ血筋から鬼が出ている…その者を倒す為に心血を注ぎなさい。そうすれば、一族は絶えない。それでも、我が一族の誰も30年と生きられない」

 

「迷言もここに極まれりだな。反吐が出る。お前の病は、頭にまで回るのか?そんな事柄には、何の因果関係もなし。なぜなら…私には、何の天罰も下っていない。何百何千という、人間を殺しても。私は許されている。この千年、神も仏も見たこたがない」

 

「君は、そのようにものを考えるんだね。だが、私には私の考え方がある。無惨、君の夢はなんだい?」

 

「………」

 

「この千年間。君は一体、どんな夢を見ているのかな」

 

無惨は何を考えているのか。この屋敷にはお館様しかいないように感じているだろう、怪しんでいるのか…

答えない無惨に対して、お館様が口を開いた

 

「当てようか、無惨。君の心が私にはわかるよ。君は永遠を夢見ている…不滅を夢見ている」

 

「…その通りだ。そしてそれは、間もなく叶う。禰豆子を手に入れさえすれば」

 

「君の夢は、叶わないよ」

 

「禰豆子の隠し場所に、随分と自信があるようだな。しかし、お前と違い。私にはたっぷりと時間が有る」

 

「君は、思い違いをしている」

 

「何だと?」

 

「私は永遠が何か、知っている。永遠というのは人の想いだ。人の想いこそが永遠であり、不滅なんだよ」

 

人の想いか…今まで鬼舞辻無惨を倒そうと戦ってきた人たちが、きっとこの時を繋げてくれたんだ…無駄にはしない

 

「下らぬ…お前の話には辟易する」

 

「この千年間。鬼殺隊は、無くならなかった。可哀想な子供たちは、大勢死んだが、決して無くならなかった。その事実は今、君が下らないと言った。人の想いが不滅であることを証明している

大切な人の命を…理不尽に奪った者を許さないという、想いは永遠だ。君は誰にも許されていない。この千年間、一度も」

 

「何度も何度も虎の尾を踏み。龍の逆鱗に触れている。本来ならば、一生眠っていたはすの、虎や龍を君は起こした。彼らはずっと、君を睨んでいるよ。絶対に逃がすまいと。私を殺した所で鬼殺隊は、痛くも痒くもない。私自身は、それ程重要じゃないんだ

この人の想いと繋がりが、君には理解できないだろうね。なぜなら、君は…君たちは、君が死ねば、全ての鬼が滅ぶんだろう?」

 

無惨の気配が重くなった。冬の冷たい風がさらに冷たくなったように感じ部屋の中に流れてきた

 

「空気が揺らいだね。当たりかな?」

 

「黙れ」

 

「うん、もういいよ。ずっと君に言いたかったことは言えた

最後にひとつだけいいかい?私自身は、それ程重要ではないと言ったが…私の死が無意味なわけではない。幸運なことに鬼殺隊…特に柱の子たちから慕ってもらっている。つまり、私が死ねば、今まで以上に鬼殺隊の士気が上がる」

 

「話は終わりだな?」

 

無惨は、何かに警戒しているのか庭に立ったまま。そっと日輪刀の柄を握り深く静かに呼吸を吸い、痣を出す

 

「ああ、こんなに話を聞いてくれるとは思わなかったな…ありがとう、無惨」

 

その言葉と同時にお館様の前へと移動した瞬間、爆薬が起動した

 

水の呼吸 拾壱の型 凪

 

間合いに入ってきた全ての物を斬り捨てる、ちなみに威力を1.5倍近くにしてもらってます。爆薬の中に細かい撒菱の他に、視界を遮る為に大量の煙幕も仕込んであるのでお館様が死んだと思ってくれると助かるのだけど…

そして、お館様ごめんなさい!紙眼額に貼り付けて、襟を掴んでパパ寿郎が待機している方向へと投げる。一瞬、お館様が驚いた顔が見えた

お館様の驚いた顔、はじめて見たかも…申し訳ない

 

さっきの爆発で愈史郎から貰った、紙眼が燃えてしまったので新しいのを付け直して、瓦礫の傍に隠れる

 

いやぁ、身体のあちこちが痛いです。お館様を優先したので火傷や撒菱、色んなの破片などで羽織りがボロボロですわ。怪我は痣のお陰ですぐ治るからいいけど

 

瓦礫の陰から無惨を視ると、身体は半壊し、頭は見事に吹っ飛んでるようで、ざまーみろ!煙幕のおかげで直視できないのが残念だけど

無惨が視界を確保するために、腕を振り煙幕を払った

 

もう再生し始めてるし…

 

肉の種子のような血鬼術が無惨を取り囲み、棘となって身体中を貫き、無惨が血鬼術を吸収しようとした瞬間、珠世さんが姿を表し体内に薬を取り込ませた

 

「珠世!なぜ、お前がここに…」

 

「この棘の血鬼術は、貴方が浅草で鬼にした人のものですよ!吸収しましたね。無惨、私の拳を…拳の中に何が入ってたと思いますか?鬼を人間に戻す薬ですよ。どうですか、効いてきまきたか?」

 

「そんなものができるはずは…」

 

「完成したのですよ。状況が随分と変わった。私の力だけでは無理でしたが」

 

「…お前も大概しつこい女だな、珠世。逆恨みも甚だしい」

 

珠世さんを引き剥がそうと頭に手をかける

 

「お前の夫と子供を殺したのは、誰だ?私か?違うだろ、他ならぬお前自身だ。お前が喰い殺した」

 

珠世さんが涙を流しながらも叫ぶ

 

「そんなことがわかっていれば、私は鬼にならなかった!病で死にたくないと言ったのは!子供が大人になるのを見届けたかったからだ!」

 

「その後も大勢、人間を殺していたがあれは私の見た幻か?楽しそうに人間を喰っていたように見えたがな」

 

「そうだ。自暴自棄になって、大勢殺した。その罪を償う為にも…私はお前とここで死ぬ!悲鳴嶼さん、お願いします!」

 

珠世さんの合図と共に無惨の後ろから悲鳴嶼さんが現れた

 

「南無阿弥…陀仏!」

 

鉄球が無惨の頭に直撃し、潰したが直後に高速で再生され、無惨の視線が悲鳴嶼さんに向き、血鬼術で棘を仕掛けた

今がチャンスかな…赫刀で日輪刀を赤く染め、瓦礫から出て無惨の元へと近付く

 

水の呼吸 弐ノ型 水車

 

珠世さんの腕と無惨の腕を切り離し、珠世さんを抱えて大きく後ろに飛んで距離を取る

無惨がこちらを睨みつけるのと同時に実弥の大声が聞こえた

 

「テメェかァァ!お館様にィィ、何しやがったァァー!」

 

他の柱も集まってきた

 

「珠世さん、ごめんなさい」

 

「岬さん…どうして」

 

「貴女が死んでしまっては、彼はひとりで永遠に生きることになってしまうから…」

 

珠世さんも巻き込まれないように、同じくパパ寿郎の方に投げ飛ばす

 

「無惨だ!鬼舞辻無惨だ!奴は、頸を斬っても死なない!」

 

柱達が一斉に無惨に攻撃を仕掛けようとした時だった。琵琶の音鳴り、地面が消えると同時に浮遊感を覚えた

 

無限城へと落とされる…

 

「これで私を追い詰めたつもりか…貴様らがこれから行くのは地獄だ。目障りな鬼狩り共、今宵皆殺しにしてやろう」

 

 




お館様と珠世さんを無事にキャッチしたパパ寿郎はきっと心臓バクバクでしたでしょう
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