子供の泣き声が聞こえる…
何してたんだっけ、そう鬼を狩りに来たんだ
何か知らせがあるまで宿で待機してて…って、僕寝てた!?
一気に微睡みから覚め、身体を起こすとそこはボロボロの家の中だった
泣き声の方を向くと10歳くらいのおかっぱの男の子と肩まで髪を伸ばし左右に結んでいるおさげの女の子がいた
「お家帰りたいよ…」
「お母さん…お父さん…助けて」
身体を動かそうとするがとても重たく激烈に眠い…こんなことしてる場合じゃない、唇を噛み締めてなんとか耐える
おそらく鬼に攫われた子供達だろう、とりあえず2人だけでも助けないと声をかけようと近付こうした
その時、廊下ペチペチと歩く音と微かな鈴の音が聞こえた
まずい…鬼が帰ってきたのか、幸いにも布で隠さてれている日輪刀は背中に括り付けてある、良かった
「私の可愛い子達…大人しくしてるかしら」
部屋の前で音が止むとガラッと扉が開くと黒い着物を着て、鈴を沢山付けた白い髪の長い女の鬼が現れた
僕が聴いた鈴の音はこいつのか
「ひぃ…」「こわいよ…」
後ろの子供達が怯える中、鬼はにったりと笑って僕の方を見た
「あら、僕もう起きてたの…大人しくしていてね。後でゆっくり可愛がってあげるから」
そう鈴鬼は言うと僕の横を通り過ぎ片方の子供を連れて行こうと手を伸ばした
あー、もう様子見てる場合じゃない
「その子達に触れるな!」
「…なんですって?反抗的な子ね…お仕置が必要かしら」
鈴鬼がこちらを振り向くと同時に背中に括り付け、布で包んであった日輪刀を抜刀し鬼に斬りかかった
「お前、鬼殺隊か!おのれ、ここで食ってやる!」
正しく鬼の形相で僕の方へ襲いかかってきた、ここで戦ったら子供達が危ない。部屋を移動しないと
「水の呼吸 弐ノ型 横車」
殴りかかってきた攻撃を躱し、鬼を切るためじゃなく移動させるために刀の側面を使って違う部屋に思いっきり飛ばす、2部屋ほど襖を壊しながら貫通しているのであそこなら大丈夫か
子供がこれ以上怯えないように微笑んだ
「そこの子達!しばらくしたら助けが来るから絶対に動かないでね!大丈夫、悪い鬼なんて退治してくるから」
2人が震えながらも頷いたのを確認して鬼を追いかける
近くに疾風の気配がなかったということは、おそらく屋代さんや村田さんを呼んでくれてるはず…それまでなんとかできるといいのだが
部屋の奥に走ると鈴鬼が待ち構えていた
「よくも吹っ飛ばしてくれたね。いいわ。鈴の音の餌食にしてあげる」
鬼は頭を左右に揺らし鈴をリンリンと鳴らし始めた、最初は小さかった音がどんどん大きくなり鼓膜を揺らした、あまりにも大きな音に顔を顰めた
どうにかしてこの鈴止めないと鼓膜破れそう…
「爆音すぎるでしょ…頭に響くからやめて欲しいよねっ!水の呼吸 玖ノ型 水流飛沫・乱」
部屋の壁や天井を使って縦横無尽に跳ね回りながら髪に付いていた鈴を斬り落としていく
「私の鈴がっ!」
「ごめんね。だけどこれで終わりにするから…水の呼吸 参ノ型 流流舞」
鬼が取り乱しなりふり構わず攻撃してくるのを強引に躱し頸を刎ねた
「はー、疲れた。途中からなんにも聞こえないんだけど」
途中から何も聞こえなくなってしまってたので鬼の攻撃を避ける余裕がなくあちこち傷だらけだ
重い身体を動かし、子供達がいる部屋へと辿り着くとそこには村田さんがいた
驚いて何かを言ってるようなのだが生憎何も聞こえないので説明だけしてしまおう
「ちょっと今耳が聞こえなくて、何言ってるかわからないんだけどとりあえず鬼は倒せたよ。そこの2人は鬼に捕まってた子供達だから保護して親御さんの元に返してあげて」
「え…もう鬼倒したの!?てか、耳聞こえないって大変じゃん!屋代さん呼んでくる!」
村田さんは慌てたように外に飛び出して、屋代さんを連れてきた、僕が言ったことを説明してくれてると思う
屋代さんはこちらに近付きご苦労様と言わんばかりに頭をポンポンと撫でてくれた
うんうん、僕頑張ったでしょ…もう寝たいです…おやすみなさい…
屋代さんには申し訳ないけど寄りかかるように意識を飛ばした
え?刀の側面使ったら折れるからやめろって?
申し訳ございませんでした
折れた時は主人公くんが叱られますので先に私からも謝っておきます
*フラグではありません
今更ですが水の型の前に本来、全集中と表記するのですが省いてます
心の目でつけて貰えると助かります…