岬さんが肉の塊に呑み込まれた
赤子の形をした無惨が泣くように叫び、建物の影に隠れようと四つん這いで移動し始めた
「隠れるぞ!手足を切り落とせ!」
隣にいた義勇さんが叫ぶと無一郎と有一郎が左右から足を宇髄さんと実弥が腕を斬り落とした
倒れる寸前で首に鎖が巻かれ、悲鳴嶼さんと甘露寺さん、隠の人たちが加わりが逃げられないように引っ張っている
「「オオオオ!」」
皆の叫びと共に無惨を引き倒す
太陽に焼かれながらも、無惨はなお逃げようと、うつ伏せになり地面に潜り始めた
「地面に潜ろうとしている。攻撃して無惨の体力を削れー!」
俺と義勇さんと伊黒さんで攻撃するものの止められない!
鎖も切れてしまい無惨がさらに下へと潜ろうとした時、内側から亀裂が入り無惨の動きが止まった
痛みで立ち上がり悲痛な叫び声と共に太陽に焼かれ崩壊していく
みんなが息を呑んで見守る中、上半身から下半身にかけて崩壊し消え去った
一瞬の静寂の後
「うわあああ!」
「倒した!無惨を倒した!」
「無惨が死んだ!」
誰もが泣き、笑い、叫んだ
「終わりじゃないぞ!立て!怪我人の手当だ」
「急いで救護に回れ」
「泣くな馬鹿!しっかりしろ」
周りが慌ただしく動く…そうだ、岬さんは!?既に岬さんの近くには、義勇さんと田無さんが傍にいた
「水柱様!どどどどうすれば、手当はしたんですけど、心臓の音がどんどん小さくなってるんですぅぅぅ」
「胡蝶を呼べ!近くにいないのか!?」
焦燥が広がる中、突然、岬さんが目を開けた。その目を見た瞬間、呼吸が止まり全身から血の気が引くような気がした
知っている…縦長の瞳孔は、鬼の目だ
それだけで、体が硬直する。でも、匂いが…おかしい
俺が知っている鬼の匂いじゃない。殺したい、壊したい、生きたい。そういう強い欲が、感じられない
代わりに、妙に静かで、疲れ切ったような匂いがする
…この人は、今、誰も傷つける気がない
理由は分からない。けれど、匂いがそう教えてくれた
義勇さんは田無さんの襟足を引っ張り、距離を取ったが岬さんが動く気配がない
義勇さんは、岬さんに向けて刀を構えたまま、微動だにしなかった。刃先は真っ直ぐ、迷いがない
危険だと判断すれば、きっと躊躇なく斬る。そういう人だ
「……義勇さん」
自分でも驚くほど、静かな声が出た
「匂いが、違います」
義勇さんの肩が、ほんのわずかに揺れた
「敵意も、殺意もありません。今は……誰も傷つける気がないです」
一瞬の沈黙。その間にも、義勇さんの視線は岬さんから外れない
義勇さんは、ゆっくりと刀を下ろした。音もなく、地面に刃先が触れる
「……分かった」
それだけだった。でも、その一言に、全てが込められていた
義勇さんは、俺を信じたのだ
しばらく時が止まったような感覚がした
突然、岬さんの口が開いた
「ん?…おぉ、竈門炭治郎に冨岡義勇までいる!凄い本物!?」
呆気にとられた。別人のような口調だった
「誰だ、お前は」
震える声で義勇さんが問いかける
「俺は…まぁ、誰だっていいだろ。すぐ戻るし」
岬さんらしき“それ”は、困ったように頭をかいた
「人間に戻る薬ないの?さすがに自力じゃ戻れん」
遠くからざわめきが聞こえ、カナエさんが走ってきた
「海斗くん!」
「胡蝶カナエじゃん!えっ、生きてる?頑張ったなあいつ」
「…え?どうしたの急に」
カナエさんが思わず足を止める
「悪かったよ。人間に戻れる薬持ってきてくれたんだろ?早く早く」
「えぇ…珠世さんに頼まれて」
早く打てとばかりに腕を差し出した
カナエさんが恐る恐る、注射を打ち込む
「この時代の注射針、太くない? 痛っ」
「ご、ごめんなさい……」
「気にすんな」
恐る恐る声をかける
「あの…岬さん?」
「ん?なんだ?竈門くん」
刺された箇所を押さえながらも、こちらに視線を向けた
「大丈夫なんですか?」
「無惨の馬鹿が細胞入れたせいで本人が死にかけてるんだけど。まぁ、何とかしてやるよ」
「は、はぁ」
正直、何を言っているのかよく分からない
でも……大丈夫そう、なのか?
様子がおかしいと感じたのか、煉獄さんや錆兎さんも近づいてきた
「海斗、義勇!大丈夫か?」
「煉獄さんに錆兎まで生存してるのか。なぁ、これ柱、全員生きてるの?」
「何言ってるんだ?誰も死んでないだろ」
「うむ!深手を負っている者もいるが死んでないぞ!」
「はー、こんだけ好き放題やっといて。死にたいって相当、病んでるな…」
困ったように空を見上げ、何か納得したよう頷いた
「薬も効いてきたし、そろそろ交代するけど。こいつが死なないようにちゃんと見張っとけよ」
「わ、わかりました」
満足そうに笑った直後、糸が切れたように倒れた
カナエさんが慌てて抱き上げると岬さんが目を開けた
…………………………………
「…あれ、カナエ?どうしたの?」
「海斗くん?」
目を開けるとカナエに抱きかかえられ、周りに炭治郎たちも立っていた
「みんな傷だらけじゃん、ちゃんと治療しようよ…」
「…うっ、馬鹿!貴方も重症なんだからね!」
泣きながら叱られて、思わず背筋を伸ばす
「あ、はい。すみませんでした」
やばい、カナエに泣かれるとどうしていいのか、わからない
周りに助けを求めるように視線を送るが、変な顔して助けようとしてくれないんですけど
義勇が静かに近付いてきて声を掛けた
「みんな混乱しているがとりあえず、ちゃんと傷を直せ。その後は覚悟しておけよ」
「え?覚悟!?なにかしました!?」
「そうだな…お前には説明する義務がある。今までやってきたことに対してだ」
後ろに立っていた錆兎も頷き、怖い顔をしていた
無惨を倒したはずなのにどうして、重苦しい雰囲気なんですか…
疑問を抱きつつも、太陽の暖かさを感じながら、気絶するように目を閉じた
もう、誰も夜に怯える必要がないそれだけで十分なのだから…
お疲れ様でした!一応、これで物語としては完結なのかな?
本当に読みずらいことが多々あったと思いますが、毎日誰かが読んでくれていると思うと頑張れました
感謝しかありません!ありがとうございました!!!
あんまり長々と書くとあれなので、これくらいにしてお気持ちは活動報告?とかに書いときますね
この後、みんなに尋問され自白する主人公や外伝?番外編?みたいなのを好き放題するつもりですのでよろしくお願いします