なお、本編は誕生日とは何も関係ございません
懺悔
鬼舞辻無惨が倒されてから約3ヶ月が経ちました
最初の2ヶ月くらいはベッドの住民と化し、1ヶ月はリハビリとかでのんびり?してたかな
その間にも色々あったけど、全集中の呼吸・常中の使用が禁止されたり、まぁ、そりゃそうですよね…
最初は、無意識に常中しちゃうから何回もみんなから注意されました、大変ご迷惑を…
1番恐ろしいのが、おはようからおやすみまで、誰かしら一緒にいることです
一日中いることもあれば、半日くらいで交代する時もあるけど、1人になることがない
なんですか、目を離した隙に逃走でもする極悪人扱い?1人になりたいと訴えてもそれは出来ないとの一点張り
そんなある日の朝ことだった
義勇と実弥の珍しい組み合わせでやってきた。君たち随分、仲良くなったよね
「よォ、暇そうだなァ」
「せっかくだから出掛けるぞ」
そう言いつつも、じわじわと獲物を追い詰めるように近寄ってくる
「わー、ウレシイナ。ちなみに後ろに隠してる紐っぽい物が見えるんだけど」
嫌な予感しかしない。退路は窓しかない!勢いよく振り向くと窓いっぱいに悲鳴嶼さんが立っていた
道理で途中からなんか暗いなぁと思いました
「…南無阿弥陀仏」
既に後ろには2人の気配が…詰んだわ、これ
布団ごと簀巻きにされ、頭には布を被され何処かに連行されました
いつかの仕返しですか、根に持つ男は嫌われますよ…
しばらくすると地面に降ろされて、頭の布を外された
辺りを見渡すと豪華な面々がお館様、柱、継子、かまぼこ隊、禰豆子ちゃん、カナエ、珠世さん、愈史郎、玄弥、人口密度が凄い…逃げ場がないよ
「実弥、義勇。海斗を連れてきてくれて、ありがとう」
「いえ、お館様の頼みとあらば」
相変わらず実弥はお館様好きだよね
「さて、海斗。心の準備はできてるかな」
「…えーと、なんの事だか。さっぱり」
一応、拘束が解けないか藻掻いてみるけど、うんともすんともどうにもならない
こういう時は、炭治郎、助けて…目を合わせて念を送るが苦笑するだけで動こうとしてくれない
「炭治郎にお願いしても、無駄だぞ」
義勇からのトドメの一言…いつもの無言キャラはどうした!くっ、顔を畳に着けてせめての抵抗をする
「まったく困った子だね」
「ちょっと可哀想になってきた…」
お館様が呆れて、善逸からの同情の言葉が聞こえた
同情するなら助けてよ!
「もう、奥の手使った方が早いんじゃねぇかァ?」
「それもそうだな。このままでは埒があかない」
実弥と小芭内が不穏な会話をしている
肩をゆさゆさと揺さぶされる。僕は貝、口を開きません
「…海斗さん」
はっ、この声は禰豆子ちゃん
「お願いします。海斗さんの口からお話が聞きたいです」
炭治郎も悲しそうな声出さないで…、恐る恐る顔を上げると2人が覗き込んでいた
「ぐっ…かわっ…」
「効果抜群だな…」
宇髄さんが呆れるように呟いた
「…はぁ、わかったよ。降参です」
さすがに簀巻きにされたままだと話しづらいので解いて貰った
座り直して、話を始めた
「今から話すことは、どうしようもないくらい非現実的だし。あとで文句なら幾らでも受けるつけるからとりあえず聞いてほしい」
「…わかりました」
「まずは僕には、前世がある。その前世ではとある漫画が人気だったんだ…題名は鬼を滅する刃と書いて鬼滅の刃。その漫画の主人公は」
言葉に出そうとしたけど詰まってしまった…心臓の音がだんだん大きくなる
詰まっていた息を吐き出し、ゆっくりと深呼吸をした
「竈門炭治郎…君だよ」
炭治郎が目を見開き驚愕した
元から知っていた珠世さんと愈史郎以外は炭治郎に視線を向けた
「鬼になった妹を人間に戻すため、鬼殺隊に入り、無惨を倒すまでの物語。そのことを思い出したのは、10歳の時、鬼に両親を殺された日だった。あの日から僕の覚悟は決まったんだ」
「必ず鬼舞辻無惨を倒すと…その為に色んな人を助けてきた。本来なら助けなくても、鬼舞辻無惨は倒せていたかもしれない。無惨に辿り着く前に無念にも亡くなった人たちを。…許してほしいとは思ってない。炭治郎、禰豆子…君たち家族がどうなるかは知っていた。僕の選択が君たちを苦しめた、今すぐ腹を切れと言うなら受け入れるつもりです」
手のひらを地面につけ、額が地につくまで伏せる
いま、炭治郎と禰豆子はどんな顔をしているだろうか。無惨と同じくらい……いや、それ以上に憎まれているのだろうか
「…岬さん」
炭治郎の声は、怒鳴りも責めも含んでいなかった
ただ、重くて、まっすぐで、逃げ場のない声だった
「顔をあげてください。正直に言います」
一瞬、喉が鳴る音がした。それでも炭治郎は目を逸らさなかった
「俺は…苦しいです」
胸の奥を掴まれた気がした
「全部を知っていたって聞いて、怒りが湧かないわけがありません。もしかしたら、母さんは、妹や弟たちは……って、考えてしまいます」
「でも…それでも俺は、あなたを悪者だとは思えません」
ざわ、と空気が揺れる。実弥が何か言いかけて、結局黙った
「岬さんは、未来を知っていたから戦った、助けた、守った。それがどれだけ重いことか……俺には、想像することもできません」
炭治郎は、拳をぎゅっと握りしめる
「俺だったら、同じことができたか分からない」
静寂。責める声は、どこにもなかった
「だから……」
炭治郎は、はっきりと言った
「腹を切れなんて、言いません」
心臓が一度、大きく跳ねた
「罪悪感があるなら、生きてください。一人で背負えないなら、僕たちにも分けてください」
あの日、僕自身に言われた言葉と、同じだった
「それでも、許せない気持ちが消えるとは限りません」
その瞬間、隣から小さな気配がした。禰豆子が、ゆっくりと前に出てくる
何も言わず、ただ首を横に振り…否定でも拒絶でもない、柔らかな仕草で。僕の手の甲に、そっと触れた。温かかった
「……っ」
息が、うまく吸えなかった
「岬さん」
炭治郎が、もう一度呼ぶ
「岬さんが背負ってきたものを、無かったことにはできません。でも、これから先をどう生きるかは……今からでも、選べます」
視界の端で、悲鳴嶼さんが静かに数珠を鳴らした
「……南無阿弥陀仏。口を挟むようで申し訳ないが、岬…罰はお前自身が与えているだろう…幾つになった?」
「…22です」
「あと3年ほどしか生きられないのであろう…」
「っ!それはどういうことですか!?」
しのぶが思わず声を上げた
「悲鳴嶼さん…それは」
「もう隠し事はなしだ…いくらでも文句は受付けるのであろう?」
悲鳴嶼さんの言葉に何も言い返せない
「痣だ…痣が発現した者は、身体能力が飛躍的に上がり、鬼から受けたダメージが通常では考えられない速さで回復する…だが、痣の力は寿命の前借りであり、痣者は例外なく二十五の歳を迎える前に死ぬ」
その言葉が落ちた瞬間。空気が、完全に止まった
あれ…原作終わったのに話が重いですね
続きは明日にー