ガノンドロフの弟は結構有能?   作:洋菓子職人II

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色々あって最初から書き直すことになりました。設定等も見直し、色々と不都合のあるものを削除させていただきます。


グスタドルフ

 突然だが俺は死んだ。享年22歳の男だ。

 

 前世の俺は何処にでもいるような一般的な男の子だった。小学校だと足が速かったお陰で友達…と呼べるかもしれない相手もできたが、そいつらとは進級してクラスが変わったりしたら話さなくなってしまった。

 

 まあ、いわゆる陰キャと言うやつだ。特に目立ちたいわけでもなく、かと言ってバカにされたり虐められたりするのは嫌だから常に成績は中の上位になるくらいには努力をしていた。 

 

 そんな生活を中学、高校でも続けてやがて社会人になった。安月給で給料日前になると財布の中身を気にしながら、コンビニのおにぎりを数えるように買う日々を過ごしつつ、趣味の登山をするための貯金をしていた。

 

 ちょっと自慢話になるんだが、俺は登山家の中では少しだけ有名人でな、一般人は入れない所にも俺は入ることができる。ちょっと危険な崖とかぶっちゃけ道じゃねぇとことかね。

 

 あくまで趣味のつもりでやっていた登山がほかの人からしたら物凄い体力、身体能力を持った若者が来てくれたと思ったらしくて先輩の登山家のおっちゃんが嬉々として色々教えてくれたんだよ。

 

 そしたら「今度雪山登山に行くけど一緒にいく?」って誘われてね、会社のほうは有給をとってついて行ったんだよ。勘の良い人は気づいたと思うがこの雪山登山で俺は死んじまった。凍死さ。クレバスっていう雪渓にできた深い割れ目が有るんだがそこに落ちちまったんだよ。

 

 体感10メートル位…ビルの三階くらいから落ちたような感じだな。落ちた衝撃で足を痛めて自力で出ることはできなくなった。おっちゃん達は助けてくれようとしたけど、タイミング悪く吹雪が吹いてきて救出が難しくなった。

 

 結果として俺はそのまま凍死したってわけさ。今でもはっきりと覚えているよ。おっちゃん達がずっと「気を失うな!絶対に助けてやるから!それまで耐えろ!耐えてくれっ…!」って叫んでいたよ。

 

 頑張って意識だけは保っていたけど、それでも体の先端から少しずつ何も感じなくなってきて、やがて動かせる部位が減っていった。足、指、腕と壊死して動かなくなり、やがて瞼を動かすこともできなくなって…俺は……俺は目を空けたまま凍死した………

 

 ◆

 

 つう訳で死んだ俺はいわゆる転生ってやつをした。最近漫画とかでよくあるやつだ。転生チートハーレム無双!俺の時代到来!…とかは心底どうでも良い。ん?死んだ割に明るくないかだと?まあ…死んじまったもんは仕方ないってことで受け入れているだけさ。さっき言った通り俺はただ穏やかで平穏に陰キャらしく過ごしたいだけなのだが…どうもそうはいかないらしい…

 

 「グスタドルフ!どこだ!何処にいる!」

 

 「そのように大きな声を出さなくても聞こえてます。兄上」

 

 この赤い髪の大男は俺の5歳年上の兄、ガノンドロフだ。俺はゲルド族っていうのに生まれたんだが…これが中々面倒な種族だった訳よ。なんせ…100年に1度男子が生まれる種族らしい。そんな種族の男で生まれてしまったわけだから周りから注目を浴びてすげぇ窮屈に感じるのよ…。極めつけはこの兄、ガノンドロフなんだが…

 

 「そこにいたか。、武器を取って昨日の続きをするぞ」

 

 この通り、常に上から目線で俺には命令ばかり…というのもゲルド族の男子は生まれながらにして特別な存在故に生まれた時点で長としてゲルドを治めることになっているそうだ。そして周りに甘やかされた結果がこの傲慢な族長様というわけ。…その傲慢な族長の弟が俺である…この時点で俺の平穏陰キャライフはなくなったも同然というわけだ…はぁ…

 

 「兄上、何度も申し上げましたが私は余り戦いをしたくないのです。どちらかと言えば料理や読書等をしてのんびり過ごしたいと」

 

 「知らぬ。族長命令だ、さっさと武器を取れ」

 

 ほらな…俺の話なんか聞く耳をもたねぇ。一応武器を取るまで待ってくれる分まだ温情はあるがそれでも無理やり戦わされることにかわりはないんだよ…それなりに戦えるけどさ…こっちに来てから色々鍛えられたから…

 

 「…承知しました、それで兄上は本日どの武器をお使いになって戦うおつもりですか?」

 

 「今日は槍だ。主に突きの素早さを上げるための特訓をする。準備はできたな?修練場にいくぞ」

 

 槍…か。ゲームとか漫画だと軽々と振り回しているように見えるがそうはいかない。日本で使われていた槍の重さは1キロぐらい。俺達が扱う訓練用の槍は鍛えるために重く作られてるからか4キロ位ある。そんな重さの槍をブンブン振り回せば肩が脱臼する。というかしたからね。

 

 槍は突き刺すイメージが強いが遠心力を利用して相手の頭を叩き潰す打撃武器としても使える。また、形状から投げたりするのにも有効だがそれをすることは多分ないだろう。

 

 そんなことを考えてる間に修練場に着きました、はい。宮殿から隣に行くだけだからね、そりゃすぐに着くに決まってるんですわ…

 

 「コタケ!コウメ!ここに参れ!」

 

 兄さんがそう叫ぶと何処からともなく2人の仮面を着けたゲルド族が現れた。この2人は現ゲルド族の部隊長でかなりの実力者だ。因みに俺のことが嫌いだということが明言こそしていないがはっきりわかる。なんで?

 

 「コタケ、只今参上しました」

 

 「同じくコウメ、只今参上しました。本日のご要件は何でございましょうか」

 

 兄さんに対してはこんなに丁寧なんだがなぁ…族長だからか?…いや、多分それだけじゃないよな…

 

 「例の如く判者を務めよ、此度は矛を交える」

 

 「承知しました」

 

 審判が決まりそろそろ試合が始まる。が、ぶっちゃけやりたくない…。俺が兄さんに勝てた記憶はないしいつもズタボロになるまでサンドバッグにされるだけだからな

 

 「兄上、改めてお聞きしますが…」

 

 「…なんだ?」

 

 「何故、私との試合に固執するのですか?試合の相手ならばそこのコタケ、コウメ隊長でも務められるではないですか。寧ろ私よりも率先して務めてくれると思うのですが…」

 

 「またその話か。コタケ、コウメは確かに実力者だが我との戦いについてくることは叶わぬ。持って数十秒といったところだ。だがグスタドルフ、貴様は違う。我との試合を長く続けることが出来る上に、我に反撃を与えることも可能だ。故に貴様との試合は我にとって実に有意義な時間なのだ」

 

 …それだけじゃないことくらいは察してるぞこっちは。あんたとの試合をやってるとき、あんたは俺の顔とかの急所じゃなくて腕や足といった部位を執拗に狙ってきてんだからよ…しかも同じ箇所を執拗に…

 

 「…弟を鍛錬するのに便利な人形みたいに扱わないでほしいものです…今更の話ですが…」

 

 「話は終いだ。コタケ、開戦の合図を」

 

 「承知しました…では!これより、族長ガノンドロフと弟グスタドルフの試合を開始する!制限時間は無制限、どちらかが降参または気絶等の戦闘不能時にのみ試合終了とする」

 

 コタケ隊長が声を上げると外から休憩中の戦士達がぞろぞろと集まってくる。いつもの光景だがやっぱりこういうのは好きじゃないな…俺がズタボロになるのを晒されるだけだし。…それで俺の精神にも攻撃しているのを知ってるけど

 

 「では両者見合って!」

 

 ああ、試合に集中しないと…

 

 「始めっ!!!」




一身上の都合で休ませていただきましたがこれからも頑張って書かせて頂きます。宜しくお願いします。
※書き直し後の変更点
双子設定削除、実力 ガノン>グスタフ
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