スター・ウォーズ:サムライ烈伝 作:izuminnー3305
時は西暦2133年の地球。長い時を経て遂に地球人類は宇宙進出を果たした。
月や火星への惑星移住や宇宙居住ステーションであるスペース・コロニーの建造で人類同士の争いや様々な問題は解決され、ようやく平和な時代が訪れた。
ある日、火星の衛星ダイモスにある地球連邦宇宙科学技術研究所の宇宙コロニーで“宇宙青年飛行団”の一人である『カミジョウ・ヤマト』男子訓練生は世界初となる超長距離ハイパードライヴのテストに挑もうとしていた。
宇宙科学技術研究所の宇宙コロニーの大型ドックでは水色のJAXS船内服を着こなした多くの宇宙青年飛行団の男女生徒達が宇宙服を着こなして一人乗り用の宇宙試験機へと向かうヤマトに向かって盛大に声援をする。
「ヤマト!頑張れよ‼︎」
「絶対に成功させてね!」
「グッドラック!ヤマト‼︎」
「幸運を祈っているわ!ヤマト‼︎」
ヤマトはそんな声援の中で笑顔で左右に向かって手を振っていると一人の金髪の女子と出会し、足を止めた。
「ヤマト、気を付けてね。無事に戻ってくる様にこれ」
少し照れ臭そうにヤマトの幼馴染である日系フィンランド人の『ルリ・フィオーレン』は彼に“成功祈願のお守り”を差し出す。
それを片手で優しく受け取ったヤマトは満面の笑みで彼女に向かってお礼を言った。
「ありがとう、ルリ。それじゃ言ってくるよ」
「うん。気を付けてね」
そしてルリは試験機へと歩みを再開したヤマトに向かって笑顔が大きく手を振った。
試験機に元に辿り着いたヤマトはその場で立ち止まり、これまでの人生を振り返る。
(ようやく、ここまで来た。落ちこぼれや時代遅れのメカニックと周囲から笑われたけど、俺はようやく人類の偉大な歴史に新たな1ページを刻む宇宙飛行士になったんだ)
ヤマトは苦労の人生がようやく報われる瞬間に心躍らせながら、深呼吸をして右脇とあるヘルメットを着けて、いざ梯子を一段一段と強く踏みながら試験機のコックピットへと乗り込んだ。
ベルトを締め、コックピットの電源を入れたヤマトは風防を閉じる。そしてヘルメットの無線機から声が出された。
「ユニトロン1、こちら管制室。機体状況をチェックしてくれ」
管制室からの指示にヤマトはコックピットシステムの操作しながら返答した。
「管制室、こちらユニトロン1。システムチェックは完了、計器、無線、エンジン、操作レバー、フットペダル、レーダー、酸素供給、燃料、電気系統、コネクションシステム、生命維持装置、コールドスリープ機能、脱出システム、全てオールグリーン。いつでも行けるぞ」
ヤマトから報告に管制室は試験開始のゴーサインを出す。
「了解、ユニトロン1。発進を許可する」
「了解したい管制室。これより発進する」
ヤマトはそう言って右横にある機体操作用のジョイスティックを掴むと左横にある加速レバーを手前へと少しずつ倒し、試験機を前進させ巨大な円の中へと止め、試験機を円と直結させる。
「オメガハイパー・ドライヴシステム、ドッキング完了。後部ハッチ閉鎖」
ヤマトはそう言ってコックピットの黄色のボタンを押すと警告のブザーが鳴り、後部は黒い巨大なドアで完全ロックされる。
ヤマトは振り返って後部ハッチが閉鎖された事を確認すると次は赤いボタンを押す。
「メインゲート解放。ランディグギア、収納」
ヤマトがそう言うと目の前の黒字で01と描かれた巨大なドアが警告ブザーが鳴ったのと同時に開いて行き、酸素が宇宙へと放出され、さらに試験機の下が後方へとスライドして行き、メインゲートが解放され無重力と真空状態となり、円を支えるアームギアのロックが外れる。
それを確認したヤマトはエンジンのパワーを上げて試験機を宇宙空間へと進めさせ、定位置に設置された大型マスドライヴシステムの射出口の前へと試験機を止めた。
「管制室、こちらユニトロン1。所定の位置に着いた。これより最終システムチェックに入る」
「ユニトロン1、こちら管制室。了解した。これよりカウトダウンを開始する」
するとヤマトの手前にあるディスプレイの右上端に180の表記が現れ、カウトダウンが始まった。
ヤマトは慣れた手つきで各システムのチェックを行なって行き、タイマーが60になると管制室から連絡が入る。
「残り一分前。ユニトロン1、マスドライヴシステムの起動をお願いします」
「ユニトロン1、了解した。マスドライヴシステム起動」
ヤマトはディスプレイに表示された縦に三つ並んだ横長表記のタッチスイッチを全て押し、マスドライヴシステムを起動させる。
「管制室、こちらユニトロン1。マスドライヴシステムは問題なく起動。インジケーター、操作システム、生命維持装置、エネルギー伝達、エンジン、レーダー、長距離光GPS、超光次元通信システム、機体安定システム、予備エネルギー、警告システム、脱出装置、全てオールグリーン、いつでも行けるぞ」
ヤマトが無線でシステムチェックの完了を伝えると管制室から返信が来た。
「こちら管制室、了解した。ハイパー・ドライヴ秒読み開始20秒前、19、18、17、16」
タイマーが進むに連れてヤマトは待機した状態で試作機のエンジンパワーを上げ、計機を操作してパワーを安定させる。
「10秒前、9、8、7、6」
すると目の前に青白い円形のエネルギーホールが現れ、運命の時が近づく。
「5、4、3、2、1、0!」
カウントが0任務なったのと同時にヤマトは身構えをして赤いボタンを押した。
「オメガハイパー・ドライヴ!開始‼︎」
そう告げたヤマトは試作機の待機を解き、物凄い勢いでエネルギーホールへと飛び込んだ。
超々高速空間の中でヤマトは経験した事がないGに耐え、計機のチェックをする。
「機体強度90%を維持!エンジン出力問題なし!安定装置正常!操縦系統異常なし!空間光高速通信システム問題なし!目標到達まであと20秒!」
だが突然、警告音が鳴り響きヤマトは急いでパネルを操作して確認する。
「管制塔!こちらユニトロン1!異常事態発生‼︎時空安定に歪みが発生!安全の為に緊急停止する!」
「ユニトロン1!こちら管制室‼︎了解!こちらでも確認した!直ちにシステムを停止せよ‼︎」
「了解!」
ヤマトは急いで警告色のカバーを外し強制停止スイッチを入れたが、試作機の加速は止まらず、どんどん早くなって行った。
「管制室!非常事態発生‼︎繰り返す!レッドコードだ‼︎強制停止スイッチが反応しない!制御不能!制御不能‼︎」
加速を続ける試作機から来るGにヤマトはどんどん意識が薄れて行った。
「ユニトロン1!応答せよ!繰り返す‼︎応答せよ!聞こえるかぁーーーーーーーーっ‼︎」
「ああぁぁっ!うわぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ‼︎」
絶叫するヤマト。そして遂に試作機はヤマトを乗せて眩い白い光の先へと消えて行ってしまった。
宇宙空間を浮遊する試作機の中で目を覚ましたヤマトは無線を入れた。
「こちらユニトロン1!管制室‼︎応答して下さい!管制室!応答願います‼︎こちらユニトロン1!ユニトロン1だ‼︎誰か返事をしてくれ!」
何度もコールするが、返って来るのはノイズだけであった。しかもGPSもレーダーも使用不能であった。
遭難した事を悟ったヤマトであったが、絶望はしなかった。
「こんな場所で死んでたまるか!生きてやる!生きて地球に帰らないと!」
固く決意したヤマトは無駄な動きと試作機のエネルギー消耗を避ける為に食事以外ではコールドスリープするのであった。
⬛︎
宇宙を漂流して何百日目。試験機の中でコールド・スリープをするヤマトは眠りの中で地球への帰還を願った。
(帰らないと、必ず皆の元に生きて、帰らないと)
眠っているはずのヤマトはまるで起きている様に意思を遠くへと飛ばしていた。それがまだ自分では気付いていない“フォース”である事に。
すると偶然か、それともフォースの導きか、高速船を操縦する“シスの暗黒卿”の戦士である『ダース・モール』がヤマトのフォースを感じ取り、彼の居る方向へと向かった。
デブリ帯に着いたモールは辺りを見渡しながらフォースの発信源を探しいていると大きな小惑星の影にヤマトが乗る試作機が張り付く様に留まっているのを見付ける。
「あの中からか」
モールは早速、プラズマアンカーを使ってヤマトが乗る試作機を引っ掛け運び出すのであった。
場所は変わり見知らぬ惑星の寺院の中で宇宙服を脱がされ、上半身裸でベットで寝ていたヤマトはゆっくりと目を覚ました。
「ここは?」
「目が覚めたか」
ヤマトは声のする方向に顔を向けるとモールが火で温まった鍋でスープを作っていた。
「うわぁ⁉︎あんた!もしかして異星人⁉︎」
ベットから飛び起き、後ろへと慄くヤマトに対してモールはニヤっと笑いながらスープの入ったお椀を持ってヤマトへと近づく。
「心配するな獲って食う事はしない。私はダース・モール。君の名は?」
優しく接して来るモールに対してヤマトは少し緊張を解き、ゆっくりとモールへと近づき、彼の持っていたお椀を受け取った。
「ヤマト、俺の名はカミジョウ・ヤマト」
「ヤマト、いい名だぁ。何故、あんな所に居た」
「それは・・・」
ヤマトはモールが作ったスープを食べながら事の経緯を話し、モールは静かに納得した。
「なるほど、それは辛かったなぁ」
「はい、正直怖かったです」
するとヤマトとモールの目の前に黒い服装に顔をローブで隠したシスの暗黒卿、『ダーク・シディアス』こと『シーヴ・パルパティーン』がゆっくりと闇より現れた。
「気分はどうかね?」
「マスター」
モールは立ち上がり師であるシディアスに頭を下げる。そしてシディアスは笑顔で片膝を着いてヤマトに言葉を掛けた。
「辛かってあろう暗黒の宇宙を彷徨うのは。でももう安心だ。お主にはフォース素質がある」
「フォースの素質?」
疑問に思うヤマトにシディアスは言葉を続けた。
「そうだ。誰しもが持つ無限の力だ。その扱い方を教えてやろう、そうすればお主の希望は叶うであろう」
シディアスの優しくも人の心の隙間を突いた誘惑の言葉にヤマトは喜びを見せた。
「本当ですか?本当に故郷に帰れるのですか?」
「もちろん、私達を信じれば帰るぞよ」
シディアスの温かみのある言葉にヤマトは確信し、ゆっくりとベットから出るとシディアスとモールの前に正座をし深々と頭を下げる。
「分かりました。心より感謝致します」
ヤマトからの誠心誠意の感謝にシディアスとモールは満足そうな笑顔を見せ、そしてシディアスはモールに言葉を掛ける。
「モールよ。お前は十分に腕を上げた。そこでシス・ナイトへ昇格させる試験としてヤマトをお前のパダワンに一人前のシスの戦士へとするのだ。よいな?」
シディアスからの命にモールは胸元に右手を置き、頭を下げた。
「はい、マイ・マスター」
こうしてヤマトはモールのパダワンとなり、フォースの扱い方を学ぶ事となった。