Fate/GrandOrder_RPG 格闘ビルドで《全員生存》を目指すゆっくり実況プレイ 作:クラウディ
12月はクリスマスの季節らしいね(12連続投稿の意)
――初めてだった。
――これほどまでに「お前」のことを思ったのは。
――初めてだった。
――『
――初めてだった。
――『目を焼かれるほど』に、誰かを『
――『愛したい』という『押し付けていた感情』……『
――『
『はじめまして!! あなたがベリル・ガットさんですか!? 最近ここに来ることになりました、『本郷守人』って言います!!
――あの時の『壊れそうな笑顔を浮かべてたお前』が初めてだったんだ。
「一般枠ぅ……? なんでそんなもんを……」
話の始まりは先日、『とある一件』を機に『反省部屋』……正式名称は違うがそんなもんでいいだろ……ま、そんな部屋に放り込まれていた俺に、盛大にぶん殴った上でぶち込んでくれた『ロマニ・アーキマン』が話をしに来てくれた。
「……人理修復には猫の手でも借りたいってことなんだよ。その内の一人が君達Aチームにも挨拶をしたいらしくてね……だから今回は特別に少しだけ出ても良いことになった」
内容は……どこの誰とも知らねぇパンピーが挨拶をしたいから、だそうな。
だからそのために俺を「仮釈放」するんだとさ。
「へぇ! 俺みたいな変人に会いたいなんて『モノ好き』はいるもんなんだなぁ! それじゃ早速――」
「――ただし!! 絶対に危害を加えてはならないし唆すのも駄目だ!! もしこれを守れなかったら……!!」
「分かってるっての。俺が誰彼構わず手を出す節操なしに見えるのか?」
「見えるから言ってるんだろうが……!!」
「ははっ、違いねぇ。俺も鏡の向こうの自分に言われそうだと思ってるからな!」
最初聞いたときは、ただの「面白れぇ奴」程度の認識だった。
いくらパンピー……魔術のまの字も知らねぇ『一般人』と言えども、明らかにやらかしているから『反省部屋』にぶち込まれているであろう『危険人物』に会いたがるのか……もしかしてそいつ、底抜けの馬鹿なのか?
まぁ、また『あの子』に出会えるっていうんなら、受け入れてやるよ。
精々感謝しとくぜ、どこの誰とも知らねぇパンピーちゃんよぉ。
――その認識が崩れたのは、そいつと出会ってからだった。
「―――――――――――――――――――は?」
「っ、先輩……!」
「――安心して、マシュ。俺が付いてるから。あ、オフェリアさーん!! マシュちゃんと一緒にお茶会してきて~!! 俺はこの人とお話してきます!!」
「えっ!? わ、私!? え、えぇ……分かったわ……。マシュ、行くわよ?」
「っ! はい……。せ、先輩……」
「だいじょーVジェネレート! 安心しロッテ○ア!! あとで追加のおやつ持っていくよ~!」
久しぶりに『あの子』に再会できると思っていたら、その『あの子』の横には『知らねぇガキ』がいた。
しかも相当に親しそうな様子。俺が近づいたのを感じた『あの子』が真っ先に身を寄せていたところから察せられる。
怯えている『あの子』をオフェリアに任せ、その場に残されたのは俺とそのガキだけ。
……いや、曲がり角にペペロンチーノの奴さんと、キリシュタリアも隠れているな。デイビットも見ていやがる。
かーっ! 愛されてんねぇ!! これが最近来た一般枠か??
そんな奴らに囲まれている中、2人が離れていったのを確認したガキは、大きく息を吸ってから口を開いた。
「改めてはじめまして!! あなたのお名前はベリル・ガットさんですね!!?? 俺の名前は『本郷守人』!! 見ての通り、何の変哲もない一般人!! ……一般人? いや、オトンとオカンは普通じゃなかったな……オトンはなんか魔術使ってるし、オカンは鉄でも何でもズンバラリンって切ってるし……と、とりあえず一般の日本生まれ日本育ち!! 好きなものはどら焼きとか飴……キャンディーですね! それが好きな一般人です!! よろしくお願いします!! 先輩の好きな食べ物は何ですか!? これでも料理作るの結構得意なので言ってください!! 作ってみせますから!! あ、でもアマ○ンズクッキング的なのは流石に無理なので簡便な!! あとは――!!」
「いや声デケェな」とか、「パンピーにしてはよく警戒してるな」とか、「お前の両親何者だよ」とか、「それで一般人名乗るのは無理だろ」とか、色々と考えがよぎる俺を知ってか知らずか、目の前のガキ――『本郷守人』は自己紹介を続けていきながら質問を投げかけていく。
いやマジで多いな質問。ってかア○ゾンズクッキングってなんだ。あとで調べておくか……
……と、いう感じに、俺の頭の中の冷静な部分はそんな判断を下していたんだが、それを直撃させられている俺は、『別の感情』が心の奥底から湧いてくるのを感じてしまう。
――なんで、こいつこんなに『美しくなりそう』なんだ?
俺は、自身が『異常者』だということを自覚している破綻した人間だ。
高名な美術館に行っても、どれ一つとして俺の心には響かなかったくらいには、「美しいものを見る」感覚が明後日の方向にカッとんでいる芸術オンチ。
だけどそんな俺でも最近美しいものを感じることができるようになった。
――それが『
俺は『美しいもの』が
『愛している』なら尚更、自らの手で傷つけたくなる……そんな破綻した人格を持つのが俺。
だが、今この場には『マシュ』はいない。
目の前にいるのは『本郷守人』と名乗る自称一般人のガキだけだ。
だが、それでも……嗚呼――――
「――綺麗だなぁ……お前……」
「そうそう、俺って綺麗……え゛!? ベ、ベリル先輩って、もしかして『そっちの気』があります……? お、俺はいたって普通のノンケでして……」
「いや俺もそっちの気はねぇからな!? 『
「やっぱそうですよね!!?? よかったよかった!!! 危うく初日からケツを掘られそうに……!!」
「お前の俺へのイメージどうなってんだよ!!??」
「え? えーっと……誰彼構わず食っちまうようなオラオラ系ハッテン場の住人……?」
「想像の十倍以上ひでぇ第一印象だな!!??」
「ご、ごめんなさい!!! さっきまで頭の中で歌ってたのが『やら○いか♂』だったんでぇ!!!」
「何だその作った奴の頭の中身を心配するレベルの歌は!!??」
「?? デイビット、『や○ないか♂』とはなんなんだい??」
「やめておきなさいキリシュタリア。『ソレ』を調べてはまずいわ」
「そ、そうなのか……?」
「ペペロンチーノがそう言うほどとは……知らない方がよさそうだな……」
一瞬哲学的な思考がよぎったが、そんなのはもう目の前のこいつの言葉で全部流されて行った。
いくら何でもひでぇだろ、人のことを出合い頭にケツを掘るような男だと思ってるとか……やっぱ日本人は変た――――やっべ、ペペさんからの殺意が……!!
ま、まぁそんな風にガキンチョとやいのやいの言い合って追いかけまわした結果、盛大に疲労がたまって肩で息をする程度には時間が経った。
「ぜぇ……!! ぜぇ……!! お、お前……なんだその体力……!!」
「え、えっと……慣れ、かなぁ……?」
「慣れって……どんな慣れだよ……」
「えっと……大木ぶん投げてくるオカンとの鬼ごっこの結果、ですかね……?」
「絶対お前一般人じゃねぇよ……」
「そうですか? オカンは格ゲーの技を再現できるんですけど……」
「お前ら人間じゃねぇ!!!」
先程までの「未知への困惑」はとうの昔に吹っ飛んでた。
だがそれ以上にある考えが湧いて出てきていたんだ。
――「こいつ、超が付くほど綺麗で面白ぇ」と。
『マシュ』に向けていた感情なんて一瞬で吹っ飛んだ。
俺みたいな歪なやつでもこんな感情を浮かべられるほどに、こいつは『綺麗』で『面白い』。
『綺麗』なのは表面上の『色』だけじゃねぇ。
なんとなくだが分かる『感情の色』が綺麗だったんだ。
――こいつはきっと美しく咲く。
――誰にも負けないくらいデカい……『
――それが咲き誇るのを、俺は見ていたくなったんだ。
――だから――――
「――――ごめんねベリル先輩。『
――嗚呼、チクショウ……こんなのってありかよ……
俺達がたどり着いたのは、救世主気取りの木偶の坊の元締めが自慢げに構えた『終局特異点』。
俺達は弱くはなかった。
――だが、それ以上に奴さんが強すぎたんだ。
基礎的なステータスだけじゃねぇ、サーヴァントの攻撃を否定する『ネガ・サモン』、無尽蔵に復活する魔神柱……
手数も火力も足りねぇ、最後の切り札として全員で考えていた『ロマニ・アーキマン』の自滅技は、『アイツ』自身がいやがるからと却下された。
だが、そうも言っていられない。
だから『ロマニ』は全力で向かっていた。
だから俺達は到着までの時間を稼ごうとした。
――だから……
――それが一番まずかった。
『――なん、だ、それは……!? 貴様ッ――本郷守人ッ!! 貴様は一体ッ、何をするつもりだ――――!!??』
「――くるりくるりと、世界は廻る――そこもとそこもと手を取って、結んで繋げて遊びましょ――」
『答えろッ!! 貴様は一体ッ、『
奴さんが展開していた光帯レベルに『膨大な力』が、『アイツ』を中心に回り始める。
一瞬、奴さんが『アイツ』を殺すために魔術を仕掛けてるのかとも思ったが、それは奴さん自身が困惑している時点で否定された。
『守人君を中心に膨大な魔力が観測されています!!! ダヴィンチちゃん!!! これは一体――――!!!???』
『――――
『ッ!! やめるんだ守人君!!! それ以上は――――!!!』
「――くるりくるりとまわるのは――無限の輝き、万華鏡――」
「守人、君……!!」
「守人……!!」
「や、やめてよ馬鹿後輩ッ!!! 私にっ、私にまた見送らせろっての!!??」
「やめてください守人さん!!! いやっ、いやぁあああああああああああああ!!!」
「ッ!! やめなさい守人ちゃん!!!」
「やめろ守人ぉおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
ボロッボロになったキリシュタリア達も声をかけるが、アイツの言葉は紡がれていく。
――アイツが『完成』されていく。
「――くるりくるりと、回り続けて――「
「先輩!! 行っちゃダメです!!! わ、私、まだあなたの傍で――――!!!???」
「もり、と……?」
『マシュ』も、『アイツの幼馴染』も、全員が手を伸ばしているのに――――
チクショウ、チクショウ、チクショウ……!!
「――――嗚呼――チクショウ――それは、俺が、
「――――――――――――」
最後の最後に欲を出してみた。
それが聞こえたのか『アイツ』が俺の方向へ振り向いた。
アイツが浮かべていたのは――――
「――――――――またね?」
――『絶対に助ける』という意思がこもった『
(そうか――『
――――そして、世界は巻き戻される。
――――俺達のことを、置き去りにしながら……
「俺の名前は『ベリル・ガット』って言うんだ。これからよろしく頼むぜ♪」
「よ、よろしくお願いします……ベリル、先輩……」
よぉ『相棒』。
今度こそ、お前が咲き誇る所を見させてくれよ。
今度は俺だけが見たいなんて言わねぇ。
この世に生きる全人類に「俺の『相棒』はすげぇんだぞ」って教えてやりてぇ。
そしたら、お前に花束を贈ってやりてぇんだ。
俺は花を育てる才能だけはあるんだよ。
だから、お前に合う『向日葵』の花束を、送ってやりてぇんだ。
――――だから、『今回も駄目』にはさせねぇぞ?
「ふむふむ……! やっぱりベリルさんはこういう人! 『
「よし、このアーカイブも大切に保存しておこう!!」
「もしかしたら――『次』があるかもしれないし!!!」
「……『ボク』も、早く『元気なみんな』と一緒にお菓子食べたり、雑談したり、綺麗な星空が見たいな~!!!」
「それじゃ!! 今回の"回帰"も!! 頑張るぞ~……!!!」
「おー!!!!」
副題「――遥か彼方のあなたへ、向日葵の花束を」
・向日葵の花言葉:「未来を見つめて」、「願望」、「程よき恋愛」、「冷静な判断」、「悲哀」、「偽りの愛」、「高貴」、「愛慕」
・1本だけの向日葵を送る意味:「一目惚れ」
・3本の場合:「愛の告白」
・7本の場合:「密かな愛」
・11本の場合:「最愛」
・99本の場合:「永遠の愛」、「ずっと一緒にいよう」
・108本の場合:「結婚しよう」
・999本の場合:「何度生まれ変わってもあなたを愛す」
個人的にビク○ィニは「ビクトリー」と「ビクティム」のダブルミーニングだと思っている勢。