Fate/GrandOrder_RPG 格闘ビルドで《全員生存》を目指すゆっくり実況プレイ   作:クラウディ

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 2人で一人の探偵さ(2連続投稿の意)




SIDE「A」:~大聖杯前

 

 

―――時間は遡り、守人が到着する十分ほど前のAチーム(+α)サイドでは……

 

 

「ねぇカドック。お茶菓子はないのかしら? もしくは『彼』の私物、次点で『ボードゲーム』は……」

「ある訳ないだろキャスター……今は我慢してくれ、後でアイツの部屋に突撃するなりなんなりしていいからさ……」

「言ったわねカドック??」

「おっと失言だったか」

 

「えぇ!? 守人って『ブリュンヒルデ』さんの息子だったの!?」

「えぇそうですよ立香。『あの子』は私と『シグルド』の大切な大切な子供で……『あの子』は昔から飴玉が好きで好きで……」

「真に受けないで藤丸立香……!! アンタは守人の幼馴染でしょうが……!!」

「我が妻よ、無理して『突っ込み』をするのはよくない。しばし休め。汝の代わりに我が『突っ込み』を……」

「は?? 守人は私の夫なのですが????」

「守人は俺の相棒だが??????」

「モ、モルガン様にベリル先輩!? そんな炎にガソリンを放り込むかのようなことは!?」

「わ、私はどうすれば……」

 

「なるほど……そちらの結論と、当方の叡智で導き出した答えと大きな差異はないようだな」

「こちらも光栄だ、英雄『シグルド』……いや、セイバーと言った方がいいかい?」

「否、当方の名は誇るべきもの。我らの『息子』が称賛……『カッコイイ』と言ってくれたのだ。隠すようなことはあまりしたくない」

「ふふっ、貴方のような英雄もやはり父親なのですね。まるで「野○一家」の大黒柱のようだ」

「『クレ○ンしんちゃん』であったか……今の世を生きる良き父親……カルデアに資料が残っていると良いのだが……」

「いやマスター……ナチュラルに『アイツ』のこと息子って呼んでることに違和感持てよ……」

 

「ふふっ、微笑ましいわねアーチャー?」

「なんでそこで俺に話題を振る……まぁ、肩の力が抜けてんのはいいことじゃねぇのか?」

 

「…………チッ」

「……どうしたんだアサシン?」

「いんや、『あの馬鹿』の『再演』に巻き込まれて色々と(こいつ)をぶっ放してきてはいたが、結局当たるようにはならなかったなと思っただけだ」

「そうか……ちなみに銃が当たらない者のことを世間一般では『クソエイム』と言うらしいぞ

「オーケーデイビット。事実を悪気なく突きつけるのはやめろ」

 

 

 

―――和やか(?)な空気が漂っていた。

 

 

 

『こうなることは予想はしていたけど、普通は予想外すぎる出来事よね……』

『あ、あはははは……同感です……』

「かーっ!! なーんで今回の俺も杖持って呼ばれちまったんだよ!! こうなるんなら槍で呼び出してほしかったぜ!!」

 

 そんな彼らを見守りながらそうこぼしたのは、ホログラムの先……『人理継続保障機関カルデア』の所長―――『オルガマリー・アニムスフィア』と、カルデア所属の医師―――『ロマニ・アーキマン』、そしてこの特異点で知り合った『キャスター』だ。

 

 ……立香とマシュ、そしてAチームのメンバーが合流し、霊脈の収束地へと向かい始めてから凡そ十数分後。

 なんとか霊脈の収束地にたどり着き、カルデアへと連絡をつなげられた彼らは、現在の状況について説明を受けることとなった。

 『回帰』を経験した者達にとってはもはや慣れてしまった状況ではあるのだが、『回帰』の影響を受けていないであろう立香に関しては何も知らないまま行動させるわけにはいかない。

 

 

―――『えっ!? 人類滅亡!? 世界が真っ赤っか!? しかも先輩たちは魔法使い!?』

―――『正確には魔術師ね。私達の業界では魔法使いはもっと上の存在よ』

―――『??? ドユコト団長??』

―――『団長じゃなくて所長よ。例えるなら……そうね……』

―――『あれだよ立香君。『遊び人』から『賢者』になる的なやつだと思ってもらえれば分かりやすいかな?

―――『その例え方で分かるんですかキリシュタリア様……??』

―――『!! なるほど!! 完璧に理解した!!!』

―――『分かるんかぁい!!!!』

―――『つまり、魔術師が遊び人を極めたら魔法使いになれるということだな。守人曰く、魔法使いはそんな人物が多いと聞く』

―――『今、真面目に根源目指してる全世界の魔術師に喧嘩売るような発言したぞキリシュタリアにデイビット……』

―――『ぶははははははは! やっぱ面白れぇわその例え!!』

 

 

 こんな一幕もあったが……まぁ一旦置いておこう。

 

 そんなこんなで立香への状況説明を終えたキリシュタリア達。

 しかし、いくら彼らが優秀であるとはいえ、特異点攻略のためには戦力となる『サーヴァント』の召喚が必須。

 なので霊脈の力も利用して、既にマシュと契約している立香以外のメンバーが一人ずつ召喚をしていったのだが……

 

 

 その結果が今の状況だ。

 

 

『カドックは『アナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノヴァ(キャスター)』、オフェリアが『シグルド(セイバー)』と『ブリュンヒルデ(ランサー)』、ヒナコが『項羽(バーサーカー)』、ペペは『アシュヴァッターマン(アーチャー)』で、キリシュタリアは『カイニス(ランサー)』、ベリルは『モルガン(キャスター)』、デイビットが『テスカトリポカ(アサシン)』……』

『錚々たる顔ぶれ、ですね……』

「それに関しちゃお前もだろ?」

『いやいやいや!? 今の僕はホントのホントにただの無力なモヤシ男だからね!?』

 

 

―――『ロシア帝国最後の皇帝の第四皇女』

―――『悪龍殺しの大英雄』と『戦乙女の長姉』

―――『秦王朝を滅ぼした覇王』

―――『バラモン最強の戦士』

―――『アルゴノーツの一員』

―――『ブリテンの魔女』

―――『アステカ神話の"全能者"』

 

 

 召喚されたサーヴァント達の異名を並べるだけでこの威圧感である。

 誰もが凄まじい力を持つ者達であり、語り継がれるほどの存在。

 しかもオフェリアに関してはサーヴァントを2名も召喚しており、召喚直後は全員を驚かせたものだ。

 

 しかし忘れてはいけないのが、カルデアの者達はこの人理修復の旅を『回帰』の先まで持っていかなければならない「目的」があるということだ。

 もし、協力的でないのなら……という「最悪も最悪の想定」をしていたのであったが、

 

 

『それにしてもよかった……皆さんにも()()()()()()()()()()()()ということが分かって……』

「まっ、それを思い出したのも冬木市(ここ)がこんな有様になってからだったがな。突然、頭ン中に知らねぇのに身に覚えがある記憶(モン)が放り込まれてきたと思えば、見たことある集団がいたんだ。否が応でも察しはするぜ?」

 

 

 オルガマリーのほっとしたような言葉に、キャスターが杖を手で遊ばせながらそう返す。

 

 

―――サーヴァント達にも『回帰』の記憶がある可能性。

 

 

 もしこれが「今いるメンバーだけ」だったとしても、最低限ではあるがこれからの連携がスムーズに行えるだろう。

 この特異点の後に続く別の特異点でも、記憶持ちのサーヴァントと出会えるのであれば万々歳だ。

 

 だが、それはそれとして別の懸念も出てくる。

 

 

『この特異点の主……『アーサー王』の様子はどうでした?』

「んー……まぁアンタらの予想通りだと思うぜ。あれは俺らと『記憶持ち(お仲間)』だ。だけど協力はしてくれなさそうだぜ? あ、見方を変えればある意味味方か。堅物な奴さんのことだ。いつぞやの坊主的な言い方をするなら『レベリング』、ってやつか? 絶対に壁として立ちはだかってくるから覚悟は決めておきな」

『そうですか……情報提供、感謝します』

「いいってことよ」

 

 

―――そう、記憶持ちであるが故のイレギュラーな行動だ。

 

 

 そもそも『今までと違う要素』があるというのに、それを完璧になぞれるほど決まった行動をする人間など存在しない。

 いくらサーヴァント……『英霊』と言えど、彼等もまた思考し、言葉を介して行動する者達だ。

 こんな『回帰(特大の爆弾)』を放り込まれてしまえばほぼ確実に想定外の動きをするだろう。

 

 

『ナンバリングが一つ前のゲームの攻略本もらった気分ですね……それも前作と世界観共有してるし過去キャラが沢山出てくるタイプの……』

『微妙にわかる例えを出すのやめてロマニ……それにしても記憶持ちアーサー王ねぇ……』

 

 

 ロマニの例えに、頭が痛いと言わんばかりにため息を吐くオルガマリーは、今回敵対するサーヴァント……『アーサー王』について想起する。

 

 

『……『約束された勝利の剣(エクスカリバー)』、聖剣としてトップクラスの知名度を誇る神造兵装。魔力を光に変換し、刀身内で増幅と収束をすることで強力な一撃を放つ。本人の魔力が十分であるならば連射も可能。まともに受ければサーヴァント諸共後ろにいるマスターが消し飛ばされる……『過去の回帰(今まで)』と違ってマシュの力を全力で使えている今でも油断はできない……何なら本人の出力も相まって足を止めて撃ってくれる気はしない……』

「あの嬢ちゃんのことだ。魔力の砲撃を置いて突っ込んでくるとかは十分に考えられるな」

『飛び道具置いて近づいてくるとかどんな『待ちガ○ル』の上位互換ですかねぇ……?』

 

 

 味方なら頼もしいが、相手になるとここまで恐ろしいとは……そう思いながらも、オルガマリー達は思考は止めない。

 

 

『でも……』

『ええ。()()()()よ。絶対に皆で終わらせましょ。私だって、皆と外出したいんだから』

「お、いいねぇ。最初の時に比べればいい女になってんじゃねぇか所長さんよぉ」

『お褒めの言葉ありがと。でも私はもう心に決めた相手がいるの』

「へっ、振られちまったか。ま、アンタがそこまで言う男ならさぞかしいい男なんだろうなぁ。女を待たせるところはちっとばかしいただけねぇが」

『えぇ、本当に待たせ過ぎなのよ。あの子は』

 

 

 軽口をたたきながらも、彼らは歩みを進め、ついにたどり着いた。

 

 

「ここが……!!」

「先輩、お気をつけて。既に相手はいますので」

「う、うん……」

 

「―――その心がけは称賛に値するぞ、カルデアの者達。敵前で油断するなどは戦場では命とりだからな」

 

 

 『柳洞寺』の地下に存在する大空洞の奥へと進んだ立香達を迎えたのは、突き立つ剣に手を添えながら、黒く染まった甲冑に身を包む女性。

 まるで大きな蛇……『龍』に睨まれたかのようなその威圧感は、否が応でも全身を強張らせる。

 

 立香以外の者達はこの圧を何度も感じてきてはいたが、今回は殊更に『重い』。

 一触即発の睨み合いの中、口を開いたのはベリルが召喚したサーヴァント……『モルガン』であった。

 

 

「……久しぶり、と言えばいいのですかアルトリア?」

「……こうして言葉を交わせるのも久しぶりだな姉上。雑談の一つや二つはしたいところだが……まぁ、今はそんなことを話している暇はない。お前達は終わらせに来たんだろう? この地獄のような『旅路』を」

「当たり前です。『我が夫』のためですので。そういうあなたは英雄という割には世界を終わらせる側に着くんですね?」

「……はぁ……そう簡単に済めば苦労はしていないだろう? 姉上も、そして『アイツ』も……」

 

 

「ね、ねぇマシュ……? モルガンさんとアーサー王さんって姉妹さんなの……?」

「そうですね……少しばかり、その……お二人とも複雑な関係を持っておりまして……」

「うへぇ……『アイツ』の周りの女ってあんなのばっかりだな……」

「修羅場は傍から見る分にはいいとは『ラノベ(バイブル)』に書かれてはいたが……」

「あの女も『彼』に瞳を焼かれちゃったのね……かわいそう……」

「今世紀最大の『お前が言うな』だぞキャスター……」

 

 

 モルガンとアーサー王……『アルトリア』が険悪な空気のまま言葉を交わす横で、立香は自分を庇うように立つマシュに声をかける。

 カイニスとキリシュタリア、アナスタシアにカドックもそれぞれ言葉を交わしながらも警戒は続けていた。

 

 しばし口論が続いていたモルガンとアルトリアであったが、2人の間で流れていた空気が変わる。

 

 

「―――でだ、戦いの前に私は一つ聞きたいことがある姉上」

「あなたと気が合うとは虫唾が走りそうですが私もあなたに聞きたいことがあります」

 

 

 

「「あなたはこの『旅路』を終わらせる手段を考えているのか?」」

 

 

 

―――それは互いに考えていたことであり、立香を除いたその場にいる全員の意見であった。

 

 

「あなたのやり方では『我が夫』を殺しかねない。私は到底理解できません」

「姉上のやり方では結局ただの焼き直しだ。その程度で乗り越えられると?」

 

 

 空気が重い。

 殺意がぶつかり合う。

 誰かが少しでも動けばここは一瞬にして崩壊するだろう。

 

 

「カドック」

「ああ、ありったけ持ってけ……!」

 

「項羽様……」

「うむ……」

 

「我が愛、当方が先陣を切る」

「ええ。オフェリア、構えを」

「は、はい……!」

 

「あーあ。まぁそのつもりで来てはいたんだがなぁ……」

 

「カイニス行けるか?」

「ハッ、誰に言ってやがる!」

 

「アーチャー」

「分かってるっての」

 

「マシュ!」

「はい先輩!!」

 

 

 全員が臨戦態勢を整え、戦いの火ぶたが切られ―――

 

 

 

 

 

「―――バーサーカー」

「■■■■■■■■―――!!!」

 

 

 

 

 

「―――……えっ?」

 

 

 

 

―――立香の背後に突如としてバーサーカーが現れた。

 

 






 卑怯とは言うまいな?

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