現代ダンジョン サモナーが行く   作:金林檎1

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第二十六話

「暑いな」

 

 命が今いる場所は火山地帯であり世田谷ダンジョンの四階層でこのダンジョンに挑むために準備を万全にしておりその最たるものが那須に作ってもらった対火のポーションでこの地獄の様な環境でも快適に過ごせているのは那須のポーションのお陰ともいえる。それに加えて魔杖の水魔法を使って体を冷やしており随分と過ごしやすい。

 

 何時ものメンバーにブランを抜いてバトラーをパーティーに加えておりバトラーのレベルアップを兼ねておりその手には金倉に作ってもらった槍が握られている。

 

 『水蛇の槍』ランクB

 攻撃力50 耐久度50

 スキル

 水属性、刺突

 

 水蛇君主のバックルを装備させており少々、レベルが低くとも活躍してくれるだろう。

 

 サラマンダー

 スキル

 火属性

 

「ウォーター・バレット」

 

 向かってくる赤蜥蜴たちに向けて水魔法を放つ。魔杖から魔法を引き出しているから通常の魔法よりも魔力の消費が多いがその分、威力は十分で弾丸の雨に晒されたサラマンダーは蜂の巣となり出鼻を挫かれて足を止めるサラマンダーを召喚モンスターが処理していく。

 

《召喚モンスターのレベルがアップしました》

 

 バトラー

 ドール

 レベル3→6

 スキル

 刺突New!

 

 心配だったバトラーもバックルや装備のお陰でサラマンダーと互角に渡り合えておりアインを彷彿とさせる機械の様な正確さで槍の間合いを生かして戦っている。アイン達もレベルの低いバトラーを気遣って戦っており武器を扱うアインはバトラーにとって良い教官役で一緒に戦っている。

 

「やっぱ使い心地がいいな」

 

 思ったよりも魔杖の使い心地が良く嵌め込まれている魔石が魔法の媒介として上手く機能しているようで魔法の発動がスムーズで上位の魔法使いが得物に拘る理由が分かった気がする。こんなのを使ったら今までの武器には戻れない。

 

「さて、どう進んだものかな」

 

 見渡す限りマグマが広がっており方向感覚も分かったものではなく一応、持ち込んで置いた地図を見るが随分と複雑に入り組んでいるようでかなり面倒そうだ。索敵のスキルを持つフォボスが周囲を警戒しておりかなりの数のモンスターが潜んでいるらしく慎重に進まなくてはならない。

 

「ガルァ!」

 

 フォボスが警鐘を鳴らしてサラマンダーが群れを組んでこちらに向かってきておりいち早く気づいたフォボスは氷のブレスをお見舞いしてサラマンダーを凍り付かせる。それに怖気づくことなくサラマンダーは次々と現れてこちらに向かってくる。

 

「ウォーター・ウェーブ」

 

 サラマンダーが放っていく炎を水の波で打ち消す。迫り来る群れをアインが挑発を使って押し留めてアヴァリスが思う存分、暴れまわる。命の腰位はありそうなサラマンダーを掴んで振り回したりとやりたい放題でアヴァリスも久しぶりに思う存分に暴れられて満足と言った感じでアヴァリスが仕留めそこなったサラマンダーをバトラーが粛々と止めを刺している。

 

《召喚モンスターのレベルがアップしました》

 

 アイン

 デス・ナイト

 レベル7→8

 

 バトラー

 ドール

 レベル6→10

 精密操作New!

《クラスチェンジ条件が満たされました。クラスチェンジ先を選択してください》

 

 サラマンダーの群れを倒し切りあまりの経験値にバトラーがクラスチェンジできるようになった。サラマンダーの魔石を回収しながらステータス画面を見る。

 

 ビスクドールNew!

 ステータス

 筋力C

 体力C

 敏捷C

 魔力D

 スキル

 重装New!

 

 クレーシュドールNew!

 筋力D

 体力C

 敏捷C

 魔力C

 回復魔法New!

 

 どちらも平べったいステータスでどこかに特化していると言う風ではなく器用貧乏なステータスでこのステータスがドールの特徴なのだなと思いながらどちらにしたものか考える。ビスクドールは戦闘面が強化されてクレーシュドールは貴重な回復魔法を覚えて魅力的ではあるがフラウで事足りているのも事実だ。

 

「なら、こっちだな」

 

 バトラー

 ビスクドール

 ステータス

 筋力C

 体力C

 敏捷C

 魔力D

 スキル

 重装New

 

 クラスチェンジしたバトラーは何も着ていないマネキンの状態からしっかりと衣装を着こんでおりどこか中性的な人間の姿へと変わる。かなりの変わりように驚きながらアヴァリスが装備していた腰当を装備させる。このダンジョンを出たらバトラー用の装備も用意しなければならないと考えながら先へと進む。

 

 イフリート

 スキル

 炎魔法、炎無効

 

「精霊(エレメント)まで出てくるのか」

 

 魔力で構成されたモンスターで属性の濃い場所に生息しているモンスターである為、火属性がたっぷりなこの場所を好むのは当たり前で精霊は物理攻撃が通用しないと言う厄介なモンスターでそこそこ数が居り面倒な相手だ。

 

「ウォーター・ブラスト」

 

「フリィー!」

 

 魔法攻撃で蹴散らすしかなく命の水魔法にフラウが雷を流してそれを浴びたイフリートは全身に電流が行き渡り力なく消えていく。雷魔法と水魔法は親和性が高くそれは科学的にも証明されており更に威力が増している。魔法を持たないアインやバトラーは器用にもそれぞれ武器に属性を付与させてイフリートを攻撃しておりやはりモンスターの方が魔力の扱いが上手いらしい。

 

《召喚モンスターのレベルがアップしました》

 

 フラウ

 ハイピクシー

 レベル6→7

 

 アヴァリス

 レッドオーガ

 レベル6→7

 

 フォボス

 フロストウルフ

 レベル6→7

 

 バトラー

 ビスクドール

 レベル1→2

 

 順調にレベルアップしていき命はバトラーを送還してフローガを召喚する。均等にレベルを上げたいと言う思いからであり一応、フローガにも対火のポーションを飲ませて水魔法のエンチャントを施しその背に乗る。周囲にはモンスターが多くいるようで一気に駆け抜けることにする。

 

「はっ!」

 

「ヒヒーン!」

 

 フローガの腹を蹴るとスキルを使用して疾走する。襲い掛かろうとするモンスター達の間を縫って走り去っていき行く手を阻もうとするモンスターを踏みつけながら少し、開けた場所に辿り着き一旦休憩することにする。

 

 器に水魔法で水を作り出して召喚モンスター達に飲ませていく。魔力でこの場に存在している彼らにとっては必要ないかもしれないが特にフローガやフォボスといった獣型のモンスターは美味しそうに水を飲んでおりフラウも上品に水を飲み、唯一、アインだけが水を必要としなかった。

 

「ぷはぁ!」

 

 冷えた水が体に染み渡る。水魔法のエンチャントを掛け直してフローガに乗り探索を再開する。周囲には相変わらずモンスターが潜んでいてボスの元へと辿り着くにはかなり掛かりそうなのでフローガのレベル上げをしようとモンスターが潜んでいる場所へと向かっていく。

 

 サラマンダーに加えてイフリートもかなりの数が居り、命が手綱を緩めると合図を受け取ったフローガは果敢にモンスターの群れへと突撃する。スキルで強化されて結構な速度が出ているが命を振り下ろさないようにしておりやはり賢い子だと思いながら魔法を展開する。

 

「ウォーター・レイン」

 

 イフリート達の頭上に雨雲が発生しそこから豪雨の様に水が降り注ぎ雨粒1つ1つが殺傷力を持っており防ぐ手段を持っていないイフリート達は成す術なく攻撃を受け続けており駄目押しにとフラウが雷魔法を放ち、電流が全体に広がっていきかなりの大ダメージで弱ったモンスターに突進する。

 

《レベルアップ!召喚モンスターのレベルがアップしました》

 

 柏崎命

 レベル1→2

 スキル

 水魔法New!

 

 フローガ

 ホース

 レベル6→10

 スキル

 突進New!

《クラスチェンジ条件が満たされました。クラスチェンジ先を選択してください》

 

 魔杖で水魔法を行使し続けたからか水魔法を取得しフローガのクラスチェンジも行えるようになった。フローガから降りて一旦、モンスターが寄り付かないようにと結界を貼りフローガに着けていた馬具を取り外してステータス画面を表示する。

 

 ナイトホースNew!

 ステータス

 筋力C

 体力C

 敏捷B

 魔力D

 スキル

 重装New!

 

 マジックホースNew!

 ステータス

 筋力D

 体力C

 敏捷B

 魔力C

 風属性New!

 

 物理タイプか魔法タイプに分かれる様で今のパーティーのバランスを考えると魔法タイプにするのがいい気もするが何とも悩ましい。じっくりと悩んだ末、結論を下す。

 

 フローガ

 ナイトホース

 ステータス

 筋力C

 体力C

 敏捷B

 魔力D

 スキル

 重装New!

 

 少し細身だったフローガの馬体はとても大きくなりさっきまで着けていた馬具が小さく感じるほど立派な体になっており蹄鉄も外れてしまっている。顔つきも心なしか精悍なものとなっており歴戦の軍馬と言った感じであるが穏やかな目元は変わらないままで命に頭を擦り付けており甘えたがりなのは変わらないようだ。

 

「流石に馬具無しじゃ乗れないな……」

 

「ブルル……」

 

 フローガに乗るのにも慣れたとはいえ馬具の補助がないまま乗りこなすのは難しく落ち込んでいる様子のフローガを撫でて送還しブランを召喚する。ボスまでもう少しであり出来ればベストメンバーで挑みたい。

 

「キー」

 

 器用にアヴァリスの肩の上に座るブラン。その頭を軽く撫でてやり出発する。道中はほぼ、スルーであり入り組んだ道を進むと大きな広場がありその中央にボスが鎮座している。

 

 ファイヤードレイク

 スキル

 咆哮、炎属性、爪撃

 

 最下級とは言え正真正銘の火竜でありその威圧感は本物であり離れた場所にいるにも関わらずビリビリとした威圧感を感じる。ファイヤードレイクは眠っている様子でその下には煌びやかなアイテムが存在しており財宝を愛するドラゴンの習性とも言える。

 

 万全を期して臨みたいので命は全員にエンチャントを施し水魔法を手に入れられたのはかなりの収穫で水魔法のエンチャントは体力を上昇させるためボス戦にはうってつけである。準備が整い命の合図と共に駆けだす。

 

「ブオオオオ!」

 

 巣にやってきた侵入者に直ぐに気づき咆哮が放たれて幸いなことにスタンはせずに済み状態異常が無効なアインは真っ先に駆けだして剣閃を纏わせた長剣を軽々と振るいファイヤードレイクの竜鱗に深々な傷を与える。剣閃と共に劇毒も流されておりファイヤードレイクは見るからに苦しそうにしている。

 

「ウォーターランス+ウォーター・バリスタ」

 

 水の槍がバリスタの様に引き絞られて高速で発射される。槍はファイヤードレイクに突き刺さり甲高い悲鳴を上げさせることに成功しフォボスが突き刺さった水の槍をブレスで凍らせて固定してそれをアヴァリスが思いきり叩きつけて更に食い込ませてファイヤードレイクにダメージを与える。

 

 かなりえげつないコンボであるが効果は覿面で激しく血を流しており動きが鈍くなったところを見逃さないのがブランであり鋭い爪で目玉を抉り視覚を奪いおまけにとバットステータスも付与する手際の良さで混乱したファイヤードレイクはあらぬ方向に攻撃を加えている。

 

「ファイヤードレイクは毒が効きにくいと聞いていたけど……」

 

 ファイヤードレイクの苦しみようは凄まじく黒い血を吐き出しており血液が毒で侵されているのだろう。見るからに弱ってきており力なく倒れそうなファイヤードレイクにアインが黒いマントをはためかせながら近づき手に持つ刀身が青白いものではなく漆黒に染まり闇属性が付与されているのが分かる。

 

「カタカタ」

 

 振り上げられた長剣は死神の鎌のようで巨大なファイヤードレイクの首を跳ねる。特に固い鱗で覆われているはずの首を簡単に切断してしまうほどアインの剣閃は磨かれているという事で難しいとされる属性を付与することも簡単にやってのけてしまうのだからモンスターの魔力の扱いは命が想像するよりも凄いのかもしれない。

 

《レベルアップ!スキルレベルがアップしました。召喚モンスターのレベルがアップしました》

 

 柏崎命

 レベル2→3

 スキル

 召喚魔法22→25、水魔法1→5、人魔一体2→3、統率2→3

 

 アイン

 レベル8→9

 

 ブラン

 レベル6→7

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