現代ダンジョン サモナーが行く   作:金林檎1

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第四十七話

「流石、ロンドンの探索者ギルド。日本とは比べ物にならないデカさだな」

 

 命はロンドンの一等地に建てられている探索者ギルドの前に立っており此処に来たのは張り出された依頼書を見るためであり今日も時計塔ダンジョンを潜る予定で時計塔ダンジョンのモンスターの魔石を欲している依頼書でもないかとディスプレイに映し出されている依頼書を備え付けられた端末で詳しく見る。

 

 予想した通り時計塔ダンジョンに関する依頼書がびっしりと表示されて流石は世界中の魔法職が求める時計塔ダンジョンだと思いながら良さげな依頼を幾つか受ける。中にはアークマジシャンの素材を求める依頼もありリベンジもしたい所だったので丁度いい。

 

『大変危険な依頼となっておりますがよろしいのでしょうか?』

 

「心配なさらなくても一度、倒している相手ですので」

 

 受付嬢が心配してくれるがアークマジシャンは一度倒して対抗手段も手に入れたので難しい相手ではない。アークマジシャンは時計塔ダンジョンで多くの探索者の命を奪った死神と評されるモンスターでありそれだけ討伐数が少なく素材の重要性も上がっており依頼書には莫大な報酬が用意されている。

 

 命の様な子供が相手できるモンスターではないと警告したがダンジョン探索に挑むものは自己責任で受付嬢も止めることは出来ず、警告する事しかできない。また、一人の命が失われるのかと憂い顔を見せる受付嬢にまぁ、こんな反応だろうなと命も納得する。

 

「目指せ、一階層制覇だな」

 

 昨日よりも深く潜るからと使用人には伝えておりもしかしたら日を跨ぐかもしれないからと待合室で待たなくてもいいと伝えたのだが仕事ですのでと頑なで幸いにも時計塔ダンジョンのロビーには出店が多くあるので食事には困らず待合室は宿泊施設も完備しているので問題ないと淡々と言われて納得するしかなかった。

 

 今回のパーティーメンバーはアイン、アヴァリス、フラウ、フォボス、バジレウスでファイヤードレイクを使役している姿から多くの探索者から注目を集めるが気にすることなく進んでいく。

 

 ブランの代わりにバジレウスを採用したのはバジレウスの巨体から繰り出される物理攻撃に強力なブレスを当てにしての事で二段階目のクラスチェンジ組であるがバジレウスのステータスは古参メンバーにも負けないもので頼りにしている。

 

「そうこうしている内に出てきたな」

 

 アークマジシャンだけでなくその他のマジシャンが三体、徒党を組んでおりダンジョンに入ったばかりだと言うのにキツイ展開だ。アークマジシャンは最後方におり攻めにくい位置に陣取っており他のモンスターはアークマジシャンを守るように立っている。

 

 「ま、そうくるよな。解呪魔法!」

 

 開幕からアークマジシャンは重力魔法を放ってくる。予想できたことであるため、冷静に解呪魔法で重力魔法を解体してお返しにとバジレウスのブレスが敵陣に放たれるが氷の防壁によって防がれる。

 

 新たに魔力障壁を手に入れたので緊急時の防御を行えるようになったので何時もは命の護衛をしながら戦っているアインを前線へと押し上げることが出来る。アイン、アヴァリス、フォボスは魔法を掻い潜って間合いを詰めていく。

 

「フリィー」

 

 援護するように今度はこっちから重力魔法を放つが重力魔法の恐ろしさを十分に理解しているアークマジシャンはモンスター達も一緒に転移魔法を使い、重力魔法を強引に解除する。モンスター達は魔力暴走によって強化された魔法を幾つも放ってくる。

 

 フラウがアイン達に風の防壁を付与して命も魔力を収束させる。魔力制御を手に入れたお陰で魔力の発動がスムーズになっており無言詠唱や詠唱破棄も上手く作用する。

 

「テンペスト・サイクロン!」

 

 アークマジシャン達を竜巻の中に閉じ込める。転移魔法というのは思ったより繊細な魔法で繊細な魔力コントロールと演算能力を必要とし簡単に使えるものではない。命はバジレウスに竜巻に向かってブレス放たせて竜巻に炎を加えて炎の竜巻へと変えて竜巻の範囲を狭めていく。

 

 このままならば火炙りにされて簡単に終わりそうであるがAランクモンスターがそう簡単にやられる訳はないと分かっているので命は脱出する前にアイン達にエンチャントを施す。

 

「やっぱり出てきたか」

 

 転移魔法でも使ってくるのかと思ったが脱出手段はド派手で炎の竜巻を特大の氷河魔法で凍り付かせると言うもので氷が砕かれてアークマジシャン達は出てくる。しかし、竜巻を氷漬けにしたフロスト・マジシャンは流石に消耗している様子だった。

 

 先程の攻防からフロスト・マジシャンはモンスターの中で防御役をこなしている様でその防御役を消耗させられたと考えれば閉じ込めるなんて迂遠なやり方をやって正解だった。僅かな時間であったが準備は万全で戦闘を再開する。

 

「マス・パラライズ」

 

 アークマジシャンは確かに強い。そんな相手を真っ向から相手にするのは馬鹿のすることであり積極的に搦め手を用いる。広範囲に設定された麻痺呪文がアークマジシャン達の動きを僅かであるが制止させる。

 

 その一瞬があれば十分で閃光と共に現れたアヴァリスが最も消耗しているフロスト・マジシャンの顔面を握り潰しアークマジシャンにもその拳を放つが麻痺から復帰したアークマジシャンはアヴァリスを転移させて遠ざける。

 

「フレイム・ブラスト」

 

「フリィー」

 

「グォォ!」

 

 空間魔法を発動させるのは分かっており空間魔法は簡単に多様出来るものではなくフロスト・マジシャンという防御役を失った相手に容赦なく強力な魔法が放たれる。

 

 バジレウスの灼熱のブレスが相手の防御を剥がして命の炎の砲撃とフラウの嵐の槍がアークマジシャンの取り巻きのモンスター達の体を貫いてこれでアークマジシャンを守る者はいない。

 

「さぁ、チェックだ」

 

 アークマジシャンの後方から息を潜めていたフォボスが現れて空間魔法を使う暇すら与えずにその喉元に噛みつき鮮血が地面に散りアークマジシャンの息の根を止める。

 

≪レベルアップ!スキルレベルがアップしました。召喚モンスターのレベルがアップしました≫

 

 柏崎命

 レベル15→16

 スキル

 炎魔法8→9、暗黒魔法9→10、無言詠唱4→6、詠唱破棄4→6、魔力制御1→2

 アイン

 デス・ジェネラル

 レベル6→7

 フラウ

 フェアリープリンセス

 レベル3→5

 アヴァリス

 オーガロード

 レベル4→5

 フォボス

 マナガルム

 レベル4→5

 バジレウス

 ファイヤードレイク

 レベル5→10

 体力回復New!

 

「これで依頼達成だな」

 

 アークマジシャンの魔石を拾い上げながら受注していた依頼が達成したのを確認し一息つく。アークマジシャン達が状態異常に対する耐性を有していたらもう少し、戦闘が長引いていたかもしれないと思い戦闘中に流れていた冷や汗を拭う。

 

 戦闘中は汗を拭う暇などないので気にしていなかったがかなりの量の汗をかいており一手間違えれば死に直結する尋常ならない戦場で自分が思っているよりもストレスを感じているのかもしれない。

 

「休んでる場合じゃないな。先を急がないと」

 

 汗を拭うと出発する。道中はモンスターが何体も現れたがアークマジシャン並みのモンスターは現れなかったので危なげなく一階層の最奥、ボス部屋の前に辿り着いた。

 

≪召喚モンスターのレベルがアップしました≫

 

 バジレウス

 ファイヤードレイク

 レベル10→12

 

「結構、人が居るな」

 

 ボスに挑むための待機列が結構あり結構、待たされそうでありボス部屋の前にはボスに挑むための受付が設置されておりモンスターが湧かない訳でもないのに受付を設けているとは凄いことだ。

 

「受付お願いします」

 

『ん?ボーイ一人かい?』

 

「サモナーなのでパーティーは組んでないんです」

 

『そうかい。まぁ、ここまでこれたんだからボスに挑む実力はあるか。ほれ、番号札。順番になったら呼び出すから聞き逃さないようにな』

 

 時計塔ダンジョンのこんな奥深くにいる人間である為、人の能力を見抜くことは出来る様で受付嬢のように憐れむようなことはされなかった。適当な壁際に移動して座れるだけのレジャーシートを敷くとバトラーを召喚して軽食と珈琲を淹れてもらう。

 

 無人島での経験から最低限の物資をバックアップの中に入れており料理スキル持ちであるバトラーがいるのはとてもありがたくバトラーは火魔法を使えるので火も問題なく使えるので料理や珈琲に使う用の水は命が提供する。

 

『なぁ、アンタ。俺たちにも分けちゃくれねーか?』

 

「貴方に上げてしまったら他の人にも上げなくてはいけませんので」

 

 周囲に香ばしい匂いが広がったため探索者の男が珈琲を欲しそうにして来るが流石に人に上げられる分の珈琲は用意しておらず彼に渡してしまったら自分もと求めてくるものが押しかけてくるのは明白だ。

 

『せめて、一口だけでも……』

 

『止まないか、ロバート。うちのパーティーメンバーがすまなかったな』

 

 理性的なパーティーメンバーがいたようで欲しがってきた男を連れて行ってくれる。命はバトラーから差し出された珈琲を口にして落ち着く。別荘で飲んだ珈琲よりも命好みであり軽食のサンドイッチもあり合わせの食材で作ったとは思えない出来栄えでレタスがシャキシャキとしていて美味しい。

 

 ダンジョン内でこれだけ快適な思いが出来るのだから選択できる生産スキルで料理を取っておいて良かったと言える。バトラーやフローガ達のレベルも上げたい所であるが挑んでいるダンジョンの強さが強さなので参戦させるのは難しい。

 

「今度からもうちょっと調味料を持ち込んでおくか……」

 

 日を跨ぐことになると思っているので食料を幾つか持ち込んでいるが調味料は必要最低限で塩コショウと醬油と味噌でバトラーに何を持ち込むか相談したら最低限それだけあればいいと言った感じでありもう少し、調味料を充実させたら料理のレパートリーも増える事だろう。

 

「そろそろ俺の番かな?」

 

 意外と人がはけていきそろそろ呼ばれてもいい頃合いでバトラーを送還しレジャーシートを片付ける。ダンジョンのボスは道中のモンスターの上位種であることが普通であるがアークマジシャンよりも強いと考えた方がよく気合を入れ直そう。

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