現代ダンジョン サモナーが行く   作:金林檎1

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第五十九話

「これほどまでとは……」

 

 クラスチェンジしたバトラー達の戦い振りを見て命は感嘆する。バトラーはクラスチェンジしたことで弓術と槍術が昇華されて見るからに動きが変わっておりモンスターを倒す速度が大きく上がっておりノワールは機動力が増して目にも留まらぬ速さで飛翔し杖に雷を纏わせたり地面を操作したりと器用に属性を操り一番変わったのが呪詛で今までの呪言は発動に時間が掛かっていたが即効性が増して付与されるバットステータスもえげつないものとなっている。

 

 ロイドは空間属性を多用して転移を繰り返し一方的に攻撃を与えて重力を発生させて拘束したりと器用な戦い方をし持ち前の筋力の高さも相まって手が付けられなくなっている。クラスチェンジする前は意外と苦戦していたがそんな様子は一切なく三段階目のクラスチェンジの凄さを実感させられる。

 

「フローガのレベルも上げたいんだがこんな環境じゃあな」

 

 流石に雪で足を取られてしまうだろうから召喚はしないでおく。クラスチェンジが終わって一段落付いたので命はこのメンバーでこの階層のボスに挑んでみることにする。

 

 狩りをしている途中にボスが居るであろう場所も把握しているのでそこに行くまでに時間は掛からず迷うことなく向かうと雪が一層深い場所にボスは居る。雪山の上でたたずんでおり雪原のボスに相応しい風格をしている。

 

 フロストジャイアント

 スキル

 超金剛力、氷河属性、超頑強

 

「デカいな」

 

 名の通り正に巨人であり生半可な攻撃ではビクともしなさそうな大きさで持っているスキルもその巨大さに似合うものであり敵を視認してその体を動かして拳を握り雪が吹き飛び大きなクレーターを作り出す。

 

 まともに受けたら流石のアインでも受けきれないであろう威力でありなるべく受けないようにしなければならない。脅威度を計算し直して命はロイドを送還してバジレウスを召喚しバジレウスの鋭い爪がフロストジャイアントを切り裂くが大したダメージは与えられていない。

 

「バジレウスの攻撃でもあのダメージか。これは長い戦いになりそうだ」

 

 呟きながら命は空間魔法でアインとアヴァリスをフロストジャイアントの足元へと転移させて一気に攻撃を与える。フロストジャイアントのタフさはその体格による圧倒的な体力とスキルによる防御力にありアインの剣閃とアヴァリスの拳は防御力を貫通するのでかなりのダメージを与えている。

 

 命は魔力を意図的に魔力を暴走させて魔法の威力を上げてフロストジャイアントに炎の槍を放つ。貫通とはいかなかったが深く槍が刺さっておりダメージは与えられている。

 

「ジャ!」

 

 ノワールの瞳が禍々しいオーラを纏って呪詛が発動される。呪詛が齎すバットステータスは劇毒や裂傷、腐食、石化と言った深刻なものでそれを幾重にも付与できると言うもので呪詛に侵されてフロストジャイアントの動きが悪くなる。

 

 アインは器用にフロストジャイアントの体を駆け上がっていき顔面までたどり着いて大きく切り傷を与える。フロストジャイアントはアインをどけようと手を伸ばすが命が転移魔法でアインを退避させてアヴァリスの振り絞られた拳がめり込み態勢を崩す。

 

「グォォ!」

 

 バジレウスの紅蓮がフロストジャイアントのガードの上から大きなダメージを与えておりガードした両腕は焼き爛れており炭化寸前であり超頑強というスキルを有するフロストジャイアントに凄まじいダメージを与えており紅蓮の威力の高さが伺えるが真正面から受けてそれだけで済んでいるフロストジャイアントの防御力も凄い。

 

 両腕が使い物にならないことに気付いてフロストジャイアントは物理攻撃から魔法攻撃へとシフトして大規模な氷河が襲い掛かる。

 

「フレイム・ウォール」

 

「グォォ!」

 

 それらを命の炎の壁とバジレウスのブレスが向かい撃つが無尽蔵に氷河を放ってきてまるで津波の様な勢いで命もかなりの魔力を注ぎ込んでいるが拮抗するのが精一杯でバジレウスの紅蓮ならば押し切れるかもしれないがあれには溜めが必要でありそれをさせないつもりなのだろう。

 

 命は炎の壁を維持しながら指示を下し雷光の指輪でアヴァリスが瞬時に移動しフロストジャイアントに強烈な一撃を食らわせ魔法を中断させて反撃しようとするフロストジャイアントをブランが襲い掛かり石化を撒き散らしフロストジャイアントの行動を制限する。

 

「テンペスト・ボルト!」

 

 魔力暴走を付与した嵐の矢を複数展開して動きが鈍いフロストジャイアントに降り注ぎ、かなりのダメージを与えて悲痛な叫びを浮かべている。体力の消耗具合は結構なもので決着までもう少しと言った様子だが油断はできない。

 

 フロストジャイアントの瞳からは戦意が失われておらず虎視眈々と反撃の機会を伺っておりやられっぱなしではないだろう。剣閃に雷を纏わせたアインの剣が振り下ろされようとした瞬間、とてるもない魔力が放出されて使いものにならなくなった拳を振るいアインを吹き飛ばす。

 

「暴走か、厄介な……」

 

 体力が残り僅かな状態でなければ発動できないと言う厳しい条件のスキルであり厳しい条件に似合うスキル効果でステータスを大幅に上昇させると言うもので重症状態なのを感じさせない姿で暴走によってステータスが上昇したせいで折角封じた両腕も使えるようになっている。

 

 このスキルを発動させないために一気に方を付けようとしていたのにそう、上手くはいかないものだ。

 

「グラビティ・プリズン!」

 

 漆黒の牢獄がフロストジャイアントを捕らえてとてつもない重力が押しかかる。しかし、フロストジャイアントは重力の檻を力ずくで破って数分も拘束できなかった。フロストジャイアントはバジレウスを最も警戒している様で溜めの時間は作らせないと機敏な動きでバジレウスに攻撃を与え続けて動くたびに地面が揺れている。

 

 バジレウスをしてフロストジャイアントの動きを完全に抑えることは出来ず、逆に押されている位でありそれだけフロストジャイアントの力は凄まじくその巨体に相応しいものでバジレウスも真正面からはぶつかっておらず出来るだけ攻撃を受け流したりと工夫している。

 

「単純な拘束は力づくで破壊してくる。なら」

 

 命は魔力を集中させてフロストジャイアントの足元に転移してその体に触れる。

 

「グラビティ・メイル」

 

 命の渾身の魔力が込められた重力魔法が発動し付与対象に触れると言う条件をクリアしてフロストジャイアントに重力の鎧を纏わせる。先程の檻とは違い直接、魔力で編まれた重力の鎧を纏わせることでフロストジャイアントの体があまりの重さに耐えきれず沈む。

 

 残された魔力の殆どを注ぎ込んだもので巨体に似合った筋力を持つ、フロストジャイアントでも立ち上がれないほどの超荷重で全く、身動きが取れない状態でバジレウスの溜めの時間が稼げた。

 

「グォォ!」

 

 一切合切を焼き尽くす劫火がフロストジャイアントを一瞬で燃やし尽くす。

 

≪レベルアップ!スキルレベルがアップしました。召喚モンスターのレベルがアップしました≫

 

 柏崎命

 レベル17→18

 スキル

 召喚魔法38→39、炎魔法15→16、人魔一体11→12、統率13→14、鼓舞11→12、魔法強化26→27、魔力回復25→26、魔力制御5→6、無言詠唱14→15、詠唱破棄14→15

 アイン

 デス・ジェネラル

 レベル8→9

 ブラン

 フォレストオウル

 レベル4→5

 アヴァリス

 オーガロード

 レベル6→7

 バトラー

 ガラテア

 レベル1→2

 バジレウス

 ドラゴン

 レベル1→2

 ノワール

 アークデーモン

 レベル1→2

 

『氷巨人のベルト』ランクA

 攻撃力60 防御力60 耐久度50

 スキル

 超金剛力、超頑強、氷河属性

 

「バジレウスが居なかったらもっと掛かってたな」

 

 バジレウスの火力がなければ戦闘が長期化していたことだろう。召喚王の指輪のお陰で魔力には困らなくなったが紅蓮を連発するとなるとかなりの消耗であり元のフルの状態に戻すまでどれだけ掛かるだろうか。

 

 指輪の魔力が満タンになるまでダンジョン探索はお預けだなと思いながら巨大な心臓と魔石をアヴァリスに運んでもらってバックパックの中に入れる。フロストジャイアントのだけあってかなりの大きさで入れるのも一苦労だ。

 

「今は何が召喚できるのかな」

 

 召喚魔法のレベルが上がったことだし何が新たに召喚できるか確認する。

 

 鬼New!

 ステータス

 筋力C

 体力D

 敏捷D

 魔力D

 スキル

 選択可能、物理耐性

 

 バットNew!

 ステータス

 筋力D

 体力D

 敏捷C

 魔力C

 スキル

 嚙みつき、反響定位

 

 タートルNew!

 筋力D

 体力C

 敏捷D

 魔力D

 スキル

 噛みつき、頑強、属性

 

 新たに三体のモンスターが召喚可能リストに加わっており夕陽が召喚していた鬼も召喚可能であり武器スキルを選べるようでタートルは属性を選べるらしい。近接役に盾役、バットは遊撃役と言っていいのだろうか戦っている姿を見ていないので判断が付かない。

 

「召喚」

 

 十六夜

 鬼

 ステータス

 筋力C

 体力D

 敏捷D

 魔力D

 スキル

 刀術、物理耐性

 

 新たに召喚された十六夜は見た目だけならば普通の人間そのものであるが額に立派な角を生やしておりそれだけがモンスターであることを示しており無造作に伸びた髪を揺らしており見ていて鬱陶しいのでヘアゴムを渡して纏めさせる。

 

「確り、手入れしたらイケメンに見えそうだけど……」

 

 ぱっと見でもかなり整った顔をしており髪を切り揃えて少し、手入れしたら更に男前が上がるだろうがそれをするだけの技術は命にはないので放置する。必要なのは戦闘力であり六階層とかなりハードであるが戦闘に参加してもらうことにする。

 

≪召喚モンスターのレベルがアップしました≫

 

 十六夜

 鬼

 レベル1→5

 

「へぇ、アインとは違った戦い方だな」

 

 アインよりも深く間合いに入り刀を振り抜き、刀の鋭さは凄まじくこのレベルだと言うのにホワイトウルフを見事に真っ2つにしておりその鋭利さは凄まじく間合いの管理も上手く相手の攻撃を一度も受けておらず一方的に相手を攻撃している。

 

 アイン達の補助があるとはいえ六階層という魔境で通用する強さであり純戦士とは言えないアインとは違う、根っからの純戦士でありこれは成長ぶりが楽しみだ。

 

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