現代ダンジョン サモナーが行く   作:金林檎1

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第六十話

≪召喚モンスターのレベルがアップしました≫

 

 十六夜

 鬼

 レベル5→10

 スキル

 剛力

 《クラスチェンジ条件が満たされました。クラスチェンジ先を選択してください》

 

「もう、クラスチェンジか」

 

 モンスターとの戦闘を繰り返すとあっという間に十六夜がクラスチェンジ出来るようになった。戦闘を繰り返す度に十六夜の刀は鋭さを増していき先程はスノーゴーレムの腕を両断しクラスチェンジ前とは思えない活躍を見せていた。

 

 鬼人New!

 ステータス

 筋力B

 体力C

 敏捷D

 魔力D

 スキル

 剛力、弓術

 

 夜叉New!

 ステータス

 筋力B

 体力C

 敏捷D

 魔力C

 スキル

 剛力、選択可能

 

 ステータス的にはそう、変わらないが鬼人はこのまま近接として育っていくらしく夜叉は属性を使えるようになる様でどちらにしたものか迷う。しかし、このまま近接役として育てていく方が面白そうであり命は鬼人を選択する。

 

 十六夜

 鬼人New!

 ステータス

 筋力B

 体力C

 敏捷D

 魔力D

 スキル

 剛力、弓術

 

 クラスチェンジした十六夜は体格が増しておりアヴァリスほどではないが筋肉量が増していているがただ、肉が増えたと言うよりは均整の取れた肉体となっており平均的な身長である命よりも大きくなっている。

 

「一応、弓も持っているのか。でも、そんなに品質が良い物じゃないな。帰ったら金倉に依頼しないと」

 

 現在の十六夜の格好は一般的な着流しと言われるもので防御力が高いとは言えず持っている刀と弓もランクの高いものとは言えずそんな装備でよく六階層のモンスターと戦えているなと感心してしまう。

 

 クラスチェンジもしたことだし帰還してもいいのだが、もう少し十六夜の戦い振りを見ておきたいと言う気持ちがありボス戦を終えて疲れているはずなのに体中にアドレナリンが分泌されており疲れを全く感じていない。

 

「もう少しだけ……」

 

 区切りがつくまで滞在しておきたい。命は念の為とシャインを召喚して十分に回復魔法を施してもらいすっきりとした状態となりまだまだ、行けると吹雪の中、モンスターを求めて進む。

 

≪召喚モンスターのレベルがアップしました≫

 

 十六夜

 鬼人

 レベル1→5

 スキル

 風属性

 

「流石に長く居すぎだな」

 

 命が我に返ったのは十六夜が新たなスキルを入手した瞬間であり地面には大量のモンスターの死体が転がっておりあれだけ高かったテンションが解消されて平静さを取り戻した。ボス戦の疲労からランナーズハイの様な状態になっていた様で気を付けないとなと思いながら冷静な頭で鬼人となった十六夜の戦い振りを思い出す。

 

 体格が増したことで攻撃も更に激しいものになっていたが刀の冴えが衰えることは無く更に増しており新たに弓術を手に入れたことで瞬時に武装を変更して遠距離の相手にも対応し弓術も凄まじく百発百中で遠近と隙がない。

 

 満足のいく戦力でもっとレベルを上げたいが流石にこれ以上は命もそうだが十六夜も限界の様でありアイン達の援護があるとはいえ六階層のモンスターと戦い続けるのは大変の様で肩から息をしており限界寸前と言った様子だ。

 

「無理させて悪かったな。ゆっくり休んでくれ」

 

 十六夜を労い、送還する。六階層で通用することが分かったので次の階層にも連れて行くことは決めており二段階目のクラスチェンジもそう、遠くないなと思いながらポータルに触れてダンジョンから脱出する。

 

 ダンジョンの中で一日中過ごしていたことになり既に日は登っており流石にこれから学校に行く気は起きずダンジョン近くのホテルに宿泊して泥の様に眠る。

 

「少しは妥協しなきゃな」

 

 ベットから起き上がって流石に昨日は調子に乗り過ぎたと反省する。六階層に留まったから良かったがあの状態ならば七階層に進んでも可笑しくないテンションの上がりようで何事も妥協が必要であり欲張りすぎるのは良くないと自制する。

 

 昼過ぎになって学校に戻り、金倉に戦利品を渡してから教室に顔を出すと既に展示会場の準備は終わっており各々、どの魔石を展示するかで盛り上がっている。

 

「お、重役出勤だな!」

 

「茶化すな。悪いとは思ってるんだから」

 

 目ざとく命を見つけた宍戸にからかわれながらも盛り上がるクラスメイト達を見る。

 

「小林のスゲー!」

 

「ファイヤードレイクの魔石だろ?やっぱ、小林のパーティーはスゲーぜ」

 

 クラスメイトの中でも最も貴重な魔石を持っていたのは小林でありBランクのモンスターの中でもかなり高位のモンスターであり討伐を避ける事例の方が多い危険なモンスターでありそれを倒したパーティーとしてかなり鼻高々と言った様子だ。

 

 競う訳ではないが命はAランクの魔石を持っておりクラスメイトが用意している魔石の質を見ると相応のものに変えた方が波風が立たないかなと考えているととんでもない魔力を感じて一斉にそちらを向く。

 

「何?」

 

 視線の先は獅子王が持っている魔石でありクラスメイトの持っている魔石や小林が持っているファイヤードレイクの魔石よりも凄まじく魔石となった後だと言うのに生前の力を感じさせるものであり尋常ではない。

 

「し、獅子王さん……それって」

 

「グランドトリケラトプスの魔石」

 

 それを聞いてあれだけ盛り上がっていたクラスが静まり返る。大英博物館のフィールドボスモンスターの魔石であり小林の持っていたファイヤードレイクの魔石とは比べ物にならないほどの品質であり今回の展示会の目玉が決まって瞬間だった。

 

「獅子王の奴、太っ腹だな」

 

「な!あれだけの魔石を展示するなんてな」

 

 てっきり防具でも作るのかと思ったが獅子王のスタイルではあまり重い装備を着ては戦いの妨げになるだろうから防具選びは慎重にしているのだろう。しかし、あれだけの魔石を売るでもなく学校の展示会に出すとは豪胆にも程が合る。

 

 流石の小林もあれだけのものを出されたら黙って居るしかなく恥をかかされた状態であるがそれを表に出さないだけの忍耐が夏休みに築かれていて問題は起こらなかった。前までの小林ならば恥をかかされたと激怒しそうなところであったが本当に成長したらしい。

 

「宍戸はどうする?」

 

「んー、ロンドンのダンジョンで出た奴をテキトーに出すかなー。そういうお前は?」

 

「適当なものかな」

 

 獅子王がとんでもないものを展示してくれたお陰で手持ちのAランク魔石を出してもいいのだが注目を集めるのも面倒なので適当なものを展示することにする。教室の展示会場が出来上がったため、各々が部活の手伝いへと行き始める。

 

 宍戸も戦士部に参加しているのでその準備に行くらしく話によれば例に漏れず部費を稼ぐために出店をするらしくメニュー開発に難航しているらしい。命は文化祭の準備に追われている人々を尻目に情報室へと向かう。

 

 多くのダンジョンの情報が収められたコンピュータールームで生徒ならば誰もが閲覧することができダンジョンに行く前には出来るだけここに来て情報を集めるようにしている。

 

「おや、柏崎くんじゃないか」

 

「新道寺。君も情報室に用が?」

 

「これでも情報部の所属だからね。メンテナンスをしてたのさ」

 

 情報室に居たのはギルド見学ぶりとなる新道寺との再会であり新道寺は腕に情報部と書かれた腕章を嵌めている。情報部は情報室にあるコンピューターの整備やダンジョンの情報を更新するのが役目であり結構な歴史がある部活らしい。

 

 命は適当なコンピューターを起動させて世田谷ダンジョンの七階層の情報を集める。流石は情報室で凄い量の情報が集まっている。七階層は草原エリアでかなり広いらしく現れるモンスターも多岐に渡りケンタウロスからグレイウルフなど数多くおりボスであるビーストマンモスはかなりの巨体らしくフロストジャイアントに続いてまた、デカい敵との戦いだ。

 

「でも、雪原みたいな過酷な環境じゃないだけマシだな」

 

 あれだけ装備を整えていたのに寒く感じるくらいには過酷な環境であり次の階層がそうでないのを知って安心する。モンスターの強さは兎も角、環境はマシなので戦いやすい。十六夜のレベル上げもあるし環境は良いに越したことは無い。

 

「世田谷ダンジョンの七階層ですか……随分、進んでるんですね」

 

「新道寺のパーティーもかなり調子がいいって聞いたぞ?」

 

「パーティーメンバーに恵まれたからですよ」

 

 新道寺のパーティーは渋谷ダンジョンの六階層を踏破したと新聞で書かれており命も結構なペースで進んでいる気がするが流石は新道寺がパーティーに選んだだけあり快進撃を続けている。

 

「七階層に行くんでしたらバットスメルの呪文がおすすめですよ」

 

「バットスメル?悪臭を出すスキルだったよな?」

 

「えぇ、獣型のモンスターは他のモンスターと違って鼻が利きますから意外と馬鹿にならないんですよ」

 

 いいことを聞いた。流石は純魔法職で命と違ってパーティーを組んでいるだけあって目の付け所が違う。獣型のモンスターは人間の数倍、モンスターによっては百倍の嗅覚を持つものが居りそんなモンスターに悪臭を食らわせたらそれだけで行動不能になってしまうだろう。

 

 その他にも新道寺は命にアドバイスをしてくれてそのどれもが的を得たものであり命だけでは気づかなかったものであり一般家庭である命にはない積み重ねがあるとしか思えずすらすらと出てくる。

 

「本当に為になった。何か力になれることがあったら言ってくれ」

 

「そんな、良いですよ。一緒にギルド見学に行った仲じゃないですか」

 

 どこまでも謙虚な男で見習いたい。新道寺が与えてくれた知恵はかなりのものであり命に出来ることがあれば必ず役に立とうとそう思った瞬間だった。新道寺はそれから情報室が閉まる時間まで命の相談に乗ってくれて得難い時間だった。

 

 情報収集を終わらせた命は端末で装備が出来たと言うので金倉の工房へと向かう。

 

「あー、ちょと待っててね。今、手が離せないから!」

 

 そういって奥の方で作業をしており命は持ってきておいたペットボトルのお茶を飲んで金倉の時間が空くのを待つ。カンカンと甲高い金属の音がしており文化祭で売りに出す武器でも作っているのだろうか。

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