現代ダンジョン サモナーが行く   作:金林檎1

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第七十三話

 八階層を踏破して命は学校に帰還して金倉に手に入れた道中のモンスターの魔石やボスの魔石を手渡すと寮に戻り、淹れたての珈琲を飲む。スマホを見ると連絡が来ており連絡先を交換していた涼宮からであり情報部の部室に顔を出してほしいとのことだった。

 

 命が情報室の当番の日が決まったらしく呼び出されたのはそれが理由で初日は色々と説明があるからと部長である涼宮が一緒に付いてくれると言う。

 

「早く寝ないとな」

 

 珈琲を飲んだのは失敗だったかなと思いながら命は軽くシャワーを浴びる。ダンジョンから帰ったばかりなので湯船に浸かりたい気分であったが湯が溜まるのを待つのが面倒だったのでシャワーで済ませてベットに横たわる。

 

 自分が思っているよりも疲労が溜まっていたようであり直ぐに眠ってしまった。

 

「はぁ~……眠たいな」

 

 スッキリとした目覚めではないが設定していた目覚ましよりも早く目が覚めてしまい眠い体を無理矢理起こして顔を洗い意識をはっきりさせる。約束した時間にはまだ早いのでゆっくりすることにする。

 

 投函された新聞を広げながら珈琲を口にする。そこには活躍中の小林についてや富士ダンジョンに遠征している獅子王の事が書かれておりあまり学校に行っておらずダンジョン探索を優先している命にとっては貴重な情報源である。

 

 一通り読み終わり新聞を畳んでいるとそろそろ出発しなくてはならない時間帯であり準備をして寮へと出る。

 

「やぁ、良く来てくれた」

 

 部室に向かうと涼宮が出迎えてくれて彼に案内されて情報室の部員が座る場所へと案内される。

 

「当番と言ってもやることはあまり無くてね、パソコンの使い方を教えるくらいさ」

 

 基本的には座っているだけとのことであり暇なときは調べ物をしていても構わないとのことであり命は涼宮に色々と教わりながら部員だけが見ることが出来ると言う情報のアクセスの仕方を教わり早速、パソコンで情報を調べる。

 

 調べるのは当然、九階層の事であり九階層はアンデットが多く出るとのことであり時計塔ダンジョンのネクロマンサーロートルに使役されていた吸血鬼やリッチなど厄介なモンスターばかりであり神聖魔法を操るフラウやシャインが活躍することだろう。

 

「アンデットか……」

 

 高位のアンデットは状態異常耐性だけでなく高い魔法耐性を有している場合が多く、個体によっては物理耐性も有しておりアインと共に戦い続けてアンデットの強さは十分知っておりその厄介さも分かっている。

 

 深層のアンデットともなれば下手をすれば昨日戦ったキュクロプスやタロスよりも厄介かもしれない。世田谷ダンジョン制覇の為には避けては通れない相手で十分な準備をしなくてはならない。

 

 情報部の部員が見れる情報にアクセスすると幾つかの討伐報告がありどの様なパーティーで九階層を踏破したのかという情報が記されており当然、九階層のボスについての情報もある。

 

「スペクターロード。スペクターの上位種か……」

 

 思い出すのは無人島での死闘でありスペクターの上位種という事は防御貫通のスキルを有しているだろうしアインの防御力も意味をなさない。九階層のボスに相応しいであろうモンスターで幾つかスペクターロードを倒したと言う報告はあるがとても少ないもので最も新しいのが獅子王誠のパーティーで学生時代からこれだけの強敵を倒していたのかと感心してしまう。

 

 獅子王誠は学生時代に幾つも伝説を作ったと言う話であり学生時代に幾つものダンジョンを踏破しておりその速度は凄まじく彼のパーティーメンバーは大変だろうなと思ってしまう。

 

「スペクターロードは通常のアンデットとは違い、透過というユニークスキルを持っているんだ」

 

「透過?」

 

「あぁ、相手の攻撃をすり抜けると言うものでね。ユニークスキルだから多用は出来ないものだけど注意しておいた方がいい」

 

 命が同じページを見ているのに気付いて涼宮がアドバイスをしてくれる。その言葉はまるでスペクターロードと戦ったことがあるような薀蓄に富んだものであり細身で野暮ったい眼鏡を掛けた地味な見た目には想像できない程の実力者なのだろう。

 

 命は知る由もないが情報部の部長である涼宮良悟(すずみやりょうご)は結構な有名人であり生徒会長の長船、新聞部の安城と並んでビックスリーと言われるほどの実力者で探索者学校の三年生と言うのは伊達ではなく二大ギルドから声が掛かっているほどの魔法使いなのだ。

 

 涼宮はパソコンを操作するとスペクターロードの詳しい情報が掛かれたページを表示して命に助言してくれる。まるでスペクターロードを丸裸にしたも同然な情報量で命は圧倒的な情報量に面食らいながらも涼宮の好意を無為にするわけにはいかないと必死に情報を頭に入れる。

 

「まぁ、こんな所だな。幸いにも柏崎君は使える戦力が幅広いから幾らでも戦いようがあるだろう」

 

「どうも、ありがとうございます」

 

「なに、折角の後輩をみすみす見捨てる訳にはいかないからな」

 

 爽やかな笑みを浮かべながら涼宮は命の肩を叩く

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