「おい」
「はい」
「お前ここ来るの何回目だ?」
「三回目です」
「いやな?一回目からおかしいと思ってたんだよ」
「といいますと」
「お前転生特典選んだ後転生するの渋ってたよな?」
「はい」
「そしたらなんかいきなり現世に戻ったよな?」
「生き返ったので」
「生き返らねえんだよ普通は……まあいい、んで二回目来たよな?」
「はい」
「それでまた転生特典選んで転生渋ったよな?」
「そうですね」
「そしたらまた現世に戻ったよな?」
「また生き返ったんで」
「………………で、これ三回目なのよ」
「はい」
「お前来すぎ」
「いいじゃないですか別に」
「よくねえよ、お前今転生特典二つ持ちなんだよ。んでここから更に転生特典渡すから三つ持ちなんだよ」
「渡さなかったらよくないですか」
「ここに来た人には転生特典を一つあげるって規則があるから渡さないとダメなんだよ」
「なんで回数制限設けてないんですか」
「何回もくる奴はいなかったからな」
「初めての体験ですね」
「できれば体験したくなかったけどな……でだ」
「どうかしましたか」
「なんでお前死んだり生き返ったりしてんの?」
「実験です」
「実験?」
「いやなんかちょっと前に異世界転生から戻ってきた人がいたんですよ」
「うん」
「でその人ある死因がきっかけで異世界転生したらしくて」
「……それで?」
「『じゃあ意図的にその死因で死んだら転生特典貰えるじゃん』ってことで研究所の総力を挙げて実験してるんですよ」
「お前のところって研究倫理とかない感じなのか?」
「あったらこんな実験してませんよ」
「そんな堂々と言うことか?……まあ一回来たところまではいい、なんで二回目貰いに来てんだよ」
「いけるかなーって」
「実際いけてるから何も言い返せねえ……」
「一つ気になったんだが」
「どうしましたか」
「一応ここに来るためには一回死なないとだめなんだよ」
「はい」
「どうやって生き返ってんの」
「『死ぬ』の定義ってなんですか?」
「え?それはほら、あれよ。心臓が止まったりとか……」
「今って心臓止まっても生き返ることありますよ」
「……マジ?」
「マジです」
「まあ死の定義がもう少しガチガチだったとしても多分行けるところまで行ってたと思いますけどね。いや〜、死の定義が緩くてよかったです」
「やっぱお前のところの研究所倫理観終わってるだろ」
「とりあえず規則は規則だから渡すけどお前次来たらマジでキレるぞ」
「いやまあ僕はもう来ないですけど……でもこれで怒ってたらこれから持たないですよ」
「は?」
「さっきここにくる前に聞いたんですけど研究員の人が『実験上手くいったら数十人単位で異世界転生キャンセルして転生特典貰いまくるぞ』って言ってました」
「◯すぞ」
女神はキレた。世界は滅びた。