TSしたからバ美肉ということにして配信をしてみた   作:大崎 狂花

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第8話 質問に答える配信/親友をひたすらに甘やかす

「今日はお待ちかねの、質問に答えていく配信だよー」

 

『きた!』

 

『待ってたよ〜』

 

 シオの配信が始まって、視聴者からのコメントが流れる。

 

 今日は視聴者から集めた質問に答えていくという配信である。あらかじめシオが集めておいた質問を、答えていくという形になっている。

 

「早速質問に答えていく・・・・・・前にちょっと雑談をしようか。みんなはお正月何してた?」

 

『俺は宇都宮に行ってたよ。宇都宮のオタクビルに行ってた』

 

「オタクビル! それってあれだよね、オタク関係のお店がいっぱい詰まってるっていうビル。いいねー、オタクのお正月って感じがしてすごくいい!」

 

『催眠音声を聞いてたよ。さん、にい、いち、ぜろ、でちょうど年が明けた』

 

「それはまたすごい年明けだね・・・・・・」

 

『俺はおばあちゃんちに行ってたかな』

 

「あ、おばあちゃんち! 俺も俺も! 俺も正月はおばあちゃんちに行ってたんだー」

 

『そうなんだ』

 

『おばあちゃんちどうだった?』

 

「えーっとねー・・・・・・」

 

 シオはおばあちゃんちに行った時のことを話した。

 

「・・・・・・それで親戚の女の子を膝の上に乗せて過ごしたんだよね。あーんとかさせられたな」

 

『それは・・・・・・』

 

『てぇてぇだ!』

 

『こーれはてぇてぇだな、間違いない』

 

『うわーその光景を生で見たかった・・・・・・』

 

「いや、君たちが想像してるような感じじゃないと思うんだけどな・・・・・・普通におじさんと親戚の女の子のやり取りだよ?」

 

『いや違うよ。宗教画に描かれるべき聖なる光景だよそれは』

 

「なんか過激派がいるな・・・・・・」

 

 さて、少し雑談をしたところで本題の方に入る。

 

「さてと、雑談はこのくらいにして・・・・・・そろそろ質問の方に答えていこうかな。最初の質問はこれ!」

 

 シオは配信の画面に質問を貼りつけた。

 

《コーヒーとか飲めますか?》

 

「ひょっとして俺のことを子どもだと思ってる?」

 

『正直言って幼女だとは思ってる』

 

「いや、これ以上ないくらい大人のおじさんなんだけどな・・・・・・」

 

『おじさん、それは嘘だよ。少なくとも4割ぐらいは幼女入ってるよ』

 

「普通1割でもおじさんに幼女は混ざらないでしょ・・・・・・」

 

 で、質問の内容について。

 

「さて、コーヒーについてですが・・・・・・なんと! 飲めます!」

 

『おお!』

 

『飲めるんだ! すごい!』

 

「しかもブラックで!」

 

『ブラックで!? すごい!』

 

『ブラックで飲めるなんて大人だね!』

 

「ふふーん、すごいでしょ」

 

『かわいい』

 

『かわいい』

 

『ドヤ顔かわいい』

 

『コーヒーブラックで飲めてドヤ顔かわいいね・・・・・・』

 

「でも炭酸は苦手なんだよね。しゅわしゅわが痛くて・・・・・・」

 

『かわいっ』

 

『やっぱり幼女じゃない?』

 

『キョウカおじさんは幼女が4で美少女が5.9。おじさんが0.1だね』

 

『0.1でも言い過ぎじゃない?』

 

 シオ弱点が判明したところで、次の質問だ。

 

《ホラーの中でも特に何系が苦手ですか?》

 

「あー、これね。そうだなあ・・・・・・心を抉ってくるようなやつとかが苦手かな。鬱系っていうの? ああいうやつ」

 

『あー』

 

『びっくり系じゃないんだ?』

 

「びっくり系ももちろん苦手なんだけどさ、鬱系は尾を引くからね。夜に思い出して眠れなくなったりするし・・・・・・」

 

『確かにねー』

 

『俺も夜に思い出して眠れなくなったことあるわ』

 

『おじさんはホラー見てた時ちびったこととかあるの?』

 

「ん!? いくらおじさんといえどその質問はちょっとセクハラじゃないかな!? ないよ、ちびったことなんて!」

 

 シオはそう言ってツッコんだが、そのあとでこう続けた。

 

「あ、でも友達におむつとかつけてみたらって勧められたことはあるよ。ホラーとか関係なくやばそうな時にはつけてみたらって。便利だよって言われてね」

 

 これはちょっとぼかして言っている。友達というのは他でもない、Vのお母さんのユキのことだ。

 

 シオが性転換した時、女子は男子よりトイレが近いらしいから慣れるまではおむつとかつけておいた方がいいかもしれないと言われたことがあったのだ。

 

 確かにちょっと危ないことはあったが、意外と大丈夫だったので結局つけなかったのである。

 

『おむつ!?』

 

『ほう・・・・・・キョウカおじさんがおむつですか・・・・・・』

 

「いやいや、でも結局つけなかったんだよ」

 

『つけてほしいな・・・・・・』

 

「つけてほしいなって・・・・・・何そのコメント?」

 

 次の質問。

 

《メスガキやってほしいです》

 

 ・・・・・・質問?

 

「メスガキをやるって・・・・・・何それ? どうやるの?」

 

『それはもうざぁ〜こ♡とか・・・・・・』

 

『よわよわ♡とか・・・・・・』

 

「えっと・・・・・・ざ、ざぁ〜こざぁ〜こ♡よわよわ♡」

 

『負けちゃえ♡幼女おじさんに負けちゃえー♡お願いします』

 

「負けちゃえ♡幼女おじさんに負けちゃえー♡・・・・・・幼女おじさんってなに?」

 

『助かる』

 

『非常に助かる』

 

『助かりまくるな・・・・・・』

 

『メスガキボイスとか出しません?』

 

「おじさんのメスガキボイスとか需要ある?」

 

『ある』

 

『おじさんにはメスガキの才能がある。メスガキ界の英雄になれるよ』

 

「メスガキ界の英雄ってなんだよ・・・・・・」

 

 次の質問。

 

《ママになってください》

 

「真逆の要求きたね・・・・・・」

 

『もう質問でもなんでもないけどね』

 

『ただのリクエストになってるな・・・・・・』

 

「ママか・・・・・・」

 

 シオはちょっと間を空けてから、ママっぽいセリフを言ってみた。

 

「よしよし、いい子いい子。いい子だねー。さ、おいで。ママがぎゅってして、なでなでしてあげるからね・・・・・・」

 

『ママ・・・・・・』

 

『ママ・・・・・・』

 

『ママ・・・・・・』

 

『ばぶ』

 

「うわあ、地獄のようなコメント欄になっちゃった・・・・・・」

 

 と、まあこんな感じで、今回の配信はリクエストだか質問だかわからないものを捌いていくことになるのだった。

 

 ◇

 

「こんちはー。俺がきたよー」

 

 さて、そんな配信をした日の翌日、シオはユキの家に遊びに行っていた。シオは笑顔でユキの自宅のリビングに入っていく。

 

 と、ユキがペンタブのペンを持ったまま床に寝っ転がっているのが目に入った。

 

「あれ? ひょっとして締切やばかった?」

 

「うん・・・・・・」

 

 どうやらユキはイラストの締切がやばいらしい。現在進行形で地獄を見ているところみたいだ。

 

「ひょっとして帰った方がいい?」

 

「いやいいよ。ちょうど休憩しようと思ってたところだし」

 

「休憩という名の現実逃避かな?」

 

「いいんだよ。時には逃げたって。逃げるが勝ちっていうでしょ?」

 

 ふーっと息を吐きながら、よっこいしょとユキは起き上がった。シオはそんなユキのそばにある座布団に座った。

 

「じゃあ逃避ついでにそこで買ってきたケーキでも食べよう。糖分を摂ることは大事だからね」

 

 シオとユキはケーキを食べながら話をした。

 

「いやー締切キツいわー」

 

「ユキはいっつも締切に追われてるよね」

 

「いやいや、締切には普通追われるもんでしょ。シオちゃんはどうやって毎回毎回締切をクリアしてるわけ?」

 

「俺は習慣的に仕事をするようにしてるからね。夏休みの宿題とかもコツコツやって終わらせるタイプだったし」

 

「はー、すごいねえシオちゃんは・・・・・・」

 

「まあ、最近は俺も配信とかしてるからちょっときつい時とかあるけどね。でもなんとか両方いけてるよ」

 

「ヤバすごいね。さすがシオちゃん」

 

 と、まあそんな感じでのんびりと会話を楽しみながら2人はケーキを食べた。そして、ケーキを食べ終わった時、ユキが唐突にこんなことを言い出した。

 

「ねー、シオちゃん」

 

「なに?」

 

「ちょっとさあ、ママになってくんない?」

 

「・・・・・・はっ!?」

 

 シオは、ユキが締切のストレスからついにおかしくなったんだと思った。

 

「ユキ、ひょっとして締切がヤバすぎて壊れちゃった・・・・・・?」

 

「いや別に壊れてないよ! たださあ、昨日シオちゃん質問に答える配信してたじゃん? 私それ見たんだよね」

 

「え、あれ見てたんだ。はず」

 

「それでさあ、シオちゃんにはママの才能があるなって思ったんだよね。シオちゃんならママ界の英雄になれるなって・・・・・・」

 

「メスガキ界の英雄だとかママ界の英雄だとかさあ・・・・・・」

 

「だから、ね? 私のママになってほしいなーって」

 

「いや、そんなこと言われてもね・・・・・・普通友達のママにはならないでしょ・・・・・・」

 

 シオはそんな頼み事を友達からされた時点でドン引きしていた。ましてや実際ママになるなんてことは論外である。

 

 しかし、ユキは一筋縄ではいかない。

 

「いいの? 私、本当にストレスでおかしくなっちゃうかもしれないよ?」

 

「う・・・・・・」

 

 そんなふうに言ってきた。

 

「ユキは、俺を脅すつもりなんだ・・・・・・」

 

「脅しじゃないよー。ただ、どうなっても知らないよって言ってるだけで」

 

「ぐう・・・・・・」

 

 こうして、よくわからない流れでシオはユキの気が済むまでママになることになったのであった。

 

「いや、ほんとに何でこんなことになったんだ?」

 

「はいはい、とりあえずママおじさんとしてがんばってね〜」

 

「ママおじさんってなんだよ・・・・・・」

 

 さて、とりあえずシオはママっぽい格好をすることにした。といっても、エプロンをつけただけだが。でも、エプロンをつけるだけでもグッとママっぽくはなる。で、ユキは前にシオが着たような、青いチャイルドスモックを着て黄色い帽子を被った。幼稚園に通う女児スタイルだ。なんでそんな服持ってるんだろう・・・・・・。

 

 さて、ユキはにこにこしながら早速女児になりきる。

 

「ママー!」

 

「あ、ユキちゃん帰ってきたの」

 

 幼稚園から帰ってきたという設定である。

 

「今日はどんなことをしたの?」

 

「えっとねー! 今日はいっぱいお絵描きしたんだ!」

 

「お絵描き! いいね、ユキちゃんはお絵描きすっごく上手だもんね。いっぱいお絵描きできてえらいね」

 

 そう言って、にこにこと笑いながらシオはユキの頭を撫でた。ユキは

 

「えへへ・・・・・・」

 

 と笑って心地良さそうな表情をした。

 

 これくらいならまだいける。問題はその次だ。

 

 ユキは両手を広げてこう言った。

 

「ね、ぎゅってしてほしいな? それでいーっぱいほめて!」

 

 ややキツいな・・・・・・と思ったが、毒を食らわば皿までとも言うし、シオは仕方なくユキをぎゅってして

 

「よしよし。ユキちゃんはいーっぱいがんばっててえらいね・・・・・・いっぱいお絵描きできてえらいね・・・・・・よしよし。いい子いい子。いい子だよー・・・・・・」

 

 と、言いながら頭をなでなでした。

 

「えへへ・・・・・・もーっとなでなでして?」

 

「いいよ。いくらでもなでなでしてあげる。よしよし、いい子いい子。ユキちゃんはかわいくてお絵描きも上手で、いい子だねー・・・・・・」

 

 さて、しばらくそうやってなでなでしたあと、ユキがこんなことを言い出した。

 

「ね、ママ、ミルク飲ませて?」

 

「え?」

 

 次の関門。

 

 親友に哺乳瓶でミルクを飲ませる。

 

「んく・・・・・・んく・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

 シオは果たして自分はなにをやっているんだろうと思っていたが、表面上はあくまでママっぽく、にこやかに、膝の上にユキの頭を乗せて、片手でその頭を撫でながら、もう片方の手で哺乳瓶を持ってミルクを与えていた。ちなみにユキはなんの躊躇もなく、笑顔で哺乳瓶から人肌に温めたミルクを飲んでいた。なんなんだこいつは・・・・・・。

 

 まあでも、もしこの様子が生配信されていたとしたら、コメント欄は『てぇてぇ』とか『尊い』とか、ママおじさんという存在に扉をこじ開けられる人で満たされていたことだろう。ただこれは生配信されてないので、コメント欄はない。誠に残念極まりない。

 

「ミルクおいしい? ユキちゃん」

 

「うん、おいしい!」

 

「そう? ならよかった。おかわりがほしかったら言ってね。いくらでも作ってあげるからね」

 

 シオは慈愛に満ちた母の微笑みでそう言った。

 

 ミルクタイムが終わったあとは、一緒にお昼寝をした。

 

 絵本の読み聞かせをしたあと、シオがユキの頭を優しくなでなでして寝かしつけた。

 

 ・・・・・・

 

「あー、すっきりしたー!!」

 

「勘弁してほしいよほんとに・・・・・・」

 

 さて、幼児プレイも終わって、ユキは締切のストレスから無事解放されたらしい。

 

「ストレスも吹っ飛んだし、一瞬で仕事終わらせてみせるよ!!」

 

「はいはい、よかったね」

 

 一方、シオはげっそりと疲れていた。

 

「俺はものすっっっごく疲れたよ・・・・・・」

 

「え、そう? でもほんとはオムツつけてもらったりとかもしてもらうつもりだったんだから、それを無しにしただけでもありがたいと思ってよね」

 

「いやなんで偉そうなんだよ・・・・・・ってそんなことさせるつもりだったの!?」

 

 その後も、シオはユキからしばしばママおじさんをリクエストされるようになったという。

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