ドラゴンボールG マスター武闘伝   作:マスター亜細亜

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 ガンダムシリーズの中でガンダム版ドラゴンボールとも言われる機動武闘伝Gガンダム、その中でも最強の漢、東方不敗マスターアジアがドラゴンボールの世界に存在していたらを書いてみました。
(注意)ドラゴンボールの世界でも師匠は最も熱く最強な漢であることを先にいっておく。また、ネタバレタイトル、予告があります。
 それではドラゴンファイト、レディーゴー。


第21回天下一武道会編
第一話 『流派東方不敗マスターアジア見参!!』


 エイジ749年のこの年は、武術の神様と言われた武天老師こと亀仙人にとって大きく変化の年であった。この年、彼は二人の少年が亀仙流に弟子入りした。その少年の名は、孫悟空とクリリンという名の少年であった。彼にとって孫悟飯、牛魔王以来数十年ぶりの亀仙流への入門であった。一人目の少年孫悟空は彼の最初の弟子であった孫悟飯を育ての親とし、比類まれな武道の才を持っていた。初めて亀仙人のかめはめ波を一度見ただけで、かめはめ波を撃ってみせた時は、彼の祖父孫悟飯や自分よりも優れた才能や若さに驚いた。また、二人目の少年クリリンは悟空に比べれば実力は劣るものの日々の修行により、日々実力を上げていった。多林寺を飛び出して初めて会った半年前の彼とはすでに別人であった。

 

エイジ750年3月某日 亀ハウス

 

「じっちゃん、ちょっときてくれ」

 

 その日、亀ハウスでランチさんとのおやつタイムを楽しんでいた亀仙人の前に悟空が突然玄関のドアを開けて現れた。

 

「はぁい、なんじゃい悟空」

 

 ランチさんが不思議そうな顔している隣で亀仙人がすぐに応えた。今の時間は二人とも一日の修行も終わって自由時間だ。二人で何か面白いものでも発見したのだろうか。わしの好きなグラマーなピチピチギャルではないないだろうなと亀仙人は思った。

 

「いいから、いいから、早く来てくれー」

 

 有無を言わせず悟空は、亀仙人を腕を持ち何処かへ引っ張っていた。ランチさんはその姿を呆然としつつも、夕飯までには帰ってきてくださいねーと二人に声をかけ見送っていった。

 悟空に引っ張られながら、しばらくするととある場所に亀仙人ら到着した。当然着いた場所にあったものは、ピチピチギャルや面白いものでもなく、数ヶ月前二人の前で亀仙人が動かせてみた巨大な岩の前に連れて来られた。今見ても、10メートルを超える大岩である。悟空やクリリンと比べると恐竜と小動物の差があるくらいの大きさだ。そして、岩の近くにはクリリンもいて二人に気づき手を振ってきた。

 

「これだよ、これ。」

 

 悟空が岩を指さし言った。

 

「この岩が…どうかしたのか」

 

 亀仙人は二人に尋ねた。岩のこと事態彼自身忘れかけていた。

 

「この岩を動かせるようになりました。老師様」

 

 クリリンがそう自信満々に答え、悟空が岩の前で両手を突けて呼吸を整えてスタンバイする。

 

「へぇっ、…まさか」

 

 二人の成長はここにやってきた七ヶ月前に比べて、大きく成長していたことはわかっていたが、まだまだ自分が以前動かした大岩を動かせるとはまだ思えなかった。自分が若い頃、鶴の奴と武泰斗様のもとで修行していた頃に、あのような巨大な岩を動かせるようになるのに何年もの月日の厳しい修行が必要だった。すでに数百年も前の遠い思い出だが、今もはっきりと鮮明に覚えている。

 亀仙人がいろいろ考えているうちに、悟空は大岩に腕を合わせ力を入れはじめた。

 

「いくぞっ、じっちゃん……ぐぬぬぬっ」

 

 悟空は気合を入れ岩を押し始めた。すると、さきほどまで不動であった大岩が粉塵を上げて動き始めた。

 

……ズドドドッー

 

 悟空がゆっくり一歩ずつ進む度に大岩は音を立て、粉塵を大きく上げて前進していく。一歩、一歩また一歩ゆっくりとだが、力強く押し込んでいく。気づけばすでに大岩は十メートル以上を優に超えて動いていた。

 

「はぁー、はぁー、・・・どうだ、じっちゃん。」

 

 悟空は息を切らしながらもその横でクリリンが、お次は僕がやりますといって悟空のように大岩を動かした。悟空ほど動かせなかったが数メートル動かせてみせた。

 

(なんと、これは思ったよりやりおるわい、あの二人。……岩を動かせと言ったのは、冗談だったのに…)

 

 悟空とクリリンの驚異的な成長に驚愕する武天老師。

 

(まったく最近の若者たちの成長には目を見張るわい、孫悟飯の奴も凄かったがこいつらはそれ以上じゃ。いずれ、わしをも超えるかもしれんなこやつらは、ふふっ。……だが、このままでは本当にこの二人のどちらかが、武道会で優勝してしまうかもしれん。大丈夫だとは思うがこのままどちらかが優勝すれば自分の実力に慢心し武道に対して真剣に取り組まず、悪い方向に向かってしまうかもしれん・・・)

 

 亀仙人がもの思いにふける中悟空の声が彼の意識を呼び起こす。

 

「じっちゃん、約束通りオラ達に武術を教えてくれ」

 

「…うん、まあまあじゃな…」

 

 調子の悪い声で亀仙人は返事をする。

 

(いよいよ拳法を教えてもらえるぞ~)

 

「「ワクワク、ワクワク」」

 

 岩を動かせられたのだから、これからどんなすごい技を教えてくれるのか、二人はワクワクした表情で師匠の顔を見つめる。二人の期待値は最高まであがる。特に亀仙流の凄さを聞いていたクリリンは、どんな凄い技を教えてもらえるのかと思ったりしていた。そんな二人に対して、予想外のことを亀仙人は言い放った。

 

「こほんっ、ええー…拳法といってもお主たちに教えることはもうほとんど何もない。亀仙流武術の基本と言ってもお主たちのこれまでの修行に全て含まれておる。自分では気づいておらんようじゃが、すでに、目も腕も、足も体すべて上達しておる。頭の中身でさえも上達しておる。拳法というのはこれらの応用に過ぎん」

 

「それで、じっちゃんそれで試合に勝てるのか」

 

「武道は勝つために励むのではない、己に負けぬためのものじゃ。そのために、今まで学んだことを思い出し活かし自分で拳法を学べ」

 

「しかし、天下一武道会で勝ち上がるためには…」

 

 クリリンがなんとか反論してみるが、

 

「天下一武道会は勝つことが目的じゃない。まあ、どうせ勝てはせん、大会は己の技量を確かめる場じゃ」

 

 亀仙人はそう言い切り、新たに重い亀の甲羅を背負うことを命じた。もちろん二人がズッコケたのは言うまでもない。

 

(勝てはせんとは言ったものの……このままでは……わし自信が大会にでるわけにはいかんし……)

 

 あの岩を動かしてから数日が経ち、亀仙人は天下一武道大会どうするか考えていた。一度は自分が変装して大会に出場しようかなどと考えたが、さすがに師匠が弟子が出場する大会にでるのはどうかと思い、その考えは捨てた。そして、ある妙案を亀仙人は思いついた。

 

(そうじゃ、あの男に頼んでみるか。最近新しくあやつも弟子を取ったと手紙に書いてあったしな)

 

 思い立ったがすぐ行動と亀仙人は動き始めた。

 

「さて、あやつの電話番号書いたメモどこにおいたっけなあ」

 

 悟空とクリリンが修行に出てから亀仙人は家中の棚や押入れを探し始めた。

 

「亀仙人様、何かお探しで」

 

「ああ、ウミガメか。ちょっと探しものじゃ。……おっ、あったあったこれじゃ」

 

 古びた紙切れを棚の中から取り出し、電話に向かった。そして、電話のダイヤルを回しある番号に電話をかけた。数回コールを待った後、目的の人物が電話に出た。電話越しにあの男の声を聞く。電話越しでもいつもの熱血な声でもしもしと言ってきた。彼の事前の予想通り電話の先の男は相変わらずだった。

 

「ひさしぶりじゃな、わしじゃよわし、武天老師じゃ。実はお主に頼みがあってな聞いてくれぬか」

 

 電話での会話は数十分続き亀仙人の目論見は実現することとなった。

 

一ヶ月後 天下一武道会参加登録所

 

「武道大会参加希望者の方は、こちらで参加登録をしてください」

 

 メガホンを持った係員が大会参加者たちを誘導している。すでに、参加登録会場付近には登録を完了をした者を含め、数百人の参加者、そしてそれ以上の関係者が集まっていた。東西南北の地域からこのパパイヤ島に腕に自信がある武道家が集結している。そんななかに、悟空やクリリン、ヤムチャたちの姿も会った。会場で悟空がヤムチャやブルマ、ウーロン、プーアル達と再会を喜んでいる中、亀仙人の呼び出した男が現れた。

 

「亀よ、久しぶりだな」

 

 昔会った時と同じ豪快な声が聞こえた。

 

「その声は!」

 

亀仙人が振り返ると数メートル手前に二人の男が立っていた。一人は、見た目50歳代ぐらいで、あの紫の胴着を着たよく知っている男、白髪混じりの長髪をおさげ(三つ編み)にしている良く知っている顔だ。もう一人は、赤いバンダナを額につけている青年だ。おそらくあやつの新しい弟子だろう、ここにいる悟空やクリリン達と比べても武道家としていい目をしている。彼らとは良い試合が出来るだろうと亀仙人は思った。

「お主とは数十年ぶりじゃが、相変わらす若々しいの。羨ましいわい」

 

「がはははっ、亀よ貴様とは違って日々ワシは鍛練をかかさずしているからな。当たり前だ」

 

「何年経ってもお主は、相変わらず修行馬鹿じゃな、変わらんのー」

 

「……武天老師様、…此方の方はいったい 」

 

 ヤムチャが二人の会話の間に入って尋ねた。ヤムチャだけでなく、一緒にいる悟空やブルマ達も亀仙人と親しげに話すこの男の正体が気になっていた。見るからに鍛えあげられた肉体とその体からあふれでている圧倒的なオーラ、風格は武道家であるヤムチャや悟空、クリリンだけでなく武道の素人以下のブルマやウーロン達でさえ感じていた。おそらく、亀仙人に匹敵する実力者だと特にヤムチャなどは思った。

 

「おおーすまん、紹介が遅れたわい」

 

 亀仙人が紹介しようと口にする前に、男は先に威風堂々と言いはなった。

 

「わしの名は流派東方不敗マスターアジアだ」

 

次回予告

 

みなさんお待ちかね!

 

ついに、第21回天下一武道会予選が、いよいよはじまりました!

 

東方不敗マスター・アジアを始めとする世界各地から、集結した武道家達が集まりました。

 

いったい誰がこの過酷な予選を勝ち上がり、本選8人に残るのか!

 

次回、ドラゴンボールGマスター武闘伝第二話『天下一武道大会開幕!東方不敗本選進出!』に……レディーゴー!

 

 

 




 さて、今回は師匠が登場するまで終わりました。次からは師匠や悟空たちの活躍が始まります。

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