前回、ドラゴンボール探しの旅に出た孫悟空とドモン・カッシュは最初のドラゴンボールをめぐってレッドリボン軍と争うこととなりました。しかし、そこへピラフもドラゴンボール争奪戦に乱入してきました。ますます、拡大するドラゴンボール争奪戦はいったい誰の手に勝利となるのか!
それでは、ドラゴンファイトレディー・ゴー!
「戦闘機隊、全機発進せよ。」
ピラフにドラゴンボールを奪われたシルバーは基地に残っている戦力も最大限動員してピラフの空中要塞を追跡し攻撃しようとしていた。その数およそ数百機に達する大編隊であった。また、地上にも多くの装甲車や戦車がシルバー戦闘機隊の後を遅れつつも追いかけている。相手の実力が不明な以上自軍が出せる最大限の兵力をぶつけることが定石であるとシルバーは考えていた。そして、シルバーが搭乗している機体もその大編隊の一つであった。
「いったい何者でしょうか。 」
突如現れた存在に不安を抱くシルバーの副官は操縦桿を握り少し首を向けシルバーに言った。彼の乗っている戦闘機はレッドリボン軍の最新鋭の戦闘機であり、強力な威力を秘めた物であるが、彼の前方に存在する巨大な空中要塞を目の前にするといささか不安を感じても不思議ではなかった。
「ふんっ、さしずめどこぞ金持ちの道楽で作ったものだろう。だが、どこの誰であろうと我が軍に楯突いたことをその身を持って後悔させてやる」
シルバーはそう断言し、副官の不安を払拭する。そして、後部座席にある無線を全戦闘機につなげ攻撃命令を言った。
「全戦闘機隊、攻撃目標は前方の空中要塞。敵の戦力や正体は依然として不明である。しかし、我軍の前に楯突く者には排除するだけである。全機攻撃を開始せよ」
シルバーは戦闘機隊の鼓舞し自身が搭乗している機体から全軍の指示を行う。
そして、追われる立場のピラフは達というと、一つ目のドラゴンボールを手に入れ悟空たちを出し抜いたことから上機嫌であったが、突然現れ自分たちの空中要塞を追ってくる戦闘機の大群と対峙してパニックに陥っていた。
「ピラフ様、戦闘機が追ってきました。」
マイの目の前にある要塞の対空レーダーには、数えきれないほどの戦闘機が映されていた。それでもなおさらに、増え続ける敵映にマイの顔は青ざめていきピラフに指示を請う。
「うっ、うろたえるな、誰だか知らんがわたしの恐ろしさを存分に教えてやれ、マイ、シュウ」
ピラフ自身もドラゴンボールを奪い取ったことによって凶悪無比な戦闘機の大群に追われるようになったことに狼狽するが、大王であるという自身のプライドがなんとか彼の精神の平静を保ち二人に指示をい出す。
「「はい、ピラフ様」」
マイ、シュウ、両人ともピラフの言葉に戦闘モードに入って戦う覚悟を決め、ピラフからの攻撃の合図を待つ。
「やられるまえにやってやるー!くらえーっ!」
「発射!」
ついに両軍の戦いが火蓋を切って始まった。先制攻撃を始めたのはピラフ達の方であった。迎撃武器を操作しているマイが迎撃装置のボタンを押すと、それまで、要塞内に格納していた機関銃やミサイル発装置、レーザー砲を出して始めから全力攻撃を行った。レッドリボン軍戦闘機隊は最初のピラフの想定以上の先制攻撃によって数機の損失と十数機が被弾したが、レッドリボン軍もすぐに反撃を開始する。
「全機友軍機と密集せず、散開して各個五月雨的に攻撃し相手に反撃の隙をあたえるな。」
シルバーは部隊全体の指揮統率を行いながら、自機でも果敢に攻撃を行っている。
「ふっ、なかなかの武装を施しているようだが我々レッドリボン軍に攻撃したことを後悔させてやる」
レッドリボン軍、ピラフどちらも激しいミサイルや大砲による弾幕戦となっていったのであった。
十数分後
雲霞のごとく押し寄せるシルバーの戦闘機隊は、その圧倒的物量でピラフ達を次第に追い詰めていく。要塞の武装は次々に使用不能にされ、要塞の装甲が激しい攻撃によって剥がれ落ち傷つき内装を露わにする。そして、要塞も次第に減速し空中に制止するのがやっとという状況になっていた。ピラフたちが敗北するのもすでに時間の問題となっていた。これは両軍とも誰の目にも明らかであった。
「ピラフ様、第二砲破壊されました。」
「ピラフ様、ミサイル全て撃ち尽くしました。」
不利な戦況報告がピラフたちがいる部屋を徐々に絶望感を増していく。
「メインエンジン出力40%に低下、長くは持ちません」
武器システムの管制をするマイや空中要塞の航行を行っているシュウが悲鳴にも似た状況報告を行う。
「くっ、こうなったら、あれしかないな」
沈痛な表情で両拳を強く握りしめたピラフ。
「「あれっ?」」
この絶望的状況の中ピラフの言葉に一筋の希望の光を得た二人はピラフに希望の光を覚える。
「逃げるぞ!」
ピラフは自信満々ナ表情で高らかに宣言すると二人がピラフの逃げるという発言に呆然とする中一人先に逃げる準備を始めた。
「「えっ!?」」
今だにピラフの言葉がうまく理解出来ていない二人だが、ピラフの次の言葉でハッと我に返った。
「脱出シャトルに乗り込めー。」
「「・・・」」
「グズグズするなさっさとな逃げるぞ」
普段のピラフとは思えないほどの俊敏な動きに感動すら覚えた二人はようやく逃げる準備を始めた。
「「はい」」
空中要塞下部非常用ハッチ
「よし、脱出するぞ。マイ、シュウ、準備はいいか」
要塞の下部にある戦闘機型の脱出シャトルにピラフたちが乗り込むとピラフは二人の顔を交互に見て言った。そして、先にシュウの方に顔を向け
「よし、ドラゴンボールはちゃんと持ってきたなシュウ。」
次にピラフはシュウに言った。
「ちゃんとこの箱に入れてしっかりと持っています、ピラフ様」
シュウは座りながらドラゴンボールを入れた箱を両腕でがっちりと持っていた。
「よし、座席のシートベルトは二人共しっかり閉めたか。」
「「・・・はい」」
カチャリと何重ものシートベルトを丁寧に締める三人非常時だからこそシートベルトの必要性を説くピラフ。
「よし、ではちゃんとトイレには先に行ってきたか、これからいつ行けるかわからんからな」
「「そんなことはいいですから、さっさと発進してください。」
とうとう我慢できなくなった二人の鋭い差し迫った鬼のようなツッコミにピラフはボケるのをやめ発進ボタンに指を近づける。
「すっすまん。では行くぞ、発進」
ピラフは脱出シャトルの操縦席の発進ボタンを押す。すると要塞最下部の非常用射出ハッチが開閉され、ピラフたちが搭乗している脱出シャトルが大空へ射出された。
ピラフたちが射出した先にあった光景とは、レッドリボン軍の戦闘機に包囲された絶望的な状況であった。
「ドラゴンボールを持っている者に告ぐ。貴様の飛行機は完全に我軍が包囲した。速やかに我々に投降しドラゴンボールを明け渡せ。さすれば、命だけは保障してやる。」
シルバーはピラフの機体の無線に対して降伏勧告を行う。
「ピラフ様完全に囲まれました。」
シュウがピラフに指示を仰ぐ。
「どうしましょう」
「・・・こっ、降伏する・・・・」
脱出不可能と悟ったピラフはシルバー達に無線で降伏する意思を伝え、レッドリボン軍の誘導の元に基地へと着陸した。脱出シャトルからピラフはドラゴンボールを持って大勢の兵士から銃口を向けられながらシルバーへと近づいていった。
「さて、ドラゴンボールを渡してもらおうか。」
シルバーはピラフの前に右手を差し出す。
「はっ、はい、どうぞ」
震える手でピラフはシルバーの右手に七星球をシルバーに手渡した。シルバーはそれを満足げな表情を浮かべつつピラフの手から受け取った。
「ふふふっ、さあっ、本部に連絡しろ、ドラゴンボールを入手せりとな。総帥もお喜びになるだろう」
シルバー大佐は上機嫌で戦闘機に乗りシルバーが駐屯する基地へと帰還していった。その後、ピラフ達三人も事前の通り命だけは助けられ基地から走り去るように逃げていった。
数時間後 シルバー隊基地司令室
ピラフ達からドラゴンボールを手に入れたシルバー隊の幹部とシルバー今回の戦果に満足し戦果の祝を行っていた。
「このドラゴンボールを見ればレッド総帥もさぞお喜びなるだろう。」
シルバーは秘蔵の酒を片手にシルバー自身の机に置いたドラゴンボールを見ながらシルバーは満足気に言った。
「はい、シルバー大佐。我軍の世界征服の夢もそう遠くはないでしょう。」
(そう、うまくいくもんかな)
この場にいる者達の中でウイスキーの便を片手に隅で壁にもたれかかっているミケロはシルバー達とは真逆の考えを持っていた。しかし、それをミケロがシルバー達にその言葉を出すことはなかった。
「ミケロ、何か言いたいことでもあるかな」
ミケロのこの場に合わない態度に不信を感じたシルバーはミケロに言った。
「なんでもありやせんよ、シルバーの旦那」
「ふんっ、それでは、」
(先のドモンカッシュや孫悟空があのまま黙ってレッドリボンの行動を見逃すとは思えねえな)
おもしろみのないミケロの返事に不満気なシルバーはすぐに話題を変えようとしたとき、
ダダダッ
「銃声!敵襲か?」
真っ先にシルバーが声を上げる。銃声は先の一度だけでなく時間を重ねるごとにどんどん増えていっている。また、音は銃声だけでなく、車が爆発する音、戦車やバズーカの発射音させ頻繁になる。これはただごとではないとシルバーは理解した。
「シッシルバー大佐」
シルバーの部屋に一人の兵士が入ってくる。入ってきた兵士はシルバーの司令部の外で守衛をしている兵士の一人であった。
「落ち着け、状況を報告しろ。いったいどこの軍が攻めてきた。」
シルバーは今なお度重なる銃声や爆発音、兵士たちの悲鳴や怒号などからシルバー隊と同等かそれ以上の規模の軍隊が攻めてきたのではと想像するが、次の兵士の言葉でシルバーの考えは否定された。
「たった二人の小僧が攻めこんできました。それもただの小僧ではありません。恐ろしいほどの強さです。銃弾や戦車の砲弾ももろともせずこちらへ攻め込んできています。」
兵士の語っている事はにわかには信じられないことではあるが、シルバー数時間前に骨董屋で出会った二人の少年の事を思い出した。
「あの小僧どものがか」
そう叫ぶとシルバーは司令室を飛び出して銃声が激しくなる方へと走りだしっていった。
二分ほどかけてシルバーが戦っていると思われる場所についたときその場の光景にシルバーは絶句する。
マシンガンの乱射を全て避けながら兵士達を次々に倒していく悟空の姿や戦車を軽く持ち上げ他の戦車へと投げつけるドモンの姿があった。
「ぐへっ」
また、一人の兵士が悟空の攻撃を受けて倒れる。
「まったく、きりがないな悟空」
「大したことのないやつばっかだなここのおっちゃんたちは」
レッドリボン軍の軍事基地に攻め込んでいるとは思えないほど緊張感のない悟空と着々とレッドリボン軍兵を蹴散らしていくそう言っている間にも二人はレッドリボン軍の銃撃などを跳ね返し進撃を続けていく。彼らの目的はただひとつドラゴンボール。シルバーにはすぐわかった。
「小僧、よく我々の居場所がよくわかったな。」
シルバーが二人に言った。
「おめえはさっきの」
悟空やドモンは数時間前に出会った男のことを思い出す。
「俺はレッドリボン軍のシルバーだ」
レッドリボン軍のシルバーと名乗られて当然悟空にはわからないが、ドモンはレッドリボン軍の存在を知っていた。
「レッドリボン軍がなぜドラゴンボールを集めている。何の願いを叶えるつもりだ」
ドモンがシルバーに問い詰めるが、
「やはり、ドラゴンボールに詳しいようだな」
シルバーはドモンの問いかけには応えず無視して悟空が左手に持っているドラゴンレーダーに気づき悟空に話しかけた。
「小僧ども答えろ。なんで、ドラゴンボールを集めている。我々よりも高精度のドラゴンボールレーダーをもっているのか。」
高圧的に悟空に質問するが、悟空やドモンはシルバーの質問には答えず戦いの構えを取る。
「我々レッドリボン軍のレーダーではそこまで細い位置はわからん。お前はかなりのレーダーを持っているはずだ」
シルバーはふたりが答えないことがわかっていたようで話を続ける。
「おまえなんかに教えてやるもんか」
べーだといい、悟空は舌を出してシルバーに返す。
「そうか、わかった。小僧、レッドリボン軍のシルバー大佐をなめるなよ!」
タタタッ
シルバーは高速で悟空に近づきその手にもつドラゴンレーダーを奪い取った。
「遅いな、これが貴様のドラゴンボールレーダーか」
悟空の手から奪い取ったドラゴンレーダーに目を移す。レッドリボン軍本部の巨大なドラゴンレーダーに比べると悟空のドラゴンレーダーはシルバーの手のひらに収まるサイズでありながら凌駕する探査能力ににわかには信じられないようだった。
「この野郎、返せ」
ヒューンッ
悟空が先ほどのシルバーの何倍ものスピードでシルバーに突進する。
「ふんっ」
シルバーはドラゴンレーダーを取り返しに突っ込んできた悟空を華麗に避けたはずであったが、しかし、シルバーは次の瞬間驚愕する。
「ナニィ」
一瞬目をつむっていたシルバーは右手で持っていたドラゴンレーダーがなくなっていた。すかさず、悟空の方に見るとドラゴンレーダーを持った悟空がドラゴンレーダーが壊れていないかスイッチを押しながら確認していた。
「よかった。壊れてねーや」
「やるではないか、小僧」
ドラゴンレーダーが無事な事に安心する悟空に平静さを取りもどしたシルバーがゆっくりと近づき言った。そのシルバーの傲慢な言い方に悟空はムッとしシルバーに言い返した。
「オラ小僧じゃねえ、孫悟空だ」
堂々とシルバーの顔をまっすぐ見つめる。
「そうか、孫悟空、それならこれはどうだ!」
シルバーは着ているジャケットを脱ぎ捨て得意のボクシングスタイルコンビネーション攻撃を悟空に浴びせるが、悟空はそれをやすやすと全て余裕かわしていく。そして、
「ふんっ」
ドンッ
悟空は鼻を鳴らすような声を発するとシルバーのボディーに一撃を放った。たった一発超高速の一撃がシルバーのボディーに命中しシルバーの意識を遠いところに連れて行き戦闘不能へと追いやった。
「うぐっ、この俺が・・・ガキ一人にやられると・は」
バタンッと一撃を受けた腹部を押さえながら地面へと倒れこむシルバー。すぐに起き上がる様子はない。完全に気を失っている。
「そんな、馬鹿なシルバー大佐があんなガキ一人にやられるなんて」
「俺達が勝てるはずない、あんな化け物に」
「逃げろおおおー!」
悟空とシルバーの戦いを遠巻きに見守っていたレッドリボン軍の兵士たちがシルバー大佐が呆気無く子供に負けたことによって、ようやく悟空やドモン達の規格外の強さを理解した。そして、その強さを理解した兵士たちにやってきたのは、悟空の強さに対する恐怖感であった。多くの兵士が呆然としていた中、ある一人の兵士が恐怖に耐え切れず逃げろと叫んで持っていた銃も捨てて逃げ出したことをきっかけに生き残っていた兵士の半数以上がこの場から逃走し始めた。本来なら、レッドリボン軍の軍法により銃殺処刑されて文句は言えないところであるが、今この場に彼らを罰する者は存在していなかった。ある者は身一つで走って逃げ、エアバイクや装甲車、果ては戦闘機に乗って逃亡を行っていた。また、逃亡をしなかった半数近くの兵士たちはレッドリボン軍兵士として不名誉な敵前逃亡を行わなかったが、あまりの状況に戦意を消失し悟空たちに攻撃をしなかった。そして、ごく一部の軍への忠誠心熱い勇敢な兵士がなおも悟空やドモンに攻撃を行ったが、あっけなく反撃をうけここにシルバー大佐の部隊は壊滅したのであった。
「ここらへんが潮時か、旦那もやられたようだし、俺もそろそろ引き上げるとすっかな!」
ドモンと戦いながらも逐一シルバー大佐の動きを確認していたミケロは、シルバー大佐の敗北とその部下たちの醜態を見て自分もここから撤退する時期だと判断した。
「ドモンカッシュ、今回はお前たちの勝ちだ。次のドラゴンボールを、探すといい」
ミケロは戦闘態勢を解いて言った。
「おまえもやつらの仲間ではないのか」
ドモンがミケロの周りの者達とのあきらかに違う様子を感じ、ミケロに言った。
「仲間?俺は奴らの仲間ではない。そうだな、俺はただの傭兵みたいなもんだよ。こいつらの組織に一ミリも忠誠心もないさ、それに無駄な戦いはしない主義なんでね。それじゃあ、あばよ」
ミケロは言い終わると自身ホイポイカプセルからエアバイクを取り出すとドモンたちの前から去っていった。
「変わったやつだ」
その後壊滅したシルバー隊の基地から二人はドラゴンボールを探し出し、次の目的地として北の大陸へと向かっていくのであった。
レッドリボン軍本部
「何、シルバー大佐とシルバー隊がやられただと」
それまで比較的上機嫌で総帥としての実務を行っていたレッドだったが、その凶報を聞くや否や総裁机の上に置かれて処理した書類を叩きつけながら言った。
「はい、総帥」
感情的なレッドは対照的に無感情で無機質な声で答えるブラック。
「いったい、どこの組織だ、中央軍か」
レッドはシルバー大佐とその部隊が国王軍の最精鋭の中央軍にやられたのではないかと第一に考えた。世界最強のレッドリボン軍に真っ向から対抗できるのはキングキャッスル直属の中央軍だけと考えるのも無理はなかった、
「いえ、生き残りの報告によると・・・その・・・」
ブラックも報告をためらう様子を見せる。
「何を躊躇しているはっきり言わないか」
「はい、シルバー大佐とその部隊の兵士達は突如彼らの前に現れた・・・少年二人にやられたと」
レッドに報告しているブラック自信も今だにわかには信じられなかった。この報告が彼の元に最初に届いた時はあまりの内容に体中の血管破裂するぐらいの怒気を含んだ顔をブラックに向けた。
「なんだと」
「残念ながら事実のようです、総帥。ウォンが遣わしたミケロなる男も同様の報告をしています」
シルバー隊の残党からミケロ
「ところで今回の大失態をおこしたシルバーはどうしているのだ。」
ヒステリック気味にレッドは言った。
「はい、戦闘後、我が軍の基地にて怪我の治療中との報告が来ています。」
淡々と答えるブラック参謀。
「ブラック」
そこでレッドはブラックの名を言い話を止めさせた。
「はい、総帥」
「シルバー大佐を48時間以内に私の元へ連れてくるのだ。私自ら軍法裁判を行う。」
その後、シルバー大佐はレッドの命令のもと意識をまだ失っているシルバー大佐を担架ごとレッドリボン軍の輸送機に載せられレッドリボン軍本部へと移送されることになった。
WYコーポレーション本社ビル内
シルバー大佐その部隊が悟空たちによって全滅させられた情報はすぐさま現場から帰還したミケロの報告によってウォンに正確な情報が報告されていた。
「ほう、それではシルバー大佐は七星球を孫悟空とドモン・カッシュに奪われましたか。」
激怒し怒り狂ったレッドとは異なりウォンはすぐそれが事実だとし受け止めすぐさま自分にとって最大限の利益になるよう次の行動を考え始めていた。
「はい」
ウォンはミケロからの報告だけでなく、レッドリボン軍内潜入させている諜報員や無線の傍受、偵察機等からの情報からレッドリボン軍の情報を逐一収集し監視していた。その情報収集能力は他の組織とは
「ミケロ君、それで君の目から見てあの二人の印象はどうですか」
テレビ電話越しにウォンはミケロに直接体験した物にしからわからない意見を求めた。
「正直、俺ではあの二人には勝てる自信はありませんねー。ありゃーは化け者ですよ。それにますますこれからも強くなっていくでしょうな」
ミケロは正直に率直な感想をウォンに語った。
「そうですか、それはとても楽しみですね。ところで、七星球を奪われたシルバー大佐の処遇はどうなりますか」
最重要のドラゴンボールを奪われ、レッドから預かった部隊を壊滅させてしまったのだ。責任は重い。レッドリボン軍の血の掟を考えればシルバーの処罰は誰の目にも明らかであった。
「軍法会議の後に銃殺刑が確実でしょう」
ウルベは言った。
「レッド総帥は相当お怒りで、大佐を尋問の後銃殺が確実でしょうね。ゴールド元帥や他の幹部達が止めたとしても無駄でしょう」
テレビ電話越しにミケロがウルベを補足するようにウォンに言った。
「内実がどうであれ、子供二人にレッドリボン軍の精鋭部隊をやられたのですから仕方内ですね。しかし・・・」
ウォンは一旦そこで言葉を区切り言葉を続ける。
「殺すには少し惜しい人物かもしれません。」
報告書にあるシルバー大佐の資料を手元に置いてウォンはウルベに言った。
「それでは、シルバー大佐を保護しますか。」
ウルベが尋ねる。
「ええ、そのように処理してください。彼がこのまま愚かな主人に最後まで忠義を尽くすのらそれでよし。我々にのもとに来るのなら保護してください」
「「了解いたしました。」」
テレビ通信が切られて、ミケロの姿が画面から消えた。
「レッド総帥は有能な部下の遇する仕方を知らないようですね。」
ウォンは椅子に深く座り込み呆れるようにつぶやいた。レッド総帥の部下の扱い方は彼を知る者達にはとても有名であった。たった一度の失敗で処刑されることも多々あった。
「しょせん、その程度の男だということでしょう。」
ウルベは切り捨てるように言った。ウルベからすればレッドは忠誠にはあたらないほどの唾棄スべき存在程度の評価であった。そんな彼の考えをウォンは見透かしたかのように話を続ける。
「シルバー大佐の件は我々が保護する方向でいいとして、例の御方が封印された電子ジャーの行方の手がかりは掴めましたか」
ウォンは以前からウルベに命じ調べさせておいた案件についての中間報告を尋ねた。ウルベは質問され、すぐに彼が持っていた端末を少し操作し現状の活動報告を行う。
「残念ながら、今だ封印がされている電子ジャーについての居所は今だ不明です。調査部の予想では海底の奥底などにあるのが有力との報告があります。」
「封印した本人に直接聞くわけにもいけませんしね」
電子ジャーの居場所を知る者は封印した本人の武天老師ただ一人だ。そして、武天老師は彼は死ぬまで電子ジャーの行方を誰にも話すつもりはなかった。
「力づくで聞き出すといっても相手は武天老師、手を出せば看過できないほどの損害を受けるでしょう。それに、あの封印には東方不敗マスターアジアも関わっていると伝わっています」
「それに武術の神様、武天老師の師、武泰斗と東方不敗マスターアジアとは深い交友があったとか。」
東方不敗と伝説武道家武泰斗が交友があり過去何度か対戦したことがあったと武泰斗の弟子の一人であった男が回顧録に残していて記録が残っていた。
「はい、そのとおりです。」
「まったく、私にとっては途方もない信じられない話ですね。まあ、何事も穏便に平和的に解決したいものです。まあ、その件に関しては引き続き調査の方をお願いします。」
マッスルタワー最上階ホワイト将軍司令室
シルバー大佐が悟空やドモン達と戦っていた頃、北方の大陸ではホワイト将軍が駐留するジングル村のマッスルタワーにレッドリボン軍の大型輸送機が一機やってきていた。輸送機に乗っていた兵士とマッスルタワーの兵士たちによって本部から輸送されてきた積荷がマッスルタワー内に運び込まれていく。そして、輸送の代表者の佐官がホワイトの前に現れた。やってきた男は、ホワイトの部屋で防寒着や防寒帽を外すとオレンジ髪の整ったモヒカンヘアーが現れた。また、ホワイト比べても頭一つ高くがっしりと引き締まった体は軍人とうよりスポーツ選手のようにも見えた。
「よく来てくれたゼロ少佐、」
ホワイトの前にやってきた将校はレッドリボン軍の中で最近頭角を現してきたのは青年将校ゼロ少佐であった。ゼロ少佐は納品書や取り扱いに関する書類をホワイトに手渡す。ホワイトは軽く資料に目を通しサインすると書類を机においた。そして、ゼロ少佐の方を見た。
「ホワイト将軍、メタリック軍曹先行量産機第1号をお届けにあがりました。」
「うむ、ご苦労ゼロ少佐。君の父上にも感謝すると伝えてくれ」
ゼロ少佐と呼ばれた男の父親はレッドリボン軍の天才科学者ドクターゲロであった。彼が若くして少佐の地位に昇進できたのも彼の実力だけではなくドクター・ゲロの影響力もあった。だが、ゼロ少佐の軍人としての能力は本物であり、その戦闘能力においてはシルバーやブラックなどのレッドリボン軍幹部からも認められている。また、ブルーからもゼロ少佐の美形の顔のよさから何度かお茶に誘われるほどの高評価であった。(ちなみに全ての誘いにゼロはいやいやながら付き合っていた。)
「ありがとうございます。」
ゼロ少佐はホワイト将軍に一礼するとその場から退席していった。一人自室に残ったホワイト将軍は今だ作業をしているマッスルタワーを見下ろす。
「とうとう来たか」
ホワイトがマッスルタワーのから眼下には極寒の中防寒装備の兵士達が白い息を吐きながらゼロ少佐が運んできたメタリック軍曹の入ったコンテナを見ながら呟いた。
(この人造人間開発計画が成功し、俺の部隊がドラゴンボール探しをリードできれば、俺の元帥昇進は確実・・・いや、次期総帥も夢ではない)
ホワイトにとってレッドリボン軍入隊以来目標は一つ軍での最高の地位に上り詰めることであった。そのため、彼は常に保身のために上官に媚び、彼は自分より有能な同期や後輩達を謀略によって失脚させていった。そして、50を迎えつつある彼は将軍にまで栄達したが、彼が目指す元帥位を手に入れるにはまだまだ多くの壁があった。まず、ホワイトの教官も務めたゴールド元帥、実績人望ともにレッドリボン軍の中でレッド総帥以上にある存在である。また、彼と同じ将軍であるブルーも同じ将軍でありながらニ回り以上彼よりも若く将軍に昇進していため、ゴールド元帥やブラック参謀の次のレッドリボン軍のトップはブルー将軍彼だと多くの者から有力視されている。この状況を覆しホワイトがレッドリボン軍のトップになるにはこのドラゴンボール探しにおいて最も多くのドラゴンボールを見つけ出す必要があった。
(とにかく、ブルーや他の隊よりもドラゴンボールを先に多く見つけなければならぬ)
様々な思惑や欲望が渦巻くなか、ドラゴンボール探しの争いは熾烈になっていくのであった。
次回に続く!
みなさんお待ちかね!
シルバー大佐を撃破し一つ目のドラゴンボールを手に入れた悟空とドモン!
そして、二つ目のドラゴンボール探しへと極寒の北方の大陸にあるジングル村へと向かう悟空とドモン!
そこで二人が出会ったのは、ジングル村の少女スノ!
彼ら二人は少女の助けて欲しい願いを聞き、向かうはジングル村を占拠するレッドリボン軍の根城、マッスルタワー!
そこに最初に立ちはだかるのは、レッドリボン軍第二の幹部、ホワイト将軍!難攻不落のマッスルタワーにて悟空達を待ち構えていたのであった!
次回ドラゴンボールGマスター武闘伝第十話「怪力無双!メタリック軍曹のパワー!」に
レディーゴー!
あとがき
お久しぶりです、マスター亜細亜です。
久方ぶりの更新で大変申し訳ありません。
今回準オリジナルキャラのゼロ少佐を登場させました。彼は原作の史実でドクターゲロの息子であったレッドリボン軍の兵士でありました。そして、彼の死後はその姿や性格は16号へと受け継がれることとなっています。あと、ゼロという名前は名前がなかったので適当につけた名前です。MGSのゼロ(トム)少佐とは全く関連はありません。