イナズマイレブン 元帝国メンバーの記録日誌 作:帝国だと源田が好き
恐らくヴィクトリーロードがアニメ化されたらやるであろう特訓
「…北陽の強みは、その多彩な戦術にある。西ノ宮みたいに個の力に頼ることはない」
「つまり、一点集中の戦術だけじゃないって事か」
笹波の言葉に、桜咲が捕捉するように言葉を繋ぐ
「幸いにも事前情報として明かされているのはエースストライカー・空宮征を中心とした攻撃型が主になると言う事と、空宮征が封じられた場合には他の戦術へと即座に切り替えて来ると言う事ですね」
「うへ〜突破口が見えたと思ったら直ぐに切り替えて来る訳か…」
「…厄介だね」
木曽路、忍原はそう呟く
「幸いにも、こちらには戦術『ブロック・ザ・キーマン』がある。エースストライカーの空宮征は封じ込む事が出来る」
「…ただ、問題は封じられた後にどう動いて来るか…だな」
柳生の発言に、笹波は頷いた。
「はい、更に言えば北陽の監督、下鶴改は御影専農のOB…情報が少ないとは言え、こちらの戦術、扱う必殺技等は把握されている可能性がかなり高い」
「…どうするか、だな…」
そんな事を考えていると、千乃のスマホから通知音が鳴る
「…失礼……はい、笹波君なら居ます…分かりました」
スマホを仕舞うと、千乃は笹波を見つめて口を開く
「笹波君、お母様が病院に搬送されたと連絡がありました」
「母さんが…!?っ!」
その事を聞き走り出そうとする笹波を、桜咲と柳生が止める。
「おい待て、俺がバス停までおぶって行く!」
「大事な試合の前にキャプテンが倒れたらいけないからな…至急タクシーを呼ぶ、支払いは俺宛てでな」
走り出そうとした笹波を抱えて走り出す桜咲と、スマホでタクシー会社へ連絡を取る柳生
その後、桜咲の健脚によって10分もかからずにタクシーまで連れて行かれた笹波は、桜咲とタクシーを呼んだ柳生へお礼を行って、病院へと向かった。
そして、そんな事があった為に、南雲原中サッカー部は笹波の代わりとしてリオンの指導の元で練習となった。
「百道さん、お願いします」
「分かりました、では」
百道が手元の端末を操作すると、ホログラムによって複数人の人影が現れる。
それらはのっぺりとした影の様な姿で、南雲原の体操服を着用していた。
「うおっ!?なんだこりゃ」
「高精度の人型ホログラムです。リオンさんがご両親に頼んで設計、開発して頂きました…そして、このホログラムには、リオンさんの動きを学習させてあります…」
「…えっ?つまりリオン先輩×10ってコト!?」
木曽路はそう言ってフィールドに立つ人型ホログラム×10を指差す
「まぁ…学習されているのは一年の頃のあの動きだから…今なら十分良い相手になるよ」
己の過去を思い返して、心に残る傷を自分で抉りながらも顔には出さずに、リオンはそう言って笑いかける。
「…当然ですが、いきなりのロングシュート、急なパス等と言った事は行わずにボールを取る、相手を抜く、ボールを繋ぐパス回しの動きを学習させてあります。しっかりとした練習相手になるかと」
百道はそう言って補足する
「それならまぁ…」
「何とかなるかも…?」
「北陽がどんな戦術を使って来ても結局はボールを取る、維持することが大切だからね。基本的な戦術の動きも学習されているから十分相手になるよ」
「…あの、10人しかホログラムがないのって…もしかして」
古道飼の質問に、リオンは微笑んで答えた。
「当然、その中に僕が入る。サッカーは11人でやるモノだからね…キーパーはやれないから、基本的な動きだけ学習されているホログラムだけど」
ボールはコレだよ、とホログラムで映し出されたボールがグラウンドにポツンと現れる。
「じゃあ始めようか、南雲原サッカー部vs僕とホログラムで」
こうして、南雲原サッカー部vsリオンと学習されたホログラムによる練習試合が始まったものの、普段からサッカーボールを蹴るメンバー達からすればホログラムのボールは未知のモノ
「ホログラムだからボールを蹴ってる感じがしない!」
「サッカーボールじゃないから感覚が掴みにくい!!」
忍原と木曽路の最もな意見に、改良の余地がある。という事でリオンと百道は今後の課題にしないとなぁとお互いアイコンタクトを取るのだった。
その後、急遽として実際のサッカーボールにホログラムを被せる事で問題解決し、改めて練習再開となった…が
「「「全然取れない!!!」」」
ホログラムの翻弄する動きに桜咲と柳生以外が付いて来れず、このホログラム訓練は大不評となった。
「……まだまだ改良の余地がありますね」
「…だね…発想は面白いけど現実問題が多過ぎた」
結局、ホログラムを無しにした状態でリオンからボールを取る、シュートを止める訓練にシフトチェンジされた。
このお陰もあってか、南雲原サッカー部のメンバーのパス回しを始めとしたボールコントロールがとても上達した。