イナズマイレブン 元帝国メンバーの記録日誌   作:帝国だと源田が好き

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第7話

 

北陽との試合を終えた翌日、監督対決ということで下鶴と笹波がお互いのチームを入れ替えての試合を行うことになった。

 

しかしリオンは例外として試合の参加はしないことになった、現状としてリオンがどちらか片方に入った状態で試合に参加するとチーム間のパワーバランスが著しく崩れる為だ。

 

その為、試合の決着がつくまでの間、暇になってしまう。

 

時間潰しも兼ねて、リオンは他の部活の見学をしようと校舎をふらついていた。

 

まず立ち寄ったのは剣道部。リオンが南雲原に来た時に最初に見学に来た部であり、小太刀鞘と知り合ったキッカケだ。

 

「…あら、珍しいわね。試合は良いの?」

 

剣道部員達の稽古を眺めていたら、素振りをしていた小太刀に見つかり話しかけられる。

 

「自分が参加するとチーム間のパワーバランスが崩れてしまうので…決着が着くまでは自主練しようにも相手が居ない上に、コートは使用中なので…」

 

そう言って笑うリオンへ、小太刀は微笑みながら提案する。

 

「なら、うちと久々に打ち合ってみる?」

 

「…大会優勝者と素人じゃ試合になりませんって…」

 

大会で数々の結果を残している小太刀に、素人のリオンが立ち向かった所で瞬殺されるのがオチである。

 

「ふふ、冗談よ。それより…噂の北陽がチームに入るみたいだけど、サッカーって11人とベンチに5人…だったかしら?」

 

「そうですね、それがどうかしたんですか?」

 

「もし、リオンくんがこのままベンチにも入らないなら、そのままうちが剣道部に入部って考えてるの。リオンくんとしては、どう思う?」

 

「…ふむ」

 

リオンもその点は考えていた。

北陽の選手達は九州の強豪であり、仮に笹波が監督として勝った場合は同時に選手としての技量等を考慮してスタメン入りやベンチ入りする選手も多くなるだろう。

その場合、元々南雲原サッカー部は南雲原としての戦術を確立させて来ており、そこに優秀かつ戦術の変更に柔軟に対応可能な北陽の選手も入る事になる。

 

何度も言うが、サッカーとはチームプレイが基礎だ。特出した個人は強いが、北陽の戦術の切り替えの様に個人が潰されたとしても柔軟に対応出来る様にする事が求められる。

 

そこまで冷静に考えたリオンは、一つの案を思い付いた。

 

「…鞘先輩、剣道部に入るのは無しですが…少し力を貸して欲しい事があります」

 

「?」

 

きょとんとした顔で首を傾げる小太刀へ、リオンはある事を提案した。

 

「…いいね、面白そう。時間はそこまで割けないけど、少しづつは協力する」

 

「すいません、お願いします」

 

リオンはそう言って頭を下げ、他の部へ向かった。

 

そうして、他の部活の生徒や、部に所属していない生徒等の内、リオンの提案に乗った生徒は…8人も居た。

 

「…後はどうするか…」

 

そう呟きながら試合中の北陽と南雲原サッカー部の元へと戻ったリオンのそんな呟きに、千乃がクスリと笑いながら話しかける

 

「あら、試合に参加出来ないから拗ねて何処かに行ったと思っていたけれど、戻って来たのね」

 

「…試合時間は長くなるので、それまで他の部や生徒と交流してたんですよ。まだまだここには慣れないので」

 

「あら、貴方って社交的なのね。てっきり一匹狼みたいなタイプだと思ってたわ」

 

「ご覧の通りのコミュ症なので、交流するにも足踏みしますよ」

 

そう言ってコートを見れば、丁度試合の決着が着いた。

 

「はぁ…はぁ…勝った…のか?」

 

 

笹波率いる北陽の勝利だ。

 

勝利に湧く北陽と、全力を出しつつも敗北した南雲原サッカー部はお互いに試合中の交流もあったのだろう。肩を組んだり、談笑する者も多い。

 

「…これで、監督対決は決まった様だな…」

 

下鶴の淡々とした言葉が、リオンの耳に届いた。

 

その後、下鶴はサッカー部監督を辞めて何処かへと行き、北陽の選手は正式に南雲原サッカー部へと加入となった。

 

そして、リオンは笹波に呼び出された。

 

「…リオンさん、南雲原サッカー部は、南雲原としての戦術、強さを確立して来ています。これもリオンさんのお陰です」

 

「お世辞はいいよ、南雲原がここまで強くなったのは、笹波くんと南雲原サッカー部の部員として頑張ったみんなの成果だし…先に言っておくけれど、君の判断を恨んだりするつもりはない。だから気負いせずにね」

 

「…すいません、ありがとうございます…」

 

浅く、笹波は頭を下げる。

 

「…リオンさん、これから先の試合は南雲原サッカー部と北陽学園の選手達で、頑張って行こうと思います…なので…その…」

 

「…ベンチから降りるという事だね、大丈夫。いつかはこうなると予想はしていたし、何より…誇らしいんだ」

 

「誇らしい…?」

 

「あぁ、君達はきっと、大舞台まで駆け上がれる。そんな予感がするんだよ。その栄光の道へ進む君達に、少しでも力になれたなら、それで今は満足さ」

 

そう言って、リオンは笑った。

 

「…ありがとうございます、リオン先輩」

 

そんなリオンへ、笹波は頭を下げた。

 

この日を境に、リオンが南雲原サッカー部へ来る事は、なくなった。

 

 

 

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