かくしてパーフェクトサッカーは引き継がれる。   作:ホイップる

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“少年サッカー界の新脳”襲来~南雲原編②~

 

 南雲原中と銘蘭学院の試合が始まる。

 

 笛の音は高く、乾いた空気を切り裂いた。ピッチに広がる緑の上で、両チームの陣形がゆっくりと噛み合っていく。序盤から主導権は拮抗していた。南雲原は不用意に前へ出ない。銘蘭学院もまた、様子を探るようにラインを保つ。

 

 それでも、南雲原には何度か流れが傾きかける瞬間があった。

 サイドで数的優位を作り、縦に速い選択肢が生まれる。しかし最後の一歩で、歯車が噛み合わない。シュートまで持ち込めそうで、持ち込めない。

 

「FWの桜咲、忍原は個々の能力は高いが連携が全然だな。パスワークのタイミングがあってないのは、選手各々の成長速度が違うからか?ここから本番まで修正は出来ると思うが、どうも中々、試合で必ずしも最大値が出るとは限らない。それに、あのシュートは失敗したが、ただのシュートチェインか……?それとも2人のオーバーライド技になるのか?後者なら合わせる意識ばっかりでお互いの力を発揮しきれてない節があるな。原因は恐らく――」

 

 南雲原ベンチで月伊霧は一人ボソボソと呟く。

 

 言葉は、思考の速度そのままに流れ出ていた。

 月伊霧の口は試合を「見る」よりも先に「解く」ために動く。視線はピッチをなぞり、脳内では配置と確率が同時に組み替えられていく。分析は意識的な行為ではなく、呼吸に近い。

 

「そうですよねぇ……芽育君はその癖辞められませんよねぇ……」

 

 そのベンチで月伊霧は南雲原の控え選手たちと同じ方向を向きながら、ひとり言を続けている。音量は小さい。だが、言葉は明瞭で意味もよく通る。耳の良い者には十分すぎるほど理解しやすい状態であった。

 

 騎士部は、視線をサッカーコートから南雲原ベンチに滑らせる。

 彼女は小さく息を吐いた。起こるべくして起こったことである。

 

「なるほど、流石の分析力ですね。百道さん、記録取っておいてください」

「はい。AI解析も噛ませて議事録の書き起こしと、皆さんの練習方法もまとめておきますね」

 

 笹波の言葉と同時に百道のタブレットの画面が光る。南雲原の中で特筆してデータ解析が得意な百道は様々なツールを操作して、並行して処理を進めていった。

 

 偵察に来た時点で想定できることではあったが、一応月伊霧にも自覚してもらわなければならない。騎士部は頃合いを見て、ためらいなく手を動かした。

 

「芽育君、これ以上は一旦やめましょう。てい!」

「へぷぅ?!なんだ……って、また録音されてる?!いつの間に!!」

 

 軽い衝撃と同時に月伊霧の意識はピッチから引き剥がされる。

 芝生の配置、選手の立ち位置、次に起こりうる数パターンの展開。プログラムで処理しているかのように断続的にはじき出され、出力していた脳がようやく止まった。

 

 瞬きをひとつ。

 

 視線はまず目の前の騎士部を捉える。落ち着いた表情。その奥で、ベンチに腰を下ろす笹波と百道が視界に入った。二人とも、特別な反応は見せていない。むしろ、すでに起きると分かっていた事象を受け止めているように見える。

 

「そちらも録画してるんです。こちらも録音してしかるべきでしょう? 嫌なら帰ってもいいんですよ?」

「ぐぬぬ……おのれ、策士 笹波 雲明め……!初めからこうなる事を想定してたのか」

 

 月伊霧の視線が笹波へ向かう。

 

 しかし、笹波は視線を返さない。バインダーに目を落としたまま、ページをめくる仕草すら変わらない。気持ちのいいほどにガン無視を決めた。相手の感情に触れないことで、議論の余地を作らない姿勢だった。

 

 月伊霧はこれでも一応、笹波より1つ年上である。だが、その事実がこの場の力関係を左右している様子はない。桜咲に対する態度と同じく、彼は図々しい態度を貫いていた。

 

「喋るの止めればいいのに。相変わらずバカね」

「それが芽育君の凄いところですから」

「……それで態々来て、情報を渡していくなんて、北陽学園の偵察部隊も大したことないわね」

「分析データを渡すことは想定済みです。それを持ってなお、勝つために必要なことだから来たまでです」

 

 騎士部の言葉には、言い訳も取り繕いもない。

 状況を説明するというより、前提条件を明確にしただけだった。ここに来た理由、取った行動、その結果も含めて、全てを下鶴に相談した後で計画の内側に据えている。

 

 彼女もまたパーフェクトサッカーの申し子であった。ただ、その言葉の牽制の裏には偵察以外の含みもあるように思える。

 

 

「「……」」

 

 

  2人の視線が交差し、静かに火花を散らした。

 

「あーあのパスはもっと……ってダメだ。試合見てるとあれこれ言いたくなっちゃう」

「喋りすぎなければいいと思いますよ。」

「……また監督に怒られない?」

「監督からは許可貰ってきてるので大丈夫ですよ。ここでやるのは分析だけですからね。戦略プランは持ち帰ってから話せばいいので、試合に支障はありません」

「それならいいか」

「はい。言いすぎたと思ったらまた止めます。そうならないように話し相手になりますし……せっかくなので有意義な機会にしましょう」

「ありがとな。なんかいつも頼ってばっかりだな」

「ふふっ……これも同期のよしみですから」

 

 ジャージのポケットから、メモ帳とペンが差し出される。

 紙の感触が思考に一段階のブレーキをかける。月伊霧は自然と指でピッチを指し示すようになる。

 

 

ーーここはこう展開させると~

 

ーーこの場合はあの時の~

 

 

 物を介した瞬間、月伊霧の思考はわずかに減速した。

 頭の中だけで完結していた演算が、紙という媒体を挟むことで外部化される。結果、口からの出力精度は落ち、拡散もしにくくなる。思考が止まったわけではない。形を変えただけだった。

 

 彼自身、その変化を明確に自覚しているわけではない。ただ騎士部と会話を重ねるうちに、自然とそうなっていった。

 騎士部はそれを遮らない。全てを拾おうとはせず、必要な部分だけを選び取る。二人の間に積み上げられてきた前提があるからこそ成立するやり取りだった。

 

 百道はAI音声解析の出力データを確認し、静かに肩を落とす。波形は安定しているがその内容は余りにも薄い。

 単語の連なりとしては成立していても、戦術として再構築できるほどの輪郭は残っていなかった。

 

「メモを取りながら話始めましたね。指示語が増えてきたので、記録を起こしても大した情報にならないかもしれません」

「咄嗟の対策も手馴れてますか……これ以上多くの情報は得られないかもしれませんが、録音は念の為続けてください」

「分かりました。それにしても、随分仲良さげですね――ひぃっ!」

「……」

 

 2人の様子を仲睦まじく見ていた百道であったが、言葉の途中で千乃の気配に気づき、声を引っ込めた。千乃の視線は酷く冷徹であった。

 

 試合はさらに進む。

 

 銘蘭学院がラインを押し上げ、南雲原は一度だけ縦の意識を切り、横のつながりを優先する。忍原はタイミングを見計らってDFの裏へ抜けるが、ボールが出る瞬間、踏み出しが半拍遅れてしまった。

 

 その直後、桜咲がカバーに入る。状況を見極め、ためらいなく踏み込んだ。

 

 必殺技『剛の一閃』ーーその一連の動作に迷いはなく、ボールは一直線にゴールネットを揺らした。

 

 そして一点。

 スコアボードが「1-0」を示す。

 

 そのまま後半も均衡した状態が続き、試合は終わりを迎える。

 

 南雲原の選手たちは汗を拭いながら引き上げていく。

 月伊霧と騎士部も帰り支度に入った。校庭を抜ける風がメモ帳の端をふわりと持ち上げる。何枚も重ねられた書き込みが、無造作にめくれた。

 

 そこに残された文字量がこの時間の密度を物語っていた。

 分析は確実に積み上がっている。

 

「今日は突然お邪魔してすみません」

「いえ、こちらも録音させてもらってますので、気にしないでください」

 

 騎士部の丁寧なお辞儀に、笹波も同じ角度で頭を下げる。

 そのまま場を離れようとした瞬間、背後から声が飛んだ。

 

「おい、月伊霧 芽育。タダで帰ろうとしてんじゃねぇよ」

「……なに?試合中で見てなかったかもだけど、俺ちゃんと対価渡してるんだよね。それともなに?俺とシュート対決でも――あだっっ」

「それだけは止めてください。情報以前に相手に迷惑です」

 

 騎士部は起こりうる結末を脳裏で想像し、力技で月伊霧の暴走を止めた。月伊霧は心外そうに声を上げる。

 

「そんなに?! ……で、何がお望みだよ。この通りサッカーバトルの憂さ晴らしは出来ないわけだけど」

「お前またっ……!って桜咲?」

 

 柳生が突っかかろうとするが、それを桜咲が手で制す。いつもなら同じ調子で喧嘩を買うことも多かったため、その姿勢に驚きを隠せなかった。

 

「教えてくれ。南雲原はどうやったら強くなる」

「さ、桜咲先輩?!」

 

 周囲の空気がほんの少しだけざわついた。

 次の対戦相手からアドバイスを求めるーーそれを意味することは皆分からない訳ではない。だからこそ、その言葉が桜咲の口から出たことに、驚きを隠せなかった。

 

 一瞬、月伊霧は目を細めるが、すぐに冷たい視線に変わる。

 

「へぇ、潔良いじゃん。そういうタイプには見えなかったけど」

「勘違いすんな、てめぇらに勝つためだ。だけど、今の実力じゃ到底追いつかないことだって分かってる」

「君意外と熱血タイプ?嫌いじゃないんだが、答えはNoだね。いい加減、補助輪外して自分達で考えることも覚えなよ。話はそれからだ」

 

 それ以上、説明は加えない。

 

「あと、これは独り言だけど――」

 

 だが、その熱意に煽られてしまったのか、最小限の誠意として言葉を足した。

 

「オーバーライド技は各々の技を最大限発揮して漸く完成するものだ。”体調管理すら出来ないチーム”にゃ到底扱える代物じゃないよ」

 

 忍原の頬がわずかに引きつった。月伊霧はその反応を見逃さずに「やっぱり」とため息をつく。否定ではない。確認に近い。

 

「ありゃゃ、全部バレてたってわけね」

「し、忍原先輩……?」

「舐めんな。本番その足のままで試合に来たら真っ先に削るからな」

「性格悪っ?!」

 

 忍原もスプリング杯の試合映像を確認したばかりであり、月伊霧の徹底ぶりは少なからず知っている。だからこそ本当にやりかねないと身震いした。

 

「じゃあな、千乃。お前にも負ける気ないから」

 

 立ち去る前に千乃に一瞥する。

 

 その時、不意に千乃は先週出来事を思い出した。生徒会長通しの仕事仲間から、同じ頂を争うライバルに変わった瞬間。少なからず月伊霧に対抗心を燃やしていた。

 結果マネージャーとなり、今に至るわけであるが、この数日で千乃はいかに月伊霧のいた世界が熾烈であったか思い知らされていた。

 

 普段は冷静沈着で厳しい男。サッカーに没頭し、人々を熱狂させる男。

 その二面性を持つのが月伊霧 芽育である。それだけはここに居る誰よりも深く理解していると自負する。

 

 だからこそ、月伊霧のこの言葉に思わず奮い立った。

 

「ーー!!えぇ、勝つのは南雲原よ」

「そうか、楽しみにしてる。行くぞ騎士部」

「はい。失礼します」

 

 月伊霧と騎士部は背を向け、校門へと歩き出した。

 

 南雲原中を出て、駅へ向かう下り坂に差しかかった頃、月伊霧と騎士部はようやく肩の力を抜いた。

 校舎の影が途切れ、夕方の光がそのまま道に流れ込んでくる。アスファルトの照り返しは柔らかく、試合会場に残してきた緊張とは別の疲労が、遅れて身体に広がっていく。

 

 想像以上の成果はあった。

 だが同時に敵地のベンチに腰を下ろし、敵意と警戒の只中で分析を続けるという行為が、想像以上に神経を削っていたことも事実だった。二人とも口には出さないが、歩調が自然と揃っているのが、その証拠だった。

 

 騎士部は一度前方に伸びる線路の方へ視線を向け、それから月伊霧の隣に並ぶ。

 

「いいんですか?あんなに重要な情報話して」

 

 責める言い方はない。ただ、確認するような穏やかな問いだった。

 

「分析データを渡すのは想定済み、なんだろ?これくらいじゃバチ当たんないよ。それに――万全の状態で連携技使えたくらいで負けるほど、パーフェクトサッカーの名は軽くないよ」

 

 月伊霧は歩きながら気負いのない調子で答える。それは虚勢ではなく、積み上げてきた時間への信頼だった。

 

「ふふっ、そうですね。今度の戦略ミーティング、楽しみにしてますよ」

 

 騎士部は小さく笑う。確かな期待を込めつつ、どこか遊び心のある言い方であった。月伊霧は少しだけ肩をすくめる。偵察の時よりも、むしろその後の作業量を思い浮かべて憂鬱になっている表情だった。

 

「うげぇ、その前にプランまとめて下鶴監督にプレゼンしないとな」

「期待してますよ。北陽学園のパーフェクトサッカーの名は軽くないそうですので……もちろん負けたらチーム全員にうどん一杯奢りです」

「ペナルティ重っ、勝ったら下鶴監督の奢りにしようぜ」

「それもいいですね。今度皆で進言しましょうか」

 

 軽口の応酬に、ようやく日常の温度が戻ってくる。

 遠くで電車の走行音が響き、踏切の警報が短く鳴った。時間は確実に前へ進んでいる。

 

 道に落ちる二つの影は、夕陽に引き伸ばされながら並んで進む。

 北陽学園のFF本戦へ向けた歩みは地道に作業ばかりである。だが確かに着実に一歩ずつ進んでいた。

 

 

 

―――北陽学園 ミーティングルーム―――

 

 偵察から数日が過ぎ、FF地区予選・南雲原戦は、いよいよ明日に迫っていた。

 夕刻のグラウンドでの練習は普段よりも短く切り上げられ、選手たちは一様に汗を拭いながら校舎へ戻ってくる。疲労は確かに残っているが、その奥にあるのは張り詰めた集中だった。調整段階はすでに終わり、残されているのは「決断」だけである。

 

 ミーティングルームには独特の静けさが漂っていた。

 話し声は少なく、椅子を引く音や資料をめくる微かな紙擦れだけが響く。壁際の時計は淡々と秒を刻み、時間の流れだけが妙に意識される。

 

 今日は最後の戦略ミーティングの日だった。

 今回に限り、下鶴改の命により、南雲原戦の戦略プランは月伊霧に一任されている。司令塔として、分析担当として、そしてこのチームの「頭脳」として。その責任は、彼自身が思っている以上に重い。

 

 ホワイトボードの脇に据えておいた壇上の中央で、月伊霧は腕を組んだ。

 視線は彼のもとへ集まる。北陽イレブンの選手達にベンチに腰掛けた下鶴監督。全員が彼の一言を待っている。

 

「――さて、みんな厳しい練習ご苦労だった。これから南雲原戦前、最後の戦略ミーティングを開始する。パーフェクトサッカーの名に恥じぬよう、心して臨むように」

「お前良く下鶴監督の声真似やろうと思うな。本人目の前にいるんだぞ」

 

 滑り出しはまずまずーー誰かが吹き出すでもなく、かといって完全に無反応でもない。温度が1℃下がる。月伊霧はそれを肌で感じ取り、小さく咳払いをした。

 

「……ゴホン、それで下鶴監督。前に共有した戦略プラン話しちゃうんですが、本当に確定で大丈夫ですか?」

「あぁ、先日話した通りだ。分析も戦略プランもかねがね問題ない。細かい部分は今から詰めて修正すればいい」

 

 下鶴の返答は簡潔だった。

 ほとんど修正が入らない戦略プラン。それ自体が、月伊霧の分析精度への信頼を示している。監督がここまで委ねるのは、極めて珍しい。

 

「分かりました。その前に――お前ら、この俺に人生を捧げる覚悟はあるか?」

 

 一拍。

 

 そして、間髪入れずにレギュラーメンバーは口を開ける。

 

「は?何言ってんの??無理に決まってるじゃん」

「このご時世否定はしないが、お前実は誰でもいける感じ?」

「発言寒くね?まだ厨二病??」

「芽育君、さすがにそれはいきなり……まずは手順を踏んでからですね――」

「俺らの人生舐めてる?」

「前置きダルっ、早く話進めてくんね?」

 

 結果は非難轟々の嵐であった。

 月伊霧は額を押さえ、わざとらしく天を仰ぐ。

 

「お前らってやつは、本当に例えとか通じないな!!国語何点だよ、全く!!」

 

 悪態をつきながらも、彼の手はすでにリモコンへ伸びている。

 

 スクリーンが切り替わり、南雲原イレブンの選手データが映し出された。フォーメーション、走行距離、プレー傾向。数字と映像が並び、場の空気が一段引き締まる。

 

「まずは敵チームの情報を振り返るぞ。南雲原中は正直戦略の応用が効かない安上がりのクソチームだが、個々のポテンシャルは俺らと競えるくらいにはかなーり高い。」

 

 いつも通り言葉は過激だが、視線は冷静だった。

 月伊霧は続ける。

 

「何より、永遠のベンチウォーマー笹波 雲明は中々の曲者だ。現に初戦の西ノ宮はまあまあ、そこそこ、それなりに頑張ってた。この俺の戦略レベルには到底及ばないが」

「こいつ、意地でも相手のこと認めたくないんだな」

「プライドの塊すぎて、もはや可哀想」

「陣内、弥叉、ここから全部聴こえてるからな!」

 

 軽口が飛び交うが、誰も集中を切らしてはいない。

 一通りの戦術プランを話し終える。選手は皆その内容の濃さに舌を巻きつつも、とある疑問を浮かべる。

 

 その中で、ひとつだけ抜け落ちている名前があった。

 

 

ーーキャプテン、空宮征。

 

 

 痺れを切らした空宮が、手を挙げる。

 

「ねぇ質問なんだけどさ。俺は?」

「いい質問だ、空宮。お前――前半はベンチな」

 

 空宮のこめかみにはっきりと青筋が浮かんだ。席を立ち上がり、ゆっくり壇上へ詰め寄る。

 

「へぇ、それ例え?」

「いや命令。お前、明日はベンチウォーマーそらみ……ぶへらっ!」

「芽育はいつもつまんないこと言うね!本当に!!!」

 

 言葉が最後まで届く前に衝撃が走る。

 空宮の蹴りが、月伊霧の顔面を正確に捉えた。

 

 椅子が軋み、誰かが息を呑む。念のため、陣内と矢倉は空宮を抑えに向かった。

 

 空宮と月伊霧、約1週間ぶりの大喧嘩勃発であった。

 

 




【設定ガバめな小ネタ集】

「ぐぬぬ……おのれ、策士 笹波 雲明め……!初めからこうなる事を想定してたのか」
データキャラの宿命である「独り言が多い」癖を笹波雲明に見抜かれていた末路。わざわざ場所を指定したのは録音データを取りやすくするためである。

「ふふっ……これも同期のよしみですから」
月伊霧を甘やかす体のいい理由。とても便利な言葉であるため、最近多用し始めた。

「俺とシュート対決でも――あだっっ」
騎士部がいなかった場合、桜咲と月伊霧がPK対決をして、ホームランを打ち上げるシーンが見られる。試合には対して影響しないが、数球のサッカーボールが行方不明になり、月伊霧もちょっと傷つく。

「あと、これは独り言だけど――」
合体技に対する助言がなければ、忍原は原作通りケガをしたまま試合に望むことになる。その場合、直接的に削りにはいかないが、忍原にパスを回させプレー数を増やすことでケガを誘発させようとする。

「分かりました。その前に――お前ら、この俺に人生を捧げる覚悟はあるか?」
もちろん、そんなものはない。
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