「俺は先生のところに行く、お前らはそのまま船に乗ってほかのところを回収していけ」
「船に乗ってってどうやって」
「問題ない」
「ここが命の張りどころ
野郎共、時間だ!
嵐の王、亡霊の群れ
ワイルドハントの始まりだ
擬似
「船が、浮いてる?!」
「それじゃあ、行ってくる擬似
黄金の鹿号を飛ばし、自身はそのまま黒い聖剣からエネルギを出し、相澤の方へかっ飛んでいく黒裏、その先に脳みそが飛び出た人とはいい難い生物に頭を潰されそうな相澤がいる。
「!」
「ここにきて、貴方ですか」
「おい!黒霧、生徒はどうした!」
「すいません一人逃がしました」
「お前が瞬間移動じゃなかったら今ここで殺してるよ、でも、ゲームオーバーだ、てめぇは殺さないとな」
黒霧と死柄木は割り込んだ黒裏を殺そうと攻撃をけしかけるが、それら全てを聖剣で受け止める。
「無駄だ、」
「やはりそう簡単にはいきませんか、ですが脳無!」
「?!とんだ馬鹿力だな、相澤先生動けるか?」
「無理だな、腕も動かん」
「わかった、」
「死ね!」
「
死柄木が持つ個性【崩壊】をオルレアンの聖女、ジャンヌ・ダルクが持つ旗をもとに展開した白旗で受け止めるが、相性が悪く、すぐにヒビがはいる。
だが、白い旗は黒くなり、書かれた文様は竜へと変わる。
「剣は憎悪、
竜は復讐、
炎は応報!
刺し貫くは、
何もかも――
擬似
至近距離にいた死柄木は黒霧に助けられ、少しやけどを負う程度で済まされた。だが、脳無は直に業火と槍をくらい、倒れる。
「はぁ?なんで倒れてんだよ!」
「くっ、それ程までに強力ということです、ですがこちらも無理をしなければ勝てぬようなので」
喚く死柄木をなだめながら黒霧は注射器を脳無へ向かって投げる。その体は膨れ上がり、巨大な触手へと変わる。
「これは…少々まずいな、ひとまず引くか」
触手が大きくなるため、すぐにその場を離れ入り口へ、そこには黄金の鹿号と生徒全員が揃っている。
「アレは……」
「はやく、叩いたほうがいいでしょう」
「そうだな、早く叩いたほうがいい、そして、あれをとめるのに生死を気にしていられるほどの余裕もない」
「黒裏くん、それはだめですよ、あくまで私たちはヒーロー、殺しは絶対に「それで救える命が消えてもか?ヒーローは敵がいなければ成り立たない、被害が出てから動くことしかできない、あれを殺さずに止められる道理があるのなら別だ、無理なら、殺す」……」
黒裏の辛辣な言葉に皆押し黙る、今この状況で全員が出口にいる状況ではあるが、それを許してくれないヴィランと、得体のしれない触手がいるため、迂闊に撤退もできないのだ。
「ちっ!さすがにあれはマズイ」
「其は全ての疵、
全ての怨恨を癒す我らが故郷
──顕現せよ、
擬似
「あれを防ぎますか、やはり貴方は危険ですね、ですが、その傷では痛みで動けないでしょう」
巨大な触手が、その身から別れた小さな触手とエネルギーの塊と言える熱線を使って攻撃をするも、それら全てを最前線で防ぎきる黒裏、その強度は使用者の精神力に比例し、心が折れなければその城壁も決して崩れはしないという。
しかし守りたいものを護ることはできても、それを支える黒裏本人への加護は薄く、後方にある守護対象には絶対の安全が保障されるが、黒裏は敵が攻撃をやめない限り体力を消費して耐え続けなければならず、全て黒裏に反動として返ってくるというデメリットもある。
「多段……攻撃か…それも馬鹿み…たいな…熱量の……確かに……連続攻撃は
「卑王鉄槌、
旭光は反転する。
光を呑め……
擬似
「すまない、遅く「遅い!敵はもう……逃げた……ぞ……」黒裏少年?!」
巨大な触手は、黒く染まった極光により一部を残して消し飛んだ、そこに遅れてオールマイトが到着する。しかしオールマイトを狙っていた敵は黒裏が約束された勝利の剣の詠唱を始めた段階で撤退していた。
肝心の触手を倒した黒裏はそのまま倒れる。既に多段攻撃を受けた時点で、体は限界であったからだ。
「先生……今言うのもおかしな話ですが、私達と黒裏さんの違いはなんですか?」
「……それ含めて、今から教師だけで話がある、個性差別は知っているだろう、恐らくだが、聞くことはできる、まったく、俺を回復させておいて、自分のことは怠るとは……」『だか、アイツ最後の技を発動できる怪我じゃなかったはずだが……まさかな、』
敵と主戦力の足止め、討伐、さらには他生徒へ救助を回す判断、それらを間近で見て、能力測定や戦闘訓練で感じていた差を明確なものに感じた生徒達。
それを理解している相澤は、一つ疑問符を浮かべながらUSJへの襲撃は幕を閉じた。