商店街を後に何事もないように、終わったことから来る集中力の欠損を醸しながら表裏は歩いていた。
「待ちなさい」
「あら?貴方はオールマイト、何のようですか?」
「君は個性の制御ができなはずでは?」
「……それ、言っていいの?八木俊典さん、」
「あっ」
商店街から離れた場所で表裏を止めたオールマイトだったが、八木俊典として出会った時に聞いたことを話してしまう。あくまで今はオールマイトとして、ヒーローとしての注意だからだ。
「……わかった、私も正体を明かそう、確かに私が八木俊典だ、」
「そう、で、個性の制御だっけ?実際できないよ?じゃなきゃ昼想曲なんて、使う必要はないから」
「……それともう一つ、今の君は私が折寺中学校で出会った表裏くんではないね?」
「それも分かるのか、いいよ教えてあげる。少し移動しようか」
トゥルーフォーム、八木俊典へと変わったオールマイトの質問に、表裏は答えるといい、別の場所へと歩いていく。
ゴミで汚れた海岸、海浜公園について振り返る表裏。
「ここならいいかな、さてオールマイト、もとい八木俊典さん、個性の制御ができないのか、私が貴方が会った白黒表裏ではない理由、この二つだね」
「ああ」
「うん、まず、私の、私達の個性は〈表裏一体〉表の私との裏の私がいる。そして、裏と表の反転は自由にでき、その時に性別も変わる。八木さんが会ったのは、裏の私。そして、個性の制御はかなり難しい、主に光と闇を扱うけれど、表の私は光の出力が大きすぎるから、一帯に広げて幕を作り、出力の低い闇で対応をする。裏の私はそれが反転する」
「……そうか、一つ頼みたい」
表裏の説明に納得し頷く八木、そして頼み事をする。自分が、平和の象徴が骨ばったやせた体が本来の姿というトゥルーフォームを隠すことを。
「正体ならバラさないよ、安心して、」
「……ありがとう……あの場で君は、君達は誰よりもヒーロをしていた。だから、ヒーローをするのなら雄英高校に、いや、雄英でなくともいいね、ヒーロ科に行きなさい」
「……考えとくよ、今はマスゴミから逃げないとね」
「むっ、それは確かにまずいな、こっちの姿はあまり外に見せる気はないのでな」
マスコミが近づいてきたことを察知した表裏(表)はそのまま海岸を後にする。ヒーロ科に入るといわれた言葉を胸に置き、走っていく。
「雄英高校か、どうやって入学しようかな、それにあの海岸も掃除しないといけないし。やること多いなぁ」
独り言をつぶやきながら、歩きに変えて、夕日に消えていく。