五等分の花嫁と野球の天才(リメイク)   作:ホークス馬鹿

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5話です。


5話

その日の朝練を終えた惇は、外に設置してある洗面所で顔を洗った後、下駄箱に向かおうとしていた。

そこに

 

惇「おっ!外車だ!スゲー!・・・ん、風太郎?」

 

風太郎「ああ、惇か。この車、100万くらいはするだろうな。」

 

見た事ない外車と風太郎がいた。

 

惇「・・・お前、外車如きで100万しねーぞ。」

 

風太郎「そ、そうなのか!?」

 

惇「・・・お前、変なとこでバカだよな。」

 

風太郎「う、うるさい!」

 

すると

 

ガチャ

 

あの五つ子が出て来た。

 

五月「な、何ですか上杉君。ジロジロ不躾な。あ、足立君、おはようございます。」

 

四葉「おはようございます!」

 

二乃「またアンタぁ。あ、足立君・・・」

 

惇「おはよう、二乃。」

 

二乃「う、うん。おはよう。」

 

一花「おう、フータロー君!後ジュン君!」

 

三玖「・・・ジュン、おはよう。」

 

惇「ああ、おはよう。」

 

そして

 

風太郎「あっ!」

 

惇「逃げた。」

 

風太郎「お前ら、また逃げ・・・!てか何で惇にはちゃんと挨拶を!」

 

五つ子がまた逃げたので

 

風太郎「よく見ろ!俺は手ぶらだ、害は無い!!」

 

と参考書を捨て、手を広げながら言った。

 

惇「後ろに参考書捨てといて説得力ねーぞ。」

 

その横で、惇は呆れ顔で突っ込んだ。

 

二乃「足立君と違って、アンタには騙されないわよ。」

 

一花「参考書とか隠してない?」

 

三玖「油断させて勉強教えてくるかも。」

 

風太郎「お前ら一体俺を何だと?つーか、何で惇はそんなに信頼されてんだよ!?」

 

惇「俺が知るか・・・」

 

すると

 

五月「私達の力不足は認めましょう。ですが、自分の問題は自分で解決します。」

 

五月は後ろ向きながらハッキリと言った。

 

三玖「勉強は一人でも出来る。」

 

二乃「そうそう。要するに、余計なお世話って事。」

 

風太郎「くそっ、どうすれば・・・!」

 

惇「だったら風太郎、あいつらがそう言うんだから、以前やったテストから問題を出してみれば良いんじゃねーか?そうすりゃあ、お前が必要か否か判断出来るし。」

 

風太郎「そ、そうか・・・!」

 

惇の助言を聞いた風太郎は

 

風太郎「じゃあテストの復習は当然したはずだから問題を出すぞ。」

 

そう言った。

これに5人は、分かりやすく狼狽えた。

 

風太郎「問一、厳島の戦いで、毛利元就が破った武将を答えよ。」

 

早速風太郎が問題を出すと、五月が笑みを浮かべながら振り返ったのだが

 

五月「・・・」

 

頬を膨らませ、涙を浮かべながらプルプル震えていた。

 

風太郎「無言・・・!」

 

惇「んだよその、そんなの簡単ですよ的な雰囲気出しといて無言って・・・」

 

そして、皆下駄箱に向かったのだった。

 

風太郎(分かった事がある。この5人は、極度の勉強嫌いだ。そして・・・俺の事も嫌いっぽい。惇は嫌いではないが。)

 

惇「心の距離を感じんなー・・・って、何だそのノート?『五つ子卒業計画』?」

 

風太郎「この前のテスト結果と、5人の特徴を書いたんだよ。」

 

惇「成程ねー。」

 

風太郎「1人ずつ信頼関係を築くところから始めるしかないか・・・。俺の最も苦手な分野だ。」

 

惇「あはは・・・」

 

その時

 

惇「・・・ん?」

 

惇は風太郎のそのノートを見て、ある事に気付いた。

 

風太郎「どうした、惇?」

 

惇「ああ。さっきの問題だけど、三玖は正解してたんだなって・・・。」

 

風太郎「ホントだ。だったら、何でさっき答えなかったんだ?」

 

惇「分かんねー。俺、アイツと同じクラスだから、聞いてみるよ。」

 

風太郎「ああ、頼む。」

 

そして、惇は風太郎と別れたのだった。

 

惇「なあ、三玖。」

 

三玖「・・・どうかした、ジュン?」

 

惇「いや、大した事じゃねーんだけど、良いかな?」

 

三玖「・・・良いよ。」

 

惇「さっき風太郎が出した問題の事なんだけど・・・」

 

すると

 

三玖「・・・っ。」

 

三玖が何か言おうとしていた。

 

惇「?どうした?」

 

三玖「・・・ううん、何でも無い。」

 

しかし、何も言わず席に座ったのだった。

 

惇(どうしたんだ、三玖?)

 

そして、そのまま昼となった。

 

風太郎「・・・そうか。結局、聞けなかったのか。」

 

惇「ああ。何か言いかけてたけどな・・・スマン。」

 

風太郎「いや、気にすんな。」

 

そして、お互い食べる物を取って行くとちょうど三玖が前にいた。

 

風太郎「あ、三玖だ。」

 

惇「俺が話しかけるから。」

 

そして

 

惇「やあ、三玖。」

 

惇は三玖を呼ぶと、三玖は振り返った。

 

惇「一緒に食うか?」

 

風太郎「あ、えっと・・・350円のサンドイッチに・・・何だその飲み物?」

 

惇「抹茶ソーダ?」

 

三玖「・・・そうだよ。」

 

風太郎「へ、へえ・・・逆に味が気になるな。」

 

しかし

 

三玖「ジュンと違って、意地悪するフータローには、飲ませてあげない。」

 

とハッキリ言われてしまった。

 

風太郎「意地悪・・・」

 

惇「あ、あはは・・・。それはそうと三玖、風太郎からお前に聞きてー事があるんだけど、良いかな?」

 

三玖「・・・ジュンがいるなら良いよ。」

 

風太郎「そっか・・・なら、今朝の問題なんだが・・・」

 

すると

 

三玖「・・・っ。」

 

惇と話した時と同様、何か言いかけた。

その時

 

四葉「上杉さん!」

 

風太郎「うおっ!?」

 

四葉が後ろから話しかけてきた。

 

風太郎「四葉!」

 

惇「おお、四葉。」

 

四葉「あ、足立さん!朝は逃げちゃってすみませんでした。」

 

風太郎「それで三玖・・・」

 

風太郎は三玖に話そうとしても

 

四葉「これ見て下さい!英語の宿題、全部間違えてました!あはははは!」

 

四葉が横に入るので、肝心な事が話せなかった。そこに

 

一花「ほら、邪魔しちゃ悪いよ。」

 

と一花が四葉を止めた。

 

四葉「へ?邪魔?」

 

惇「何か悪いな、三玖。」

 

三玖「・・・ううん、大丈夫。」

 

惇「そっか・・・」

 

四葉「一花も勉強見てもらおうよ。」

 

一花「うーん、パスかな。私達ほら、馬鹿だし。ね?」

 

風太郎「お前だからってなぁ・・・」

 

すると

 

一花「それにさ、高校生活勉強だけってどうなの?もっと青春をエンジョイしようよ。恋とか!」

 

と一花は言った。

 

惇「あ、一花。それは・・・」

 

一花「え?」

 

それを聞いた惇は止めようとしたが

 

風太郎「恋?」

 

時既に遅く、風太郎から黒いオーラが出た。

 

風太郎「アレは学業から最もかけ離れた愚かな行為だ。したい奴はすれば良い。・・・だが、そいつの人生のピークは学生時代となるだろう。」

 

惇「コイツにそれは禁句だよ、禁句。」

 

一花「けどこの拗らせ方、手遅れだわ・・・!」

 

四葉「あはは・・・恋愛したくても、相手がいないんですけどね。」

 

そして

 

四葉「三玖はどう?好きな男子とか出来た?」

 

そう三玖に尋ねた。すると

 

三玖「えっ。」

 

と言い、惇をチラッと見て顔を真っ赤にして

 

惇「?」

 

三玖「い、いないよ。」

 

とその場を去ったのだった。

 

風太郎「?急にどうしたんだ・・・」

 

惇「知らね。」

 

それを見た

 

四葉「あの表情・・・姉妹の私には分かります。」

 

一花「間違いない!」

 

「「三玖は、恋をしています!/してるね!」」

 

一花と四葉はそう言ったのだった。

そして、昼休みが終わりクラスに戻った。

 

惇(三玖が恋か・・・だとしたら、応援してやんねーとな・・・。)

 

席に座った惇は、机の中に手を入れると

 

惇「ん?」

 

中から、手紙が出てきた。

 

惇「三玖から?」

 

それは三玖からで

 

三玖『放課後、屋上に来て。ジュンに伝えたい事がある。どうしても、この気持ちが抑えられないの。』

 

といった内容だった。

 

惇「はあ?」

 

惇(まだ出会って3日目だぞ・・・?)

 

そう思って隣を見ると

 

三玖「・・・」

 

三玖がすぐにそっぽを向いてしまった。

 

惇(まあいいや。とりあえず、屋上に行くか。)

 

そして放課後を迎え、惇は言われた通り屋上で待った。

 

惇(さて・・・レベルの低い悪戯か否か・・・)

 

すると

 

ガチャ

 

惇「・・・三玖。」

 

三玖「良かった。手紙見ても、来てくれないんじゃないかと不安だったから。」

 

三玖が現れた。

 

三玖「朝か、お昼の食堂で言えたら良かったんだけど、誰にも聞かれたくなかったから・・・」

 

惇「・・・そっか。それで、俺に伝えたい事って・・・?」

 

三玖「えっとね・・・ずっと言いたかったの。」

 

三玖「・・・す・・・す・・・」

 

惇「す?」

 

そして

 

三玖「陶晴賢。」

 

と言った。

 

惇「は?陶晴賢・・・?」

 

三玖「よし。言えた、スッキリ。」

 

惇「言えた・・・?」

 

最初、何言ってるのか分からなかった惇だが

 

惇「・・・まさか、今朝の問題の答えの事か?」

 

何の事か察し尋ねると

 

三玖「うん、そうだよ。」

 

三玖はそうだと言い、ヘッドホン付けて出ようとした。

 

惇「おい待てって。何故それを俺に・・・!」

 

惇は何故自分なのかと尋ねる為、三玖の肩を取ったら

 

三玖「あ!」

 

その反動で三玖はスマホを落としてしまった。

 

惇「わ、ワリー!」

 

これに謝った惇は、慌ててスマホを拾おうとしたら

 

惇「これは・・・武田菱か?」

 

武田菱の待ち受け画面だった。

すると

 

三玖「見た?」

 

と三玖は振り返って言った。

 

惇「ああ・・・まあ。」

 

すると

 

三玖「・・・だ・・・誰にも言わないで。戦国武将・・・好きなの。」

 

三玖は顔を真っ赤にして手で覆い隠しながら言った。

 

惇「・・・どゆ事?」

 

三玖「きっかけは、四葉から借りたゲーム。野心溢れる武将達に惹かれて、沢山本も読んだ。」

 

三玖「でも、クラスの皆が好きな人は、イケメン俳優や美人なモデル。それに比べて私は、髭のおじさん・・・変だよ。」

 

純(成程ねー、所謂歴女ってやつだな。けど・・・)

 

惇「変じゃねーよ。好みは人それぞれなんだし、寧ろ歴史好きってカッケーじゃん!」

 

と惇は決してバカにせず、寧ろカッコいいと言い

 

惇「それに・・・俺も歴史好きだしな。」

 

自分も歴史好きだと言った。

この言葉に

 

三玖「そうなの!?」

 

三玖は食いつき

 

惇「ああ。歴史の話なら多少なりとも出来ると思うぞ。」

 

多少なら話せると言った。

すると

 

三玖「それって・・・私より詳しいって事?」

 

三玖は目を光らせ

 

惇「ん?」

 

三玖「じゃあ問題ね。信長が秀吉を『猿』って呼んでたのは有名な話だけど、この逸話は間違いなの。本当は何てあだ名だった?」

 

と頬を膨らませながら惇を見て言った。

 

惇(メッチャ饒舌・・・って、んな事より・・・)

 

惇「ハゲネズミだろ、それ。」

 

惇はアッサリと答えた。

 

三玖「・・・正解。」

 

三玖は正解と言った。

 

惇「まあ、信長のネーミングセンスはスゲーな。」

 

三玖「そうだね。あ、後知ってると思うけど、私が好きな逸話は・・・」

 

すると

 

三玖「謙信が女だったって説もあって・・・」

 

惇「ああ、それは謙信の死因が『大虫』だという説があって、それはまあ、ある種の婦人病だったというのと、後民衆の間で謙信が女だと示唆するような歌が当時流行してたりなどあって、それで女だったのではないかっていう説が出てきたんだよ。」

 

三玖「そうなんだ・・・!後、三成は柿を食べなかったんだ、感動したなぁ。」

 

惇「ああ、関ヶ原で負けて処刑される前にあった逸話だな。」

 

三玖「うん!後、信長が頭蓋骨にお酒を入れたとか・・・。」

 

惇「それはな、中国の『史記』に書かれてあんだけど、春秋時代の武将が敵の頭蓋骨に漆を塗って盃にした記述があって、自分を追い詰めた敵を憎しみつつも讃える行為でもあったんだよ。」

 

三玖「そうなの!?」

 

惇「ああ、信長は中国通だったから、それをベースにやったのであって、決して残虐な行為ってわけじゃねーよ。」

 

三玖「へえ・・・」

 

三玖と歴史について話が盛り上がった。

 

惇(ちょっとだけだけど、三玖の事が分かった気がすんな・・・)

 

惇(ん?待てよ・・・これ、使えるんじゃねーか?試してみる価値あんな・・・)

 

惇は何かを思い付き

 

三玖「それでね・・・」

 

惇「わりい。俺、これから練習だから行かねーと。」

 

まず、三玖に練習だから行かないといけないと言った。

 

三玖「あっ・・・」

 

その瞬間、三玖は少し寂しそうな表情を浮かべた。

 

惇「何か話し足んねーけど、しょーがねーな。そうだ、風太郎に次の家庭教師の内容は日本史を中心にする事を伝えようと思う。どうだ三玖、受けてみっか?」

 

その表情を見て、少し躊躇ったが構わず、勉強を受けてみてはどうかと尋ねた。

すると

 

三玖「・・・良いよ。」

 

と三玖は了承した。

 

惇「そうか!」

 

三玖「その代わり・・・」

 

惇「あ?」

 

三玖「また・・・歴史の話をしてくれるなら・・・」

 

その代わり、条件として歴史の話をしてくれるなら勉強会に参加しても良いと答えた。

 

惇「・・・分かった。風太郎に家庭教師の件、言っとくな。」

 

三玖「・・・うん。」

 

惇「そんじゃあ、俺行くな。」

 

そして、交渉は成立し惇は屋上から出た。それに続いて三玖も出て、自販機で抹茶ソーダを買って

 

三玖「待って。」

 

惇「ん?」

 

三玖「これ、友好の印。飲んでみて。」

 

惇に差し出した。

 

惇「・・・良いのか?」

 

三玖「ジュンもちょっと気にしてたじゃん。大丈夫だって、鼻水なんて入ってないよ。なんちゃって。」

 

惇「・・・それ、石田三成と大谷良継の友情をしるした逸話だな。」

 

三玖の発言に、何の逸話を使ったのか察し、聞くと

 

三玖「うん、そうだよ。流石だね。」

 

三玖は正解と笑みを浮かべて答えた。

 

惇「大した事じゃねーよ。そんじゃあ、またな。後これ、サンキュー。」

 

そして、惇は練習に向かった。

 

三玖「・・・ジュン。」

 

その様子を、三玖は柔らかい笑みで見ていたのだった。

後日、風太郎の勉強会メンバーに三玖が加わり、それを風太郎は惇に感謝したのは内緒である。

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