ギフト『全知全能』 絆の系譜 ―神獣と精霊の祝福― 作:煌人
ヨシテルは、イシュタルを召喚し、自身のステータスを再調整したことで、パーティーの戦力はすでに規格外の領域に達していた。
残る仲間はあと一人、パーティーの目となる斥候(スカウト)役だ。
(攻撃、防御、回復、遠距離火力が揃った。最後の一人は、情報収集、潜入、罠解除、そして何よりもパーティーの安全を担保する「目」と「耳」の役割が必要だ)
ヨシテルは、斥候の能力を極限まで高めた白狼族の男性のイメージを固めた。
狼族は、優れた嗅覚と聴覚、そして俊敏性を持ち、斥候として最高の適性を持つ。
(性格は、仲間思いで曲がったことが嫌いな、気の良い兄貴分だ。女性陣には妹のように接し、俺たち男性陣には気を許せる仲間として信頼を築く。裏切りは絶対にあり得ない)
ヨシテルは、自身の『ギフト:全知全能』と『召喚魔術』を全開にした。
「アルシェ、バルトロス、カグヤ、イシュタル。最後の一人だ。これで俺たちの六人パーティーは完成する」
「ついに六人目か!どんな奴が来るか楽しみだぜ!」バルトロスが戦鎚を軽く叩いた。
「アタシの後ろ、しっかり守ってくれる斥候さんが来てくれるんやね。心強いわぁ」イシュタルも期待の声を上げた。
「旦那様、アタシの九尾の智慧が、また強い風の魔力を感じとるけんね。ちぱっか楽しみ」カグヤが微笑む。
「アルティメットスキル:召喚魔術。我、盟約を結びし者、汝、我の知識より顕現し、永久の友となり、世界を照らす影となれ」
召喚陣は、今度は風属性と闇属性の魔力を主軸とし、深緑と紫の光を放った。
『リフィ、魔力結界発動! 召喚魔力の放出を、外部に漏らさないように周囲を囲ってくれ!』
「はい!まかせてください!」
光が収束すると、そこに一人の青年が立っていた。
彼の頭部には、ふっくらとした美しい白狼の耳が覗き、背後からは、同じく白銀の毛並みを持つ狼の尻尾が揺れていた。黒を基調とした動きやすい軽装を纏い、腰には短剣が、指には極細のワイヤーが巻かれていた。
彼の瞳は銀色で、鋭く、周囲の情報を瞬時に捉えるような集中力に満ちていた。
顔立ちは優しく、人当たりの良さそうな気の良い兄ちゃんといった印象だ。
彼は、周囲の仲間たちを注意深く観察し、次にヨシテルを見た。
「……ここは?あんたが、俺を呼んだのか?」
彼の声は、落ち着いた雰囲気で、親しみやすさを感じさせた。
「ああ、俺が呼んだ。俺はヨシテルだ。お前は俺たちの斥候役、アレスだ」
ヨシテルは、彼に盟約の魔力を発動させ、「アレス」と名付けた。そして、彼のジョブを影帝へと昇格させた。
SSランク召喚者 アレス(影帝へ昇格後)
名称: アレス
種族: 白狼族
ランク: SS
職業: 影帝(上級職)
レベル: 330
体力 (HP): 40000
魔力 (MP): 45000
攻撃力 (STR): 55000
防御力 (VIT): 40000
魔力 (INT): 45000
俊敏性 (AGI): 88000
スキル: 短剣術、体術、糸術、言語理解、超高速、手加減、罠解除、罠発見
エクストラスキル: 身体強化、魔力操作、風属性、アイテムボックス、鑑定
ユニークスキル: 絶対手加減、高速索敵(サーチ)、暗殺術、影移動、闇属性、広範囲索敵(サーチ)、隠密、分身、眷属召喚(情報収集用)
アルティメットスキル: 情報統合(インテグレート)、絶影、影狼化
備考: AGIが極めて高い斥候役。情報収集と潜入、戦闘支援に特化。
(AGI 88000。俺の99000には及ばないが、バルトロスやアルシェラを遥かに凌駕するスピードを持つ。斥候役として完璧だ。情報統合スキルで、全員の情報を瞬時に共有できる)
「俺はアレス、斥候が本職だから任せてくれ。俺の仕事は、パーティーの皆に危険を知らせ、安全な道を見つけること。それが俺の全てだ」アレスは朗らかに笑った。
「私はアルシェラよ。よろしくね、アレス」
「アルシェラ、よろしく。綺麗なお姉さんだ」アレスは優しく微笑む。
「俺はバルトロス!タンク役だ。斥候はアタッカーと違って神経を使う仕事だ。無理はするなよ、アレス」
「バルト、ありがとうな。お前が俺たちの盾か。最高だぜ」
「アタシはカグヤよ。回復役やけん、無理したらアタシが治したるけんね。よろしく、アレス」
「カグヤちゃん、ありがとう。心強いよ」
「アタシはイシュタルや。遠距離火力担当やで。アレスはカグヤちゃんとアタシの援護も頼むわな!」
「イシュタル、もちろんだ。皆の支援、任せてくれ。俺は仲間を裏切らない。絶対にな」
ヨシテルは、アレスに盟約の魔力による『絶対手加減』を付与し、その制御不能な俊敏性を制御させた。
ヨシテルは、アレスの能力に合わせたジェネシス級の武具制作に取り掛かった。
素材: 聖獣の剛皮(ジェネシス級)、世界樹の樹幹(ジェネシス級)、闇精霊の魔石。
制作: 「アルティメットスキル:武器防具作成。ランク:ジェネシス。特性:隠密特化」
アレスの主武器は、驚異的な切れ味を持ち、闇魔力を帯びた二本の短剣〈影縫い(シャドウ・ステッチ)〉と、自在に操作可能な超硬質ワイヤー〈絶影の糸(エクリプス・スレッド)〉だ。
ジェネシス級短剣:影縫い(シャドウ・ステッチ)
特性: AGIに完全同期。攻撃に闇属性を付与し、相手の影に干渉して動きを鈍らせる。
ジェネシス級ワイヤー:絶影の糸(エクリプス・スレッド)
特性: 闇属性と風属性魔力を流し、罠、拘束、移動補助など多用途に利用可能。肉眼での視認不可能。
アレスの軽装とマントも、ジェネシス級で再構成された。
ジェネシス級軽装:風の密偵服(ゼファー・スパイ)
特性: AGIに完全同期。闇属性魔力による『不可視』の時間を延長し、感知スキルを無効化する。
そして、ヨシテルたちとお揃いのフード付きマント。アレスのそれは、闇属性の隠密性がさらに高められている。
「すごいな、ヨシテル。この短剣、まるで存在を消しているみたいだ。このマントも動きを妨げないし、完璧だ!」
これで、ヨシテルが召喚を予定していた六人パーティーが、ジェネシス級武具とSSランクの上級職という、規格外の布陣で完成した。
ヨシテル:瞬神(近接攻撃、リーダー、万能)
アルシェラ:雷帝(近接攻撃、広範囲殲滅)
バルトロス:玄帝(絶対防御、タンク、ムードメーカー)
カグヤ:賢帝(回復、支援、遠距離魔法火力)
イシュタル:炎帝(遠距離物理火力、デバフ、後方支援)
アレス:影帝(斥候、情報収集、暗殺、前衛支援)
ヨシテルは、並び立つ五人の仲間と、肩に乗るリフィを見て、満足げに頷いた。
「皆、改めてよろしく。これで俺たちの六人パーティーは完成だ。君たちと一緒なら、この世界がどうなっていようと、俺たちは絶対に負けない」
アルシェラが、ヨシテルの言葉に静かに微笑んだ。
「ええ、ヨシテル。どこまでも、一緒に行きましょ」
バルトロスが豪快に笑う。
「さあ、森を出て、街に向かおうぜ、ヨシテル!俺たちの冒険の始まりだ!」
カグヤが艶やかに頷いた。
「旦那様、皆と一緒なら、どんな困難でも乗り越えられるけんね」
イシュタルが、元気よく弓を背負い直した。
「ほな、皆でワイワイ、世界を巡ったろか!」
アレスは、仲間たちとヨシテルを信頼の眼差しで見つめた。
「皆の安全は、俺が保証する。さあ、行こう」
ヨシテルは、ジェネシス級の仲間たちと共に・・・
彼らの冒険が、今、本格的に幕を開ける。