ギフト『全知全能』 絆の系譜 ―神獣と精霊の祝福― 作:煌人
ヨシテル、アルシェラ、バルトロス、カグヤ、イシュタル、そしてアレス。
最強の六人が揃った結界の森で、ヨシテルはふと足を止めた。
彼の肩には、いつものように手のひらサイズの風の精霊リフィがちょこんと座っている。
(待てよ。俺のパーティーはジェネシス級の武具とSSランクの上級職で固めた。だが、リフィは唯一の精霊、彼女の負担が大きいのではないか?)
リフィは今まで一人で、ヨシテルの秘書業務から全員の魔力サポートまでこなしてきた。
しかし、これから本格的に世界へ出るとなれば、索敵や戦闘支援の密度はさらに上がる。
「リフィ、ちょっといいか」
「はい、マスター!何でしょうか?」
「お前に精霊たちの統括を任せたい。そのために、お前を『精霊女王ティターニア』へクラスアップさせる。
そして、他の五人にもそれぞれ専属のサポート精霊を召喚して付けることにした」
リフィは驚きで小さな羽根をパタパタと震わせた。
「私が女王……ですか!?それに、他の方々にも精霊を……!」
「ああ。リフィには風のシルフとしての能力に加え、五大精霊を統率する権能を与える。君が司令塔となって、全員をサポートするんだ」
ヨシテルはリフィを手のひらに乗せ、アルティメットスキルの魔力を集中させた。
「アルティメットスキル:魔術(スキル創造)。風のシルフ・リフィを、五大精霊の頂点たる『精霊女王ティターニア』へクラスアップ。全精霊の同期と統括の権能を付与する」
リフィの小さな体がまばゆい翠色の光に包まれた。
光が収まると、その姿は手のひらサイズのままだが、背中の羽根はより精緻で美しくなり、頭上には小さな魔力の王冠が浮かんでいた。
「マスター……ありがとうございます!力が溢れてきます。これなら、皆さまを完璧にサポートできます!」
「よし、いい返事だ。それじゃあ、皆を呼ぶぞ」
ヨシテルは仲間の属性に合わせ、意志を持ち言葉を話す五体の精霊を具現化した。
「アルティメットスキル:精霊召喚。我が仲間の糧となり、力となる五大精霊よ。顕現せよ!」
魔法陣から五つの光が飛び出し、それぞれの主(マスター)となるメンバーの元へ飛んでいく。
1. アルシェラ & 雷の精霊『ライラ』
アルシェの肩に、パチパチと火花を散らす銀髪の小さな精霊が降り立つ。
「アルシェ、君には雷の精霊だ」
「私はライラ!アルシェラ様の雷、もっと激しくしてあげるわ!よろしくね!」
「ふふ、可愛らしいわね。よろしく、ライラ」
2. バルトロス & 土の精霊『グラディ』
バルトの分厚い肩に、岩の鎧を纏ったような精霊がどっしりと座る。
「バルトロス、お前には土の精霊だ」
「俺はグラディ。バルト様の盾は俺がさらに固めてやる。任せとけ!」
「おう!頼もしいじゃねえか、グラディ!よろしくな!」
3. カグヤ & 光の精霊『ルーメン』
カグヤの狐耳の周りを、温かい光を放つ精霊が優雅に舞う。
「カグヤ、君には光の精霊だ」
「私はルーメン。カグヤ様の癒やしの力を、世界中に届けるお手伝いをしますわ。」
「まぁ、そげんキラキラして綺麗かね!ルーメン、アタシと一緒に頑張ろうね!」
4. イシュタル & 火の精霊『フレイヤ』
イシュタルの持つ銃の銃口に、燃え盛るような赤髪の精霊が座り込む。
「イシュタル、お前には火の精霊だ」
「アタシはフレイヤ!イシュタル様の弾丸、全部爆発させたげる!ド派手に行こうや!」
「ええやん、フレイヤ!最高にノリええわぁ。一緒に暴れまわったろな!」
5. アレス & 闇の精霊『ノックス』
アレスの影の中から、静かに紫色の瞳をした精霊が顔を出す。
「アレス、お前には闇の精霊だ」
「……ノックスだ。アレス様の影となり、敵を闇に葬る。静かに、迅速に。」
「助かるよ、ノックス。俺の斥候の仕事、手伝ってくれ」
リフィは女王としての威厳を(手のひらサイズながら)見せ、五体の精霊たちに宣言した。
「ライラ、グラディ、ルーメン、フレイヤ、ノックス!皆さんはそれぞれのマスターを全力で支えなさい。そして、私を通じて常に情報を共有するのです!」
「「「「「了解(っす/です/やわ/だ)!」」」」」
ヨシテルは、六人の仲間と、それぞれに付いた六体の精霊たちを見渡した。
「リフィ、よくやった。これで俺たちのパーティーは、個人の武力だけでなく、精霊による完璧なバックアップ体制も整ったな」
「はい、マスター!これで、魔力切れや不意打ちの心配もほぼゼロです!」
アルシェラが、ヨシテルの隣で誇らしげに微笑む。
「ヨシテル、本当に至れり尽くせりね。これだけの戦力が揃って、街の人たちが腰を抜かさないか心配だわ」
「はは、手加減スキルをフル活用するさ」
ヨシテルは、最強の布陣が完成したことを確信した。
「よし、これで作戦会議は終わりだ。……行くぞ、俺たちの冒険の始まりだ!」
結界を解除したヨシテルの一歩を先頭に、六人と六体はついに静寂の森を後にした。