ギフト『全知全能』 絆の系譜 ―神獣と精霊の祝福―   作:煌人

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41話め


第四十一話:Aランクへの凱旋と、再会する冒険者たち

 

 

朝、エルドラの冒険者ギルドへと続く大通りは、独特の熱気に包まれていた。

俺たち【ヴィンクルム】がギルドの門を潜ろうとしたその時、向こう側から見覚えのある顔ぶれが歩いてくるのが見えた。

 

「おや……君は、あの時のヨシテル君じゃないか!」

 

声をかけてきたのは、白銀の鎧を纏った端正な顔立ちの男。

Aランクパーティー『雷光の剣』のリーダー、聖騎士ベルナールだった。

彼の後ろには、賢者リーヴ、拳神ジン、斥候フィーア、僧侶イーリスといった面々が並んでいる。

彼らは黒竜の森の深部手前での定期踏査から戻ってきたところのようだった。

 

「ベルナールさん。久しぶりですね」

 

「ああ。君があれから仲間を集めたとは聞いていたが……なるほど、凄まじい気配だ」

 

ベルナールの視線が、俺の後ろに控える五人に向けられる。

 

「自分以外とは初対面ですね。紹介しましょう、ヴィンクルムのメンバーです」

 

俺が一人ずつ紹介すると、アルシェラたちはそれぞれの流儀で挨拶を交わした。

 

「アルシェラよ。よろしく」

 

「バルトロスだ。よろしくな、聖騎士殿!」

 

「カグヤばい。仲良くしてね」

 

「イシュタルや。よろしゅう!」

 

「アレスだ。……よろしく」

 

リーヴが目を丸くしてカグヤやアルシェラを注視する。

 

「……信じられない。一人一人の魔力の質が、私たちが知る『上級職』の域を遥かに超えているわ……。ヨシテル君、一体どこからこんな逸材を……」

 

「まあ、縁があってですね」俺は軽く受け流した。

 

 

ギルドのホールに入ると、さらに別の顔ぶれが俺たちを見つけて声を上げた。

 

「ヨシテルさん! ま、マジっすか!? あの噂……!」

 

駆け寄ってきたのは、俺がこの世界で最初に出会ったパーティー『夜明の星』のサイラスだった。

リーダーのレイモンドと、回復役のエレナも後に続く。

 

「ヨシテルさん、お久しぶりです。お噂はかねがね……盗賊団の殲滅に黒竜の森の変異種討伐。もう街中で貴方の名前を聞かない日はありませんよ」

 

レイモンドが心底感服した様子で、丁寧な敬語で頭を下げた。

 

「ヨシテルさん、本当に凄いです。私たちなんて、やっとCランクが見えてきたところなのに……」

 

エレナが羨望と誇らしさが混ざったような表情で微笑む。

 

「サイラス、元気そうだな」俺が言うと、サイラスはブンブンと首を振った。

 

「元気も何も、今からギルドがひっくり返るような発表があるって聞いて、見物に来たんすよ! まさかそれがヨシテルさんたちのことだなんて……!」

 

その時、ギルドマスターのガゼルが二階の奥から現れた。

「静まれッ! これより、パーティー【ヴィンクルム】のランク昇格式を執り行う!」

 

ギルド中の視線が俺たちに集中する。ガゼルは厳粛な面持ちで、六枚の「金色に輝くプレート」——Aランクの昇格証を取り出した。

 

「ヨシテル、アルシェラ、バルトロス、カグヤ、イシュタル、アレス。お前らのこれまでの戦果、および公爵閣下からの推薦状に基づき、本日付で正式にAランクパーティーとして認定する!」

 

 

うおおぉぉぉ!!

 

 

ギルド内が割れんばかりの歓声に包まれた。

Dランクから始めて2ヶ月も経たずにAランク。

前代未聞のスピード出世に、居合わせた冒険者たちは腰を抜かさんばかりに驚いている。

 

昇格式を終えた俺たちは、その足で昨日夫人の命を救ったエルドラ公爵の邸宅へと向かった。

ガゼルも証人として同行している。

 

「公爵殿、夫人の体調はどうですか?」

 

「ああ、ヨシテル殿! 感謝してもしきれん。妻は今朝、自らの足で庭を散歩できるほどに回復した。……それで、今日は何の用かな? 報酬の件なら、既に準備させているが」

 

「その前にカグヤこの後、夫人の調子を見て上げて」

 

「わかった!」

 

「カグヤ殿、ありがとう」公爵が素直に感謝を伝える。

 

そして俺は公爵の目を真っ直ぐに見据えた。

 

「報酬の前に、一つ伝えたいことがあります。俺たちは、このエルドラの地下に眠る古代遺構——アトランティア文明の遺跡を本格的に調査しようと思っています」

 

 

「な……ッ!?」

 

 

公爵が絶句した。隣にいたガゼルも目を見開く。

 

「ヨシテル、お前……本気か? あそこは禁忌の領域だぞ。過去に何度も調査隊が入ったが、誰一人として戻ってこなかった……。都市伝説の域を出ない話だと思っていたが……」

 

「俺たちなら、戻ってこれますよ。入り口の目星もついています。ただ、調査を本格化させるには、公的な許可とバックアップが必要です」

 

公爵は顎に手を当て、深く考え込んだ。

そして、眼前の六人の揺るぎない瞳を見て、決断を下した。

 

「……分かった。現時点ではAランクとしての調査依頼という形にする。だが、もし君たちが黒竜の森の深部まで到達し、確かな証明を持ち帰ることができたなら……」

 

公爵は一拍置き、力強く告げた。

 

「その時は、君たちをSランクへと推薦しよう。そしてエルドラ公爵家の名において、『古代遺跡探索の正式なバックアップ』と、伝承とされているが発見した魔導技術の独占研究権を約束する!」

 

「決まりだ。……皆、聞いたか? 準備にかかるぞ」

 

「おう! 腕が鳴るぜ!」バルトが拳を叩く。

 

「楽しみね、ヨシテル」アルシェラが微笑む。

 

古代アトランティアの謎。源素魔法の起源。

俺たちは、一万年の封印を解くための扉へと、ついに手をかけた。

 

会談後、カグヤが夫人を見て回復魔法をかけ、夫人の体調は更に良くなっていく。

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