新生児2人、ただし最悪。 作:無銘の胎児
むかーしむかし、あるところに、ひとりのにんぷさんがいました。
そのひとは、とってもたべるのがだいすき。
あるひは、レストランで、10にんのおきゃくさんと、2にんのシェフ、3にんのヒーローをおいしくたべました。
「おなかのあかちゃんのためにいっぱいたべないと!」
かのじょがスーパーでつぎのたべものをさがしていると……
「わたしがきた!」
そこにあらわれたのはナンバーワンヒーローのオールマイトだったのです!
バキ! ドカ!
かのじょのこうげきはオールマイトにはきかず、あっけなくつかまってしまいます。
たくさんのひとをたべたかのじょは、タルタロス、というとってもわるいひとたちがつかまっているところにおくられてしまうのでした。
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ゆらゆらと、ロウソクの灯のように、そこに意識が生まれた。
何かがあって死んで、生まれ変わったのだろうか。
もしかして転生ってやつ?
なんか、無性に泣き出したい。
おなかがすいてしかたがない。
目はあまり見えない。体は思うように動かない。
そうか、きっといま自分は赤子なんだ。
そりゃ泣くのが仕事だし、よく食べるのも仕事だな!
なにかたべたい。はやく、はやく。
おぎゃあ、おぎゃあと泣いてみる。
元大人としては少し恥ずかしさがある。
警報がなった。それと、ぺちぺちと身体になにか小さなボールが当たる音。別に痛くないから、楽しませようとしてくれてる可能性もある。
ガチャ、と扉が開く音がする。ご飯を持ってきてくれたんだろうか。
「おい! 貴様! 何をしている!」
何って、ご飯を求めているだけだが?
それにしてもお前、美味しそうな匂いがするな。もしやこれが踊り食いと言うやつだったりするのか?
それならそうと言ってくれなきゃわかんないじゃん。
「やめろ、何をしようとしてい……ぐぁっ……ああああぁあああ!!!!」
手を伸ばすように腹部の口から臍の緒のようなものを伸ばし、職員と思われるそれを絡め取る。
辺りに血と肉片を撒き散らしながら最後の一口を呑み込む。
味はまずまず。だけど、なんか中に小骨というか、丸っこい意志みたいなのが混じってる感じがするんだよな。
ふぅ。一先ず腹は満たされたし、少し眠ってからまた考えることとしよう。
それから少し休んで。
泣けばご飯が来てくれるのは良かったけど、困ったことに気がついた。
この部屋から出れなさそうなのだ。
少し長めに泣いていた時に、扉のロックが何故か外れたのは確認できたけど、足が未発達で自力で外に出られない。
毎日給餌してもらうだけの人生も楽でいいけど、2回目の人生なら楽しみたい。
食べ物の中に混じってる何かが脱出への糸口になればいいんだけど。