僕のヒーローアカデミア 空拳ヒーロー エアーマン   作:ダレ狐

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お疲れ様会

C組 廊下 砕条視点

 

表彰式の後、リカバリーガールの所で治療終えて、疲労してるが教室に戻っていた。

教室に入るとクラスの皆が俺達を見て近づいて来た。

 

「砕条!!」

 

最初に声を上げたのは、クラスの男子の澤野だった。

 

「マジでやりやがったな!!」

 

「決勝まで行くとか誰が予想したよ!」

 

「爆豪と正面衝突とか、頭おかしいだろ!」

 

一斉に囲まれて、肩や背中を軽く叩かれる。

 

「痛っ……おい、怪我人だぞ!」

 

「知るか!生きてるなら問題ねぇ!」

 

笑い声が上がる。

 

……あぁ、ここだ。

 

ヒーロー科の派手さはない。

だが、間違いなく俺のクラスだ。

 

「正直、途中から声枯れたわ」

 

「爆発のとこ、全員立ち上がってたぞ」

 

「普通科の星って言われてたの、聞こえたか?」

 

「聞こえてたら集中切れるだろ」

 

俺は苦笑しながら答えた。

 

その時――

人混みの向こうから、少し遅れて一人近づいてくる。

 

「……よう」

 

心操だった。

 

さっきまでの悔しさが残る顔。

でも、目は前よりずっと澄んでいる。

 

「心操」

 

周囲が空気を読んで、少し距離を空けた。

 

「負けたな」

 

「お前もな」

 

「はは……言うじゃねぇか」

 

心操は、俺の首に掛かっている銀メダルを一瞥した。

 

「普通科で、2位か……」

 

「悔しいか?」

 

「当たり前だろ」

 

それでも、心操は視線を逸らさず続けた。

 

「でもさ……

 今日の試合見て、はっきりした」

 

「?」

 

「“ヴィラン向き”とか、“ヒーロー向きじゃない”とか……

 あんなの、クソだな」

 

俺は何も言わず、黙って聞いた。

 

「俺、ヒーロー科に行く」

 

「……知ってる」

 

「絶対だ。

 来年でも、再来年でも……

 お前が先に行ってても、必ず追いつく」

 

「追いつくだけか?」

 

「追い越す」

 

その言葉に、自然と口角が上がった。

 

「上等だ」

 

心操は拳を差し出してきた。

 

俺も、軽く拳を合わせる。

「何だ何だ、良い雰囲気じゃん」

 

「普通科同士で熱すぎだろ」

 

「砕条、次はヒーロー科蹂躙する気か?」

 

「言い方悪ぃ!」

 

笑いが起きる。

 

だが、その中で――

担任教師の白井先生が静かにこちらを見ていた。

 

「砕条」

 

「はい」

 

「……よくやったな」

 

 

その一言は、

これまでのどんな称賛よりも重かった。

「お前の戦い方は、確かにヒーローだった」

クラスが一瞬、静かになる。

「だが――

 これで終わりだと思うなよ」

「……はい」

「ここからが、本番だ」

俺は深く頷いた。

 

「砕条と心操はこの後、ヒーロー科の先生たちと話がある」

 

「おぉ! リザルトの話か」

 

「こら、澤野。話を遮るな!」

 

「すみません!」

 

「まぁ、それ関連なのは間違いない。

 お前たちもこの二人のようにヒーローを目指したいと思うなら挑戦しろ。

 チャンスなんて待っていて掴むものじゃない……自らの行動で掴むんだ。 今日の二人の結果で分かるだろ」

この体育祭で、クラスのお通夜みたいな空気が少し変わり始めた。

 

 

放課後 会議室 砕条視点

 

「失礼します」

 

呼び出された会議室に入ると相澤先生ともう1人のガタイが良い先生が座っていた。 中央には根津校長が居た。

 

「やぁ、君達お疲れ様! 君達の活躍は凄かったよ」

 

「ありがとうございます」

 

俺と心操はぎこちない返事をして席に着いた。

 

「君達の2人の活躍は生徒や保護者や世間の皆様にも良い刺激になったよ」

 

「それは、どう言うことですか 校長先生…」

 

「心操君だね、 簡単に言うと先日のUSJの襲撃で今回の体育祭実行で不安視される声も多いのは知ってるよね

それに、この体育祭はヒーロー科がメインだからか他の科はあまり快く思って無かった」

 

確かにマスコミや体育祭開始頃のクラスの空気も前向きな雰囲気ではなかった。

 

「でも、君達2人の活躍はウチでも外でも大きな影響を与えてくれた。 そして、君達に触発されて普通科D·E組から4人 経営科からI組2人が編入希望を出してるのさ 」

 

その事を聞いて、俺と心操は、驚きを隠せなかった。

体育祭前まではヒーロー科は雲の上の存在、挑戦しようとする俺と心操を煙たがられる扱いなのに、

 

普通科から4人…しかも、普通科以上にヒーロー科に興味が無いと思ってた経営科から2人も…

 

「学校側も生徒の熱意には応えようと考えてる」

 

「だが、当然ヒーロー科は他の科とは違い、危険地帯に赴く以上、簡単に編入を認める訳には行かない」

 

「相澤先生……」

 

「イレイザーヘッド、話の腰を折るようで悪いが先ずは自己紹介を先にして良いか? お前と砕条が接点はあるが俺とは初対面だ。心操なんかは特にそうだろ?」

 

「そうだな、合理的に掛ける行動をした、すまない…改めてヒーロー名 イレイザーヘッド… 1年A組の担任 本名 相澤消太だ」

 

「同じくヒーロー科1年B組 担任 ヒーロー名 ブラドキング 本名管赤 慈郎(かんせき じろう)だ」

 

 

改めて担任の自己紹介をしてもらい、いよいよ、俺達の今後について話されるのかな?

 

「まずは、体育祭の準優勝した 砕条君は二学期からヒーロー科の編入が決まりました」

 

「!? ありがとうございます」

 

「そして、心操君はこれから相澤先生の方で訓練を受けて、時期を見て編入試験を受けて貰います」

 

「…ありがとうございます」

 

「まぁ、ここまでは君達が決勝トーナメント出場した時点で凡そ決めていた事。 本題はここからだよ」

 

「何を?」

 

「USJ事件の話が上がってたが、警察の捜査でも首謀者の手掛かりが無い、しかも向こうにはワープの個性持ちがいる。 いつ襲撃されてもおかしくはない」

 

黒霧…確かに厄介な個性だ。

 

「そこで、俺とイレイザーヘッドは考えた。 準優勝した砕条はある程度の実力がある事は分かったが…心操含む残りの編入希望者は対ヴィラン戦闘においてかなり不利な立場だ。 安易にヒーロー科を入れてヴィランに遭遇すると命の危険がある」

 

「…」

 

「心操…」

 

「そこで、 編入希望者 8名を今年の夏の仮免許取得がヒーロー科正式編入する事を提案した」

 

「仮免って…」

 

「1年生でですか?」

 

余りにも話が飛びすぎて俺達は空いた口が塞がらない。 通常は2年生か3年生の春先に受けるのがセオリー

しかも仮免許合格は5割…それを1年生でしかも、編入希望者の殆どが、ヒーロー科ほど、個性を使うカリキュラムを受けてないんだぞ?

 

 

「君達、2人が驚くのも無理もない、この提案は教師陣の中でも反対の者も多い」

 

「しかし、今回のお前達の活躍で安易にヒーロー科編入を軽く見られる位なら…この位のプレッシャーは与えるべき」

 

「イレイザーヘッドの考え方に全て同意をした訳じゃないが、お前達は入試で受かった彼等よりもある程度ハードル上げないと

今後ヒーロー科を受験するより

普通科受けてからヒーロー科転入する方が楽だ…そんな考えの生徒が出ては本末転倒なのも事実」

 

確かにB組の先生の言う通りだ。 ヒーロー科の一般入試…俺は受けてないけど、入試の合格よりも普通科から編入の方が簡単と見られる訳には行かない。

 

ほかの6人の中に安易に考えの奴がいる可能性があるなら厳しくしても仕方ない。

 

「俺らヒーロー科1年教師として、2人にもこちらの課題を受けてもらえると管理面で非常に助かる」

 

おい、今までの理屈よりも、その説明だけ重みが違うぞ

 

「だが、あくまで提案だ。 君達、2人は体育祭で一定の成績を残してるから、提案に否定しても、ヒーロー科編入の検討を消す訳じゃない。 そこだけは約束する」

 

正直、俺が思ったよりも編入する話に大きくなり困惑もする。

 

けど、俺達のゴールは編入なのか? 違う…俺達はスタートラインに立つために体育祭を頑張ったんだ…なら答えは

 

 

『俺は提案を受けて編入します!』

 

俺と心操は同時に解答をした。

 

「俺はヒーロー科よりもスタートが遅れてるんだ、そんな彼等に対等になる為には彼等以上のハードルを超えないと意味が無い!」

 

「限界の更に向こうへ…これが校風ですよね 俺は人に恵まれてこのチャンスを掴んだ…だから、実力で勝ち取った証明が欲しい」

 

「うん、即決で揺るぎない決意 、相澤君が評価するのも納得だ」

 

校長先生は俺達のそばに近づいた。

 

「それじゃ、来週の月曜日の放課後で君達編入希望組8名をUSJに集合ね」

 

「なお、話の都合で仮免許の話が出たが、ヒーロー科及び他の編入者には、まだ話すなよ」

 

「わかりました」

 

俺達は会議室を後にした。

そのまま帰宅して、心操と別れた。 郊外で先の内容を話す訳にもいかないのと、話の規模が、想像以上、そして体育祭の疲労で話す気力を失っていた。

 

「今日は外食で良いか」

 

そのままファミレスに入ると待合場所で知り合いが居た。

 

「あら、砕条ちゃん お疲れ様」

 

「砕条君、凄かったよ 決勝戦! ウチ感動したわ!」

 

「お前、すげぇーな、爆豪に攻撃当てるなんてよ〜オイラ感動したぞ!」

 

「お疲れ様、良い決勝戦だった」

「うん、本当におめでとう 砕条君!!」

 

緑谷、蛙吹、峰田、麗日、障子が待合室でバッタリ会った。

 

「おう、ありがとうな…お前らは何かの集まり?」

 

「何かの集まりって程じゃないけど、お疲れ様会やね」

 

「ケロ、緑谷ちゃんとお茶子ちゃんのトーナメント出場したからねその激励と私達の騎馬戦の反省会ね」

 

「分析に長けてる緑谷の意見も聞きたいから」

 

「JKが来る所にオイラ有りだぜ!」

 

「僕はこう言う皆と集まる事無かったから嬉しくて」

 

学生らしい真面目ながら皆と集まる面々の中、峰田は己の欲望全開なのは置いといて…緑谷…聞いてるだけで中学時代の事は敢えて聞くべきじゃないのかな?

 

「と言うか、砕条君は1人なん?」

 

「あぁ、俺らは放課後に今後の話でヒーロー科の先生と面談だからな クラスの集まりの話もあったけど、それは別日にするってさ」

 

『それって、ヒーロー科の編入の件!?』

 

全員の食い付きが凄い…内容は話せないが、かと言って先生達にあった事を隠すの事でも無いからな。

 

「そうや、砕条君が嫌じゃ無ければ、ウチらと一緒にどう?」

 

「それは良い考えね、お茶子ちゃん」

 

「おい、良いのかクラスの集まりなんだろ?」

 

「砕条も準優勝頑張ったんだ、その祝杯も含まれてま良いと俺は思うぞ」

 

「オイラも良いぞ! 普通科で可愛いJKの話を聞きたいからな」

峰田の欲望剥き出しの考えは、尊敬はしないが嫌いには慣れないな

 

「僕も砕条君居ても問題ないよ、僕達USJの時からの縁なんだから」

 

「…ありがとうな」

 

 

こうして、俺は緑谷達とプチお疲れ様会をした。

去年の今頃は雄英高校の進学を諦めてたのにな…人生の縁はどうなるか解らない物だ。

 

俺はヒーロー科を目指す事を改めて心の中で誓った。

 

体育祭編 終了

 

次回 職場体験編 「帰郷」

 




今回で体育祭編終了
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