僕のヒーローアカデミア 空拳ヒーロー エアーマン   作:ダレ狐

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彼等の維持

USJ ヒーロー科編入前 救助訓練試験

相澤視点

 

「HAHAHA〜さぁ〜私はヴィランだ。ヒーロー達、どうする?」

 

砕条は、近くの地震で倒壊したホテルのエントランスに身を隠し、オールマイトの様子を窺っていた。

 

「どうする。体育館まで距離があるぞ」

 

「鷹野さん、砕条さんがいるホテルから、救助者がいる体育館までどのくらい掛かりますか?」

 

「普通に走れば5分も掛からないが、あのオールマイトが素通りさせてくれるとは思えない」

 

「そうね……一応確認だけど、砕条さん。オールマイトをUSJの外まで吹き飛ばせる攻撃は可能かしら?」

 

「無茶言うな。USJ事件の時のオールマイトの真似をしろって言いたいのかもしれないが、根本的に無理だ」

 

「ですよね……なら、心操さん。オールマイトに――」

 

「交野、俺の洗脳が効く前に、オールマイトに殴られて終わるぞ……。俺達がオールマイトに挑むのは――」

 

「ごめんなさい……オールマイトの登場で、少し動揺してるみたい。忘れて」

 

どうやら交野は、オールマイトの登場に完全に気を取られている様子だ。

 

無理もない。以前、A組はUSJ事件後の再救助訓練で、オールマイトがヴィラン役を務めたことがある。

 

結果としては、緑谷が指を骨折しながらも拘束には成功したが、それは轟を除いた19名の連携があってこそだった。

A組ですら狼狽えた状況だ。

 

――さて、どう乗り切る?

 

「落ち着けよ、交野。この試験は救助訓練だろ? なら、要救助者を全員救うのが課題だ。だったら、私が体育館に一人で行く」

 

「鷹野さん?」

 

「あんたら3人は、その間オールマイトの足止めを頼めるか?」

 

「でも、ここから体育館までは結構あるぜ」

 

「でもよ、私が最初に行った赤レンガの建物経由なら、隠れながらでも3分で着く」

 

「鷹野、でも交野の入れ替えって、触れた回数分だろ? 向こうに交野が――」

 

「心操さん、それは大丈夫。念のため、私が向こうに行った時に、近くの石に何個か触れてるから、鷹野さんと入れ替えることは可能よ」

 

――マジか。

交野の奴、入れ替え後に教員を移動させる時、布石として近場の物に触れていたのか。

 

そして、それを鷹野は見ていた。鷹野も中々の観察眼だな。

 

「そうね、鷹野さん。私が触れた小石を数個持って、体育館に向かって。万が一、救助に人手が必要ならチェンジを使うわ」

 

「分かった。それと、オールマイトを見てて思ったんだけどよ……」

 

鷹野は交野に近づき、耳元で囁く瞬間にインカムの電源を切った。

恐らく俺や他の教員に聞かれないためだろう。

オールマイトにも聞かれている可能性を考えた――警戒心としては正解だ。この件は不問にしてやる。

 

モニター越しに見る限り、交野は落ち着いて話を聞き、その後、心操も呼んで短く相談していた。

 

やがてインカムの電源が入る。

 

「それじゃ、作戦開始よ!」

 

 

同時刻 砕条視点

 

「通信が切れた?」

 

いや、恐らくワザと切った? もしかして、作戦を教員に聞かれないためか? オールマイトが聞いてると思っての行動…なら、俺がすべきなのは足止め…鷹野が体育館に向かうのは3分…救助者助けるのに数分…なら、5分以上はいる。

 

「なら、やるならこの方法しか無い!」

 

俺は深呼吸をして落ち着かせた…そして、ホテルから現れオールマイトの前に立ち塞がる。

 

「来たか、ヒーロー! 私はヴィラン どうする?」

 

「ヒーローの前にヴィランが居るなら、やる事は1つ…戦って勝つ」

 

俺は構えた、No.1ヒーローオールマイトに向けて…

 

「面白いヤレるものならやって!!!(速い!? 既に私の懐に…)」

 

俺はオールマイトが構える前に懐に飛び込んだ。 オールマイト相手に正面から戦うのは無理、なら身体の横、わき腹付近に引っ付いて置けば攻撃手段は減るだろ…

 

「だが、私が距離を取れば!」

 

「今の俺に腕力や個性で倒せない…けどな!」

 

オールマイトが俺から距離を取ろうと動いた瞬間に足を引っ掛けて、バランスを崩させてそのまま地面に叩きつけた。

 

ドガ!!

 

「武術でなら、地面に叩きつける事は出来る」

 

「shit! コイツは1本取られたな!」

 

何とかオールマイトを転倒させたが、正直このまま個性使わずに何分持つと思えない。 個性での技の中でオールマイトに効きそうなのは肆式のゼロ距離攻撃、伍式の突撃の技…どっちも溜めと単発しか使えない…このオールマイトに使うにはオールマイトに隙を作らないと無理だ。

 

「砕条さん、聞こえますか?」

 

「交野? 」

 

「HEY!私相手に余所見は酷いじゃないか?」

 

地面に背中を叩きつけられたオールマイトはその場でカポエラーの様に足捌きをして、俺は距離を取ったけど、その回転の風圧で近場のホテルの壁に叩きつけられた。

 

「がっ! …くそ、ただの蹴りでこの風圧って…俺の個性の意義を無くすぜ…」

 

「砕条さん、すみません 私の指示が聞こえるならホテルの左手に見える廃ビルの2階にオールマイトを誘導して下さい」

 

交野は俺の返答待たずに作戦を伝えていた。 何か狙いがあるかもしれないが…

 

「私はピンピンしてるぜ!」

 

バコォォォォン!!

 

オールマイトが攻撃のモーションに入る前に飛脚·壱足 でその場から離れた。

 

オールマイトは俺が叩きつけられたホテルの外壁を拳1つでホテルごと吹き飛ばしていた。

 

「どいつもこいつも無茶苦茶だろ! 」

 

吹き飛ばされたホテルから、交野の指示の廃ビルを見つけた。

外からでも壁崩れ建屋の中が所々見えている。 あんな所にオールマイトを誘導して意味があるのか?

 

「どうした、もうギブアップか?」

 

「ギブアップ? 何言ってる、ようやく準備運動終えたんだ…こっからが本番だ!」

 

深呼吸した俺はここで衝突·陸式 空衣武叢を解放した。

もう、この技でオールマイトの動きを封じる以外方法が思いつかない。

 

「それは決勝戦で見せた技だね…来なよ、砕条少年」

 

「なら、全力で行くぜ!!」

 

俺は一気に間合いを詰めてオールマイトの懐に飛び込んだ。

オールマイトは懐に入り込まれないようにバックステップで距離をとった。

 

「悪いが2度も同じ技は!?」

 

「言ったぜオールマイト…全力で行くって」

 

今の俺は壱足と壱式なら常時発動出来る。 壱足で間合いを詰めた俺はオールマイトの左膝に足を載せた状態で右膝でオールマイトのこめかみに強烈な打撃を与えた。

 

「オラァァァァ!」

 

「!? シャイニングウィザード」

 

「これで終わるかよ!!」

 

シャイニングウィザードを決めた勢いで、オールマイトの両肩に手で掴んでその勢いで左膝蹴りで、おでこに直撃を与えた。

 

「なぁ! 私の顔面に容赦ない2連撃!?」

 

「誰がそれで終わらせるか! 先の蹴りの分の半分も喰らってねぇーだろうが!!!」

 

膝蹴りで上体を崩したオールマイトの頭を俺は左手で髪の毛を掴み、右手に壱式の力を集めたエネルギーを一気にオールマイトの顎に目掛けて叩きつけた!!

 

そのままオールマイトは身体が浮き始めた。

俺は壱式で殴った右腕の勢いを殺さないようにそのまま回転して、飯田がやった時のように空中で回転して蹴り上げた様にオールマイトの足裏に目掛けてボールを蹴るように隣のビルにシュートした!!

 

「喰らえ、ドライブシュート!!」

 

「絶対違うぞ、砕条少年!」

 

 

無理な姿勢に連撃に俺の身体は悲鳴を上げていた。 オールマイトがそのまま廃ビルに飛んだの見届けた後に陸式を解いた。

 

 

「っぷは! くそキツすぎるだろ…」

 

 

 

同時刻 オールマイト視点

 

「全く、若者の成長は恐ろしい……」

 

砕条少年の猛撃により、私はこの廃ビルまで蹴り飛ばされた。

5階ほどの高さに直撃したが、劣化していた床が崩れ、そのまま2階まで落下してしまった。

マッスルフォームの私は200kg以上……こういう時ばかりは、この体重が恨めしい。

 

「それにしてもフラフラするな……あれだけ頭部を中心に攻撃を受けたんだ。脳震盪を起こしているだろう」

 

「はぁ……はぁ……それは好都合ですね」

 

「!? 君は交野少女……」

 

この廃ビルに、まさか交野少女がいるとは……。

個性を使った様子はない。肩で息をしている様子を見るに、ここまで走ってきたのか?

 

彼女の個性は、確かに一度触れられると厄介だ。

拍手をされた瞬間、どこと入れ替わるのか予測がつかない……。

しかし、私相手にこんな無茶な作戦を立てるだろうか?

 

「ご心配なく。私は手を打っています」

 

彼女が拍手をすると、私の足元にあった石が消えた。

その瞬間、部屋全体を包み込むように水が溢れ、その重みで床が崩れ落ちた。

水の中で私は交野少女を探し、天井を見上げる。

すると、私が落下した5階よりもさらに上――屋上に彼女の姿があった。

 

「私の個性《チェンジ》は、触れた物の“イメージ”と交換ができます。

例えば、川の水に触れていれば、私が25メートルプールをイメージすることで、その質量が交換対象になります」

 

そんな質量まで可能なのか……?

 

「一般的な学校の25メートルプールは、

長さ25メートル、幅13メートル、平均水深1.1メートル。

体積は、25 × 13 × 1.1 = 約357立方メートル。

 

つまり、オールマイトがいる部屋には、約357トンの水が満たされます。

当然、そんな重さが一気にかかれば床は抜ける……いくらオールマイトでも、その水圧の中で落下すれば意識が――」

 

「HAHAHA! 素晴らしい作戦だが、私のパワーを見くびってもらっては困る! デトロイト・スマッシュ!!!」

 

私は落下しながら、取り囲む水の中で地面に向かってデトロイト・スマッシュを放った。

 

衝突による水圧の反動を利用し、水中から脱出する。

 

「さて、次はどんな手で――」

 

「今度は俺が、あんたの相手をする」

 

「っ!? その声は――

(いかん、心操少年の声! まずい、彼の呼びかけに応じれば洗脳にかかる)」

 

頭上の交野少女を警戒していたところ、背後から心操少年の声が聞こえ、私は咄嗟に口を塞いだ。

 

「(いや、おかしい……なぜ空中にいる私の背後から?

まさか、交野少女の個性……?)」

 

視線だけで背後を見ると、そこにあったのは――インカムだけ。

 

「インカムだけ? なぜ――」

 

「俺はここだ、オールマイト!!!」

 

「真上!?(しまっ――)」

 

声のする方向に、思わず反応してしまい……意識が奪われた。

薄れゆく意識の中で見えたのは、先ほどまで交野少女がいた場所に立つ心操少年の姿。

――まさか。

私が水攻めから脱出するのを見越し、彼女はインカムを投げ、

心操少年の声をスピーカーとして流したのか。

私の意識が背後に向いた瞬間、位置を入れ替え、

そして予想外の場所からの声に、私は反応してしまった。

 

「オールマイト。交野が、なぜこんな廃ビルで、あんな水攻めをしたと思う?」

 

動かない身体のまま、落下先を見る。

 

そこは、完全に“沼”のような状態になっていた。

 

「あんたが切り抜けるのを見越してだ。

川の大量の水を使い、あんたの攻撃で水が地面に叩きつけられた時の衝撃と振動――

それが地震に近い揺れを生み、液状化現象を起こす。

そうすりゃ、天然の沼地の完成ってわけだ。

 

これは、規格外のオールマイトのパワーと、その行動を予測できた交野だからこそ出来たことだけどな」

 

しかも、地面が沼のように柔らかくなったことで衝撃は吸収され、

洗脳は解けないまま、私はそのまま沼の中へと沈んでいった。

 

『要救助者3人確保により、救助訓練を終了』

 

「意識が洗脳を解いてくれた様だ! なら、テキサス スマッシュ!!

 

洗脳が解かれた後に私は拳を地面に叩きつけて風圧で沼地から脱出をした。

 

「HAHAHA、いや〜相澤くん 見事にヤラれたよ、私を吹き飛ばした砕条少年もそうだが、交野少女の作戦、そして、私が警戒しているのをフェイクにして、その後に本命の洗脳をした心操少年、何よりもこの救助訓練で救助者の位置を即座に特定する鷹野少女の索敵能力、素晴らしいの一言だよ」

 

彼等1人1人の力では、私を倒す驚異ではないが、彼等の足りない部分を補填してこの訓練に挑んだ。

私と言うイレギュラーがあってもこの対応能力、体育祭から思わぬ人材が発掘された。

 

「オールマイト、相澤です。 お疲れ様です。 砕条と交野と鷹野が個性の反動でリカバリーガールの元に向かってる。 心操は私の所で、反省会に向かってます。 なので、オールマイトはそのまま更衣室に戻って下さい。 B組の方もブラドの所で反省会に向かってるのでご安心を」

 

相澤くんが私の活動時間を気を使って人払いしてくれた。 私はトゥルーフォームになって近くの瓦礫に座った。 活動時間は余裕はあるが、ワンフォーオールの残り火の時間が日に日に短くなっている。

無闇に残り時間を削るわけにはいかない。

 

「彼等がヒーロー科に編入出来るのが楽しみだ」

 

緑谷少年同様に彼等がヒーローとして活躍する未来が楽しみだ!

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