僕のヒーローアカデミア 空拳ヒーロー エアーマン 作:ダレ狐
職場体験3日目 保須市 飯田視点
(飯田君!本当にどうしようも無くなったら言ってね…友達だろ?)
(悩んだら、何でも話してね!)
(お前の怒りも、間違ってねぇ けど……周りには、お前のことを思ってる奴がいる。それだけは、忘れるな)
緑谷君…麗日君…砕条君… 君達が僕の事を思って言ってくれてるのは痛い程分かる…けど、兄をあんな姿にしたヒーロー殺しを……許すことは…
「天哉君、大丈夫かい?」
「!? マニュアルさん…すみません…少し考え事をしてしまって」
俺は今、保須市で マニュアルさんのヒーロー事務所でパトロールをしている。 目的は兄を襲ったヒーロー殺しを探すため…
過去の事件を調べた限り、ヒーロー殺しは警察の捜査網から逃れている。
どの事件も複数のヒーローの襲撃しているのに対して、保須市では兄以外襲われていない…こちらは東京のため、ヒーロー事務所は多いのにも関わらず…だから、俺はヒーロー殺しが滞在していると睨んでいる。可能性が低いがヒーロー殺しを見つけるにはこの方法しかない。
「ねぇ、聞きにくいんだけどさ、君ヒーロー殺しを追ってるんだろ?」
「それは…」
「うちに来る理由が他に思い当たらなくてね 別に来てくれた事は嬉しいんだ」
「…」
「ただ、私怨で動くのは辞めた方が良いよ 我々ヒーローに逮捕や刑罰を行使する権限はない。個性の規制化を進めた中で個性使用を許されているんだ…だから、ヒーローはいかなる理由があろうとも、己のために個性を使ってはならない。 もし、私利私欲の為に個性を使えば それは、とても重い罪となる」
「…」
「いや、 ヒーロー殺しに罪がないとじゃなくてね! 君、真面目そうだからさ 視野が ガーっと狭くなってそうてま案じた」
「ご忠告、感謝します」
「まぁ、分かってるなら良いんだけどね…… さぁ、行こうか」
しかし、この気持ちをどうしたら良いんだ!
一方 同時刻 雄英高校 仮眠室 オールマイト視点
「忙しい所、悪いね オールマイト」
「何、気にする事はないよ…で私に何か用があったんだろ?」
今週はヒーロー科の生徒は職場体験の為、授業は無いが来週からの試験やら演習、そして林間合宿、そして編入組の裁定など、教員にはやる事はあるが、ヒーロー活動の時よりかは落ち着いて行えるのは嬉しい限りだ。 そんな中で刑事の塚内君が私の元に訪れた。
「実は先日捉えたUSJ事件のヴィランの脳無について分かった事が合って」
「あの手強かった奴だね」
「その脳無のDNA検査で分かった事が合って」
「DNA検査かい?」
「あぁ、捜査協力を依頼してるでも無いし、情報漏洩になるが…君には伝えなきゃっと思ってね…黒幕への手掛かりだ」
「!?」
「専門施設で調べた事だが、奴は口がきけない訳じゃない…思考停止状態…奴の素性だが傷害·恐喝の前科持ちのタダのチンピラであることが分かった」
「それが黒幕への手掛かりだと?」
「よく、聞いてくれ 報告によると このチンピラの体には全く別人のDNAが少なくとも4つ以上 混在している」
「4つ以上のDNAが混在…人間か、それ?」
「全身、薬物等でいじくり回されているそうだ。 安ぽっい言い方するなら"複数の個性に見合う体"に調整された改造人間」
改造人間か、死柄木弔もそんな事を言っていたな
「まぁ、本題は体の件よりDNA…個性の複数持ちのほう…DNAを取り入れても"馴染み浸透する"特性でもない限り個性の複数持ちなんて事になりはしない…ワンフォーオールを持つ君なら分かるだろ?」
「塚内君…」
「恐らく、個性を与える個性を持つ者がいる」
「まさか」
「状況から見て、そう考えるのが妥当だと思う。だからこそ、君に伝えなくちゃと思ったのさ」
今の塚内君の話を聞いて、私は"あの男"事を想像した。思わず力が入りマッスルフォームなってしまうほどに
「再び動き出したのか…あの男が」
「それと、先のDNAの内1つが君の生徒に関係しているんだ」
「どういう事だね、塚内君?」
「これは君の先代と先生であるグラン・トリノが関わった案件だが…個性複製化計画を知っているか?」
「お師匠と先生が関わった事件…それってあの薬品施設の事件の事を言っているのか?」
私が思い出した事件とは、
私が小学生時代の話だ。 当時、特定の個性を後世に残すためにクローン計画をしていたらしい、その為に多くのヒーロー達の個性が狙われたと聞いている。
先代のワンフォーオール…つまり、7代目の継承者 志村菜奈が活躍した大きな事件の1つ。 後になって聞いたのはその計画の裏に"あの男"の個性を奪う為の撒餌の計画だと知ったが…その施設はその時に潰されたはず
「そうだ、事件自身は終わっていた…けど、最近になって別の事件から、個性複製化が続いていた事が分かってね」
「!? まさか脳無のDNAは…」
「恐らくその時の研究の副産物の可能性がある…そして、オールマイト、この事はまだ当人と生徒も知らない事だから、他言はしないでくれ?」
「どういう事だ」
「脳無の自己再生の個性だが、 2人の人間のDNA検査で1部が合致している事が判明したんだ」
「塚内君…」
「あぁ、偶然こちらの手の内にある血液サンプルからDNA検査でね…仮説として、自己再生はある個性からの変化に寄るものと警察は判断している。 例の個性複製化事件での対象になった個性"癒し"…リカバリーガールの個性だ」
「!? そんな事が…」
「だが、連中がリカバリーガールや、治癒系の個性の持ち主が被害でないのが何よりも証拠だ」
「まてよ、塚内君、今生徒もって言ったのかい?」
「あぁ、彼自身、母親の個性を引き継いだ様子も無いから分からなかったが、彼のDNA検査したら、彼の半分…つまり母親側はリカバリーガールの個性因子を持つ人になる」
「…その生徒は誰だ?」
「砕条 拳志君だ」
私はあの男のことよりも、リカバリーガールと砕条少年の事に驚いて…何も言えなかった。 そして、彼が今、大きな事件の中に巻き込まれている事に
その頃、保須市 砕条視点
保須市に着いた瞬間から、空気が違った。
人通りは多いが、どこか張りつめている。
「じゃあ、ここから分かれて回る」
エンデヴァーの低い声。
「焦凍は俺と東側、砕条はバーニンと南側だ」
「了解!」
「わかりました」
「保須…飯田」
今朝、俺達は保須市に出張する事になり、移動していた。 飯田の兄であるインゲニウムが襲撃があった場所、エンデヴァーは過去の事件の傾向から、ヒーロー殺しは保須市に潜伏していると睨んでパトロールと捜索も兼ねて俺達を連れて来てくれた。
その件は別におかしな点は無いが、今朝から何度かエンデヴァーの視線を感じる。 何か言いたいことがあるのか? それとなく、個性のアドバイスについて質問をしたり、ヒーロー殺しについて聞いたが会話は質問の応答だけで他に話を振らなかった。
「はぁ〜エアーマン行くぞ」
「ん? 了解です」
バーニンに連れられて俺達はパトロールに入った。
暫くパトロールしたタイミングでバーニンは振り返っ話し掛けた。
「まぁ、おっさんの件は暫く待ってくれないか?」
「何か知ってるんですか?」
「大体の所はな、でも私も詳細を知らないから説明が出来ない」
「それは俺が職場体験で焦凍とエンデヴァーの緩衝材の為以外に呼ばれた理由でもあるのか?」
「ヘッ やっぱ、気づいてたか?」
「焦凍の対応と、俺との組手でのやり方見たら」
「お前を選んだのは私の打診だ。 エアーマン以外の候補は3人だ。
優勝者の爆豪はどう見ても性格的に合わないから無し、2回戦で戦った緑谷と砕条の準決勝相手のメガネの飯田もいい線いってるが、エンデヴァー相手に堂々するか微妙だからな」
確かにバーニンの言う残りの面々は予想通りの指摘だった。
「けど、お前は私が予想よりも良い働きをしてる。 以前の焦凍君ならエンデヴァーとパトロールに文句位は言っていたけど、君とエンデヴァーの組手を見てからは素直に聞いてくれる。 エンデヴァーも組手以降に仕事や私らに対する態度も変わった」
焦凍の変化は俺では無く、多分、緑谷の影響だろうけど、エンデヴァーの変化? よく分からんな。
「けど、エンデヴァーも私の考え以外に君を選んだと思う…まぁ、昔から他人とのコミュニケーションは下手だから」
「はぁ〜それは」
ドォーーーーン!!!
「きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
突然の爆発と悲鳴に会話が中断され騒ぎの方を見ると煙が出ていた。 火災が発生したのか?
「火災?」
「チッ、お喋りはここまでだ! 行くぞエアーマン!!」
「了解!」
俺達はそのまま昨日の訓練で、街灯に飛び乗って移動をした。
回想 昨日のお昼すぎ
「さて質問だけだ、街中で大きな火災出た時お前達はどうやって現場に向かう。 場所は街中お前達はパトロールだから徒歩の状態。 場所は目に見える遠くで煙が出たとしようか」
パトロールの途中で質問され俺と焦凍は考える。
「個性使ってすぐに向かう」
「そのまま走る?」
「アハハハハ、予想通りの回答だな! ショートの個性なら氷とか出して走るのか?でも、こんな街中で氷だしたら、周囲の人間はどうなる、その氷で転倒するかもしれないだろ? 」
「それは…」
「エアーマンの言う通りそのまま走るのは回答としては30点だけど、その時は大概パニックなった人が逃げてるんだ。 そんな大軍の群れで逆走するのは危ないし、多分時間が掛かる。 だからプロは必然的に一般人に危害が出ない方法で移動を身につける」
するとバーニンの髪が街灯に巻きついて引き寄せて登った。
「私ならこの髪を利用して街灯を使って飛び移りながら移動する。
これなら一般人との接触は無いし、ビルの屋上に移動が出来たら尚良しだ。」
なるほど、バーニンの言う理想の回答は個性を使って、最小限の範囲で一般人に接触しないようにする。
「勿論、個性によって難しい場合は有るだろうから、その時はエアーマンの方法かサポートアイテムを使って移動するけど、2人の個性なら私と似た方法で出来るはずだ。 だから、今後の訓練もその辺意識しろよ」
回想終了
俺は飛脚を使ってバーニンと同じ様に移動した。 不慣れだからバーニンの後に続く形になる。 飛脚·壱足なら、最大限息を貯めてなら7回は使えるし、呼吸しながらなら30回位は使える。 それに一度街灯の上に乗れたらある程度は個性なしでも移動が出来る。
「今度はコスチュームに移動のサポートアイテム付けようかな」
「 そうしな! !? 下がれエアーマン」
「パアオーーーーン!!!」
火災現場に向かう途中に大型トラック並の大きさのヴィランの姿が確認した… 象のような姿をした異形型の個性なのか…問題なのはUSJで見た脳無と同じ脳みそ剥き出しの姿で現れた。
「バーニン! アイツは脳無だ! この騒ぎヴィラン連合が絡んでる!!」
「ヒーロー殺しより厄介のが現れたな! エアーマン! プロヒーロー バーニンが戦闘許可出すから、自衛しながら私の援護をしろ!」
「了解!」
象脳無は長い鼻で近くの車を掴んでこちらに投げつけた。よく見ると中に人が乗ったままだ。
「私に任せろ!」
炎の髪が車をキャッチしたが、象脳無はこちらに向かって突進を仕掛けた。
「衝突·弐式 足払い!!」
俺も地面に衝撃波を与えて、相手の動きを怯ませて、動きを止めたが、あの巨体じゃ、数秒も稼げない。
「バーニン、あの象脳無に強力な一撃与える事出来るか?」
「悪いが私はアシストメインだ。 数秒拘束するのが精一杯だ。 お前はやれそうなのか?」
「確証は無いが強力な攻撃はあります」
「なら、それで行くか!」
「お前は技の貯めを作れ!」
「了解!」
俺はあの巨体の象脳無を倒せるのは最大火力の衝突·伍式 突空閃しかない。 力を貯め始めた。 バーニンも炎の髪を象脳無の四肢を抑えた。伍式に必要な50秒のインターバルも弐式の展開後に移動中に意識して空気に貯め始めてる。 後20秒で…
「パオォォォォン!!」
象脳無は鼻を伸ばして、俺とバーニンに向けてとてつもない吸引力で吸い寄せられた。
「嘘だろ!」
「13号先生のブラックホールかよ!!」
強い引力で俺達は為す術なく引き寄せられた。 そして象脳無の牙が目の前にぶつかりそうになり、俺はバーニンの服を掴んで無理やり前に出た。
「エアーマン何を!?」
「向こうから近づくなら突撃の手間が省けたぜ! 衝突·肆式 空爆拳!!」
ドォォォォン!
先まで貯めていた右手の空気圧を炸裂させた。 その爆風で俺とバーニンは一度距離を取ることが出来た。
「何て無茶を…エアーマン無事か?」
「何とか…」
ヒーローコスチュームで良かったぜ、プロテクターが砕けた…素手なら今ので終わったな…痙攣してる…痛みは今はアドレナリンで分からないが内出血はしてるのは確かだ。 血が出てないだけマシだな。
「パオォォォォ!!」
牙を砕かれて倒れてたけど、起き上がって雄叫びを上げる象脳無…
牙とかの再生が無いところを見ると再生能力は無いみたいだ。
つまり、もう一度強烈にダメージが通せば良いが…
「チッ、象の個性だけじゃねぇーな、多分あの吸い込みも別の個性だろうな」
「応援は他の所が酷かったら無理だろうし、かと言って道路のど真ん中に居るコイツを放置は出来ない…」
つまり、次でコチラが技を決めないと被害が大きくなる。しかもこっちが今インターバル無しで使えるのは衝突·壱式 正拳突きだけだ。
今の俺に火力も間合いを詰めるスピードが無さすぎる…どうすれば…
「おい、エアーマン! しっかりしろ! てめぇー人で戦ってる訳じゃねぇーんだ!」
「…バーニン…あの、その炎で分裂して飛ばせる事とか出来ますか?」
「出来るがあの頑丈の皮膚の奴に有効打にはならねぇーぞ…」
「いえ、俺の右手に巻き付けてください…先と同じ様に奴を抑えてください。 今度はバーニンさんが飛ばされないようにしてください」
「お前は…!? そういう事か、ヤレるのか?」
「やります! ここでケリをつけて他の応援もしないとダメだから」
「乗ったぜエアーマン!お前の案によ!! ほらバーニン姉さんの炎髪だ受け取りな!」
バーニンの個性の炎髪の1部が俺の右手に巻き付けられた。
コスチュームのお陰で耐熱効果で俺自身に炎の暑さも問題ない!
「行きます! 拘束お願いします!」
「任せな!」
「パオォォォォン!」
バーニンの炎髪で再び象脳無の四肢を抑えた。瞬間に俺は走りながら燃える右手に空気圧を貯め始めた。
「パオォォォォン!!」
さきと同じ様にしたら、同じ様に俺達を鼻の吸引を始めた。
しかし、先よりも吸引力を上げている。 恐らく肆式や他の攻撃をさせない為にスピードをあげたんだろうけど…今度はお前のボディ狙いじゃない…
「俺が狙ってのはその鼻の穴だ!! 衝突·壱式
バーニンの炎を右手の
バコーーーーン!!!!!
圧縮された炎は更に高温になり、圧縮したエネルギーは象脳無の鼻の穴を通して燃えて肺から内部に全身に燃え上がった。
「へっ、いくら頑丈でも内臓まで、丈夫じゃねぇーだろ」
「よくやったな、エアーマン あの咄嗟で閃いた物だな」
バーニンは俺の髪をくしゃくしゃと触り始めた時に携帯がなり始めた。
画面を見ると焦凍からの電話だった。
「もしもし、俺だ どうした焦凍?」
「砕条か、さきの緑谷のメール見たか?」
「悪い、お前の電話の前にヴィラン倒したばかりで見てねぇ…何があった?」
「そうか、俺も詳しくは分からねぇーが緑谷から保須市のある場所の位置情報のメールのみが送られた。 あいつの事だ、何かあったと思う。 俺は今からソコに向かう」
「待て待て、緑谷が来てるのか? ってそっちは大丈夫なのかよ?」
「こっちにいるヴィランは親父立ち向かっだけで大丈夫だろ、応援も呼んだが、そっちも手が空いたら緑谷のメールの所に来て欲しい。勿論プロヒーローの応援も頼む!」
「おい焦凍!!」
突然の電話切りやがった…この脳無のヴィランが居る中で単独行動かよ。
「わかりました。 私もそちらに向かいます…エアーマンの方にも電話が来たみたいなので」
バーニンの方も電話が来ていた恐らくエンデヴァーからだろう。
「エンデヴァーからの指示だ。 多分、お前のところにも来てる場所に向かって欲しいらしい」
「ここはどうします?」
「それは大丈夫だろ? ほら管轄のヒーローが来た。 後は彼らに任せよう」
振り返ると数名のヒーローがこちらに来た。 改めて携帯確認すると緑谷から、確かに一斉送信メールで保須市の裏路地のマップが来ていた…ここから2分ほどで
「そんじゃ行きますか!」
俺達は地図の場所に向かった。