僕のヒーローアカデミア 空拳ヒーロー エアーマン   作:ダレ狐

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ヒーロー殺し ステイン

回想 職場体験2日目 砕条視点

 

パトロール後に、バーニンからエンデヴァーが俺たちの改善点を書いた紙を渡された。

 

「………」

 

俺がA4用紙1枚なのに対して、焦凍は広辞苑並の量だった。

これは指摘箇所の差というよりも、熱量の差だと何となく感じる。

焦凍はすげぇ嫌そうな顔をしていて、

苦笑いする俺を口元で抑えながら、笑いを堪えているバーニンだった。

 

「さて、俺の改善点は……」

 

砕条の改善点

〇砕条の個性の使い方は、発生型というよりも増強に近いやり方のため、

 自身の体内の空気のみでなく、外部からの空気を取り込むイメージをしろ。

 

「……? これだけ……」

 

「この書き方、雑すぎないか?」

 

「いや、ショート君。これはあくまでヒントを与えただけだ。

 大事なのは自分で気づくことだ。だから詳しく書いてないんだ」

 

「でも、俺の量は……」

 

「アハハハハ、それはだね〜」

 

その日は結局、俺の特訓よりも、焦凍の火を使う個性の特訓が主体になった。

 

俺自身は、よく分からないままだったからだ。

 

回想終了

 

 

現在 保須市 砕条視点

俺とバーニンは象脳無を倒し、緑谷が送ってきた位置情報に向かって移動し始めたが――

 

「誰か、助けてくれ!」

 

「ママー!」

 

「くっ……大丈夫ですか!」

 

象脳無が俺たちが来る前に暴れた際、数か所のビルを攻撃したらしく、怪我人が出て、ビルも火災になっていた。

 

俺たちは、そちらの対応に当たっていた。

火災はここだけじゃない。

 

消防も、協力できる個性を持つヒーローがいない状況だ。

 

焦凍たちの応援に行きたいが、ここでこの人たちを見捨てて行くことはできない。

 

飛脚・壱足を使って一気にビル3階まで跳び、窓から中へ入る。

2階の飲食店から火災が発生しており、

親子3人が崩れたビルの瓦礫に挟まっていた。

 

「君は……」

 

「ヒーロー科の学生です。どこか挟まっていますか?」

 

「大丈夫です。挟まっていますが、私たちは怪我はありません。

 挟まっていないこの子だけでも助けてください」

 

「嫌だ! パパとママから離れたくない!」

 

見た感じ、お父さんとお母さんが、この男の子を守るために咄嗟に押し出し、そのまま崩れた瓦礫に挟まったのだろう。

 

不幸中の幸いなのは、瓦礫が近くの消火器を入れているBOXに当たり、直撃を避けられたことだ。

 

だが、大人二人が脱出するには瓦礫が重すぎる。

 

「心配するな。パパとママは絶対に助ける。ちょっと危ないから、離れてろ」

 

「うん……」

 

「お父さん、お母さん。瓦礫を破壊します。頭を守るようにしてください」

 

「はい」

 

「わかりました」

 

俺は二人が怪我をしないよう、僅かな隙間に左手を伸ばし、イメージした。

 

空気圧で固めた玉を、少しずつ大きくするように…

 

すると瓦礫が押し出され、二人が動ける隙間ができた。

 

「動けそうなら、ゆっくり、ほふく前進で進んでください」

 

「わかりました」

 

二人が瓦礫から離れたのを確認して個性を解くと、瓦礫は元のように崩れ落ちた。

 

「パパ! ママ!」

 

「優斗!」

 

「ごめんよ!!」

 

さて、三人を抱えて一気に降りるか。下にはバーニンがいる。

「こちらエアーマン。バーニン、聞こえますか?要救助者3名確認しました。

 今からビルから飛び降りるので、そちらの個性で補助をお願いします」

 

「了解。こっちがフォローするから飛び込め!」

 

「皆さん、俺が入ってきた窓側から飛び降ります。下にはプロヒーローがいるので、ご安心を」

 

不安そうにしながらも、事態が緊急だと理解した夫婦は、

子供を守るように抱え、窓の傍まで来てくれた。

 

「えっと、優斗君だっけ。少し怖い思いをするけど……手に持ってるオールマイト人形、しっかり持ってたら大丈夫だから」

 

「オールマイト……うん! オールマイトがいるから大丈夫!」

 

こういう時、オールマイトの存在の大きさに救われる。

力だけじゃない、安心感を与える――

今の俺には、遥か遠い世界だが……

 

「お願いします」

 

夫婦を抱え、俺は飛び降りた。

下にはバーニンが待ち構えていたが、その時――

俺たちがいた3階が爆発し、爆風で落下地点がズレた。

 

いや、それよりも――夫婦が隣のビルに激突する。

 

「エアーマン!」

 

まずい。このままだと、この家族に当たる。

何とかして、俺が盾にならないと……この家族は、俺が守らないと!!

 

(砕条ちゃんが生きてること自体が、誰かの力になってるって……

 それを忘れないでほしいの)

 

「蛙吹……」

 

自爆覚悟で身体を捩り、壁に激突しようとした、その瞬間――

あの時の蛙吹の言葉で、焦っていた思考がクリアになる。

 

世界が、ゆっくり動いているように見えた。

飛ばされる最中に感じる風……風……空気……

(自身の体内の空気のみでなく、外部からの空気を取り込むイメージをしろ)

頭の中で歯車が噛み合う感覚がして、イメージした。

 

家族を守るように背中に感じる爆風と、眼前のビルの隙間から吹き出すビル風を――台風のように、混ぜ合わせる。

 

「エアーマン!? なんだ、あの風の球体は!?」

 

取り込んだ風を、俺と家族を包む球体にしてビルへの直撃を防ぎ、

周囲の風を使ってゆっくり降下する。

 

球体の風を解くと、俺は膝立ちになり、家族を解放した。

 

「おい、エアーマン! 大丈夫か!!」

 

「……!? バーニン……」

(こいつ、集中しすぎて、自分が個性で家族を守ったことを理解してない?)

 

「とにかく、問題なさそうだな」

「はい、体調も問題ない……あれ? 右手の腫れが治ってる?」

 

さっき象脳無の時に右拳を痛めていたはずなのに、問題なく動かせる。

 

何が……?

 

「お兄ちゃん!」

 

「優斗君」

 

「助けてくれてありがとう!」

 

「本当にありがとうございました」

 

「君は、私たちのヒーローだ」

 

親子に礼を言われ、自分の行動で人を助けられたことで、悩んでいたことが吹き飛ばされた。

 

今は、次の行動だ。

 

「念のため、救急車に乗って医者に診てもらってください」

 

「エアーマン、行けそうか?行けそうならショート君のところに向かってくれ」

(さっき、風の球体みたいなのが出てた時、

 ライトグリーンみたいな光が出てたが……何が起きてるんだ?)

 

「わかりました。バーニンは?」

 

「私はここの避難作業を終えてから向かう。エアーマンの戦闘許可は継続しておくが、無茶はするなよ!」

 

「了解です。それじゃ、お願いします!」

 

俺は急いで、焦凍のいる場所へ向かった。

 

一方 保須市 路地裏

時間は砕条がレスキュー作業中に戻る。

 

「辞めろ!」

 

「くっ…」

 

現在、この場では《ヒーロー殺し》ステインがプロヒーロー·ネイティブの殺害実行時に、先日、襲撃された兄の復讐に動いていた飯田が現場に来た。

しかし、ステインの個性で動きを封じられたが、その時に東京・渋谷に向かう途中で脳無の襲撃に巻き込まれた、

緑谷出久が飯田が現場放棄してる理由がヒーロー殺しだと分かり現場に駆けつけた。

 

緑谷は、新しく習得したワンフォーオール フルガウルで、自身の肉体を壊さないスタイルを見つけ応戦した。 けど、ステインに切りつけられ血を舐められて動きを封じる個性「凝血」で同じ様に身動きが取れなくなった。

 

ステインはターゲットのネイティブと粛清対象の飯田を手に掛けようと動いていた。

 

「辞めろぉぉぉぉ!」

 

緑谷の叫んだ時にステインに向けて炎が襲撃、現れたのは同じく保須市に職場体験で出張パトロールに来た轟焦凍が駆けつけた。

 

「次から次へ…今日はよく邪魔が入る」

 

「緑谷、こういうのは もっと詳しく書くべきだ…遅くなっちまっただろ」

 

「轟君まで?」

 

「何で君が? それに左を使って…」

 

緑谷は驚いていた。 轟にとって左は憎むべき父親エンデヴァーの個性の炎だから、抵抗があったはず

 

「何でって こっちのセリフだ 数秒意味を考えた 一括送信で位置情報だけ送ってきたから 意味無く そういう事をする奴じゃ無いからな お前は」

 

轟は氷結を使ってステインに牽制しつつ、緑谷と飯田、そしてプロヒーローネイティブを氷を使って自分の背後に運んだ。

 

「ピンチだから応援を呼べって事だろ? 大丈夫だ。 数分すりゃ プロも現着する…遅かったな砕条」

 

「はぁ…はぁ、アホ言うな、こっちは現場対応後に来たんだ少しは労って欲しいぜ 焦凍…」

 

炎を使って更にステインを距離を離す。 その時に轟の背後から肩で息をしてる状態の砕条も登場した。

 

(そろそろ、どいつかが、時間切れで動く)

 

「情報どおりのナリだな…こいつらは殺させねぇぞヒーロー殺し」

 

「砕条君もどうして!?」

 

「砕条君も!? いや今は轟君·砕条君、 そいつに血を見せちゃ駄目だ! 多分血の経口摂取で相手の自由を奪う! みんな やられた」

 

「血を吸って動きを止める…それで刃物か」

 

「へっ、切り裂き魔とドラキュラの合体したみたいなヴィランだな…」

 

「俺なら距離を保ったまま…」

 

ザシュッ!

 

一瞬の隙に轟の頬に向けてステインのナイフが飛んだが

 

「アホ…戦闘中に気抜くな」

 

「砕条!」

 

砕条は右手の手刀でナイフを地面に叩きつけた。

 

「良い友人を持ったじゃないかインゲニウム!」

 

ステインはすぐ轟に向けて手に持っているサバイバルナイフで切りつけたが、轟は氷を地面から突き出してガード。 その隙に砕条はステインに向けて回し蹴りをした。

 

「退け!!」

 

「チッ いい動きするな、お前…」

 

「砕条君、上!」

 

ステインはガードして後方に避けた。 砕条の頭上にはステインが持っていた刀が空中で回転していた。 最初にナイフを投げたタイミングで空中に弧を描くように投げていた。 轟を狙った作戦だが、

砕条の介入したことで、結果的に彼が刀の餌食にされそうだった。

 

「砕条、頭下げろ!」

 

轟が炎で刀を弾いた。 刀は後方に飛ばされたステインの横に落下した。

 

「危ねぇ…助かったぜ焦凍」

 

「さきの借りを返した…にしても強ぇな…砕条、お前」

 

横を見た轟は砕条が肩で息をするのと、汗をかくほどに体力がバテてる事に気づいた。 よく見たら彼のヒーローコスチュームが既にボロボロ、右手のプロテクターは破壊されていた。

 

「そこの黒のライダースーツの奴、既に満身創痍だが、何故駆け付けた?」

 

「うるせぇ…身体が動いてしまっただけだ。 ただのお節介だよ…緑谷言ってたよな《余計なお世話はヒーローの本質なんだ》ってな」

 

「砕条君!」

 

「砕条、お前…」

 

「それにヒーローがピンチなのは常に命懸けだろ? 満身創痍だろうが体力万端でも、命狙われたやつがいるなら、体張って守るのがヒーローだろ?」

 

砕条は既に個性使う余裕も無いのに強がって笑って構えた。

 

「惜しいな、お前も生かす価値が有るのに」

 

ステインは刀を拾って前に走り出した。 同時に砕条も前に走り出した。 刀で突き出した所を砕条は身体を逸らして、右手の手刀で、ステインの腕を叩き落とした後にそのまま右手で拳を突き出した。

砕条の拳を避けた後に轟は炎で牽制し、砕条の前に氷壁を作った。

 

「何故、3人とも…何故だ、辞めてくれよ 兄さんの名を継いだんだ…僕がやらなきゃ…そいつは僕が!」

 

「継いだのか? おかしいな 俺が見たことあるインゲニウムはそんな顔じゃ無かったけどな 」

 

「フン!」

 

「オラァッ!」

 

ステインはサバイバルナイフで氷壁を砕いたが、砕条はその瞬間に間合いを詰めて左肘うちでステインの溝落ちに食らわせた。

 

「がっ!」

 

すぐに轟が氷結でステインを固めようとしたが、ステインはすぐに下がり距離を取る。

 

「お前んちも裏では色々あるんだな」

 

「くっ…轟君…砕条君……あれ?」

 

 

「よく動くな!」

 

「貴様もな!」

 

「くっ、焦凍の氷で目潰し…」

 

サバイバルナイフを投げたが、砕条は首だけ動かして避けたが、ナイフと一緒に轟が出した氷を砕いた礫も投げて砕条の目潰しをした。

 

 

「砕条!」

 

轟は氷壁で砕条を囲ったがステインは砕条を狙わず轟の元に駆けつけた。狙いはこの中で遠距離攻撃を仕掛ける轟を先に潰す作戦に出た。

 

「己より素早い相手に対し、自ら視界を遮る愚策だ!」

 

「そりゃどうかな?」

 

轟は炎で応戦しようしたが、その左手に小さなナイフを3本投げて突き刺した。 その痛みで怯んだ轟をステインを頭上をとって刀を構えた。

 

「お前も生かす価値がある…良い」

 

「上! しまったプロヒーローを」

 

轟を狙う振りをして、ターゲットのプロヒーローに狙いを定めていた。

 

「させない!」

 

すると、先まで動けなかった緑谷が動いて、ステインを拘束して路地裏の奥までもうスピードで掴みながら運んでいた。

 

「緑谷!」

 

「何か普通に動けるようになった!」

 

「!? 時間制限か!」

 

「いや、あの子が1番後にやられたはず 俺はまだ動けない…」

 

(こいつOか!)

 

プロヒーローネイティブが進言した事で、ステインの個性のカラクリの糸口が見え始めていた。

 

「緑谷、下がれ!」

ステインに向けて氷結を走られせ、緑谷は後方に、砕条も視界を戻して一旦、轟たちの元に集結した。

 

「血を取り入れて動きを止める。 僕だけ先に解けたってことは考えられるのは3パターン」

 

「教えてくれ緑谷…」

 

「砕条、目は?」

 

「大丈夫だ、氷だからお陰で目がひんやりして気持ちいいぜ?」

 

「お前は…大丈夫そうで何よりだ」

 

「続き頼むぜ 緑谷」

 

「人数が多くなるほど効果が薄くなるか、血の摂取量で効果時間の変化するか、血液型によって効果に差異が生じるか」

 

「血液型…俺はB」

 

「僕は…A」

 

「血液型…正解だ」

 

「個性が分かったとこで、どうにもなんないけど」

 

「さっさと2人担いで撤退してぇとこだが」

 

「焦凍の氷と炎も避けられるほどの反応速度だ」

 

「あぁ、そんな隙見せられんねぇ プロが来るまで近接を避けつつ粘るのが最善だと思う」

 

「うん、轟君は血を流し過ぎてる僕がやつの気を引きつけるから後方支援を…」

 

「なら、俺は焦凍達に近づいたやつの牽制だな…今出来るのはそのくらい出しな」

 

「相当、危ねぇ橋だが……(砕条も体力の限界のはずだが)そうだな3人で守るぞ」

 

「上等だ」

 

「うん!」

 

「3対1か、甘くは無いな」

 

3人はネイティブと飯田の前に立ち、ステインに対して引く事をしないた誓った。

 

(飯田、兄貴がやられてからのお前が気になった…恨みつらみで動く人間の顔ならよく知ってたから)

 

「頼むぜ、緑谷!」

 

「うん!」

 

緑谷は緑の電撃みたいな物を体に纏ってステインに近づいた。

 

(そう言う顔した人間の視野がどれだけ狭まってしまうかも知っていたから)

 

「ここで封じる!」

 

「ふん!」

 

カン!

 

緑谷に対して動こうとした。 ステインに対して、もうスピードで路地裏にあるポリバケツが飛びステインはそちらを切りつけたその瞬間に緑谷はステインに攻撃を仕掛けた。

 

「お前…」

 

「3対1だ、援護攻撃するさ」

 

「ありがとう、砕条君!」

 

(あの日 今までの事を自分の今のことを全部話した。母は泣いて謝り、驚く程あっさりと笑って許してくれた。 俺が何にも囚われずに突き進む事が幸せであり救いになると言ってくれた)

 

ステインは距離を離しながら投げナイフで緑谷を牽制、しかし轟の氷結でナイフを防いだ。 その隙に緑谷は飛び蹴りをした。

ステインはビルの壁を蹴って避けた瞬間にまた、砕条は路地裏のゴミ袋を投げつけた。

 

 

「こいつ、俺の移動先に」

 

「個性無しでもこれくらいは出来るぞ!」

 

(職場体験でオヤジの事務所を選ぶなんてことは絶対になかった…許したわけじゃないし、許す気もない…)

 

「うぉぉぉぉ」

 

「チッ!」

 

「緑谷! 焦るな 大ぶりするな! コンパクトに動けば良い!!」

 

 

(ただ 奴がNo.2と言われている事実をこの目と体で体験し受け入れるためだった…)

 

「砕条…」

 

「どうした?」

 

(最も素直に出来たのは砕条のフォローあってだけどな、1人で出来たか不安はあった。)

 

「いや、体力の心配しただけだ」

 

「なら、終わったら、飯奢れよ」

 

「あぁ」

(どんなだけクズなオヤジでも、No.2と言われるだけの判断力と勘の良さは…認めざるをえなかった)

 

轟は炎の牽制でステイン更に動きを止めようとしたが、ゴミ袋を蹴り飛ばして、その勢いで更に壁を蹴って避けた。

 

(簡単な事だったんだ、全部…簡単な事なのに見えてなかった… たった一言…そのひと言が)

 

 

「フン!」

 

突然の方向転換で緑谷に向けたステインは緑谷の足を切りつけて、再び凝血で動きを封じた。

 

「しまった!」

 

「緑谷! チッ! 選手交代だ! 焦凍はそのまま援護を!!」

 

「任せろ!」

 

砕条はすぐに緑谷の元に駆けつけたステインは刀で切りつけたが、砕条は身体を逸らして避けて間合い詰めて、右手で牽制した。ステインも身体を逸らした。 そこで砕条は体当たりをした。

バランスを崩した瞬間に轟の炎で砕条と緑谷を離した。

 

「辞めてくれ もう…僕は」

 

「 くっ 辞めて欲しければ立て!!」

 

「!?」

 

「なりてぇもん、ちゃんと見ろ!!」

 

だがステインはその炎の壁が出来たことで砕条達を近づけない壁として利用し、轟の前の壁役が居ないチャンスを狙って一気に間合いを詰めた。

 

「くそ、焦凍!!」

 

砕条も追いかけたが、バテ気味の砕条と全速力のステインでは差が縮まらない。 轟も氷結を出して壁を作ったが…

 

「氷と炎…」

 

「何で、あいつはこんな狭い中で避けられるんだよ!」

 

「言われた事はないか? 個性にかまけ 挙動が大雑把だと!」

 

「轟君」

ステインが刀で轟を切ろうと動いた時に周囲に轟音が響くエンジン音が鳴り、普通なら間に合わないタイミングで、飯田は個性のエンジンの加速で、切りつける刃に向けて蹴り飛ばした。

 

(今ここで立たなきゃ、二度と もう二度と彼らに…兄さんに…追いつけなくなってしまう)

 

「レシプロ…バースト!!」

 

路地裏の戦いはここから佳境に向かう。

 

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