僕のヒーローアカデミア 空拳ヒーロー エアーマン   作:ダレ狐

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USJ襲撃事件
出会い


◇翌年の春・4月下旬 東京某所

 

「予想よりも多いな…」

 

故郷を捨ててから全国を放浪し、スライサーの手掛かりを追っていた俺は、

“ヴィラン連合が人手を集めている”という話を聞きつけた。

 

黒フードを着たヴィランを1人ぶっ倒し、そいつに変装して潜入した。

 

廃工場には数十人のヴィランが集められていた。

壇上には――脳みそ丸出しの怪物と、黒いガスをまとった男。

 

「これが……リーダー格か?」

 

さらに、複数の手を顔や腕に取り付けた奇妙な男が歩み出た。

 

「あー……これから雄英高校にいるオールマイトを殺す。

お前らは、そのために生徒や教師の足止めをしろ」

 

“オールマイトを殺す?”

あまりに無茶苦茶すぎて、一瞬何を言ったのか理解できなかった。

 

堅牢な雄英バリアを突破し、セキュリティを抜けて、強さの象徴オールマイトを倒す?

そんなの、無謀としか思えない。

 

「それじゃ、始めよっか。ヒーローの時代を終わらせに行くよ」

 

黒い霧が広がり、壇上の3人はその中に消えた。

 

「さぁ、お前達も霧の中に入れ。暴れ回れ――」

 

黒い霧の男の声がして、ヴィラン達は次々とゲートへ飛び込んでいく。

 

俺もその中へ入った。

 

 

---

 

◇USJ・施設内

 

黒霧を抜けると、巨大なドーム状施設が広がっていた。

正面には大きな階段と、雄英の校章。

 

階段の上には、俺と同じくらいの年頃の生徒と、教師らしき大人が二人。

 

「本当に雄英高校に……でも、オールマイトがいねぇ」

 

「おいどうするんだよ! 情報じゃオールマイトが来る日だろ!」

 

手形まみれの男――恐らく連合の中心人物――が苛立っていた。

 

オールマイトが来ていたら、ヴィランに紛れ込んでスライサーを探すつもりだった。

だが、生徒相手に暴れる気はねぇ。分が悪い。

 

「やるぞ! お前ら!!」

 

数人のヴィランが階段へ向けて個性を放とうとしたが――

 

階段からゴーグル姿の教師が飛び降り、相手の個性を次々と封じていく。

 

「な、何だよ個性が使えねえ! ぶぎゃ!」

 

「バカ! そいつは“イレイザーヘッド”だ!」

 

俺は後ろの異形型ヴィランがイレイザーヘッドに殴りかかろうとしているのを見て、堪えきれず拳を叩き込んだ。

 

「悪いな。俺はヴィランじゃねえ。ただの賞金稼ぎだ」

 

黒いフードを脱ぎ捨てる。

青い武道着――道場の形見だ。

 

「てめぇ! ふざけやがって!! 俺の“大玉”で踏み潰す!」

 

大柄の男が巨大な球体になって突撃してきた。

 

俺は正拳を構えた。

 

「なら、俺の技でぶっ飛ばす――」

 

「喰らえッ!」

 

「衝突・壱式 正拳突き.ᐟ.ᐟ」

 

拳が触れた瞬間、空気圧が炸裂。

球体の男は後方のヴィランごとまとめて吹き飛んでいった。

 

「これが俺の個性“空気圧”だ」

 

■砕条 拳志

個性:空気圧

拳や足に空気圧を纏わせ、攻撃力を強化する。

 

背後から声がした。

 

「お前、こいつらの仲間じゃないのか?」

 

振り返るとイレイザーヘッドが立っていた。

 

「仲間じゃない。ヴィランに紛れてターゲットを探しに来ただけだ。

……けど今見た感じ、狙いの奴はいねえな」

 

「奴らについて、何か話せるか?」

 

「詳しくは知らねぇ。ここに来る途中、“オールマイトを殺す”ってあの手形野郎が言ってたぐらいだ」

 

「……最悪だ。生徒は巻き込めない」

 

「それと――黒い霧を出してた奴。あいつのゲートに入ってここに来たんだ」

 

「つまり、黒霧を止める必要があるわけか」

 

その時――

 

「邪魔なんだよ……脳無」

 

「ウォォォ!!」

 

俺が階段へ視線を移したわずかな隙に、

あの脳みそが露出した化け物が俺に肉薄していた。

 

速ぇッ!

 

衝撃が走り、俺は水難ゾーンのクルーザーまで吹き飛ばされた。

 

「ぐあっ!?」

 

全身に空気圧を貼っていたが、間に合わず痛みが走る。

 

「あの化け物……空気圧がなかったら死んでたな……」

 

息を整える間もなく、また黒い霧が現れた。

 

『うわぁぁ!!』

 

水面に数名が落下する。

 

「あれは……雄英生?」

 

水面から3人が姿を現した。

 

「ケロ」

 

「ぷはっ!」

 

「けほっ……蛙吹さん、助かりました!」

 

「梅雨ちゃんと呼んで」

 

蛙のような女子。

いじめられっ子のようなもじゃもじゃ頭の男子。

ぶどうのような頭の男子。

 

「おい、こんな所でボサッとすんな!」

 

「えっ……あなたは!」

 

もじゃもじゃ頭――緑谷が何か言いかけたその時、

水中の影が動いた。

 

俺は即座に構える。

 

「衝突・参式――空気砲!!」

 

拳から放たれた空気圧が、水中のヴィランに直撃する。

 

「ぐはぁああ!」

 

水中なので威力は落ちている。

だが、怯ませるには十分だ。

 

「今のうちに上がれ!」

 

「梅雨ちゃん、お願い!」

 

「ケロ、任せて緑谷ちゃん」

 

蛙吹が舌で緑谷を引っ張り上げる。

 

ぶどう頭の奴は乱雑に甲板へ投げられた。

 

「蛙吹さん、ありがとう!」

 

「だから梅雨ちゃんと呼んで」

 

「お前らは雄英生か?」

 

「そういう貴方は? 相澤先生と一緒にヴィランと戦ってたみたいだけど?」

 

「俺はターゲットのヴィランを探してただけだ。廃工場で奴らが集まるって話を聞いてな。適当なヴィランをボコって変装して潜り込んだが……ハズレだった」

 

「ヒーローらしくないやり方ね、貴方?」

 

「俺はヒーローじゃねえよ。去年の春に中学を辞めて、それからは裏の世界で賞金稼ぎみたいなことをしてた」

 

「って事は、僕たちと同い年なんですね!」

 

「まあな。それより――どう"脱出するか”考える方が先だろ?」

 

船から周囲を確認すると、複数のヴィランがこちらの様子を伺っていた。

 

空気は張りつめていた。

 

「見た感じ、この水の中で優位な個性で固めてるよな水の中に入ったら俺も流石に無理だな」

 

「おいおい、何言ってるんだよ 何で戦う流れなんだよ! ここは雄英の先生やオールマイトが来るまで待機しようぜ!」

 

ぶどう頭がビビリながら言っていた。 確かに普通なら待機がセオリーだが

 

「峰田ちゃん、それでもヒーロー志望?」

 

「うるせぇーな、誰だって入学間もないのに命が危ないとは思わないだろ?」

 

「でも、連中はオールマイトを殺せるっと思ってここまで大掛かりにしてるのよ、オールマイトが来るまでに私達が無事で済むと思うの?」

 

「それと、奴らの中にとんでもない化け物みたいな奴がいる。 現に俺はそいつに殴られてこのクルーザーまで吹き飛んだ。 個性が無ければ今頃死んでる…少なくともアレがオールマイトを殺す切り札だと思う」

 

オールマイトを間近で見てないから解らないが、簡単に倒せるとは思えない。 アイツが生徒と戦うのは危険以外ない。

 

「嘘だろ? 相澤先生が居た広場の中央からここまで吹き飛ばすって…どんな個性だよ! なぁ、緑谷、蛙吹!無茶だよ!!」

 

「落ち着け、少なくとも奴は今は居ない、とりあえずここの水場を離れる事を優先しようぜ。 とにかくここから出るまでは俺も協力するから、 俺の名前は砕条 拳志 個性は空気圧で 拳や足に空気圧を貯めて殴ったり空気砲みたいに出来る」

 

「僕は緑谷出久 個性は超パワーだけど、まだコントロールが出来なくて、全力を出すと骨がバキバキ折れてしまう」

 

個性が身体に合ってないタイプかな?

 

「私は蛙吹梅雨よ。 私の個性はカエル。 カエルが出来る事をやれるわ。 跳躍▪️壁登り▪️舌を伸ばす 最大で20m 。 他は胃袋を吐き出したり、毒性の粘液を出せるけど…体がちょっと痺れる程度。後半の2つは戦闘で使えないから忘れて頂戴」

 

「オイラは峰田実。 個性はモギモギで頭のモギモギちぎってくっ付ける」

 

峰田は頭のモギモギを取ってクルーザーの壁に引っ付けた。 確かに張り付いた。

 

「オイラ以外はくっ付くけど、オイラだけはこんな感じに触ったりトランポリンみたいに弾くんだ」

 

マジか、俺と緑谷以外は戦闘系の個性じゃないのか...

 

「うっ、だから無茶だって言ったんだよ、オイラの個性は戦闘向きじゃないって!!」

 

泣き始めたよ…

 

「違うんだよ、脱出方法を考えてたんだよ」

 

すると緑谷はブツブツと独り言言っていた。

 

「緑谷って普段からこんな感じなのか?」

 

「そうね、私達も数日しか経ってないけど、分析能力が凄い印象だったわ」

 

「ふーん、それじゃ、先言ってた超パワーってどのくらい凄いんだ? 先、俺が見せた空気砲と比較したら」

 

「そうね、威力なら緑谷ちゃんの方ね、でも緑谷ちゃんは1発攻撃すると反動で自分の身体を壊すのよ」

 

「マジか…」

 

「作戦思いついたよ、みんな聞いて欲しい」

 

内容は単純。

緑谷が空気砲のような攻撃で水を割り、峰田でヴィランの動きを封じ、蛙吹が跳躍で脱出。

俺はその間の防御担当。

 

「おい、緑谷! 本気か! そんな作戦上手く行くのかよ!!」

 

「峰田君、やるしかないんだ!」

 

そう言う緑谷は震えていた。 峰田ほどでは無いがコイツも喧嘩とか強いタイプには見えない。

それでもヒーローになる為に雄英に入ったんだ。背丈は低いが体格はそれに身体に合わない程に鍛えられている。

 

「奴らの攻撃は俺が防いでやるから…お前らは自分の事だけ考えとけ」

 

「ありがとう、砕条君!」

 

「礼はよせ、あくまで脱出までの共闘だ」

 

その真っ直ぐな目は…ヒーローに憧れてた時の俺だ。 早く脱出しないと…俺の決心が

 

「いい加減、船から降りやがれ!」

ヴィランの1人が水の刃みたいなモノを飛ばして来たから俺は先と同じ衝突・参式 空気砲で相殺をした。

 

「緑谷、今だ!」

 

「それじゃ、行くよ…うわぁぁぁ、死ねぇ!」

 

緑谷が使わなさそうなワードを叫びながら、船から飛び込んで指を弾く構えをした。

 

「スマッシュ!!!」

 

弾いた指からの空気砲は、俺のと比較にならない威力で繰り出され水場に見事に穴が空いた。 蛙吹は峰田を抱えて緑谷を舌で捕まえて跳躍をした。 俺も足に空気圧貯めて跳躍した。

 

「くそ、このまま殺られるか!」

 

数名のヴィランが飲み込まれそうになりながらも空中の俺達に向けて攻撃を仕掛けた。 俺は3人を庇うように前に立ち、構えた。

 

「衝突·参式 空気砲!!」

 

何とかして空気砲である程度は攻撃を弾いたがその内、1本のボーガンが右肩を掠った。

 

「砕条君!」

 

「緑谷…砕条…オイラだってオイラだって! おりゃーー喰らえ」

 

 

峰田が頭のモギモギを大量に取って水の中に投げた。 避けようとしたが水の急激な流れで避けれず、そのモギモギにくっ付いて身動きれず敵を一網打尽にした。

 

「やったは3人とも、私達の勝ちよ」

 

俺達は水害ゾーンを脱出した。

 




砕条 拳志
個性 空気圧
拳や足に空気圧を纏わせ、攻撃力を強化する。
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