僕のヒーローアカデミア 空拳ヒーロー エアーマン 作:ダレ狐
夏休み
終業式が終わり、A組は束の間の夏休み。
轟焦凍は、いつものように母・冷の入院先へ向かう。
その日は以前約束していた通り、砕条も同行していた。
病室では二人で蕎麦を打ち、冷も穏やかな笑顔を浮かべていた。
帰り道
病院を出る二人の前に、一台の黒い高級車が止まる。
中から降りてきたのは——エンデヴァーだった。
焦凍は露骨に嫌そうな顔をする。
「……何だ」
「少し時間をもらう」
エンデヴァーは珍しく命令口調ではなく、静かな声だった。
車内
「I・アイランドから招待状が届いた」
世界中のヒーローや研究者が集まる人工島。
最新サポートアイテムの展示会。
本来ならエンデヴァー本人が出席する予定だった。
しかし。
「現在、俺には複数の大型事件を追っている。
数日でも日本を離れられん」
「もしかして、代理を?」
「そうだ…焦凍、お前に行ってもらいたい」
「断る」
即答。
砕条は苦笑する。
「即答かよ」
エンデヴァーも少し頭を抱える。
「……予想通りだ」
そこでエンデヴァーは砕条を見る。
「砕条」
「はい?」
「お前も同行してくれ」
「俺も?」
「焦凍一人では心配だ。お前なら安心して任せられる」
焦凍は少し驚く。
砕条もまさか自分まで指名されるとは思っていなかった。
「交通費・宿泊費は全額こちらで負担する」
「世界最高峰の技術も見られる。旅行だと思えばいい」
砕条は少し考え
「……せっかくだし行くか」
焦凍も少し呆れながら
「砕条が行くなら俺も行く」
こうして二人はI・アイランドへ向かうことになった。
劇場版 I·アイランド編
I·アイランド到着 砕条視点
『ようこそ、I·アイランドへ』
「おぉ〜すげぇーな パンフで見たけど想像以上だぜ!」
エンデヴァーの自家用機で出発すると言う規格外の金持ち接待に唖然としたが、あまりにも場違い感に驚いたが、Iアイランドはそれを凌駕する程の景色だった。 見た事ないテクノロジーが展示されていてこの場所は俺達の日常よりも何年も先の近未来に居るみたいだった。
「確かにな、とりあえずホテルに荷物を預けよう」
到着するなり、俺達は飛行機内でヒーロースーツに着替えた。
一応、エンデヴァーの代理として行くためにヒーローとして分かるためだとで厳密に俺らは仮免許すら持ってないが…
Iアイランドは個性使用がOKな施設が多いから、その辺も楽しみではある。
『轟 焦凍様 砕条 拳士様 お待たせしました。 どうぞこちらのタクシーでご移動します。』
空港出口にロボットが出迎えてくれてそのままタクシーに乗って移動した。 科学施設と言うよりもテーマパークみたいで、家族連れが多い。明日からはIエキスポが行われるから余計に観光客が多い。
「とりあえず、何処行くんだ?」
「ん? 何だ焦凍は興味無いのか?」
「あんまり」
「んじゃ、俺が見たいのはバイク展示かな?」
「バイクが好きなのか?」
「まぁーな、 俺の育ての親がサイドカー付きのバイクで俺らを色んな所を連れて行ってくれたからなぁ〜 まぁ〜免許取るのが先だけどな」
「そうか、楽しみだな」
「あぁ、後は食べ物の展示も行こうぜ お土産沢山買えば怜さんや冬美さんや夏雄さんも喜ぶだろうよ」
「お土産が確かにな……」
ようやく、焦凍もエキスポを楽しむ空気になったようで安心した。
ホテルに荷物を預けた後にバイクの展示に向かった。
そこは、ヒーローのサポートアイテム用のバイクが展示されていて通常の乗り物バイクと違い、アニメや映画に出てくるような特殊装備したバイクが多く展示されていた。
『こちらは、先日 オールマイトの留学時代のサイドキックしていたデビッド・シールドの愛車《オール・カバー》の着装から得て開発されたバイク。 《ジェット・アロー》です』
目玉のバイクは空陸両用のバイクで、空中移動はホバリングとジェットエンジンで飛ぶ構造になっていて、見た目も黒と銀色の2色でカッコよかった。
「すげぇーな、ガキの頃見た特撮に出てくるバイクみたいだ!」
「確かに凄いが大きすぎないか? 街で走るには……」
「うっ、そう言うこと言うなよ〜 ロマンなんだよこう言うのは」
確かに、このジェット·アローの欠点は大型トラック並のデカさなのが欠点だ。 開発が日本よりも道路がデカいアメリカ仕様なのもあると思うが
「ロマン? 栗とどう関係があるんだ?」
「マロンな! 言うと思ったよ……ロマンっていう言うのはカッコイイとか、憧れみたいなモノだよ」
「そう言う物か……俺にとってのロマンって何だろうな?」
「俺に聞くなよ、こう言うのは見たり体験してる中で見つけるもんだから」
「ではコチラで少し体験しませんか?」
俺と焦凍に声をかけてくれた人が居て、振り返って見ると……
「あっ、貴方は」
「ん? 砕条の知り合いか?」
「久しぶりだね、エアーマン 私はこのジェット・アローの開発している 石ノ森 隼人だ」
現れたのは保須事件の時、俺とバーニンが火事の救助活動した時のご家族の父親の人だった。
「保須の火事の時に救助したご家族の人だよ」
「まさか、ここで君と再会するとは思わなかったよ」
「こちらもです。優斗君は元気ですか?」
「えぇ、自分もエアーマンみたいになるってヒーロー目指してるみたいだ」
保須の火事の時、オールマイトの人形持っていたのに、そんな中で俺に憧れ持ってくれるのは照れくさいな。
「それは、何というか照れくさいですね」
「私達に取っても君は命の恩人なんだ。 自信を持って欲しい……所で話は変わるがこのジェット・アローの体験してみないか?」
「体験と言いますと?」
「そこにジェット・アローのシミュレーション機器がある。次世代のヒーローの君達の意見は貴重だ」
石ノ森さんがジェット・アローの近くゲームセンターで見かけるバイクレーシング機器が2台あった。
「良いのですか、俺達は免許持ってませんが?」
「いや、これは運転を体験する機器だから免許関係ねぇーよ」
「それに、これは明日からの一般公開用に子供たちやお客様に体験して貰う物だから気にしなくて良いですよ」
「操作は右のアクセルスロットルを回すと加速するよ、原則はスロットルを緩めると減速するし、ブレーキはグリップ握ればなるけど」
「基本はスロットルで減速するんだよ。ブレーキ使うとバランス崩すから」
「砕条、よく知っているな」
「ゲーセン通ってたし、言ったろ? 父親がバイクに乗るって そこから操作を何となく覚えたんだ」
まぁ、私有地で実は乗ったことがあるんだが…それは黙っておこう。
そこから、俺と焦凍はシミュレーション用バイクに乗った。 焦凍のチュートリアル終了した後は、俺達はコースを走った。
「くそ…」
「よっしゃー! ゴールだぁ!!」
「凄い、スタッフの記録を超えてる…」
シミュレーションコースの記録を塗り替えて喜んでた俺に対して、悔しそうにしてる焦凍を見て、楽しんでる
様に見えて良かった。
「石ノ森さん、楽しめましたよ。明日からの一般公開楽しみですよ」
「俺も、こう言うシミュレーションゲームで遊ぶの初めてで、楽しかったです」
「それなら、良かった。君達の活躍楽しみにしてますね」
俺達は石ノ森さんブースを後にして、次の目的地に迷っていたら…
「うわぁぁぁ~」
ブース内で聞き覚えがある声が聞こえて俺たちがそこに向かうと
「(小声)お願いします。 僕がオールマイトの同伴者だってことは内緒にしておいてください」
「(小声)どうして?」
「(小声)色々と事情がありまして…」
「わかったわ」
緑谷が綺麗な外国人とひそひそ話していて、シュールな光景に啞然としていた。
「何してるんだ緑谷?」
「砕条君!?」
「ん?八百万達も来てるのか?」
「轟さん達もIエキスポにご招待されたのですか?」
八百万の近くには耳郎と麗日も居た。
そこから、近くのカフェスペースに向かい、外国人の女性メリッサさんは女子グループで楽しそうに話をしてる間に俺と焦凍は別のテーブルで凡その流れを聞いていた。
「へぇ お茶子さんたち、プロヒーローと一緒にヒーロー活動した事あるんだ」
「訓練やパトロールくらいですけど」
「ウチは事件には関わったけど避難誘導をしたぐらいで」
「それでも凄いわ!」
「私は何故かテレビCMに出演するハメに」
「普通じゃ出来ないことね ステキ」
「明日 アカデミーの作品展示してるパビリオンにも行く予定なんです」
「凄い楽しみ!」
「すげぇーな、もう仲良くなってる」
「確かにな」
「良かった…誤解が解けて」
「はい、お待たせしました」
「この声は、上鳴君!?」
「っと峰田君!?」
まさかのジュースを運んできたのが上鳴と峰田の2人で俺達も驚いていた。
「あんたら何してるの?」
「エキスポの間だけ、臨時でバイト募集をしてたから応募したんだよ なぁ、峰田」
「休み時間の間エキスポ見学出来るし 給料貰えるし
来場した、可愛い女の子とステキな出会いが有るかも知れないし!?」
峰田はメリッサさんを見つけ、俺達の所に駆け付けた。
「おい、あの女の子は轟がナンパしたのか?」
「ちげぇーよ、緑谷の知り合いみたいだ」
「何だよ、緑谷紹介しろよ」
「すげぇー行動力だな、お前ら」
「いや、あの〜」
「(小声)彼等も雄英生?」
メリッサさんが凄く疑問に持つと2人は即座に近づいて行った。
「そうです」
「ヒーロー志望です」
すげぇードヤ顔してメリッサさんに近づいていたら、遠出から何かの声が聞こえてきた。
「何を油を売ってるんだ! バイトを引き受けた以上労働に励たまえ!」
『ぎゃああああ』
来たのはクソ真面目の飯田が2人に詰め寄り、上鳴と峰田は叫びまくっていた。
「飯田も来てたみたいだな」
「この暑い中、元気だよな〜」
「うちはヒーロー一家だからねIエキスポから招待状をいただいたんだ。 家族は予定があって来たのは俺一人だ」
「飯田さんもですの? 私も父がIエキスポのスポンサー企業の株を持っているものですから招待状いただきましたの」
「でヤオモモの招待状が2枚余ってたから」
「女子グループでジャン拳して私と響香ちゃんになったんよ」
「でも、みんなこの島には来てるんよ」
「えぇ、交野さんが、団体チケットの方がお得だからっと手配したそうです」
「交野が? 意外だな……こう言うイベントに参加するの?」
「砕条の中では交野はどんな風に見えてるの?」
「交野さん、厳しい言い方する事多いけど、結構皆のこと気にかけてるんよ 」
「マジかよ……その感じだと明日も皆と周るのか?」
「明日からの一般公開日に全員で見学する予定ですの」
皆がこのエキスポに来た経緯が俺と似た感じで、変に引け目を感じなくて良かったと少し安堵した。
「そうなんだ」
「良ければ私が案内しましょうか?」
「良いですか?」
『俺達も連れって行って!』
「お前らはバイトだろ?」
「容赦ねぇーな、焦凍は……」
ドォォォォン!!
巨大な爆発音が響き渡る。
「何だ?」
音のする方へ向かうと、大勢の観客が集まるアトラクションステージだった。
大型モニターには──
『切島選手! タイム三十二秒! 現在八位です!』
「切島?」
続いてアナウンスが流れる。
『それでは爆豪選手! ヴィランアタックチャレンジ、スタート!』
「死ねやぁぁぁ!!」
爆豪は爆破を駆使し、ロボットヴィランを次々撃破。
わずか十五秒でゴールした。
『十五秒!! 現在一位です!!』
「へぇ〜、面白そうだな」
思わず口元が緩む。
「飛び入り参加できねぇかな?」
「砕条君、絶対こういうの好きやんね」
「おっ、緑谷たち!」
切島が俺たちに気付いた。
しかし、その瞬間。
「テメェらァァァ!!」
爆豪が柵を飛び越えて突っ込んできた。
「何でテメェらがここにいやがる!!」
「普通に聞けねぇのか、お前は。珍獣かよ」
「何だとエアプ野郎!!」
「砕条君! 煽らない!」
「仕方ねぇだろ。こいつの顔に『煽ってくれ』って書いてあるんだから」
「……書いてないぞ?」
「轟君、そういう意味じゃなくて!」
「テメェも俺を舐めてんのか!!」
「僕、何も言ってないよ!?」
メリッサが呆然と眺める。
「あの人も雄英生なの?」
「えぇ……まあ」
「どうしてあんなに仲が悪いの?」
麗日が苦笑しながら答える。
「男の因縁です!」
爆豪はニヤリと笑う。
「上等だ!! テメェらも参加しろ!! そして俺に負けて恥をさらせ!!」
「いいぜ」
俺も笑う。
「乗ってやるよ。焦凍、緑谷、飯田、お前らもやろうぜ」
「俺もか?」
「僕も?」
「俺は委員長として──」
「ゲームはみんなでやった方が面白いだろ?」
爆豪が指を突き付ける。
「来い!! テメェら全員、俺のタイムは超えられねぇ!!」
切島も拳を握る。
「いいじゃねぇか! 男なら燃えるだろ!!」
こうして俺たちも、ヴィランアタックチャレンジに参加することになった。