僕のヒーローアカデミア 空拳ヒーロー エアーマン   作:ダレ狐

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雄英体育祭編
開催 雄英体育祭


雄英体育祭 当日

 

控え室からグラウンドに向かうと、観客席からの大歓声に思わず驚いた。

一番注目を集めているのはやはりヒーロー科だ。

そのせいか、普通科・サポート科・経営科は“盛り上げ要員”扱いと思われているのか、どこかやる気が無さそうだ。

 

壇上には、18禁ヒーロー・ミッドナイトが姿を見せた。

 

「選手代表、一年代表──一年A組、爆豪勝己!」

 

「へぇー、爆豪が代表なんだ」

 

気だるそうに壇上へ向かう爆豪を見て驚いていたが──

 

「宣誓。俺が1位になる!」

 

まさか、この状況でこんな煽るやつがいるとは。

横目でA組を見ると、『何してんだあのバカ』という顔をしていた……同情する。

 

学年に11クラスもあるのに、他の10クラスから大ブーイングされるとは……自信があるのか、ただのバカか。

 

「せめて、跳ねの良い踏み台になってくれ」

 

言葉は辛辣だが、爆豪の表情を見るに他人を煽りたいというより、自分を追い込んでいる……覚悟があるようにも見える。

……それでもA組はいい迷惑だろうな。

 

爆豪が降り、第一種目・障害物競走の説明が始まる。

 

ルールは、スタジアムを出て一周し、スタジアムに戻ってくること。

他校と違うのは、個性使用がOKで、さらに中学の運動会のような簡単な障害物ではないという点だ。

 

「……早速、特訓の成果試すか」

 

「砕条。俺は俺のやり方で勝つぞ」

 

「心操……おう、俺も負けない」

 

1年生はスタートゲート前に集まり、ミッドナイトの合図を待つ。

 

「それでは障害物競走──始め!」

 

1年全員が一斉に動き出したため、入口で大渋滞になり身動きが取れない。

俺はすぐに壁を蹴って飛び、壁沿いに横移動しながら出口へ抜けた。

 

「スタート時点が最初のふるい分け、ってわけか」

 

A組の轟が足元を一瞬で凍らせた。

多くの生徒が動けなくなる。

 

「ネビルレーザー!」

 

「そうは行かねぇぞ、半分野郎!!」

 

「甘いわ、轟さん!」

 

「そいつは一度受けてる! 二度は食らわない!」

 

A組の面々は即座に対応していた。さすがクラスメイトの個性を把握している。

 

「まぁ、俺も食らう気は無いけどな! 衝突·弐式 足場らい!」

 

出口に飛び出して着地時に空気圧の衝撃波を打ち込んで、氷を破壊した。 そしてそのまま、足に空気圧を貯めた。

 

「緑谷ノートから参考にした 俺の新しい個性の使い方 …飛脚 ·壱足」

 

衝突·壱式の足技バージョンだが、攻撃の為では無く一気に間合い詰めるため、そして空中移動の目的に編み出した技だ。

 

一気に上位にいるA組に追いつたら、目の前にはよく分からん巨大ロボットが大量に現れた。

 

「入試の時のお邪魔ロボ」

 

入試の時のロボットと言う事は、ヒーロー科の試験は、このロボットを倒す事か…見た感じ仮装ヴィランと言う事か

 

「折角ならスゲーの用意して欲しいぜ…くそオヤジが見てるんだからな!」

 

前方に轟が氷結でどデカいロボットが氷漬けされた。前のUSJでも、脳無を凍らせたが…緑谷が教えてくれた。推薦組の実力か…すげぇな

 

 

 

「あいつが止めたぞ!」

 

「通れるぞ!」

 

「辞めとけ、不安定な姿勢で凍らせたから崩れるぞ」

 

他の生徒が轟が氷漬けしたロボットの下を潜り抜けようとしたが、ロボットが崩れて俺達の前に塞ごうとしてきた。

 

「まぁ、これは俺のヒーロー科編入も兼ねてるんだ…手助けするか…衝突·伍式 突空閃(とっくうせん)!」

 

俺は肆式と同じ構えをしたが、先の飛脚 ·壱足と同じ様に脚に空気圧を溜めて、一気に崩れるロボットの所まで間合いを詰めてゼロ距離の空気砲でロボットを吹き飛ばした。

 

「おいおい、ヒーロー目指すなら後片付けしろよ」

 

「お前……“あの時”の……」

 

轟の後を追うように走り出す。後ろではA組が続いていた。

 

実況のプレゼント・マイクが叫ぶ。

 

「第1関門の突破は早い! 1位はヒーロー科A組・推薦の轟焦凍!

そして2位は──普通科C組! 砕条拳志〜!

こいつらには仮装ヴィランロボなんて簡単ってかぁ!?

なら次の関門は── “The・ホール”!」

 

目の前には断崖絶壁。

複数の崖がロープで結ばれている。

 

「日本の敷地内に、こんなの作っていいのか……?」

 

轟はロープを凍らせてそのまま渡っていく。

俺はジャージを脱ぎ、袖をロープに引っ掛け、崖を蹴りながら一気に加速した。

 

「逃がすか!!」

 

「爆豪!」

 

爆豪が爆発で空を飛び、轟に追いつこうとしていた。

俺は抜かれ、3位になる。

 

「くそ……爆豪、スピード上がってねぇか?」

 

走りながら二人の小競り合いが見え、看板には “地雷原” の文字。

 

「本当に何でもありだな……どうする」

 

地雷を避けてたら追いつけない。

しかし空中移動では着地が難しい……

 

ザクッ、ザクッ……

 

「? なんだこの音……」

 

数名が突っ切ろうとしている中、緑谷がロボットパーツをスコップ代わりに地面を掘っていた。

 

「緑谷?」

 

「ケロ、砕条ちゃん。こんな所で立ち止まってどうしたの?」

 

「蛙吹か……いや、緑谷の行動見て察した。あいつの狙い……」

 

予想はついたが、同じ方法をするには時間が掛かる。

 

「どうしたの?」

 

「蛙吹、ここは一時休戦して地雷原抜けないか? 上位10位は狙える」

 

「ケロ……いいわ。その提案、乗る」

 

俺は蛙吹に作戦を伝える。

 

「頼むぞ、蛙吹!」

 

「もちろんよ!」

 

蛙吹が俺の背中に飛び乗る構えをとる。俺は空気圧を足に溜める。

 

一方、緑谷は地雷を集め、ボードを構えた。

 

「動いた……行くぞ! 飛脚・壱足!!」

 

「借りるよ、かっちゃん! 爆速ターボ!!」

 

俺は緑谷が動く直前に飛び、蛙吹はその勢いで跳躍。

直後、地雷原が爆発。

 

ドオオオォン!!

 

「利用させてもらうぜ……衝突・参式《空気砲》!!」

 

爆風に空気砲を重ね、さらに加速。

着地は無理だが、蛙吹と組んでいる理由はここだ。

 

「来い、蛙吹!」

 

「ケロ!」

 

蛙吹が舌で俺の体を捉え、空中で足を組み合わせ──

 

「行くぜ、JUMP直伝──スカイラブハリケーン!!」

 

俺の足を発射台にし、蛙吹はさらに跳躍。

舌で引き戻される形で俺も前へ。

蛙吹は地雷原を飛び越えた。

 

上位3人──緑谷・轟・爆豪──が走っていく横をかすめる。

俺たちは4位と5位に位置取り、そのまま最後の直線へ。

 

スタジアムが見える。残り10m。

 

「負けねぇ!!」

 

「私も負けない!」

 

足の速さだけなら互角。だが──

 

「この距離は私のテリトリーよ! ケロッ!」

 

蛙吹の舌が一瞬でゴールテープに到達。

 

「4位、蛙吹梅雨!

5位、砕条拳志!

この二人、地雷原で協力し、その後は全速力!

勝敗を分けたのは──蛙吹の個性を活かした一閃だぁ!!」

 

実況の通り……俺は蛙吹の特性を忘れていた。

 

「くそ……悔しい!!」

 

だが後悔はしていない。

蛙吹と組んだからこそ、この順位まで来れた。

 

「砕条ちゃん……」

 

「先に言っとくけど、組んだことは後悔してない。自分の個性を生かしきれなかった自分に腹が立ってるだけだ。同情は不要」

 

「ケロ……わかったわ。でも、この順位は砕条ちゃんのおかげよ。ありがとう」

 

蛙吹が握手を求め、俺も応えた。

 

 

---

 

同時刻 解説席 相澤視点

 

「さぁ〜どんどん生徒がゴールしていくぜ〜!」

 

隣で騒ぐマイクを無視し、俺は5位の砕条の動きを思い返していた。

 

障害物競走は本来、個人で突破する競技。

ほとんどの生徒は単独行動。

だがあいつだけは “他者” を意識していた。

 

●仮装ヴィランロボット

轟が崩したロボットを、後続のために砕条が撃ち飛ばした。

あいつなら一人でも抜けられるはずなのに、ヒーロー科編入を意識して“道を作った”。

 

●地雷原

蛙吹と瞬時に協力。

蛙吹はコミュ力が高いが、それでもあのコンビネーションは簡単には生まれない。

 

恐らく、観客席の教師陣も砕条の行動に高評価をつけ始めているだろう。

 

「まったく……今年の1年は俺の予想を超える」

 

「おっ、どうしたイレイザーヘッド?」

 

「何でもない。……ほら、最後の生徒が入ったぞ」

 

さて──砕条拳志は、ヒーロー科に編入できるか。

見物だな。

 

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