がんば麗羽さん!リターン!?エターナルストーリー   作:髪様

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ほとんどそのまま。
改訂は後ほど。

10/20 取り合えず改行方法の変更


序章
コウを知る、つまるところの前口上


 袁本初、その名を聞くと三国志演義を知る者ならばほぼすべての人が無能と答えるかもしれない。

 だが、実際には無能であったのか?

 

 それは否である。

 

 確かに、人の使いは上手いわけでもなく、噛ませ犬的な存在に映るかもしれない。だがしかし、史実では後には敵対したが、若き曹操以外にも名だたる名士とも友誼を結ぶなど、人の話を聞かないことを除けば一角の人物であったには違いない。幽州公孫賛の白馬義従をなんか縄で倒してたし、優柔不断だったこと以外、すごいんだよ。

 

たぶん、きっと、そうだといいなぁ~

 

 「孟徳さん、またあなたは何を企んでいるんですの?」

 「あら?ただ美しい花嫁がいるという噂を聞いたから確かめに行くだけよ?

 あなたも気にならないかしら?」

 

 金髪ロールの二人組、一人は豊満な肉付きの切れ目の美女、もう一人はスレンダーでもう一人の胸元ほどの背の低い美少女。背の高い方の女性が袁本初、かたやもう一方の女性が曹孟徳である。曹操ファンには結構有名なエピソードである、この花嫁強奪であるが、このとき正史?であるなら袁紹が曹操にハメられる。

 そしてやっぱりハメられた、まあ実際は彼女の勘違いなのであるが。

 

「麗羽、ちょっとそこで待ってくれないかしら?」

 

 塀を乗り越え忍び込むまでは一緒だったのだが、それだけ言うと、曹操は返事も聞かずに屋敷の奥に入っていく。屋敷の中は大騒ぎ、やれ祝いだ、酒だ、無礼講とてんやわんやなほどに盛り上がっていたため、忍び込むのは非常に簡単であった。

 そして彼女は人が少ない庭園で一人ぽつんと立っていた、むしろ待たされていた。

こんなとこで待っていてどうしろと、別に俺いらないんじゃね、など内心思いながら庭にあった池の中の鯉?とりあえず魚を眺める。するとどうだろう、どんちゃどんちゃしていた屋敷の中がさらに騒がしくなったではないか。しかも喧騒はこちらに向かってくる。

 

 「盗ったわ!逃げるわよ麗羽!」

 

 見知った顔が人一人担いで爆走している。

 顔はニヤケ、やり遂げた感が満ち溢れている。

 

 「えっ!ちょっ待ってくださいな!」

 

 本気でいきなりである。

 人一人抱えているので鈍足になってもおかしくないハズの曹操は庭先にある岩、庭木、塀をぴょんぴょん飛んで外に飛び出す。このとき袁紹である彼女はまだ池の前である。

 

 「いたぞっ!」

 「花嫁を何処へやったのだ!」

 「城に突き出せ!」

 

 

 「なんでワタクシが!」

 

 

 少々話をそらそう。

 この袁紹本初、中身は現代人学生の元男の子であった。彼は実家から送られてきたじゃがいもを食べようとし、芽が出ているのにも構わずそのまま調理。じゃがいもの芽の毒にあたって死んだのだ。そして目が覚めると赤ん坊、目の前には自分を抱く何か巨大な人。

 目の前に居た巨人は自分のことを『麗羽』と呼び、あやすように抱えて揺らす。その時、彼はあまりの出来事に本気で現実逃避をしていた。しかし、結構心地がよかったのは本人だけの内緒である。

 

 

 だがそう言って目を背けても事実というか現実は逃げちゃくれないので、あれよあれよというまに成長した彼女。15の時には養父に字を授かったりもしたが、この時までに必死に見なかったことにした現実も多々あった。袁成とか袁隗とか袁逢とか親類とか親にいたけど全部女性だったので、

 

 「あ、うん何かどっかで見たことあるパターンだが、きっと気のせい」

 

 そう、そう信じて頑張ってきたのだ。

 

 だがやっぱり何度でも言うが、現実は待ってはくれない。

 郎、濮陽県長への任命。

 そして育て親との死別、そこから彼はどっかで見たことある三国志の中の袁紹のように父母それぞれ3年計6年を喪に服した。そしてその際に官も退いた。この時の喪とは儒教、前漢の時代に整えられた礼記をもとにして行われ、酒や肉さらにはこの時代の数少ない娯楽である音楽などもを断つ。

 

 ではなぜ三年か?

 

 子生三年、然後免於父母懐。夫三年之喪、天下之通喪也。

生まれてから三年はほとんど意識もなく、両親に唯々懐の中で抱かれ世話をされるだけに育つ、彼女の場合も意識はあったが、まだ筋肉も未発達な体は自由に動かせなかった。

 生みの親である袁成は彼女を生んだ直後になくなったが、代わりに彼女を引き取ってくれた叔母である袁逢、袁隗姉妹は彼女を袁術、袁基同様に育ててくれた故の感謝もあった。

 それ故に孔子が唱えた通りに、育ててくれた感謝を込め三年三年の喪に服したのだ。

(ちなみに本来は母が死んだあとに三年、そこで感じ入ることがあったのか、その後父三年の服喪についた)

 本来は反董卓連合を発足した際に洛陽にいた袁家は尽く誅され、その際に袁基、袁逢、袁隗等も討たれるのだが、この世界ではどちらも流行病であった。

 

 で、更にその後、今度は他の親類に私塾に行くように言われ洛陽にやってきて、花嫁泥の元凶である彼女に出会ったのだ。ちょうどこの時期には、公孫賛も洛陽に訪れており、出身地域が近いからと都での袁家の邸宅を訪問している。

 当時袁紹は、張孟卓、何伯求、呉子卿、許子遠等とも友誼を結んでいる。洛陽に来てから袁紹はうつけのフリをしていたのだが、とある出来事があったことをきっかけに上記の四名と曹操と縁を結ぶこととなったのだ。

 

 

 ある日、袁紹は洛陽の住宅街を私兵を12名ほど引き連れ歩いていた。

 

 

 「しかし、ほんとに寂れていますわねぇ」

 

 

 袁紹が周囲を見渡せるほどに散開し周りを囲み歩く兵、少々前を2名、後ろに2名、袁紹中心に3×3の正方形に8名である。既に天子の力失せいる、先帝の散財を補填するために霊帝劉宏は官位を売却したため官は乱れ、賄賂は横行した。

 なんせ曹操の父である曹嵩も霊帝に莫大な金を献上し、宦官にも賄賂を贈り太尉になったほどである。それ故、本来都を治める役人も治安の維持などほとんどの者が行わず、自らの保身と財産を溜め込むことに集中したため、漢全土その都である洛陽ですら治安が乱れに乱れた。

 

 「本初様、これより先は貧民街でございますぞ」

 「それで?さっさと行きますわよ」

(ちっ!何も知らない箱入りがっ!)

 

 

 袁紹は馬鹿なフリをしていたため思いつきで散歩と称し街を練り歩いた、実際の目的は見回りである。そのため問題が起こりそうな場所を優先的に巡るのだ、もちろん様々なことに首を突っ込むこととなる。

 目的地にたどり着けず道に迷う、おばあさんがいれば邪魔だからと称し私兵に案内させ、喧嘩があればうるさいからと仲裁させ、道端に糞尿があれば臭いからと掃除をさせる。そんな事をやらさられるモノだから当然袁紹の担当は不人気であった。

 袁紹自身は目の届く範囲で自分ができる事ならやろうとバカの振りをするならバカらしく振舞うことで、天の御使いと同じ様に警邏をしていたのだ。しかし、そんなことを知らない袁家お抱えの私兵たちは袁紹のわがままだと思っており、更に彼女の名を落とす噂を流した。

 

 

 「お助けくださいっ!これを持っていかれたら私どもは生きていけませぬっ!」

 

 

 ちょうど貧民街に入った時である、悲鳴が聞こえた。少々早足でその場所に向かう。

もちろん、お付は袁紹がまた変なことに興味を持って見物に行ったとしか思っていない。

 

 

 「ええいっそんなこと知るものかっ!我らは法に従い税を取り立てるのだ!

 貴様が生きれぬからといって税を取らぬ訳にはいかぬのだ、貴様の言い分など理が通らぬとなぜ理解できぬ!

 払えぬならば働けば良いっ!

 それでも生きてゆけぬのなら、税を収め、のたれ死ねば良いのだ!」

 「そんな殺生なッ!」

 

 そして渦中へと向かっていく袁紹。

 

 「見苦しいですわよ?おやめなさいな」

 「なっ邪魔をするというのかっ!獄に入れられても……なっ!」

 

 徴税官らしき役人の男は勢い良く声の方向へと振り返り声の主を確認すると慌て出す。独特の髪型に独特のお嬢様的喋り方、しかもバカと大人気(上手く取り入れば美味しい思いができるかもしれない、という勝手な想像から)な袁紹であったからだ。しかも名門の名は伊達ではなく、都において結構な影響力を持つ。

 

 「こ、これは袁家の袁本初殿とお見受けします、なぜこの様なところに?」

 「あら?ワタクシがどの様なところに居ても勝手ではなくて?」

 「そ、その通り!そのとおりでございますねっ!」

 

 ぺこぺこと頭を下げ手をこすり合わせる役人、先ほどとは別人と見間違うほどである。そしてそれを内心冷めた目で見つめる袁紹、だが他の人には何も考えてないようにしか見えない。

 

 「散歩ですわ」

 「は、はぁ……」

 「先ほどお聞きになられたでしょう?なんですのその反応は?」

 「そ、そうでございますね!私ごときの疑問に答えていただけるとは思わなかったもので!」

 (クソがっ!急に話を飛ばすなよっ!馬鹿(ばろく)という噂は本当か)

 

 「あら?貴方、弁えていらっしゃるのですわね?いい心構えですわ!

 なんて言っても私は名門袁家ですものね、おーほっほっほっほ!」

 

 顔では愛想笑いを浮かべてはいるが、彼女の周りにいる人間は実際には殆どの者が彼女を見下している。目の前の役人もその類にあぶれなかった。先ほど悲鳴のような嘆願を唱えていた貧民街の住人は何が起こっているのか理解できていないような反応である。学もなく文字も読めない、そんな住民にも分かることがある一つあった。それは今自分の目の前に税を取り立にきた役人よりも偉そうな奴が来たということである。ならば彼、彼女がやることは一つ、より偉そうな奴に泣きついてみるだけである。

 

 「ど、どうか話を聞いてくだされっ!」

 

 役人の前より飛び出し袁紹の前に両膝を付き手のひらを組む。本来そのようなことをすればお付の私兵に切られてもおかしくないのだが、既に役人と会話をする際に彼女の後ろに下がり、辺りを警戒している為そのようなことは起きなかった。

 

 「ええっい!黙らんか!貴様如きが話しかけていいお方ではないぞっ!」

 

 慌ててご機嫌とりも合わせ住民の肩を掴み後ろへと思いっ切り転がす。

住民は「ひっ!」と声を上げ起き上がるが、袁紹の、

 

 「そうですわ。ちょっと貴方、汚いモノを近づけないでもらえないかしら?」

 

 という一言で絶望の表情を浮かべる。

 

 「あまりにも臭いですわ。

 本来ならこの地区ごと燃やしたいほどですが、さらに臭いが広がりそうだからやめておきますわ。

 連単(護衛の一人)さん、このお方にお金差し上げてくださいな」

 

 「なっ!そのようなことをすれば他の者が不平を申しますぞ!」

 

 連単と呼ばれた彼は声を上げる、役人はこれほど馬鹿なら自分もおこぼれを確実にもらえるなと機嫌が良くなる。そして袁紹はあえて役人の思惑道理に事を運び、毎回安くはない金をばらまく。

 

 「それなら私のお小遣いでここの清掃でもやらせればいいでしょう?

 ワタクシがいる洛陽の都にこのような汚いモノがあるのは許せませんわ!

 ワタクシが住んでいるのですから、もっと相応しくなるべきそうは思いませんこと?」

 

 はっきりといって言い方は馬鹿っぽいが、言っていること、やることはは至極まともである。これはよく考えなくても、私財を投げ打ち街を整備し、職を与えると言っているのと同義である。悪名ではあるが、広まり、治を知る者はその功を知る。

墨子に「神に治むる者は衆人その功を知らず明に争う者は衆人これを知る」、人に測り知れないように事をなす者は、人はその功績に気づかない。どんな大きい難儀も始まりはいつも小さな火種から。火種の時点ですぐに消火してしまう人は最高に優秀だが人の目には触れない、とある。袁紹はこれを知らずになしていた。されど儒家は名を尊び、これを厳かにする。

 

 だが気づくものは気づく訳で、

 

 「呉と申しまするっ!呉子卿とでも呉とでも呼んでくだされ!でもシケイとは呼ばないでくだされ!

 貴方に聞きたき事ぞありまして、山超え谷越えやってきました!」

 「大げさね、呉子卿殿。ワタシ許子遠言うアルネ。よろしくヨ。

 一言、言わせてクレヨ、カネクレ、金持ち妬ましい」

 「張邈孟卓、真名は慈協ですねっ!袁本初殿の噂を聞きつけやってきました!

 人助けバンザイですよねッ!ワタシおかしくないよねッ!?」

 「とりあえず、邸の中にお入りなさいな、諸双(お付の一人)案内なさい」

 

 彼女たちは袁紹の外聞となしたことの相違に気づき、百聞は一見に如かずということで本人を見てみようと考え至ったらしい。呉子卿、ショートボブで軽い茶髪、短パンチャイナである、ちなみに130ほどと背は低い。許攸、赤髪お団子、スリット入りドレスの生粋チャイナ。最後に張邈、ほとんど曹操の2Pカラー髪の色は銀色でドリルが付いていない、しかも若干目はタレ目である。張バクに関しては、先の貧民街の出来事に痛く感動したとかで、速攻で真名を許している。他の二人に関してはこれより少しづつ関係を深め奔走の友となるわけだが、今はまだ観察段階である。

 

 「麗羽殿、あなたが何をなされるにしても何伯求に会うべきですねっ!

 今は汝南に滞在しているそうですっ!非常に人物評価に定評がある人ですよ」

 

 とは張邈の勧めである、そして袁術を茶化しに行くとかこつけて何顒の元を訪れる。

 

 「漢朝は滅びんとしている。天下を落ちつかせるのは貴方のような人物に違いないでしょう」

 何顒の邸、家の者に部屋まで通されると話し声がする、「袁氏の一方が来訪なされました」と家の者。

 「少々待たせるように」と何顒。

 「その必要はないわ、私は入ってきても構わないわよ。

 この曹孟徳が、聞かれて困るような評価を受ける筈がはないもの」

 「……お通しするように」

 「ではどうぞと」と促されるままに部屋に入ると、どっかで最近見た顔、デジャヴュ。ああ、張邈だと思い、何か大事なことを忘れていることに気づく。

 「あぁ、2Pカラーでしたわね」

 

 「「??」」

 

全く意味は通じない、北郷語はいまだ広まらず。

 

 「こちらの話ですわ」

 「そう、なら自己しょ……」

 「あなたが曹操さんですわね、噂で知っておりますわ。

 ワタクシの豪奢で美しく、優雅なヘアース……髪型を真似ているのだとか。

 いい心構えですわっ!ではもう一人が何顒さんですわね。

 初めまして、汝南袁氏次期当主の袁紹本初ですわっ!」

 

 「これはご丁寧に、何顒伯求と申しまする。

 ですが本初殿、人の言、特に名乗りをを遮るは良くありませぬ。

 除するとしましょう、五点」

 

 金髪ドリルつるぺったんの曹操と黒髪ロングの官衣を纏う片めがね。正直最初は張バクの印象の方が強かったが、だた直視するだけでにじみ出る覇気のようなもの。

 「ああ、これが曹操(ホンモノ)か」と言いたくなるほどの空気である。しかし、それに負けず劣らず独特の、清流のような雰囲気を何顒は発している。この後いくつかの「やれどこの役人は良い」、「あの店の定食は美味い」等の日常会話を三人で繰り広げた。

 

 そして袁紹、曹操二人そろって何顒邸を出る。結局人物評価は本日告げられなかったが、途中難しい話になると船をこいでいた袁紹の評価はいかほどであろうか、気になるところである。

 

 「帰りましたか、曹操125点、袁紹132点。

 曹操のゆく道は人死が多く出るでしょう、袁紹のゆく道は険しくも、いと気高き道でしょう。

 あの方は二律背反するようで芯根はよく似ておりますね」

 

 普通、何顒の評価は本人に直接告げられることなく、他人、推薦者越しに告げられることとなる。今回は両者共推薦したのは張邈であった、その後張邈と何顒は二人の人となりをよく見、考え、話し合ったのだ。

 

 「麗羽殿は優しいですねっ!」

 「友として導けば漢の世は良くなるのかもしれない、二人ともそう思える方たちでした。

 ですが、曹操は孤王である、袁紹は狐王である」

 

 そして袁紹であるが、公孫賛、曹操と出会い、この時になってようやく悟った、「ああ、やっぱり恋姫なのね」ということを……

 ちなみに話に出てきてないけどハムの人もちゃんと袁紹さんとあったんだよ?

 

 

 話はようやく戻るが、どうにかこうにか逃げ切れた彼女は曹操を睨む。態々人を待たせた挙句、結局首謀者である彼女が袁紹を見捨てたのだ。ちなみにこの日から袁紹は曹操によるトラップ祭りに強制的に参加させられることとなる。

 

 正直好きで罠に掛かるわけではないのだが、立場的に掛かっておかないと、後後左慈とか于吉とか現れて暗殺されるかもしれない、と彼女は思い違いをしていたりする。普通に賢い袁紹でも正史から外れるわけではないので、逆に彼女の有利な方向へ官渡の戦いまでは引っ張ってくれるだろう。

 

 逆に言えば官渡の戦い以降は確実にやばいわけだが。それでも正史では袁紹は官渡以降でも巨大勢力であり続けたし、彼女が死んだあとに北の袁家はあと目争いで衰退するのだ。

 

 ……あれ?これって官渡の戦い終わった後って、結局暗殺されんじゃね?

 

 

 「孟徳さん、あなたどんだけ女好きなんですの」

 「そうね、可愛い子のためなら天下をとってもいいと思えるぐらいだわ」

 「天に耳あり、地に口あり誰に聴かれても良いこととは思えない。

 滅多なことを言うべきではありませんわ、

 少なくとも城門の前に孟徳さんの首がぽんって置いてある場所なんて見たくないですわよ」

 

 

 まさしく懲りない、しかも都の中で曹操のこの発言である。後の世の日本、京の都の平家のかむろではないが、今の腐った漢王朝では簡単にお家取り潰しなどもありえる。密告を受けた役人からしてみれば、取り潰すそれだけで結構な甘い汁を吸えるのだ、この時代の合法的に。ちなみに曹操のこの言、この時代では子供にもわかるぐらいに危険だ、それ故に別段馬鹿の発言としてもおかしくはない。

 

 

 「ふふ、心配してくれるの?そうね麗羽、あなた私と共に来ない?いい夢を見せてあげるわよ」

 「遠慮しておきますわ、ワタクシ今は烏丸を抑えるのに精一杯ですの」

 「ちなみに天に口あり、地に耳ありよ」

 「も、もちろんわかっていますともっ!孟徳さんを試したのですわっ!」

 「ふふふ、そうね」

 

 

 実際彼女もあまり曹操のことが好きではなかったが、なんせ結構弄ばれているし?流石に治安も良くない世の中なので人死にも結構見たことがあるのだが、それでも親しいとも言える悪友の青白い首が無造作に転がされるのは見たくない。ちなみにさっきのミスは演技ではなかったりする。

 

 

 そしてこの一年後に彼女は侍御史・虎賁中郎将に任じられ、

 その翌年には曹孟徳と共に西園八校・中軍校尉に任じられる。

 時は後漢、更には三国時代と呼ばれ黄巾等さまざまな大乱が巻き起こる時代であった。




不思議なことがある、袁紹と打てば一発変換。
えんしょうがと打てば演唱が、もしくは炎症がとなり、えんほんしょと打てば、袁本書、もしくは袁本初、遠本初となる私のPC。

なんど訂正したことか。

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