がんば麗羽さん!リターン!?エターナルストーリー   作:髪様

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グダグダ、何か足りないのはいつものことであります。
ご指摘された、炎症→袁紹に訂正。
ついでに探している時に見つけた、遠→袁に訂正。

……追記に対しての感想返しって、できないんですよね。
さて、張郃さん?まあ、待ってください。登場してない方は本拠地で居残りなんですよ、多分。
四話より、他の袁家の有名どころは基本守備を任せ置いていく←これ


トキを知る

 いくつかの天幕を無理矢理つなぎ合わせたような大天幕、その中に数多の諸侯が集まっていた。北は公孫、南は袁術、東は陶謙、西は馬騰といった具合である、もちろんその中には曹操、劉備、孫策と言った三国志での英雄も居るには居るのだが、今はまだそこまでの地位にはいない。曹操の後ろには北郷一刀、夏侯淵、劉備の後ろには関羽、諸葛亮、孫策の後ろには周瑜、黄蓋といった名だたる将も控える。もちろん他の諸侯の後ろにもそこそこ名の知れた人が控えている。そして天幕に入っていく袁紹、彼女の後ろには田豊、文醜が付き従う。

 

 

「おーほっほっほっほっほっほっごぉごっほぉごっほぉ、(ふぅ慣れないことはしないほうがいいですね)。

 みなさん、良くワタクシ、そうワタクシ袁本初の檄に集まってくれましたわ!」

 

 

 高笑いする袁紹を冷めた目で見る諸侯、若干青筋が立っているのは気のせいではないであろう。それは何故かというと、彼らが集まって一刻、諸侯が使者を立て彼女を呼びに天幕まで向かって更に一刻ほど経っているのである、待たせ過ぎであった。もちろん態とであったのだが、彼は内心申し訳なさでいっぱいであった。

 

 

「どうでもいいけど、麗羽、さっさと軍議を始めましょ。いい加減待ちくたびれたわ、いくら名門とはいえやりすぎとは思わなくって?」

 

「何を言うのですか、孟徳さん、ワタクシそこまでみなさんを待たせたつもりはなくってよ?本来なら半日はかかるところをここまで急いて来ているのですわ」

 

「はぁぁぁ~、そうね。それでは袁本初殿、開議をお願いしますわ」

 

「これより反董卓連合の軍議を開始いたしますわ!

 おーほっほっほっほっほっほっほごぉっごほっごほっ」

 

 

この時ほとんどの人は思った、毎回失敗するならやらなければいいのにと……

ついでにやっぱり袁家は馬鹿なんだな~とも……

 

 

 それから軍議が始まり数刻、諸侯は未だに方針を決めかねていた。とりあえず盟主すらまだ決まっていないのである、何も決定しようがない。誰もが名声は欲しいが厄介事はゴメンなのである。袁紹としては袁術あたりが名乗り出てくれないかな~、やっぱり自分でやらないといけないのかな~なんて考え、欝になりながらも態とらしく自分やりたいですよオーラ(偽)とそれっぽい微妙な発言を発していた。

 

 

「そんなことなら袁本初さんがやればいいと思いますっ!」

 

 

 突然席より立ち上がり叫ぶ劉備、そしてそれを見つめる諸侯。誰だお前的な視線によく言ったぜ的な視線を一気に向けられた劉備は、小さく「うっ」と身じろぐがすぐに体勢を元に戻す。後ろでは諸葛亮が「やっぱりやっちゃたよ、この人」と、こめかみを抑えて頭を左右に振っていた。おそらくほぼ全員が彼女を盟主にしようと当然のごとく考えていたが、彼女を推せば「袁紹のことだ、厄介事を押し付けるに違いない」とこれまた当然の如く思っていた。それ故の賛辞の視線で、ほとんど名前が売れていない故の誰だ的な視線である。

 

 

「え~確かあなたは~」

「劉玄徳よ、麗羽」

「ああ、そうそう劉玄徳さんでしたわね」

 

 

 態とらしく知らない名前を思い出そうとする彼女にすぐに割り込む曹操。この時、劉備としては、檄の内容(実は袁紹の書いたものと田豊の注釈合わせて一組で届けられた)勅命であることと、洛陽の現状(悪政は袁紹が使者から聞いた内容であるが)に憂いてここまで来たのだ。早々に開放したいと考えここまで来ているのに、今の何も話が進まない状況は問題である。

 

 

「そうね、劉玄徳の言うとおりだと思うわ、麗羽、貴方なら十分盟主として諸侯を纏めることが可能なのではなくって?」

 

 

 気持ち悪いぐらいニコニコし、劉備の考えを推す曹操。もうめんどくさいしようやく生贄が出てきたんだからからさっさと決めろよ、的な笑みである。

 

 

「え~それでは不本意、不本意ながらっ!劉玄徳さんがそこまで言うならばワタクシ、そうワタクシが盟主を務めさせてもらいますわ!」

 

 

 ぶっちゃけやりたくないが、さもとてもやりたかったですよ的にテンションを上げる。正直袁紹本人、彼女は彼女でさっさと自分の本拠地に帰ってベットに飛び込んで惰眠を貪りたかった。それでもお話的にやらなければいけないのが、非常に頭が痛いところである。では今度はお話無視してやらなければいいというだけだが、そうしてしまうと今の董卓のポジションは確実に袁紹となっていたであろう。過去にマジギレして宮内で大立ち回りしたことを普通逆だが「己がやったことに反省はしていない、でも後悔はしている」的に思っていたのだ。この時少しばかり何顒のムチャぶり(反董卓連合結成の原因)に頭を抱えたい気分になった。

 

 

「それではっ!そんな劉玄徳さんに先鋒という名誉を!名誉を!与えますわ!感謝してくださいなっ!」

 

 

 劉備如き弱者ができるはずがない、やはりそうなるのかと他の者たちは思いつつそれを命じた袁紹をある者は馬鹿めと見つめ、ある者は劉備へと哀れみの視線を向ける。なんせ、名だたる優将である張遼に華雄が虎牢関には篭っているのだ。真当に当たれば、たかが平原の相と義勇兵しか抱えない劉備では一瞬で壊滅させられかねない。その他の大勢力の諸侯でも下手をすれば、正面切手城に挑めば大被害をうける恐れがあるのだ。劉備は自分の発言でやらかした失態に青ざめた。

 

 

「も、申し上げましゅっ!」

 

 

 見ていられないと思わず声を上げる諸葛亮、その顔は劉備と同様真っ青である。低いながらも地位を得、ようやく見えてきた理想への架け橋が無くなりそうなのだ。諸葛亮的には自分の首を賭けてでも、次につなげればいけないのだ。

 

 

「あら?貴方は?」

 

 

 そしてわざとらしく視線を移す袁紹。内心ではやはり来たかと、しかしこなければどういった風に兵を貸し出そうかと考えていたところである。

 

 

「劉備旗下の諸葛孔明と申しましゅっ!」

 

 

 こんなところでもカミカミである、流石はわわ軍師。もちろん本人的には笑い事ではなく、衆目に失態を晒してしまった、状況合わせて蒼白ものである。

 

 

「それで諸葛さんは何を言いたいのかしら?」

 

「私たちは一回の相でしかありましぇん!どうか袁本初さんに援助をしてもらえないでしょうか!名門である袁本初さんならきっと簡単なことだと思うんでしゅっ!」

 

 

 内容を確認し、心の中では微笑ましそうに彼女を見る袁紹。諸葛亮は結構な萌えポイントであったのであろう、本来なら絶対に蹴るようなお願いである。まあ、演義や横山三国志の影響で劉備好きの袁紹としてはもちろん融通利かせるつもりであるが。

 

 

「そうっ良くわかってますわ!え~と諸葛ほうめいさん!

 この、この名門である袁本初に何でも言ってごらんなさいな!」

 

 

 言質をとらせて、やっぱ馬鹿だわと思いつつ彼女をみる曹操達。ある意味彼女の手のひらで踊っているとも知らずにである。この中で田豊のみ、南皮の城壁の上で一人こっそり盃をかたむけ呟く袁紹を見たことがある。本来の彼女そのままで言えば、なかなかに聡明、民のことを思い、知らない者まで気にかける姿も知っている故か、とても優しい目で見つめる。優しいが何か勘違いしてる袁紹だからこそ、いつも話を聞いていないように振舞う袁紹の元に田豊はいるのだ。

 

 馬鹿のフリをする、それがお芝居であると、自分がわざと不遇に扱われているようだが、実際には田豊長年の経験もあり、田豊彼女が進言したことで民のためになることは、ほぼ全て気づけば実行されているのである。そして彼女は軍師である自分が、そんな彼女のある様に、黄昏る袁紹の姿を見るまでは気付けなかったことに恥じていた。

 

 それ故、本来の彼女の功績がなかった事になっている事にも目をつぶり、彼女がなぜ演技するのかは知らないが、袁紹が満足するまでは、もしくは自分に話してくれるまでは、袁紹を以前の馬鹿な子を扱う様に努めていた。本来なら遥かに年上である彼女は袁紹を抱きしめて優しく甘やかしてやりたかったが、それをすれば何をしようとしているかわからないが、彼女の考えを否定するかもしれないと、そうすることも抑えて……

 

 

「そ、それでは兵一万と兵りぃうと装備をお願いでますでしょうか!」

 

「へ、兵一万ですって!?」

「できるわよね、麗羽。なんたって名門なんですもの」

「曹操さんあなたねぇ!ワタクシの兵力の八分の一ですわよっ!」

「へぇ~できないの、あ、あ、あ~、名門て行っても」

「も、もちろんできますとも!」

「そ、よかったわね劉備、袁紹が一万貸してくれるそうよ」

 

 

 もちろん一万はさすがに多いな~と思いつつ、元々貸すつもりであったので、いかにも乗せられた様にする。ここまで騙せていればある意味演技チートである。ダメな方向にしか使えていなのが非常に残念な話であるが。と言っても、ただ適当に生きるだけで良いので、身の丈に合っていない賢人のふりをするよりは普通に楽である。

 

「あ、ありがとうございます、袁紹さんっ!わたし袁紹さんのことあまり良い」

「桃香さまっ!」

「いい人だってずっと思っていましたっ!」

 

 

 また、危ない発言をしそうになった劉備を諸葛亮が一喝する。本来彼女が言おうとしたことの内容に当たりが付くゆえにコントをしているふうにしか見えないが、あえて其のへんは無視して機嫌を良くする。しかし、分かっているのだろうか?以前彼女は袁紹に旗揚げの援助をしてもらっているのである。あれのおかげで本来の苦労の数分の一しかしていないことを。

 

 

「うふふ、劉備さんこれ以上ワタクシを褒めても何も出ませんことよっ!」

 

 

既に中の人は精神年齢30代(笑)の大台に乗っている、感謝されたいわけでもなかったが、流石に劉備のこの扱いには(別にオレ悪いことしてなくね?)と心の中で涙した。

二度目になるが、恋姫含め彼女は劉備好きなのである。

 

 

「七乃~これはいつになったら終わるのじゃ~?」

 

「さっすが、お嬢様!毎度のごとく空気が読めていませんっ!大丈夫ですよ、お嬢様の可憐なお声で麗羽様にお願いしたらすぐに終わらせてくれますよ!」

 

 

 ほとんど空気であった袁術、彼女の性格からしてはよく持ったほうである。袁紹が余計なことは言わないように張勲へ蜂蜜の壷を渡して交渉していたのである。本来は騒ぐなという意味で渡したのだが、まあ、それを張勲は袁紹が盟主になりたいからと、そう受けとってしまったわけだが。

 

 

「のぅー麗羽姉さまー、さっさと終われせてたもー」

「どこまでも棒読み!お嬢様のそこに痺れる憧れるっ!」

「わはははは、七乃~そう妾を褒めるでないっ!わはははは~」

 

 

「……し、仕方ありませんわねぇ。公路さんがそこまで言うなら閉議しますわ」

 

 

 結局殆ど何も話し合ってないのだが、他の優秀な諸侯と優秀な部下が勝手にやってくれるので、問題はない。袁術の発言にて頬を引きつらせ更に頭を抱えたくなったりもしたが、そのまま袁紹は天幕を出る。

 

 

 

△▼

 

 

 

 袁紹が天幕を出ると袁術もあとに続くように出るが、他の諸侯はそのまま立たずに天幕に残ったままである。ついでに言うと文醜は天幕を出、田豊もそのまま残り、袁紹達と入れ替わりに荀彧が入ってくる。

 

 

「さて、厄介なのが全員出たところで軍議を始めましょうか」

 

 

 曹操の発言であるが、非常に喧嘩を売っている。とは言っても彼女には、彼女なりに思うところがあって袁紹を退室させたのだが、それを諸侯は知る由もない。それゆえ単に、厄介払いをしたのだろうと、本当にそうとだけ思っている。

 

 

「袁家の軍勢が戦い、劉の旗印がそれを率いる、此度の戦名を得るのにはうってつけでしょう。でもね、正直物足りないと思うの、虎牢の城を落とした先にはおそらくすぐに陣があるわ。ましてや城の先は開けた地、騎馬を操る彼らの独壇場でしょう」

 

「何が言いたい、曹孟徳殿、我ら足りぬ頭に教えてはくれないものだろうか?」

 

 

 曹操の前口上を遮り、孫策が挑発混じりの質問をする。ちなみに孫堅は未だ生きており、長沙の太守をしている、策では劉表相手に留守をまかせるには少々駆け引きが心もとなかった為、堅自らが睨みを聞かせているのだ。緩く、そして軽くなっていた空気を引き締まるための曹操の前口上である。孫策まだ若く、気が短い、そのため少々空気が読めなかった。ある意味孫堅の考えは正しく、間違っていた。

 

 

「貴方は確か、袁公路の配下についている、自称孫子の末裔だったかしら。あなたの先祖の孫子の教えには礼儀がないのかしら?もしそうならば、私の知る孫子ではないわね、いえ、ここにいるどの方々が知る孫子でもないと思うわわかったのなら、出口はあちらよ?あなたの飼い主と同じくさっさと退席するのね」

 

「華琳さん、落ち着いてくださいっ!優しく、優しくっですねッ!」

 

 

 曹操も口では相当なことを言っているが、実はそこまで怒ってはいない。内心はため息をつきながら、他の諸侯の仲裁を待っていた。一応のけじめの姿勢を見せる必要がるので、そのためだけである。そしてそれを真面目にとった張邈によって取り押さえられそうになっているのはギャグなのだろう。孫策に関しては、隣に控える周瑜によって前口上の説明を受け、己のしでかしたことに顔を真っ赤にしている。

 

 

「……慈協、あなたも麗羽の後に付いていかなかったのね。と言うよりいつもに比べて静かだから、気づかなかったわ、寝てたの?」

 

「ひどいっ!?華琳殿の中で私の扱いがひどいっ!?」

 

「……はぁ、まあいいわ、その顔を見ればだいたいの察しがつくから。本題に入りましょう、袁家との詳細の打ち合わせを劉旗の者はしていただきたい、荀文若殿が任されているそうよ。

 それと、……そうね」

 

 

 少しあくどい顔をしてみせる曹操、なにか思いついたようである。さて、ここでこの場に集まった諸侯を紹介しよう。公孫家、馬家、曹家、鮑信、劉旗、劉岱、劉子恵、許攸、劉祥、孔融、張家である。参加したものはさらに居るのだが、直接参戦ではなく後方の睨みを聞かせているのみである。

 

 

「孫伯符殿、劉玄徳殿と同じくして先鋒を受け持ってもらいたい。ふふふ、どうせ、自薦するつもりだったでしょうから、大丈夫よね?」

 

腹黒華琳さん、降臨。

 

 孫家としては、出来レースとわかっている戦において兵を無闇に減らしたくはない、この戦いが終わったあとには劉表との一戦も控えているのだ。そのため彼女は、無難に戦場の後方で補給でも受け持つように母よりは言いつけられていた。曹操もそのようなこと(矢面に立ちたくないこと)は分かってはいる、だが前口上を駄目にされた仕返しをせねば気がすまないだけであった。

 

 

「……くっ!承知した」

 

「では、残りはそうね、張孟卓殿、此度の盟主である袁本初殿の奔走の友であるらしいから、煮詰めていってくださいな」

 

「ちょっ!?華琳殿っ!?許子遠殿もいるのですがっ!?」

 

「……ヒトに押し付けないで欲しいアルネ。賃金払うなら別ヨ」

 

「味方がいないっ!?」

 

 

 恋姫の主人公たる北郷一刀や、他の諸侯も結構数がいたのだが、始終空気であった、気にしてはいけない。皆、惰性で集まったいるだけ、あわよくば名声を高めようと、もしくは参加しなかったことで変な悪名など流布されては困るのだ。基本、こういうものは音頭をとって話をした者が順に利か不利を得ることができる。前者は曹操、袁紹、袁術で、後者は劉備、孫策である。だがしかし、こういったものは加減が必要であまり必要以上に不利ばかりを押し付けると、下より突き上げが来る。これは兵を要求された袁紹である。孫策の場合、先に落ち度を作ってしまったし、一番槍自体はそう悪いものではないのだ、そのため何か付けなくとも納得させられた。ここらが上手くなければ、損をするのだ。

 

 

 この後、虎牢までの先鋒とそれ以降の陣地作成の役割分担、夜の警備の分担だけを決め軍議を終えた。策などはその場の者たちが臨機応変に組み立てるのだ、備えのみ準備してその他は放置である。そして、後方からの補給が一旦届くまで、二日後を目処に開戦の狼煙が上がる。

 

 

 

△おまけ▼

 

 

田「……いや待て、許よ。なぜ貴公がいるのですか?」

 

許「甘いアルネ、お金の匂いするところに我アリ。

 自分たちだけ旨い汁を吸おうなんぞ、天帝が許しても、この許子遠は許さないアルネ」

 

華「……そういうん問題なのかしら?」

 

 

注1、うちの麗羽さんじゃなければ、さらし首ものです。

注2、というより、付いて来ていることに麗羽さん気づいてません。




テラ劉備スキーの麗羽さん。
今後、どうなるかは見ものであります。

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