隠居したわたしが訳あり少女に"幸せ"を教えようと思う 作:けーか
少し、ほんの十分ほどのことだ。
わたしは煙草を買うために近くのコンビニに行っていたわけだが。
――帰ってきてみると、ボロ布だけを被った少女が家の前に倒れていた。
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《十月十四日、
「……ふぅ」
一人で住むにはあまりにも大きい一軒家のリビングでテレビから流れる言葉を聞き、溜息に含めて煙草の煙も吐き出す。
十七年前に突如として宇宙からやってきた
しかしここ三年ほどは星堕の襲来数が劇的に減り、元来の異能犯罪を制圧する組織として機能している。
人間の醜さにはほとほと呆れる。
――それが、わたしがSEAの戦闘員を辞めた理由の一部なのだが。
「んー」
煙草がもうないんだよなぁ……。
切らしてしまっている状態は好ましくない。
「めんどくさい」
まあ、
運動をする習慣があるというのは悪くないだろう。
……運動といっても徒歩2分程度コンビニまで歩くだけではあるのだが。
《その苛烈さと美しさは、かつてERROR級を討伐した
テレキネシスで近くにあったパーカーを持ってきて部屋着の上から羽織り、テレビと照明を切る。
本当に便利な汎用異能だ。
「……よし、行ってきます」
玄関に置いてあるペンギンとミーアキャットのぬいぐるみに声をかける。
まあ、返事がくるはずなどないのだが。
「ありがとーござっしたー」
目的のものを買い終えコンビニを出る。
十歳になって
そのため毎回身分証を提示しなければならない……このぷにろりボディが憎い……。
といっても、外見が変わらないだけなので多少の不便はあれど、受け入れられないほどではない。
もう十月だというのに外はまだじっとりと暑い。
元素操作で体温の調節をしつつ、D級の星堕が見えたのでテレキネシスで潰しておく。
固有能力の発現は十歳だから放置しておけば子どもが被害にあってしまう、固有能力のない子どもでは自衛の術などない。
SEAを辞めはしたが有事の際には星堕に対して異能を使う権利は残っている。
可能性とはいえ子どもに危険があるのであればそれはもう有事だ。
――ん。
なんて言い訳をだらだらと考えているうちに、もう家が見える位置まで来たわけだが。
家の前に誰かが倒れている。
非常に面倒だが避けられるわけもないので近づいてみてみると――そこにいたのは、どう見ても大丈夫とは言えない状態の子どもだった。
私の家の前には服とも言えないボロ布を被った、汚れのついた白色の髪をした少女。
絶対に訳アリだ。
さっきニュースで見た違法異能研究の被験者とか。
どうせ雑に組織を潰して被験者の保護をおろそかにしたのだろう。
状態は――まあ、大丈夫ではない。
大量の薬物なんかで状態を安定させていた被験者が放り出されれば野垂れ死ぬだけだ。
救急を呼んで間に合うとも思えない。
うーむ。
こんな小さい子どもを家に連れ込むのは、すごく後ろめたいようなことに感じてしまうのだが。
これも、どうみても有事だろう。
……とりあえず、わたしが家で応急処置を施そう。
酷い状態ではあるが、わたしであれば
「んしょ」
少女の身体をテレキネシスで持ち上げて家の中へと運び込む。
んー、とりあえずは客間のベッドに寝かせるか。
客間まで運び横にして、改めて状態を確認する。
……本当に小さい、そして細い。
わたしとあまり変わらないんじゃないだろうか。
外傷は特に見当たらないが……エナジーがほとんどなくなっている。
エナジーは人間が固有、汎用問わず異能を使った際に消費するエネルギーだ。
完全になくなれば死ぬ、とまでは言わないが命に別状が出るほどの大事ではある。
まあ、これはわたしのエナジーを分けてあげれば問題ない。
肌が触れあっていればエナジーの受け渡しは誰でもできるため、指で少女の手に触れ、少女の許容量を超えない程度にエナジーを流し込む。
――さて、問題はこれからだ。
エナジーを流し込んだときに少女のエナジーの流れに異物感があった。
おそらくというか、やはり異能由来の薬物を投与されているのだろう。
だいたいはわたしのエナジーを流し込んだ時点で取り除けたがまだ少し残っている。
テレキネシスで排せつ物にごと、という手段もあるが……少女の尊厳のためにも避けたい。
……少し荒療治ではあるがエナジーだけをもう一度抜き取り、流し込む。
この工程を少女のエナジーから薬物が取り除かれるまで繰り返す。
わたしが少女の身体に巣食う薬物を受け入れることにはなるが――この程度では、きっと煙草と同じで、わたしを/に
よかったら今後も読んでくれると嬉しいです。