スーパーコーディネーターの悪友   作:アオノクロ

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 職場が職場なのでズボラになりシャワーは少なく徹夜も多く、あれ着替えたっけ? 落とされたと聞いて生活が悪化、聞き覚えのある声に目を覚ませば目の前にバカの顔。

 というアサギの心境やいかに。たぶんよれよれシャツで汗の香りがしそう(作者の趣味)

 これより曇らせを晴らすターン! にならないやもうちょっとあるわ


運命の力、伝説の出会い

 深夜、ある田舎に建てられた豪邸。

 

 風に揺られた木の葉の間で、黒い影がうごめいている。

 

「位置につきました」

「よし、やれ」

 

 突然の砲撃音、飛来したミサイルの雨は豪邸に振り注ぎ闇の森を爆炎で照らす。

 

 

 

 

 

 数日後、急遽呼び出されたロゴスのメンバーたち。本来アズラエルが映る場所には、新たにブルーピリオドの盟主を名乗る男が現れた。

 

『…………何が目的だ』

「目的? そんなものひとつだけでしょう」

 

 日に日に過激になっていく反ロゴス活動に頭を悩ます彼らを前に、

 

「皆さんだってお困りでしょう? さぁ、これより薄汚い宇宙人を地球から追い出しましょう」

 

 大層な夢を語る男を傍らにいた猫は、薄目を開けて眺めると再び眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 ジブラルタルへとたどり着いたミネルバ、大規模作戦のためかこれまでにないほどに部隊が集結している。

 

「やぁ、先の戦いの活躍ぶりは聞いているよ」

「! デュランダル議長」

「久しぶりですわねアスラン」

「みっ……ラクス」

「これはこれは、プラントの代表議長と世界に羽ばたく歌姫様の出迎えとは」

 

 呼び出されたシン、アスラン、ハイネの3人を出迎えたのはデュランダルとミーアだった。

 

「3人ともご苦労だったね。特に2人はかなりの活躍をしたと聞いた。本当に素晴らしいと思うよ」

「ありがとうございます」

「…………ます」

 

 国のトップによる激励の言葉だがハイネは堂々と、シンは浮かない顔で返事をする。

 

 ハイネの言葉によって心の器が崩壊することはなかったが、それでも親しくしていた相手を自分が貫いたことに変わりはない。忘れるためなのかそれとも別の理由なのか、空き時間があればひたすらにシミュレーションにのめりこむ日々を過ごしていた。

 

「ふむ目の下の隈ができているようだが、キミのような腕の立つパイロットでも健康を損なうのはよろしくない。ちゃんと休んでくれ。とは言ってもこれからまた働いてもらおうとする相手の言葉ではないがね」

「いえっ、そんな…………自分が悪いだけなので」

「ふふ、あまり休みも与えられず大変申し訳なく思っているよ」

 

 雑談を挟みながらも進んで行く先はモビルスーツ格納庫。

 

「君たちの新しい力だ。ぜひ受け取って欲しい」

 

 照明によって照らされたものは2機のモビルスーツ。

 

「!」

「これは…………」

「へぇ…………」

 

 色の付いていないディアクティブモードのせいで全体像は見えにくいが、どこか見覚えのある装備を背負う機体に、折りたたまれた翼を持つ機体。

 

「ZGMF-X666Sレジェンド、ZGMF-X42Sデスティニー。アスランにはレジェンドを、シンとここにはないがハイネ、2人にはデスティニーを」

 

 静かに佇む伝説と運命の機体。不敵に、困惑を、食いしばるように見上げるパイロットたち。

 

「…………ユウキ・イチノセの事は残念だった」

「⁉」

 

 それぞれが思いにふける中投げ込まれた言葉。あえて触れずにいたのだが、この場にいる中で一番驚いているのはポーカーフェイスを崩さないアイドルである。

 

「彼はいいパイロットだった…………それでも袂を分け、敵となって立ちふさがった」

「議長! アイツは…………!」

「あぁ、キミは古い知り合いだったね……………………そしてミネルバでは交友を深めていたとも聞いた」

 

 声を荒げるアスランを見ながらもデュランダルの視線は、俯く最年少のパイロットに向けられている。

 

「最初に言っておこう。シン、君は悪くない」

「⁉」

 

 思いがけない言葉に顔をあげると、穏やかに微笑むデュランダル。にこりと微笑むと、真剣な表情へと変える。

 

「ザフトに入れたのも、撃墜命令を出したのも私だ…………責任はすべて私にある」

「いえっ! そんなことは!」

「ありがとう、しかしどう言葉を変えようとも全ては現状を元に思考し、決断を下した上司である私の元にたどり着く」

 

 揺るがない意思が言葉の節々から感じられ、シンも否定しようにも口を閉ざすしかない。

 

「…………言い訳にはなるがこれもプラント、ひいては世界の平和のためにと考えた」

「……………………」

「戦争がはじまらなければ戦わずに済んだ…………しかし始まってしまい、無抵抗でやられるわけにもいかない。戦うという決断を下した私の責任である…………新しい力を得ようとしたのも」

 

 見上げた先には目覚めを待つデスティニー、これもまた争いの種であり同時に平和への道具でもある。

 

「いくら平和を目指そうとそのためには力がいる。しかし私ひとりでは力が足りない…………すまないが平和へと歩んでいくためにも、ろくにモビルスーツを動かせない私のために…………力を貸してもらえないだろうか」

 

 強い意志を持ちながらも不安げに自分を見るデュランダルを見てシンは決意した。

 

「…………はい。おれ、いや自分でよければ手伝わせてください!」

「まぁ軍人なのでね。そう言われたら断れませんよ」

「……………………ありがとう、とても心強いよ」

 

 2人を嬉しそうに眺めるデュランダル、明るくなったシンとハイネを交えて雑談を交わしながらもその視線は取り残されているアスランに向けられていた。

 

 

 

 その日の夜、雨音が響く部屋の中でアスランはもの思いにふけていた。

 

 後ろで聞いていた議長の言葉、シンの決意にハイネの軍人としての在り方。どれも自分にはないものだ。

 

 何のために? 何をもって? 考えても見つかることはなく、頭の中で答えのない思考の渦に閉じこまれていく。

 

「アスラン? いらっしゃいます?」

 

 突然の声に目を開く。

 

 少し眠ってしまったのかもしれないと目を擦りながら扉を開けると、

 

「…………ミーア?」

「少し、話せませんか?」

 

 見覚えのある顔があった。

 

 

 

「えっと、久しぶりね…………元気だった?」

 

 ラクス・クラインの偽物としてデュランダルの元でアイドル活動をしているミーア。アスランが会うのは数回目なのだが、どう見ても様子がおかしい。

 

 ニコルがいたからなのかもしれないが、以前のようなはつらつとした雰囲気がない。物おじせずなんでも聞いてくるような性格のはずだったが、表情に陰りが見えている。

 

「まぁな…………ニコルはどうしてる?」

「あ、ニコルはちょっと別用で離れてて…………きゅ、急に押しかけてごめんね?」

「いや…………問題ない」

 

 顔を逸らしたり指をからませたりと、普段とは違う意味で落ち着きがない。

 

「? なにか用事があるんじゃないのか?」

「え、まぁそう、なんだけど」

「外向きでは婚約者だが、あまり居続けるのも良くない」

「うん、そうなんだけど…………」

 

 何度か深呼吸をし、最後に大きく息を吐きだすと、意を決したように口を開いた。

 

「ユウキが裏切ったって…………死んだって、本当なの?」

 

 知り合いと似た顔で、キレイな肌を青ざめて聞くミーアを前にアスランは、

 

 

 

「はぁ……………………あのバカは…………」

 

 諦めたように天を仰いだ。

 

「え、あ、ごめん何かダメだった⁉」

「いやいい、問題は…………ないわけではないが、キミが気にすることではない」

 

 硬くなっていた全身から力が抜け、崩れるように近くにあった椅子へ背中を預ける。

 

 これまでの自分の悩みがバカバカしくなった。目の前でおろおろとしている少女は偽物の役を押し付けられた。それがどうした、まさか本物と同じ道を辿るなんて誰が思っていただろうか。

 

「ね、ねぇ、さっき議長が」

「…………あぁユウキはミネルバから脱走し、シンに討た……れ…………」

「それって…………死んだ……………………の?」

 

 悲痛な顔のミーアだがアスランには見えていない。

 

 そうだ、コンコルディアを貫かれた。爆発に巻き込まれた。

 

 じゃあユウキは死んだのか? 本当に?

 

 衝撃過ぎる光景に焦燥したシンを見てそうだと思っていたが、あのバカがあれくらいで死ぬのか? 自爆しようとしたブリッツをかばい、ニコルを助けて生き延びた。ジェネシスの爆発に巻き込まれながらも元気に帰ってきた。

 

 思い返せば最後はキラがかばっていた。

 

 キラだって同じくらいの状況から生き延びていた。

 

「そうか、そうだよな」

「あ、アスラン?」

「アイツらがそんな簡単にくたばるもんか」

 

 何を悩んでいたのだろう。目に力を取り戻し立ち上がるアスラン。落ち込んだり立ち上がったりとついていけないミーアは目をパチクリと見ることしかできなかった。

 

「えっと、ユウキは」

「生きてる。確かにシンを相手に不覚を取ったが、あの程度で死ぬタマじゃない」

 

 ミーアだけでなく自分にも言い聞かせるように力強くつぶやく。

 

 ならば自分のすべきことは、

 

「ミーア、あのバカとどのように知り合ったのかは知らないが、心配しなくていい。どうせ元気だ。友人と一緒にな」

 

 流石というべきか、事実である。現在はモルゲンレーテ社でこれまでにないほどに訓練をこなしている。怪我も治りきっていないのにも関わらず、シミュレーションや訓練を始めている。周りからはバカ同士だと思われていた。

 

 なお眺めていたカガリは、言い切った本人も同じ状況ならしてるだろうなと思っていた。本人たちだけが認めていないが3バカと呼ばれている所以である。

 

「ここでの事は聞かなかったことにして、戻った方がいい」

「え、あ、うん。アスランはどうするの?」

「これからのことを考える」

 

 部屋を出ていくミーアを見送り、先ほどとは打って変わって持ち前の優秀な頭脳を発揮し始める。

 

 このままザフトにいるべきか、オーブに戻るか、その前にどうにか連絡を取る方法はないか。

 

 迷うことなく動き出そうとしたアスランだが、遮るようにノックされた。扉を開けると飛び込んできたのは先ほどまで部屋にいた人物。

 

 素早く部屋に入り込み扉を閉めるとアスランの胸元に飛び込んだ。

 

「? ミーア、どうし「アスラン今すぐ逃げて!」⁉」




 seedシリーズってズラが動き出すのとストーリーが動くのって同時なんですよね。やっぱりseed界いちfreedomな男は違うぜ。

 ここまで溜まってたあれこれを吐き出す流れが来ました。筆がノリノリになります。

 いつも感想や誤字報告、ここすき等ありがとうございます。励みになっています。


 ふふ、ニコルに教えてあげなきゃ。あれ、これってアスランの写真?

 ────ご機嫌な偽物のアイドル
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