スーパーコーディネーターの悪友   作:アオノクロ

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 ふへへ、温度差がすごくて風邪をひかせようとはしてません。ガンダムかくならガンダムパート入れたいもん! というわけでしばらくガンダムパートです。ギャグもちゃんと入れようとは思ってます。



 投稿時間ミスったのはあるけど感想減っちゃって不安なので、良し悪し込みで感想くれると嬉しいです、ハイ。


慟哭

「へーじゃあプラントだとクアットはないんだ」

「そうですわね、私が知っているものだとフラクションとか」

「どんなのどんなの?」

 

 食堂ではラクスとフレイ、それにミリアリアの三人が化粧品の話で盛り上がっている。三人寄れば姦しいとは言ったものだが、それ以前に会話についていけない男子たちは離れた席で眺めるしかなかった。

 

「……………キラ、コーディネイターなんだろ? 通訳とかできねぇの?」

「ごめん女子の言葉ならサイのほうが詳しいと思う」

「無茶言うな。ついていけないからフレイと買い物に行ったことないんだよ」

「じゃあどこ行ってるの?」

「防犯グッズ店」

 

 何を話しているのか分からないし割り込む隙間もない。ただ仲いいなーと眺めるしかできなかった。特に割り込む必要はないのだが、一応ラクスの見張りとしてフレイが付き、その手伝いを学生組がするとマリューから頼まれている。とはいえ別に暴れることもわがままを言うこともないので女子に任せているのが現状だった。

 

「ごちそうさまでした。じゃあボクはそろそろ部屋に戻るから」

「おう、ゆっくり休めよ」

 

 カズイとあいさつをして食堂を出るキラ、それに気が付けたのは偶然だったのか、必然だったのか、彼女自身にも分からなかった。

 

 

 

「ふぅー」

 

 ストライクの整備にホワイトのOSの調整、その他もろもろとやることが多かったキラは久しぶりに自室で休んでいた。キラは断ったがムウがパイロットの負担は大きいからいいベッドで休めと、個室を用意してもらっている。ユウキもあるのだが定期的にムウの監視が入っている。部屋の主は文句を言ったが艦長に聞き入れてもらえなかった。たまに見つかった変な道具を没収されている。

 

 確かに避難民たちのベッドとは違い柔らかく程よい硬さが寝やすい。横になって目をつむる。瞼の裏にはここ最近の忙しい日々が映りだす。

 

 脳の海馬に残った記憶が逡巡し、現れては消えていく。

 

 と、過去の記憶を掘り起こしていると扉の音が鳴った。

 

 ベッドから降りて扉を開けると、

 

「フレイ?」

「ちょっとお邪魔するわね」

 

 

 

「急にどうしたの?」

 

 ベッドに座ったキラの顔を、フレイがポーチから取り出した化粧品で塗っていく。何が何なのか分からないが、分からないのでなすが儘にされていく。そういえば自室に異性が来たのは初めてかもしれない、そんなことに気が付かないほどキラは困惑していた。

 

「さっき話してて思い出したけど、化粧品も期限があるのよ。もったいないし使おうかと思って」

「なんでボクなの……………」

「いいからじっとしてなさい」

「ハイ」

 

 なんかいろいろと聞きたいこととかあるがなにもできない。たとえコーディネイターであろうと女子には勝てないのだ。どれだけ弄ろうが変わることなく遺伝子にはそう刻まれている。

 

 しばらくの間、化粧品をあつかうカチャカチャといった音だけになる。なすが儘にされているが、不思議とベッドに寝転ぶよりも気が楽だった。

 

「とりあえずこんな感じね、どう?」

「どう、と言われても……………」

 

 差し出された手鏡で自分の顔を見てもよく分からない。肌の色が少し違う、ような気もするが気のせいかもしれない。角度を変えてみてみるがどこが変わったのかもよく分からない。化粧品に疎い男子などこんなものだ。

 

「目の隈が濃くなってたからその辺と、まつげも少し整えて」

 

 解説もしてくれてるがよく分からない。とりあえず頷いておく。そして理由を聞こうと口を開きかけた時、

 

「キラ、さっきのご飯食べる量減ってたわよ」

 

 フレイが先に口をはさんだ。

 

「……………気のせいじゃない?」

「気のせいじゃないわ、最近いつも食事を配ってるのはわたしなのよ」

 

 ほかの学生組と違って機器の扱いも女子ゆえに腕力もないフレイは、食事の配給や掃除、医務室の手伝いなどの雑務をしている。軍服こそ着てないものの、赤い髪のおねーちゃんと避難民からも顔を覚えられており、軍人たちとの話でも間に入ることで納得してもらったりしている。

 

「今日はたまたまラクスがいたから自分で用意してもらったけど、いつもより食べるのに時間がかかってたし量が減ってたわよ」

「……………たまたまだよ」

「それにね、さっきも言ったけど隈がひどくなってたの。ねぇ、ちゃんと寝てる?」

 

 心配そうに顔を覗き込むフレイ、じっと見つめるその顔に大丈夫だと言いたかったが、自分を真っすぐに見つめる瞳に噓をつける強さはキラにはなかった。

 

「…………………………ボクは、ユウキがすごいと思ってる」

 

 絞り出すように出された言葉、普段なら何か反応をするのだが何も言わずにキラの言葉をフレイは待った。

 

「昔知り合ってから、ずっとユウキが変なことを考えて僕を巻き込んで、大人の人に怒られたりして、それでもめげずにいろいろな遊びに誘われたんだ。

「ボクはまぁいろいろできるんだけど、たまにコーディネイターだから、そう思われることもたまにあったんだ。

「でもユウキを見てたらバカらしくなるよね。なんでも思いついたらやってみて、できないことはできるように工夫して……………秘密だけどけっこう憧れてるんだよ。ほんとに秘密だけど。

「……………ヘリオポリスが巻き込まれた時も、ボクが動けたのはユウキがいたからなんだ。この程度のこと、普段巻き込まれたことに比べたら、ユウキがいるから、みんながいるからって。

「でもダメなんだ……………はじめてジンを倒した時、さっきもカズイを助けるために撃った時、もういやだって思っちゃったんだ。

「戦争だからって、死ぬかもしれないからって、ボクは人を殺したんだっ…………………………!」

 

 いつの間にか歪んでいた視界、ぽたぽたと落ちる暖かい何かが膝を濡らす。

 

「もういやなんだ! このまま何事もなく家に帰りたい! お父さんとお母さんに会って! ユウキやフレイやみんなと遊びたい! くだらないことをして、笑って怒られて、戦いたくなんてないんだっ‼」

 

 初陣で敵モビルスーツを撃破、軍人としては誇るべきことだがキラはまだ子どもだった。同い年の軍人が戦っている世界だが、同時にただの学生も存在する。そんなキラは戦争で生き残る力はあったが戦うには心が優しすぎた。

 

「でもボクが戦わないと! ユウキも! ムウさんも! みんなも、マリューさんたちだって死んじゃうかもしれない!」

 

 突然巻き込まれた非日常、だが運よく普段と変わらない友人たちがいた。頼りになる仲間ができた。それはゆっくりとマヒしていたキラの心を落ち着かせ、戦争を実感させた。

 

「……………イージス、赤いやつには昔の友だちが乗ってた」

 

 続けてこぼれた言葉には、静かに聞いていたフレイも思わず目を見開いた。

 

「キラ……………」

「同じ仲間だから戦わなくていいって、一緒に来いって言ってくれたけど! そうしたらみんなは、ボクは‼ ……………………うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」

 

 うつむいていた顔を膝に落とし、両手で頭を抱える。その手を、頭を優しく温かいものが包み込んだ。

 

「……………ごめんね、私たちキラに頼りっぱなしで」

 

 悲痛な顔で静かに告げるフレイ。思ってもいなかった、いやよく考えれば分かっていた。あんなのとつるんでいるがキラは優しく、たまに宿題をさぼったり友達といたずらをする程度の普通の学生なのだ。心の中で頼りっぱなしになっていたことに、ようやく気がついた。

 

「……………ちがうよ」

 

 うめき声と涙が少し収まったキラがフレイの言葉を否定する。

 

「え?」

「ボクらが一番頼りにしているのはユウキなんだ」

 

 顔をあげ、赤くなった目がフレイを見つめる。

 

「何かあった時、真っ先に動くのはユウキなんだ。仮に、仮にボクが戦いたくないって言えばユウキは何も言わずにひとりで行く」

 

 ほぼ毎日いたずらをして、怒られそうなら友達を囮にし、何かあれば年齢性別関係なくケンカをするバカ。それがフレイの印象だ。もちろん間違ってはいない。間違ってはいないのだが正確には少し足りない。その少しを、一番知っているのは一番付き合いの長いキラだけだ。

 

「ごめんね、こんな事聞かせて。もう大丈夫だから………………少しすっきりしたし」

 

 赤い目のまま笑うキラ、そのまま立ち上がろうとした手をフレイが掴んだ。

 

「フレイ? 今更だけどサイがいるんだし、あんまり部屋にいるのは「そんなことどうでもいいわよ‼」え」

 

 彼女のイメージとは違う大声に驚いて力が抜ける。そのまま引っ張られ、コーディネイターでも反応できないほどのすばやさでフレイの膝に寝転がされた。

 

「いいから寝てなさい!」

「え、でも」

「戦うなって言いたいけど、また戦うんでしょ!」

 

 その言葉に何もいえず、目を細めた。

 

「……………ユウキばっかりに頼ってたらダメだからね」

「だからよ!」

 

 赤くなった目元をなでながらフレイは呼吸をして荒くなっていた呼吸を整える。

 

「あのバカが無茶するっていうなら、キラ以外に助けられるのはいないのよ」

「フレイ……………」

「悔しいけど、私も、たぶんサイたちもできない。軍人さんたちは強いだろうけど、まだ付き合いは短いし」

 

 目を細めてキラの髪をなでる。

 

「私たちを、じゃなくてユウキを助けなさい」

 

 その言葉にキラの眼が見開く。

 

「実際にモビルスーツに乗ったりはできないけど、みんなできることをしてるわ。だから、キラはユウキを助けたら良いわ。それはキラにしかできないから」

 

 キラの身体から力が抜けていく。ゆっくりと意識が沈んでいく。

 

「ごめんね、頼りっぱなしで」

 

 ありがとう、そう呟かれた口を最後にキラの意識は沈んでいった。フレイの膝の上で静かに寝息が響く。

 

 キラの髪を撫でながら、思ってもいなかった告白を受けてフレイの表情は暗くなっていた。目の前の優しい友人、そしてコッソリ無茶をしていたバカのことも、どうしたら良いのか頼りない頭で考え出す。

 

 

 

 少しだけ扉が開いていた部屋の外ではトール、サイ、カズイ、ミリアリアがいた。

 

「……だってさ、良いのかサイ? 婚約者膝枕してるぞ」

 

 カズイがふざけた口調で隣にいるサイに話しかける。それに対して肩を竦めながらサイは答えた。

 

「親が決めたことだしね、付き合っているのかもあやふやな関係だし。もし好きな相手ができたって言われたらどうしようもないよ」

 

 カッコつけやがってとカズイが軽く蹴ると、笑いながら蹴り返す。

 

「………俺たちが急にモビルスーツに乗って、バッタバッタと敵を倒したりなんてできないんだよな」

「誰だってそうよ、マリューさんたちだってね」

 

 整備士用のツナギを着たトールの呟きにミリアリアが答える。何故か整備の手伝いをしているが、そのおかげかモビルスーツには詳しくなった。だからこそ分かる。操縦できるだけでなく、戦闘ができる二人はすごいと。

 

「フレイも言ってたでしょ、だからできることをして助けるのよ」

 

 ため息をついたり笑ったり、何を思ったのかは分からないがとりあえず友だちを助けようと思いそれぞれの場所に戻る。

 

 

 

 

 

「あら?」

「なんでひとり?」

 

 そのころ食堂では二回目の出会いを迎えていた。




 はいガンダムしてました。メンタルつよつよキラくん? 原作より強いですけどダメージは喰らいますよ、じゃないとキラじゃないですし。

 やっぱね、地獄の世界で「それでも!」と叫ぶのがガンダム主人公ですよ。

 かの先生も言ってます、最高の希望と勇気は最高の絶望とトラウトを与えてからと。いやあっこまでいきませんけど、妹の命で槍作ったりしませんし。条約内でのバッテリー作る世界だけど。


 おまけ

 赤いの「そういえばキラって肌綺麗よね」
 スパコ「え、そう? あんまり意識してないけど」
 赤いの「ラクスもそうだし、やっぱコーディネーターって」
 冷や汗スパコ「いやいや! それいうならナチュラルに肌キレイなフレイはもっとすごいよ!」
 るんるん赤「そう? ありがと!」



 それ若いからじゃんと言ってボロボロになった主人公「」
 艦長と副艦長の鬼の形相を見ていた鷹「ヤムチャしやがって……」
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