…………原作でまさか二十歳にもなってない娘をとりこんで権力とるだけでなく、裏でブルコスと繋がってザフトと戦おうとする愚者がいるとか思わなかったんだろうね。うん、やらかしの擁護はできないですけど、さすがにしないだろを更新していくC.E.が酷すぎると思います、はい。アカツキとかいう超ファインプレーもありますし。
「……………………なんかおかしくね?」
「そう? 持っていくのにパイロットはいないとだし、別に操縦できるでしょ? 多少はあるかもだけど戦闘する予定でもないし」
「いやそれはいいんだけど、ズラに持っていくのめんどくせぇなぁとは思うが」
「じゃあ何がおかしいの?」
「…………なんでこんな小さく固まってんの?」
「……………………邪魔にならないようにするためじゃない?」
「いやもう少し手足伸ばすか、というか膝に乗って俺ごとベルトつけねぇと危な」
『進路クリア! くっちゃべってないでさっさと行ってこい!』
苛立ちの含まれたバルトフェルドの合図によって追い出されていく2機のモビルスーツ。重力にひかれながらも、乱れることなくに並び立ち地球へと向かっていく姿には、同じモビルスーツパイロットとして見事としか言いようがない。だというのに出撃前の会話を思い出すと、搭乗している3人が世界でも有数の実力と影響力を持っているとはとても思えず。呆れたため息を吐き出すバルトフェルドの横でアイシャは笑っていた。
2年前のオーブ解放戦線、ホワイトに乗っていた少年から渡された通信機を使い、指示されるままにブリッツによって連れていかれたのは地球軍艦隊の1隻。
オーブと共に燃えていこうと決意していたのだが、それをするのなら全ての島を蹂躙すると言われ恥とともに生き残ったウズミ。
「どうも、こうしてお会いするのは初めてですネ? オーブの獅子、ウズミ・ナラ・アスハ」
豪華な部屋で待ち受けていたのはにこやかに笑うブルーコスモスの盟主、ムルタ・アズラエル。食えない男だ、と思いながらもまず言うべきは、
「そうなるな。まずは命を助けていだたいたことを感謝、すべきなのだろうなムルタ・アズラエル」
「いえいえ、構いませんヨ」
「では聞こうか、要求はなんだ」
「お早いですねェ。お疲れでしょうし、コーヒーでも飲んでひと息つきませんカ? うちの秘書が入れるコーヒーは絶品ですヨ」
肌がぴりぴりするほどの威圧感を全身から発するウズミだが、受け流しながら手元のコーヒーに口をつけるアズラエル。一瞬だけ目を向けると、静かに口をつけた。軍用の流用品ではなく、アズラエルが持ち込んだそれなりのカップであったが、見劣りすることなく品のある動きで味わった。
部屋につけられたモニターには燃えあがるオーブが映るも、視線が揺らぐことなく、表情を変えることもなく静かにアズラエルを見続けている。
「……………まったく、少しは手加減してくれてもいいと思うんですけどねェ? いちおう命の恩人ですよ?」
「アズラエル殿には構わないとおっしゃられたのでな」
「こりゃ失敬、一本取られましタ。ではでは」
タハハと頭に手を当てて笑うアズラエルだが、笑い終えると両手を重ねて膝に置き射抜くほどの鋭い視線をウズミへと向けた。
「ビジネスのお話をしましょウ」
姿勢も表情も何もかも変わることなくアズラエルの言葉を受け止める。
「こちらが要求したのはブルーコスモスを解体して、次に設立する組織とオーブとの協力。戦争での被害を考慮せず、にネ」
「混乱するであろうオーブの援助と引き換えにな」
飛び立つアカツキを見送ると、歩き出す2人。隣にはキサカとエリカ、そしてアズラエルの秘書をしていた男性のコーディネイターが付き添っている。
「まーこの方の頑固なこと、援助するというのに細かい条件を確認しては突つかれて、ホントに大変でしたヨ」
肩を落として苦労したと言いたげなアズラエルだが、その実ウズミでなければ気づけなかったであろうオーブ運営の口出しの権利などをちゃっかり潜らせており、油断も隙も無いとため息をついたのは十を超える。
なおアズラエルとしては、久しぶりに骨のある相手との交渉を楽しんでいた。
「飲み込むよりも私を
「いやだなぁー、人命第一だからに決まってるじゃないですカ」
睨むウズミにケラケラと笑うアズラエル。エリカとキサカが秘書に目を向けるが、コーディネイターとしての身体能力を活かしてすばやく目を逸らされた。
とはいえアズラエルがカガリへの援助を用意すると、ウズミはそのように甘やかさなくて良いと口を挟む。援助、とはいえ実際は地球軍の接収を防ぐのが主であったが、この援助を貰いどう動くのかを見極める。という親からの試練に近かった。国の事を考えれば乗り越えられると信じていた側面もある。
それゆえ、アズラエル自身はどちらでもいいとは思っていたが、ウズミ本人には顔をあわせるつもりはなかった。間違った選択、自分もあずかり知らぬところで地球軍へと協力していた氏族、政治家として威厳こそ出していたが、キラやユウキのような少年を戦争へと巻き込んだ責任は常に腹の中で抱え込んでいた。
このような自分が表に出ることも、国を率いてはいけない。その思いがあるが故に、娘にも会わず陰から見守るだけにとどめておこうと、そう決めていた。
が、世界はそんな甘えを許さないほどに争い続けていた。
オーブはカガリの失脚を狙うものばかりであった。
「ボクとしてもここでオーブが沈んでは困るのでネ」
自身の持っていたパイプを伝いブルーピリオドの人員をスカンジナビアへと避難させ、前線への見極めを求めるアズラエルと共にオーブへ戻ってきた。
「……………………カガリ、お前はもう」
自分の胸元で泣きはらした顔を洗い、ムラサメ隊へと指示を飛ばしてアカツキへ乗り込む姿を見て確信した。
心配で戻ってきたのは野暮であったと。
「…………家族が無事ってのは、大事なことですヨ」
環境がゆえに利権がらみの政略結婚ではあったが、仕事中に無事に生まれて母体も無事だと聞いて安堵したのを覚えている。
どの口が、とは思いはしたがその場にいた誰も口にすることはなかった。
「南海岸地区、ザフトのモビルスーツが多数上陸!」
「ムラサメの防衛部隊突破されます!」
「住民の避難未だにおぼつかず、このままでは被害が‼」
かろうじて、という言葉すらも優しくなるほどに攻め込まれていくオーブ。あらゆる海岸ではザフトのモビルスーツが上陸し続け、ユウナの元へは崩壊への足音が被害報告となって積み重なっていく。
ユウナの顔が沈みかけた時、
「複数のモビルスーツ接近! …………信号はタケミカヅチのものです‼」
飛んできた報告に全員が顔をあげたその先に、
『わたしはオーブ連合首長国代表、ウズミ・ナラ・アスハの娘、カガリ・ユラ・アスハ‼』
オーブが待ち望んでいた日が顔を表した。
『国防本部! 聞こえるか!』
待ち望んでいた声に司令部の人間たちの顔が明るくなる。喜びの声をあげるよりも早く、駆け出してマイクを掴む影があった。
「はいはいこちら国防本部ユウナ・ロマ・セイラン‼」
オペレーターの横から伸ばした手で乱暴に掴むと、食い入るようにオタクにも負けない早口でマイクへと語りかける。
『ユウナか、私をオーブ代表カガリ・ユラ・アスハと認め指揮権を譲渡するか?』
「あぁ! オーブ代表代理、ユウナ・ロマ・セイランが認める。君は本物のカガリだ!」
ユウナの声はマイクを通し、オーブ全域へと広がっていく。
「カガリ様!」
「カガリ様だ‼」
「代表がご帰還なされた!」
まとまりのない指示、焼かれていくオーブの大地、国を守れない歯がゆさにやりきれない怒りによって下がっていたオーブ軍の士気がみるみると上がっていく。
「カガリ様のためにも!」
「お前らなどに負けるかっ‼」
状況が好転しているわけではないが、それでも各戦場では息を吹き返したかのようにザフトの侵攻速度が緩やかに落ちていった。
「…………カガリだと?」
「ふんっ、あんな小娘が戻ってきたところで何も変わらん」
ひっそりとセイラン家から出ていたウナトとジブリールだが、気に留めることなく車へと乗り込む。太陽ではない光の方向を一度だけチラリと見ると、猫も飛び乗るとドアが閉められた。
(よし勝った!)
カガリとの通信を得てユウナはそう確信していた。
(絶対的なピンチの時に現れた国のヒーロー、しかも正当な後継者とくれば士気も上がるし命令もきちんと出せる)
マイクを掴み真剣な表情をしているユウナだが、その内心ではほくそ笑んでいる。
(このままザフトを追い返し、ゴタゴタが落ち着けば戦犯としてやり玉にあげられるだろう。処刑、は流石にないと願いたいけど政治の椅子から落とされるのはほぼ確定)
防衛の指示を飛ばした時以上にユウナの脳みそは今後の人生について、どう怠惰なゲーム生活を送ることができるか、それだけを計算するために使われていた。
(ぼくのゲームIQ53万の頭脳によれば! いつかのユウキと遊んだポ〇モンバトルの時と同じ! お互い残り1体で、相手はステロで削れたゴウカザル。こっちも体力が削られているけど防御ランクと特攻が上がったブリジュラスでトリックルーム状態! りゅうのはどうで外れもなく、勝ちしかない‼)
周囲にいた者たちはボンボンだけど根性はあるなぁ、と評価していたのだが、キモチの悪い笑いを見てやっぱりないかもと評価を更新していた。なお本人は笑っているつもりはない。
『では命令だ』
拘束でもされるのだろうか、しばらくは無理かもしれないが差し入れでゲームがあればいいなと考えていたユウナ、
『少しの間前線を整える。もうしばらく指揮を任せたぞ!』
「え」
『戻ってきた時のために情報をまとめておいてくれ、頼んだぞ‼』
そう言ってムラサメ隊と共に飛び去っていくアカツキ。
グフやザクに囲まれるも、ヤタノカガミ装甲でビームを跳ね返し撃墜していく姿に歓声があがる。
「さ、ユウナ様もうしばらく働いてもらいますよ」
肩に手を置かれたと思えば両側から抱え上げられズルズルと連れ戻されていく。
(…………そういえばマッハパンチ急所で負けんだった…………)
死んだ魚の眼となり、再び洪水のように浴びせられる情報をどうにか捌き続けていった。
平穏はいまだに遠い。
アズラエル「この先オーブにも協力してほしいので生きててね」
ウズミ「分かった、だがそこまで甘やかさなくていい」
という契約でした。流石にないやろ、と思ってたら、
「「えぇ…………そんなバカなことする…………?」」
蓋を開ければこう、動かざるを得ないという。
何故かシレっと日間ランキングに入ってました。よりによってまえがきアイスなんですけど、誰か代わりにライナーの役引き受けてくれる方いらっしゃいませんか??? ありがとうございます。
いつも感想や誤字報告、ここすき等ありがとうございます。励みになっています。
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────無理やり膝に乗せられて借りてきた猫状態のラクス。