次の巻も楽しみ過ぎる!
因みにへなちょこ血界の眷属がライブラに大人しくするんで狙わないでくださいって土下座したり、スティーブンの威圧にビビッてレオに助けを求めたり、ザップに身代わりにされてボロボロになる話とか誰か書きませんか? 自分は読みたいです。
レイに呼び止められ、入れ替わるようにミネルバへと戻り補給を済ませたシンは再びデスティニーへ乗り込んだ。
一度戦場から離れたが、冷静になったはずの頭で考えなおす。
フリーダムは敵であり、自分はジブリールを捕まえるためにオーブへ来たのだ。悪いのはロゴス、そして匿っているオーブ。
「割り切るんだ…………迷えば死ぬ」
いつかハイネがアスラへと言っていた言葉。言い聞かせるように呟き、レバーを押し込む。
「シン・アスカ、デスティニー! 行きます!」
光る翼を広げ、決意を胸に空へ舞う。
『やめろシン!』
だというのに、運命はたやすく人を翻弄する。
フリーダムと並ぶ伝説の機体ジャスティス。
レイやシンだけでなく、ミネルバで確認したタリアもそう判断した飛行ユニットを背負う赤紫の機体。
シールドを押し付けられたデスティニーのモニターには知った顔が映る。
「⁉」
声にもならない吸い込んだ息が音しか出ない。自分が貫いたはずの相手が、叫んでいる。
『お前がオーブを討ってはダメだ!』
「なにをっ⁉」
アスランはケガで、シンは心が揺らいで、本来の実力を発揮できないままに戦闘を続ける。だとしても並のパイロットが10、エースと呼ばれる相手が100ならば、ここにいる4人は1000と評価しても誇張ではない。例え不調で半減したとしても、エースを超える実力を持っているパイロットばかり。
そんな戦場に入り込むことができるのは、
「おいおい、元気そうじゃねぇかよフリーダム‼ アスラン!」
タリアからの要請に駆け付けたのはオレンジ色のデスティニー、エースである赤服のさらに上澄みであるFAITHの資格を持つ男である。
「ハイネ⁉」
フラッシュエッジを両手に構えて振り切るハイネ、シンとアスランの間にできた空間に割り込みシールドを構える。
「シン! 思うことはあるだろうがな、ここは戦場だ……………割り切れ、とはいえ無理なもんもあるよな」
「……………っ!」
たいていの相手ならば言い返せるシンだが、ミネルバで頼りになる兄貴分が相手に図星を突かれては黙るしかない。普段の生意気さが欠片もなく、押し黙るシンを見てハイネは周りにも聞こえるよう大声を張り上げた。
「なら先に全て聞いとけ! なぁ、フリーダムにアスランがいるなら…………アイツも生きてんだろ」
ハッと目を見開く。
「………………………………あぁ」
嚙みしめるように肯定するアスラン。その答えにシンは肩の力が抜け、レイは操縦桿を握りなおし、ハイネは笑った。
「なら来るんだろ? フリーダムだけじゃなく、ジャスティスなんてもんまで持ってきやがったんだ。あの金ピカみたいな隠し玉と一緒によォ‼」
武器を構えず叫ぶハイネ。生きていてバックもデカい、ならば目の前の2機と遜色ない奴が来るはずだ。そう確信している熱が込められていた叫びにアスランも黙り込む。
アスランはオーブたどり着いた後、治療の為に大半を睡眠に費やしていた。そのためモルゲンレーテで調整されていた機体の事を知らない。
だけど知っている。
バカの異名を、敵として、味方として。ナチュラルの中でも突出し、コーディネイターへ恐怖を植え付けた名を、
ゆっくりと開かれていくアークエンジェルのカタパルト、誰が出てくるかなど見なくても分かる。
「…………自分の眼で確認して見ろ」
地下の陰に覆われてきた機体が日に照らされていく。
『敵は三機! キラとアスランが抑えてるわ‼』
「了解、こっちの数も揃ってちょうどいいか」
ミリアリアからの情報に覚えのある気配、照らし合わせればきっとミネルバに残っているあの3人なのだろうとあたりをつけてレバーを握りしめた。
『進路クリア! 発進どうぞ!』
「ユウキ・イチノセ、バエル・ゼブブ出撃する!」
天使から飛び出すは白き翼を広げる悪魔。
フリーダム、ジャスティスと驚かされてきたザフトだが、ここにきて1番の隠し玉に思わず侵攻の動きが止まる。
「し、白い悪魔…………」
ミネルバのブリッジで悲鳴を抑えながらその名を口にするアーサー。むしろ口に出せた方がすごいのか、誰もが手を動かせなかった。
「ユウキさんが…………白い悪魔…………」
アークエンジェルにいるメイリンすらもあっけに取られ動けない中、実際に向かい合うパイロットたちはというと、
「…………確かに、とんでもねぇ隠し玉だな」
冷汗を流しながらも、噂に聞く強敵を前に意識を引き締めるハイネ。
「白い悪魔…………ラウと戦い続けた相手…………………最後には勝ったと聞いていたが」
自分の大事な家族との因縁の相手、複雑な心境だがどちらかというとフリーダムへの恨みの方が大きいレイ。
そして、
頼りない国から家族を守ってくれた、あんな風に誰かを守りたいと憧れてた、実の兄のように慕っていた、自分の手で討ってしまった。
そんな相手が今、目の前で、生まれ育って国を守ろうとたちふさがっテイル。
オレハ、
「おれは…………」
なんでこんなこと「シン!」
「ハイ、ネ」
「こいつは俺が貰うぞ! いいな!」
聞きはしたが了承こそ曖昧に駆け出していくハイネ。デスティニーの輝く翼をはためかせバエルへと突撃していく。
「……っ全員惚けてないで! 目標アークエンジェル!」
「え、あ、あはいっ!」
ミネルバもまた、衝撃こそあったが予測していたが故に早々に我に返ったタリアの指示で動き出す。
「お前の相手は俺だフリーダム」
ハイネが動き出したことを皮切りにレイもまた、フリーダムへと向かう。
「この機体…………!」
過去の記憶と重なる機体、違うと分かっているのにどこか動きにも面影があることに戸惑いながらもキラはレジェンドを迎え撃つ。
各地で戦闘が始まるなか、静かに動きがないかとデスティニーを見つめるアスラン。境遇は聞いている、だからといって正体を伝えるわけにもいかず黙っていたのは悪いとは思っている。
とはいえ、この状況でシンがどう動くのかアスランは測りかねていた。
何事もなく帰って欲しい、と心の奥底から祈っているがはたして──────
シンの頭はこれ以上ないほどに混乱していた。
元々それほど戦うのに向いていない性根であり、戦う理由自体も誰かを守りたいというごく普通の理由である。大半のコーディネイターにあるナチュラルを見下すという思想もなく、これといった遺伝子調整もなく、たまたま磨かれてきた才能が開花しただけの少年、それがシン・アスカである。
パンクしそうなほどに流し込まれた情報を整理しようにも、凝り固まった頭が正常に動くわけもなく、視界に映るものや手足すらも自分の物とは思えないほどに意識が遠のいていく。
目をつむろうにも兵士として訓練された本能がジャスティスとバエルから眼を離さず、脳へと敵の情報を送り続ける。
紐づき思い起こされてあふれ出る記憶に埋もれていき、限界を超えた時何かがはじけた。
「? ……………シン? おいシン!」
どこか雰囲気が変わり、動き出したデスティニー。迷いなく命を取ろうと武器を奮うデスティニーの攻撃を受け止めながら呼びかけるも返事はなく、ただひたすらに目の前の敵を排除しようと動き続ける。
「シン! もうやめろ!」
「…………」
アスランの声に言い返すどころか聞こえてないほどにかけらも反応がない。コクピットの中で、光のない瞳のまま静かにデスティニーを操縦するだけのパーツとなったシンは、ジャスティスの動きを的確に読み攻撃していく。
「この、分からずやが‼」
言葉で止まることがない、そう判断したアスランもまた全力で止めようと迎え撃つ。
フリーダム対レジェンド、バエル対デスティニー、ジャスティス対デスティニー。かつての伝説の機体と最新鋭の機体、オーブの空を3対3のモビルスーツが火花を散らし合う。
ついに登場新型バエル! 戦闘はまた次回です。
シンちゃん嫌いではないんです、本当です信じてください。ただちょっと立ち位置があれなだけで、最後はきっと幸せ(プロット確認)…………にはなるのでどうか、ここはひとつ。
いつも感想や誤字報告、ここすき等ありがとうございます。励みになっています。
やっと来たねカガリ! これでぼくはお暇…………ねぇなんで肩を掴むの? なんで持ち抱えるの? もう仕事したし充分だろォ⁉
────ジブリール探しの指揮を取ることになったユウナ