スーパーコーディネーターの悪友   作:アオノクロ

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 バエルとかバアルの違いを知ってる方が多いですね。知らない方に違いをざっくり言うとバアル・ゼブル(すっごい王)と、バエル・ゼブブ(蠅の王)です。元々バアルだったのがお前んとこの神様しょうもねー蠅の王じゃんw って移住民に呼ばれました。その先いろいろあってアグニカ・カイエルの魂とか子育て番長の悪魔に分離していきます。要するに元ネタの元ネタはゼウス的なポジションの神様です。気になった方は調べてみてください、けっこうおもしろいです。信仰はオンリーワンの宗教昔からやらかしてんなぁって歴史の勉強になります。

 ではなぜバエル・ゼブブ(蔑称)にしたかと言うと、まず新機能的にバエルのままにしたかったから。そして蔑称で呼ばれるのが白い悪魔(ザフトからの蔑称)と一緒だなぁと思ったからです。名前を付ける時、アサギたちは止めましたがユウキとアズラエルがこっちの方がらしい、と通しました。まぁ基本はバエルって呼ばれるので本編ではほぼ出てこない裏設定なもんです。


見えない光

「オラよっ!」

 

 叫びながらビームライフルの引き金を弾くハイネ。システムのロックオンだけでなく、パイロット自身の誘導を交えた攻撃をバエルは軽やかに躱す。

 

 お返しとばかりに相手のビームライフルも瞬くが、明らかに自身の動きを先読みして置かれる攻撃にシールドで防ぐしかない。

 

「へっ、前から思ってたけどよ、やっぱり手ェ抜いてたな⁉」

 

 高エネルギー砲の一撃を陰に、アロンダイトをかざして接近するハイネ。バエルの頭上を取り振り下ろそうとした時、

 

「はぁっ⁉」

 

 バエルの姿が消えた。

 

 慌てて周囲を見渡すも姿はなく、もしやミネルバの方へ? と思った瞬間アラートが鳴った。

 

「なんだとっ⁉」

 

 反射的に振り返ろうとした操作を途中でやめ、飛び上がるように移動する。

 

「…………なんだぁそりゃ」

 

 左腕をなくしたデスティニーの中でモニターを確認するハイネ。そこには何も映っていない、いやよく見れば景色がモビルスーツの形に歪んでいる。ミラージュコロイドかと思ったが、センサーには反応がある。

 

「よく分かんねぇけどよ、見えねぇだけでセンサーに反応はしてんのか…………どういうことだよ」

 

 口にしておいて訳が分かんねぇとぼやくハイネ。答え合わせのつもりなのか色を取り戻し姿を現すバエル。

 

 先に答えだけを言っておくと、ハイネの予想は正解である。

 

 ならばなぜ戸惑っているのかというと、C.E.にはミラージュコロイドという光学迷彩の完成系ともいえるシステムがあるからだ。その圧倒的なまでの性能は、技術革新が著しいC.E.でも禁止されるほど。数年経とうが発覚する術はない。アルテミス要塞のように物理的に通り抜けられないようにするか、解除しなければいけないほどの攻撃網を用意するしかない。

 

 つまりモニターには映らないが、センサーに反応するということは、バエルに搭載されているもののはミラージュコロイドではない。条約があるから、といえば正しそうに聞こえるが、国の防衛にそんなものを気にしていてはC.E.で生きていけない。ハイネ自身も政治家ではなく、パイロットであるためその点に文句を言う事もない。というか乗っているデスティニーにはNJCとミラージュコロイドが両方使われているため、文句を言いあえば普通に負ける。

 

 ハイネが気になっているのは、絶対的なステルス機能が存在しているというのに、それの劣化版をつかっているということだ。

 

 ハイネが思考を巡らせている間にバエルは金色の剣を両手に構え、切りかかってきた。アロンダイトで受けとめるが、やはり片腕がない影響か押しきられてしまう。

 

「…………お前さては性格悪いな?」

 

 態勢を整え反撃しようとしたハイネのモニターには、バエル姿はない。

 

 アラートが聞こえた瞬間、反射的に機体を動かし斬撃を避けるも、背中のウイングから腰へと伸びてきた銃口がデスティニーを捉えた。

 

「ぐっ! ビームだったらヤバかったが、その程度でこのハイネ・ヴェステンフルスをやれると思うなよ!」

 

 VPS装甲であっても衝撃全てを受け止めることはできない。揺れるコクピットで頭を打つも、闘志は消えることなく歯をむき出しにバエルへと向かっていく。

 

「まぁ…………ハイネならそうするよな」

 

 バエルに乗っていたユウキもまた、歯を見せながら迎え撃つ。

 

 知らないものが見れば何も無い空間を攻撃し、謎の攻撃を受ける光の羽がはえたモビルスーツが見えただろう。

 

 

 

 

 

 

「…………ほう、フリーダムにジャスティス、そしてバエル。全員揃ったようだな…………ザフト側は今のエースたちか」

 

 建物の壁に寄りかかり手持ちの端末から戦場の様子を眺める清掃員の男。時折爆発と共に大地が揺れ、煙が上がり人々が逃げる中、まとめられた金髪が揺れながらサングラスを通して画面を見ている。

 

「彼らが出たのなら終わりだな…………とはいえ、この状況は」

「おいクワトロ! こんなところにいたのか‼」

 

 どうするべきか思案していたところに声がかかる。顔をあげれば同じ会社のまとめ役、立場もあってリーダーと呼ばれている男がいた。

 

「お前以外は全員揃ったんだ! さっさと逃げるぞ‼」

「自分が最後でしたか、それは申し訳ない」

 

 謝罪もそこそこに走り出すリーダーについていけば大型のバンに同僚たちが乗っているのが見えた。

 

「おせぇんだよクワトロ! 遅れて怪我したらどうしてくれんだ!」

「はやく乗らねぇと置いてっちまうぜ」

「それは勘弁していただきたい」

 

 窓からガヤガヤと叫ぶ同僚たちに頭を下げながら、開けられたスライドドアをくぐった。

 

 

 

「しっかし、どうなるんですかねぇ?」

「戦争だなんだ言っても俺たちには関係ねぇしなぁ」

 

 進んで行く車の中で好き勝手に話す同僚たち。以前までの自分なら死ぬわけがないと思い込んでいる傍観者きどり、などと思っただろう。

 

「トイレ掃除から町の瓦礫撤去になるだけさ、どっちにしろ戦争が終わらねぇとどうしようもねぇよ」

「違いねぇ」

「あーうちにもモビルスーツ使えるやつがいたらなぁ」

「そんな奴いたらモルゲンレーテにでも就職してんだろ、ぜってぇウチより給料いいしな」

「倍は貰ってんのか? なら是非とも酒をおごって欲しいもんだな」

 

 車内が笑い声で満たされる。

 

 誰しも戦争を真面目に受け取っていないわけではない、ただ結果としてどうなるのかを分かっているだけだ。たかだか清掃会社のいち社員、誰かの生き死に関わるわけでも、戦争を終わらせる力を持つわけでもない。ただ嵐のような存在を前にできることを受け入れ、気持ちの良い酔い方を求めるだけだ。

 

 仕事をさぼったり、愚痴を言いあいながらも給料が入ったと酒を飲み、身内に叱られたなどとくだらない事を言いあう環境をクワトロ・バジーナは気に入っていた。

 

 ふと何かが気になり、同僚から視線を外に向けた。

 

「…………リーダー、車を止めてください」

「ん? どうしたトイレか?」

「窓からしちまえよクワトロ」

 

 軽口を叩く仲間だが、窓の外に目を向けると真剣な口調で続ける。

 

「はやく、モビルスーツが落ちてきます」

「何ィ⁉」

 

 思いがけない言葉に社内にいた全員が窓の外を見るが、確かに片腕失ったムラサメがゆったりと振ってくる。あきらかに車の進行方向だと分かり慌ててブレーキが踏まれ、あちこちを握って耐える中、地上へ追ったムラサメの目前で車は止まった。

 

「…………おい、無事か」

「なんとか…………」

「うす……………………」

 

 運転していたリーダーの声に、普段の元気さが欠片もない返事が返される。だがほっと息をつく間もなく、扉が開けられ飛び出していく影があった。

 

「お、おいクワトロ⁉」

 

 振り返ることなくムラサメの元へ行き、コクピットを開けると頭を打ったのか、気絶していたパイロットを連れ出す。

 

「オーブ軍のパイロットか! アンタ大丈夫かよ!」

「ヘルメットはそのままに、できるだけ動かさないよう固定してください」

 

 後ろからついてきた仲間たちと共に丁寧にバンに乗せると、手際よく処置をしていく。

 

「とりあえずはこれで、あとは病院にでも運ばないとですね」

「お、おうそれはいいが」

 

 ケガ人を運ぶことに異論をはさむ者は誰もいない。リーダーの懸念はパイロットを寝かせたことによる車内に座る場所が減ったことだ。無理やり詰めてもいいのだが、ケガ人を寝かせるスペースを考えるとひとりは入らない。

 

「しゃあねぇ俺が「リーダー、先に行ってください」クワトロ!」

「大丈夫です」

 

 普段の飄々とした態度のまま言い切った相手を見ると、リーダーは悔し気に顔をしかめて車に乗り込む。

 

「おい! 来週は飲み会あんだからな! ぜってぇ来いよ!」

「そうだそうだ! お前だけ逃げるなんてゆるさねぇぞ!」

「先に建て替えてんだから金払えよ!」

 

 口々に文句を言いながらも走っていく同僚たちを笑顔で見送る。

 

「まったく、こんなこと以前の自分に言っても信じなかっただろうな」

 

 自嘲気味に笑いながらも片腕をなくしたムラサメに乗り込み、システムを起動する。

 

「バッテリーはある、機能も生きているか……いい機体だな」

 

 手探りながらも順当に機体の状態を確認すると、意気込むように袖をまくり操縦桿を握りしめた。

 

「ふふ、リーダーの昇進祝いがあるのでな。中止させるわけにはいかんのだよ」

 

 少しふらつきながらも空へ舞い上がると、レーダーを確認し、モビルスーツの影を捉えると武装を構える。 視線の先には迫りくるグフをはじめとする、防衛網を突破したのであろうザフトのモビルスーツたち。

 

「見せてもらおうか、ギルバートが統治するザフトの実力とやらを」

 

 圧倒的な数を前に笑いながら突き進む。

 

 

 

 戦闘終了後、ザフトが後退するまでの間、配置した覚えのないムラサメがたった一機で本土を防衛していたと軍内部で話題になったが、正体は一部のみにしか伝わらなかった。




 バエルはですね、透明になることができる悪魔です。機体の色を変えることができるVPS装甲をその場で弄って保護色にします。ただミラコラではないのでセンサーの反応はあるという、ふざけてますね。こういう点からも実はバエル・クラウンとかにしようかなーとか考えてました。あとは基本性能があがっただけですね。

 はい、皆さんお待ちかねのクルーゼです。一般清掃会社で日々働いてます。主に会社や会場施設の清掃をしてます。作中にもあった通り、ブレイク・ザ・ワールドの時は土砂の清掃も国から依頼されてやってました。割と給料良くて残業代もでるけど体力仕事で残業もそこそこある感じです。よく飲み会をしてて参加はすごく適当ですが、結構な頻度でクル、クワトロ・バジーナは参加しているそうです。あと長男のいないイチノセ家にもたまにお呼ばれしてます。たぶん今作で1番幸せに生きてる。

 寿命は普通に専門の定期健診がありますが、今のところは薬のみで対処。

 いつも感想や誤字報告、ここすき等ありがとうございます。励みになっています。


 うーん確かに人より寿命は短いかも、という結果は出てますが健康体ではあるんですよね。やっぱりよく笑ってるのがいいんじゃないですか?
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