そういえば運命を書き終えた後のSEED Freedom編についてですが、どうせ原作確認するなら日時をあわせて皆さんと同時視聴できたらなーとか思ってます。配信枠設けて今作の質疑応答とか、ガンダム話とかしてみたいですね。とはいえ予定なので未定です。
「あの子も思い切った行動をしたね」
「大丈夫なのかしら」
「ニコルがいるからな、何かあれば対応してくれるだろう」
「あの、ニコルさんって?」
「わたし達のお友達ですわ」
月面都市コペルニクス、無事宇宙へとあがってきたアークエンジェル、パイロットたちは気晴らしを兼ねての買い出しに来ていた。
食料品などを買う傍ら、私物の買い物をしていいと服屋などによってショッピングを楽しんでいる。
フレイ、メイリン、ラクスがお互いに服を選んでいる最中、キラとアスランは店の外で待機している。あくまで護衛のためであり、女子の長い買い物に巻き込まれたくないという理由ではない。
「何してんだほまえら」
そこへ何かを食べながらノコノコと歩いてきたユウキ、必要な買い出しを終えてすぐに姿をくらませていた。持っていた買い物袋には謎のパーティーグッズなどが入っている。
「どこいってたのさ」
「んぐっ、良い匂いがしたから」
「せめてひと言残してからにしろ」
普段なら既に殴り合いに発展しているが、護衛という役割を忘れていないため大人しくしている。様に見えて足元はお互い蹴りあっていた。何をしているのかと通りがかった人やモール内の反対側からも見られているが、気にすることなく続けている。
「あ、ユウキさん!」
そんなバカな争いを繰り広げている男子たちの元に、最近スルースキルが身につき始めているメイリンが近づいた。
「ユウキさんはどっちが似合うと思います?」
手に持っていた2着の服を自分へ交互に当てながら笑顔で聞くが、困ったように首を捻るユウキ。
「そういうのはよく分かんねぇからフレイかラクスに聞いた方が」
「もぅ! こういうのは男の人の意見だって欲しいんですよ!」
実際ユウキの服の感性は着れたらいい、程度のそこら辺の男子と変わらない。なのでそんな自分よりも詳しい女性陣に聞けばいい、という意見は呆気なく止められた。
ならと思い残っている男子を見るが、
「……………………はぁ仕方ねぇか」
「ちょっと」
「おい待て」
ため息をつれた2人は納得できないとユウキへ詰め寄る。
「センスない奴らが集まってどうした」
「言ったね? 年がら年中同じ服着まわしてるクセに」
「制服も着崩しているヤツが何を言っている」
何故かファッションセンスを比べ始めた男子を他所に、フレイはキラを通じて仲良くなったメイリンとこそこそ話していた。
「ね、あのバカのどこがいいの?」
「う~ん、ほら一緒にいて楽しいですし? 」
「メイリンちょっといいか!」
「あ、は~い」
ユウキに呼ばれて服の説明を始めたメイリン、フレイは物好きなものね、と気軽に考えながら隣で沈んだ表情の友人に声をかけた。
「…………いいの?」
「……………………止める権利など私にはありません」
気軽に話しかけに行くメイリンを少し羨ましいと見ていたラクス、ただユウキが服に興味がないのは分かっているため行かなかった。と、自分に言い聞かせている。
分からないなりに服を選び始めたユウキだが、隣で笑いながら指摘しているメイリンとラクスの眼があった。視線の先にいるユウキとラクスを見比べて考えると、何かに気が付いたのかわざとらしくユウキの腕をとって抱きしめた。ユウキは気にしていないが、メイリンはしっかりとこちらを見ている。
「…………少し行ってきます」
変装こそしているが、謎のオーラを放ちながら進んで行くラクスを店員や他の客が見つめており、メイリンと間に挟まれるユウキを見て納得したのか、どこか微笑ましい空気が流れた。
途中ユウキからの不意打ちを喰らったメイリンが慌てたり、万引き犯を見つけて取り押さえたりと、騒がしくも楽しいひと時を過ごした時、震えた携帯端末を見ていたユウキたちの元へ手紙を咥えた真っ赤なハロが5人の前に現れた。
真剣な表情で話し出すとふと視線を逸らすユウキ、その先には物陰から覗いてくる人影があった。
「ラクス様が…………?」
「えぇ、お近くにいるみたいです」
SNSで動画を公開して以来、安全の為に大人しくしてほしいと言われたミーア。警護の数が増え、息苦しさを感じるようになったが仕方ないと割り切っていた。
そんなある日、忙しいニコルの変わりに身の回りのサポートをするようになったサラ、という女性から聞かされた衝撃の情報。
「…………いいですか、ここだけの話アナタは命を狙われています」
「‼」
周りにいる黒服の警護にも聞こえないよう、密かな声で耳打ちされたサラの言葉に目を見開くミーア。ぎりぎり表情に出ないよう努めるが、心臓の鼓動は早くなった。
「ですので、ラクス様と連絡をとり助けを求めるのです」
本物に成り代わろうとラクスを呼び出し暗殺を企んだ、という名目でミーアの命を狙うものたちの眼を誤魔化し、その間に本物のラクスと脱出する。
という打ち立てられたストーリーを怪しい、とは思ったが、それ以上に命を狙われる恐怖がミーアの心を埋め尽くした。
「これを、ラクス様に向けて引き金を弾いてください。あなた方を逃す合図の発信になります。あぁもちろん」
弾は入っていないのでご安心を、そう伝えたサラの口が弧を描くが、白い顔で銃を見つめるミーアの眼に映ることはなかった。
真っ赤なハロに張り付けられた紙にはhelp! の文字と安易な地図。キラたちがたどり着いたその先は、壊れたコロッセオをモデルとしたステージ。中央には不安げなミーアが辺りを落ち着きなく見渡していた。
舞台側の柱の陰に隠れながら進んで行く5つの人影、その中でひとり、女性らしき影はフードを被っている。
「ミーア」
「! アスラン!」
この中で顔を見てしゃべったことのあるアスランが陰から声をかけると、嬉しそうに走り寄ろうとして、
「止まれ」
「え、」
銃口を向けられ足が止まるミーア。思ってもいない行動に、言葉を頭が理解するよりも早く身体が固まった。
「…………ミーア、悪いが俺たちは「大丈夫です」…………」
真剣な表情でミーア、そして周りを警戒するアスランを諫める声。
フードを被ったまま立ち上がる女性、フードからはピンク色の髪が見えている。
「ラクス様⁉」
「はい、初めましてですねミーアさん」
本当に会えるとは、本物、作戦が、といういろいろな思考が頭を駆け巡るが、何か行動するよりも早くラクスが声をかける。
「大丈夫です。アナタの声は届きました」
感情が目から溢れた。
ポロポロと頬を伝う雫が服を、手を濡らしていく。濡れていく手を伝っていく雫がカバンのあるものに触れた時、思い出したかのようにそれを手に取った。
「ミーア‼」
叫ぶアスランだが、ミーアの手は震えることなくしっかりと前を捉えていた。
「わ、私は! あたしは‼」
ゆっくりと握りしめられる引き金、いやらしく口元を歪めるサラ、敵意を感じず相手の事を分かっているが故に行動を起こせないアスラン。誰もがどう動けばいいのかと悩んだとき、
「キラ」
銃の引き金が引き絞られ、銃口が光るよりも早く、フードを被った少女を陰から飛び出したキラが抱きしめながら押し倒した。
つい直前まで少女がいた背後の壁に乾いた音と同時に穴があく。
「え」
何が起こったのか分からず呆けたミーアを置いて、ステージを囲む客席のあちこちから黒服の男たちが立ち上がり、アスランたちへ向けて銃を乱射する。
「────⁉」
甲高い悲鳴をあげながらしゃがみ込むミーアを飛び出したアスランが影へと引っ張りこむが、キラたちへ向けて止むことのない銃弾が襲いかかる。
「くっ、ユウキ!」
反撃の隙が無いと判断したアスランが叫ぶと、突如黒服の男が倒れた。
「何っ⁉」
「どこからだ!」
反撃の隙はなかったというのに倒れた仲間を見て動揺した隙を、アスランが見逃すわけもなく。
「ぐあっ!」
「がっ」
次々と倒れていく黒服に慌てて飛び出したサラもまた銃弾を受けて倒れた。
「…………終わったようだな、みんな無事か」
「えぇ」
「アークエンジェルからムウさんが来るそうです」
アスランが呼びかけると返ってきた返事を確認し、キラとフードから顔が出たフレイの様子を確認する。
「フレイ大丈夫⁉ ケガはない⁉」
「大丈夫よ……ちゃんと守ってくれたじゃない」
フードの裾からズレたウィッグが落ち、地毛の赤色が露になった。
「え、え、ラクス様?」
別人が現れたことに取り乱すミーアの肩にそっと手を乗せる紅髪の少女は、自分の頭に手を添えてウィッグを外す。
「え、あ」
「はい、ラクスは私です」
イタズラが成功したかのように満足げな顔で笑うラクスを見て、ミーアはニコルの言葉を思い出していた。
「あの方はお嬢様暮らしが長かったせいか、少し子供じみた遊びが好きなんです」
自分の知らない、ずっと憧れた存在を前に、ミーアは出会えた嬉しさで涙を流した。
「あ、あたし、ごめ」
「大丈夫です、ちゃんと分かってますから」
慰めるようにラクスが抱きしめると、 ますます涙が零れていく。
周囲を警戒していたアスランもホッとした息を吐き、ムウの迎えが空に見えた時、血で浸されたサラの手が動いた。
議長からすれば本人やれれば良し、ミーアでも世間へのラクスへの印象を下げるきっかけになれば良し、どっちに転んでも美味しいな、ヨシ! という感じ。というか改めて見直してもガバガバすぎるぞ議長。
因みにファッション勝負はメイリンやラクスにアドバイスを貰ったユウキの反則負けで決着しました。
いつも感想や誤字報告、ここすき等ありがとうございます。励みになっています。
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────何故か口数の少ないバカ