中継コロニーを目指して突き進むキラとアスラン、その2人に近づく白色のグフと黒色のザクがいた。
「何をしている貴様らァ‼」
「イザーク!?」
「よっ、元気そうだな」
「ディアッカも!」
聞こえてきた声は聞き覚えのある友人の姿、第一声が怒鳴り声であることに安心感があるほど付き合いの深い仲間。
「ふん、あれを壊すんだろさっさと行け!」
「…………いいのか?」
「議長には恩がある…………だがお前たちがバカではない事くらい分かっている」
誰かが聞けばツンデレだと言いそうな態度に、戦場にも拘らず思わず笑みがこぼれる。
「何を笑っている! さっさと行くぞ‼」
突如現れてそのまま仕切りだしたイザークに何の文句が出ることもなく、従う3人。知った顔である白服の声に戸惑い、その隙に手足を撃ち抜かれていくザクやグフを超えて4人は中継コロニーへと向かっていった。
「増援! ミネルバです!」
「…………来たわね、アカツキの出撃を!」
4人の後ろをついていくアークエンジェルとエターナル。盾になるよう前面に出ていたアークエンジェルのモニターに映るのは因縁の相手とも言えるようになったミネルバの姿。
同じ女性の艦長として、戦う中でできた繋がりを感じながらもマリューは最大限の警戒を持って指示を飛ばした。
「アークエンジェルの陰に潜り込む! タンホイザー起動!」
「モビルスーツ発進! オーブの時にいた機体です!」
「ルナマリアを出撃させて…………攻撃用意!」
アカツキの姿を見て同じくインパルスの出撃、そして攻撃の準備を命じるタリア。お互いに移動しつつ、攻撃のタイミングを探り合い──────
「「撃ェー‼」」
アークエンジェルとミネルバのありとあらゆる火器が火花を散らす。迫りくるミサイルを撃ち落とし、メインである大型ビームを撃ち合いモビルスーツ同士では耐えられない防御力を持って行う艦砲戦。
ブリッジで被弾の際に生じる衝撃に耐えながらも相手の一手を見定めつつ、次の攻撃の準備をする。次弾を装填する合間を狙いザクがアークエンジェルへと向かってくるが、
「近づかせねぇよ!」
天使の守護を担うのはオーブで生まれた金色の装甲を持つアカツキ。ムウの持つ空間認識能力によって宙を駆け巡るドラグーンによって撃墜されていく。
「複数で取り掛かれ!」
「んなっ、ビームを跳ね返しただとっ⁉」
アカツキの強さを認識したのか、取り囲み同時にビームを受けるもアカツキのもつヤタノカガミ装甲によって跳ね返され落とされていった。
「シン…………」
ひっそりとエターナルに接近するのはルナマリアの乗るフォースインパルス。機動力こそあるが火力はそこまでのせいか、あまり重要視されていないエターナル向かうがコクピットに乗る彼女の顔色は良くない。
「これで、これでいいのよね…………」
妹を失いつつもザフトの軍人として戦い続けたルナマリア。レクイエムを破壊し、血色の悪いシンの事を気にかけ自身のメンタルも整ってきた矢先の出来事が多すぎた。
ニセモノのラクスの告白、議長によるDPの実行、自身が破壊したはずのレクイエムをザフトが再利用したこと。
相談しようにも多少回復したとはいえシンの調子が悪い事には変わりなく、普段おとなしいはずのレイの必死な形相に戸惑い話す時間をとれなかった。
FAITHとして仕事があるのは分かるが、それでもミネルバから離れる前にもう一度だけ話しておきたかった。
そんな感情の揺らぎを心の底に押しとどめ、プラントの重要人物であるラクスへと銃口を向ける。
『お姉ちゃん‼』
「‼ メイリン⁉」
突如割り込んできた通信、忘れることなどできない声は死んだと思った自身の妹のものであった。
『どっちのラクス様が本物でも、こんな事間違ってるなんて分かるでしょ⁉』
偽者として、本物として、覚悟を決めて活動してきたミーア。実際に何をしていたのかも、話す機会もあったメイリンからすれば、彼女の命を奪おうとするのなどおかしいとしか思えない。
『あの人だって! プラントのためにがんばってきたんだよ‼』
偽者なんて、と思っていたことは偽れない。しかし、内情を知ることができたメイリンは彼女を責めることなどできるわけもなく、彼らのように守りたいと思えている。
「う…………あ……………………」
妹が生きていた喜び、同時に悩んでいた現実を突き詰められルナマリアの心はもう引き金を弾くことができない。
幸か不幸かエターナルを護衛するドムからも見つかることはなく、ルナマリアは通り行くエターナルを見続けることしかできなかった。
「流石、やるわねアークエンジェル」
幾度にも重なる戦闘から彼女の高い技量を、恐らく世界で1番理解しているとタリアは自負している。そして理解しているからこそ、突き崩すべき隙も把握している。
「右から回り込んで! タンホイザー発射用意!」
普段なら焦ることなく避けられるはずの攻撃、だがアークエンジェルの後ろにはエターナルがいる。当然受けきれるわけもなく、かと言ってアークエンジェルなら平気というわけもなく。マリューの顔に冷汗が流れ落ち、充填が終わったタンホイザーが、
「撃てェー‼」
アークエンジェルのブリッジを掠めて通り過ぎていった。
「ぐあっ!」
「キャッ!」
「っ…………何があったの⁉」
かなりの衝撃がミネルバを揺らし、艦の一部が煙を出していた。持ち直したブリッジで状況確認をしていた時、真っ先に気が付いたアーサーが叫び声をあげた。
「か、艦長! 黒いアークエンジェルです!」
「なんですって‼」
タリアの向けた視線の先、そこにいたのはアークエンジェル級強襲機動特装艦・2番艦、ドミニオンがミネルバへとゴットフリートを構えていた。
『お久しぶりですマリュー艦長、遅くなって申し訳ありません』
「ナタル! いいえ、丁度いいタイミングだったわ。ありがとう」
紛れもない危機を助けてくれた旧友の登場、マリューだけでなくブリッジにいたミリアリアやアークエンジェルの前に割り込もうとしていたムウもほっと息を吐いた。
「遅れた分張り切らせていただきます、モビルスーツ隊出撃!」
ドミニオンから出撃していくウィンダム、そのうちの3機は通常とは違うストライカーパックを背負っていた。
「そうら滅殺!」
黒いエールにハンマーを装備した機体、
「はん、そんな攻撃」
モビルスーツの身の程もある盾でビームを捻じ曲げ、同士討ちをさせる機体、
「おらおらおら! 邪魔なんだよ!」
肩から覗く1対の巨大な砲口からビームを放つ機体。
「艦長! このままだと!」
「うろたえないで!」
取り乱すアーサーを叱責し、新たな相手を見定めながら指示を飛ばすタリアだが、冷静な脳内の計算ではこの勝負の行方は既に見えていた。
アークエンジェル級2艦を前にミネルバは奮闘したが、反撃のとっかかりもなくレクイエム中継コロニー、ステーション・ワンが破壊された報告を受け一度撤退した。
白いグフと黒いザクが護衛についた、ミーティアを装備したフリーダムとジャスティスによって真っ二つにされたステーション・ワン。争いが終わったことによる安堵の息が様々な場所で吐かれたが、
「…………まだだ」
「終わってないだろうな」
アークエンジェルで待機していた2人は同時に同じ答えを出した。
「ステーション・ワンは破壊されたか……………………まぁそれも予想どおりだ。だが本体を破壊できねば意味はない、そうだろう?」
レクイエムを破壊しようと集うオーブ艦隊、その向こう側から謎の影がゆっくりと顔を出し始めていた。
デュランダルの顔に焦りはない。
ちょっとだけですけど活躍できてよかったドミニオン組。もちろんアズラエルの差し金ですが、過剰戦力ではありました。おかげでムウの見せ場なくなりましたけど。
初代3バカの機体考えてなくてですね、どーっすかなーと思ってたらウィンダムのオリジナルストライカーパック使いそうと感想にあったので参考にしました。基本あの3機の性能をもったストライカーパックをイメージしてもらえたら大丈夫です。ロボ系のイラスト書けたらイメージ図とか書きたいんですけどね、作者は絵が下手なものでして。誰か書いてくれたりしないかなーチラチラ
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中継コロニーが…………え、次は月へに向かえ?
────ザクに乗る一般ザフト兵士