重い展開が続くなと思いますが清涼剤である白仮面出てないのか、やっぱりギャグが必要なんですねわかります。
「目標レクイエム、射程範囲に入りました」
「よし、ローエングリン用意!」
月面ダイダロス基地のレクイエムの元へと集まっていたオーブ軍艦隊。目標であるレクイエムを確認すると、一斉に攻撃を開始した。デストロイのような防衛隊も確認できず、作戦は見事に完了したかと思われていたが、
「なんだと⁉」
突如レクイエムを覆う様に現れた光の壁、陽電子リフレクターによって全ての攻撃は遮られてしまった。とはいえそれで諦める理由になるわけもなく、追撃の準備をしていたのだが、
「エネルギー充填完了!」
「発射‼」
遠い向こうから迫りくる光、どういうものなのかと思考する暇もなく歴戦の軍人たちは動いた。
「回避ィー‼」
指示が飛ぶのとほぼ同時に動き出した部下のおかげか、全滅を免れたオーブ軍。被害状況を確認すると同時に攻撃してきた相手を見定めようとするが、
「か、艦長!」
索敵をしていた兵士の報告よりもはやく、モニターに映し出されていた月面を削り取るほどの威力を持つ兵器の名前が口に出た。
「ジェネシス……………………!」
ヤキン・ドゥーエの大戦において甚大な被害をもたらした元凶、レクイエムに並ぶ大量破壊兵器が再び姿を現した。その向こうには新たなる拠点、メサイアが姿を現していた。
メサイアの中枢部にて、用意した布陣に絶対的な自信をもってデュランダルは笑う。
「これで最後だラクス・クライン。キミの言う平和は私の計画には存在しない」
定められた幸福か、あがきもがきながらもつかみ取る平和か、未来を担う賽が今、投げられた。
「うーん、これはこれは」
頬杖をついて送られくる報告書と現場の映像を眺めるアズラエル。映画でも見ているのかと言えるほどに呑気な態度だが、周りでは新たな拠点の整理をしていたと思えば月面での戦闘と、処理の為に慌ただしく動き回っている部下たち。いつかにも見た光景である。
「どうかしたのか?」
もはや公然の秘密となっているウズミが声をかけると、身体を傾けて開けられた隙間からモニターを覗く。瞬時に状況を把握し、苦い顔でため息を吐いた。
「まったく、DPによる世界の判断もまだだというのに」
「だからこそ手段ですヨ。ま、焦り気味とは思いますけどネ」
早いのはいい事ですけド、と笑うアズラエルに何を呑気なとまたため息をつくウズミ。とはいえ周りからすれば雑談をしてる時点でアズラエルと同じようなものだと思われている。後に知ったウズミは渋い顔をしてアズラエルは笑った。
「彼らにも声をかけるのだろう」
「マァね、とはいえここまでだと難しい事はできないでしょうし、簡単な妨害程度ですかネ」
「だろうな」
「……………………意外ですネ、もっと望まれるかと思ってましたヨ」
ウズミの性格からして争いごとは極力避けるべきではある、がこの状態であればできること全てを使って援護してもおかしくはない。実際アズラエルはもっと手を貸そうと思えばできるうえで今回の判断をしている。そこそこの付き合いになるウズミが分からないわけもない。
「……………………既に種は蒔かれ、芽を出し始めている。ならば我々は、花が咲くように手を貸しながらも見守るべきだろう」
親として不甲斐ない姿しか見せられなかった。政治家として国を戦争に巻き込んでしまった。自分ひとりの責任、とは言わないが責は負うべきだ。進むべき若者たちの道を邪魔することなく面倒ごとを引き受けながら、大人として一歩引いた位置で見守るべきだとウズミは思っている。
「ま、概ね同意でス。ぼく等みたいなのが戦場にいても邪魔になるだけですしネ」
アズラエルもまた自身の能力に絶対的な自信を持ち、無能な軍人の変わりに前線に出るべきだと思っていた。
だが実際に前線に出て、指揮の乱れにつながる事を把握して身を引くようになった。むろん最前席で鑑賞したい、という思いもあるが現場へのサポートの楽しみ方を覚えたため引き下がるようになった。とはいえラクスが羨ましいかと聞かれれば羨ましい。世界の転換を、人の可能性をその場で見られるのだから。
「ならやるべきことは簡単、勝った後の後始末をどうするかでス」
「…………負けた時、などは考えないのだな」
むろんそんなことは欠片も思っていないが、目の前でお気楽に言われると苦言を呈さなければいけないという思いがウズミから出た。
「アッハッハッハ! 当然ですよソンナの、戦場は負けたら死ぬんでス」
大声で笑う上司を部下は気にとめることなく、走りまわり怒鳴りあう。仕事をしてほしい、とは思うがあれもまた仕事なのだと分かっている。
「死ぬことを前提に考えるなんてバカなことするわけがないでしょウ」
ある艦長さんからの受け入りなんですけどネ? と片目をつむるアズラエルを鼻で笑い、ウズミもまた動き出した。
「レクイエムの防御兵器にジェネシス…………」
『敵の狙いはこっちだったか』
『中継コロニーにいた防衛部隊も集結しています』
ステーション・ワンを破壊できたアークエンジェル、エターナル、ドミニオンの艦長たちが船を進めながらも額を突き合わせてこれからの事を話し合う。幸いだったのはステーション・ワンを囮にして手薄だったせいか、それほど補給なども必要なく連戦できるということだろう。エネルギー補給の必要な機体は一度帰還したが、NJCによって稼働できるフリーダムとジャスティスはミーティアを装備したまま拠点であるメサイアへと向かっていった。
「オーブ軍とも合流しましょう。我々が前に」
『援護する』
『遊撃にまわります』
簡易的な言葉のみで通信を切り、与えられた役目を全うする。適性などではなく、誰が向いているのか現状でのベストを判断した歴戦の経験から基づいた結果である。
「被害状況は」
『第2、第3ブロックが被害を受けましたが無事です』
「ならいいわ。本艦はこれより、メサイアの防衛任務へあたる!」
ミネルバもまた友軍と共に与えられた任務を果たすためにと向かっている。だが同時に、役割はあの船を抑えることになるのだろうと確信していた。
「シン、俺たちにも出撃命令が下された」
「──────ん、あぁ」
待機室で天井を見上げていたシンだが、レイに呼ばれて振り向く。どこか表情が明るくなったような気がするが、何かいいことでもあったのだろうとデスティニーの元へと向かう。レイにとっての良い事、おいしいものでも食べたのだろうか例えばケーキとかケーk
『はい、マユでーす!』
「あ」
何故忘れていたのだろう。以前ルナマリアにも言われたというのに、マユへの連絡をしようとおもっていたのだ。だがすでにパイロットスーツに着替え、デスティニーへと搭乗している。
『どうかしたかシン』
「え、あ、いやちょっと………………忘れてて」
『……………ルナマリアなら無事だ、ミネルバもな』
「そっか…………あ、いやそれもだけど、その」
レイの言葉にほっと息を吐くが、確認したかったのはそこではないと首を振る。
「マユの事だよ。連絡しようと思ってて、前にも電話かけたけど繋がらなかったから」
兄としての心配が現れている声、酷い兄だと自虐していたがレイとしてはそんなことは欠片も思っていない。
「お兄ちゃんにはこのこと秘密にしておいてください」
そう覚悟を決めた彼女の意思をレイは、
「彼女なら……………………安全だ」
「そう、なのか? まぁレイがいうならそうか」
命が短い自分が目指すのは、ギルの望む世界。そこではきっと、親友と妹も笑顔で暮らせるだろう。そのためにいま、命を使うのだ。大事な家族のように愛おしい、自分のような存在もエクステンデットの少女にも気に掛ける優しい友人の為に戦うのだと。
「そうだ…………」
デュランダルが為政者としてラクスの存在を邪魔と思う様に、クローンとして生まれたレイもまた人間らしい感情が存在している。
「ギルのため、ラウとして!」
『デスティニー、レジェンド、発進どうぞ!』
管制官の言葉を合図にメサイアを守るための剣が戦場へと飛び出す。
「レイ・ザ・バレル、レジェンド出撃する!」
「シン・アスカ、デスティニー行きます!」
2機が飛び立つその背後では、メサイアの陰に身を隠す巨大な影が潜んでいた。
「……………………おにいちゃん?」
ゆっくりと夢の世界に浸る少女の呟きを聞き取れたものは──────
ギャグ入んなかったぜ! あ、前回のおまけフレテキは別に誰とは決めてないです。外伝のネームドとも決めてないです。
いつも感想や誤字報告、ここすき等ありがとうございます。励みになっています。
ふむ……………………これはマズいな。
────やらかしの気配を感じた白仮面